例えば渋谷を闊歩する十代のアッパッパー系お姉ちゃん。
ケバい。
かなりケバい。
そのケバさが僕の琴線を激しく掻き鳴らす。
攻撃力100
守備力0
大抵このタイプは、マンコ方面に関してノーガードだろう。
確かに個人的には下北沢・高円寺系などのいわゆる『インド・アジア』な服装の女性も好きだ。けれど、僕はどうしてもそういった女性の背後に「守り」みたいなものを感じてしまう。
ナチュラルメイク、黒髪、ロングスカートに文化系メガネ。
好きなんだ、確かに。
好きなんだけど、しかし。
髪をほぼ金に染め上げ、およそ肌には優しくないケミカルなコスメで己の素顔を五稜郭のように重麗に建築し、磯野ワカメを心からリスペクトしたみたいに狂った丈のミニスカを履いて街を闊歩するヤング。
「今が楽しければ、いーじゃん!」
総じてそのように語る彼女たちは、どこかしらロックだ。たとえ好きな音楽はオレンジレンジであろうとも、刹那を輝かんとする彼女たちにはロックの匂いを嗅ぐことができる。
ひたすらに享楽的で刹那的である彼女たちを、世の人たちは馬鹿にするかもしれない。後になって振り返った時、彼女たちに残るのは肌のシミと性病の知識だけかもしれない。
「それでも、いーじゃん!」
おそらく彼女たちはそう語る。
LIVE A LIFE(いまを生きる)。
彼女たちから語られるその言葉に将来の光は見えないけれど、打ち上げ花火のような眩さはひしひしと感じる。
昨日、中学の頃の同級生と久しぶりに飲んだ。かつて女子、男子と自意識の塊みたいな分類で互いを呼び合った僕らは、それなりに大人になっていた。
「楽しければ、いーじゃん!」
とシャウトして高校を中退し、髪を金に染め上げて遥か東京へとフライアウェイした河島さん。髪はまばゆく金髪で、当然男ともヤリヤリだった。
以前、風のウワサで「新宿でキャバクラ嬢をしている」とも聞いた。
「あいつ、しっかり『いま』を生きてんだな!」
僕は、遠くからこっそりと彼女のことを応援したものだった。
そんな彼女は現在、下関でケーキ屋の店員になっていた。
もの言わぬ彼女。
どういう経緯で夜の蝶から小麦粉とバターの世界にその身を移したのかは分からなかったけれど、給料の安さと仕事の激務を語る彼女は既に享楽的なマインドからは抜けだしたように感じられた。
「明日、休日出勤だから…」
世の中、楽しいだけではままならない部分もある。
盲目的に目の前にある楽しさだけに溺れられるのは青春時代の特権だ。
明日は休日出勤だから、と言って足早に居酒屋から帰って行った彼女の姿を見て、青春はもう遠い昔の出来事になってしまったのだと感じた。
花火は美しい。
けれど、夜空を飾るのはほんの一瞬のことで、美しくてにぎやかしい花火だからこそ、終わった後の夜空の暗さは際立ち、寂漠とした気持ちになるんだ。
(嗚呼、青春の日々よ)
心で呟いて、僕は焼酎で少しだけ口を湿らせ、去り行く河島さんの背中を見送った――
「あ、そう言えば」
そこで終われば月9のドラマである。
しかし、悲しいかな。
僕が生きているのはテレ東の深夜枠だから参る。
帰る足を止め、つかつかと僕の方に歩み寄る河島さん。
「あんたさぁー、中学の時手鏡使ってあたしのパンツ覗いたよね?!」
ゲェーー!この女、どうでもいいところで記憶力抜群やがな!
消してよ!記憶を!
かずい!マインドをアサシンしておくれ!
僕は叫んだ。心の中で。
いや、確かに覗いたけどさぁー。
「パンツ代、払ってよ!」
プレイか!アホ!
「パンツ代」、そんなアバンギャルドな呼称は初めて聞いたよこちとら。ワコールでやれ!
少しだけしんみりとしていた僕の精神は、己の植草ライクな過去によって一気にブレイクダウンした。あー、そう言えばよく覗いてたなぁー、この娘のツンパ……。
肉「お前のパンツ、白かったぜ……」
僕は目の前で怒る河島さんに向かって、レイモンド・チャンドラーの小説に出てくる登場人物のようにハードボイルドにキメてみた。
「やかましい!この変態が!」
無駄だった。
片手に握っていたのがとびきりドライなマティーニではなく、白波のお湯割り(7:3)だったのがマズかったのだろうか?
肉「やかましいのはこっちの台詞じゃボケ!パンツくらいでガタガタ抜かすなや!サービスしろアホ!」
「キイイイイ!!!」
シャウトが居酒屋を支配する。
この高揚感。
ああ、確かに僕らは「いま」を生きて、いる!
肉「俺たち、終わってなんかなかったな」
「ああ、まだビギンしたばっかりよ!」
かつて、俺の横で童貞を捨てたケンジが力強く頷く。
そういえば、こいつの真横でオナニーした夜も、あったっけな!
やはり、チンコによって結ばれた関係は強い。
僕は漠然とそんなことを思った。
しばらくして、僕はベロベロになった。
いつものことだ。
けれど、勢いでコチンを下関の夜に登場させなかったのは、ちょっとした成長かもね。
ケンジは、僕が誕生日プレゼントに贈与した3000円のユンケルを一息に飲み干すと、
「よっしゃ!今からヘルス行くでぇー!」
と力強く宣言し、夜の街に消えていった。
ベロベロの僕は足腰すら立たないのだから、チンコが立つわけもない。
誘いは丁重にお断りし、車で友人の家にナマモノ扱いで宅急便された。
「俺たち、もう終わったのかな?」
「まだ始まってもいねえよ」
キッズリターンの有名なセリフである。
僕はこの言葉の持つ説得力に深く首肯しつつ、静かに胃の中の焼酎をリバースした。
正しい生き方はどこにあるかは分かりません。
けれど楽しい生き方はどこかに確かに存在します。
皆さん、楽しく生きましょう。
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下関ヤバイ。
つかその女つえ--ww
そんな事忘れてぁげなさいょ…
この一文が限りなく興奮します
アーッ!
肉欲さんの恥ずかしい記憶全部消したら赤ちゃんまで退行するよw
メタルスライム見たいなもんです。
やっぱり肉さんだナァ☆
肉さんの過去はガチですごいwwww
そんなの肉欲さんじゃないですよ!
そういうとこ好きだけれどwwwwwwww
青い季節はまだまだ終わんねえよ…!
肉さんの過去をもっと知りたいわw
たぶん前科二桁は持ってるだろwww
ウヒヒ!
クスリもあるよ!肉欲企画。
を、なんとなく思い出した・・・
おやすみなさい。
連絡すればよかった・・・
ってやかましいわ!
仕事を意識して守りに入ったとき本当に大人になったっていえるのかも知れませんね。勉強になりました☆
どうしてこの一文から始まる文章が
こんなにも美しいのだろう。。。
守備力0のけばい女性が大好きだ。。