<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<rdf:RDF
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xmlns:admin="http://webns.net/mvcb/"
  xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
  xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
>

<channel rdf:about="http://2949.seesaa.net/">
<title>肉欲企画。</title>
<link>http://2949.seesaa.net/</link>
<description>公序良俗にはモリモリ違反しております。</description>
<dc:language>ja</dc:language>
<admin:generatorAgent rdf:resource="http://blog.seesaa.jp/" />
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/134729120.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/134092605.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/133213428.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC&amp;hid=35" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/131968827.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/130960013.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF&amp;hid=35" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/130883028.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/129820420.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/128801104.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/128838122.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/128621077.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/128132050.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/128026197.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/127360536.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/126457645.html" />
<rdf:li rdf:resource="http://2949.seesaa.net/article/125789282.html" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>

<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/134729120.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/134729120.html</link>
<title>Honesty is such a lonely word</title>
<description>身に起こる日常のことを綴るのは得意じゃないので、ついつい抽象的な話ばかりをブログに書いてしまうのですが、今日はちょっと普通の日記でも書いてみましょうか。</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-12-05T01:09:39+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
身に起こる日常のことを綴るのは得意じゃないので、ついつい抽象的な話ばかりをブログに書いてしまうのですが、今日はちょっと普通の日記でも書いてみましょうか。<br /><br /><br /><a name="more"></a>　<br /><br /><br />話は中世に遡る。<br /><br />とある人里はなれた山奥に、一人の若い男が住んでいた。<br /><br />彼は専ら木こりの業に就いて糊口をしのいでいたのであるが、伐採も搬出も商人との交渉も全て一人で請け負っていたため、自由になる時間というものをほとんど持てずに過ごしていた。<br /><br />若く、体力のある青年であった。<br />健やかであることは素晴らしいことだ。しかし、身体があまりに健全である場合、心ならずも性欲が暴発してしまうことがあるのだ。<br /><br />彼にしても、それは例外ではなかった。<br /><br />「……」<br /><br />草木も眠る丑三つ時、如何ともし難い身体の火照りが彼を包み込む。日中の激務で疲労困憊であるはずなのに、眠気は少しも訪れようとしない。その原因はハッキリしている。<br /><br />「畜生、ムラムラしやがるぜ」<br /><br />消せども消えぬ、肉欲の焔が。<br />彼の胸中で縦横無尽に暴れ狂っていた。<br /><br />カーテンの隙間から外を窺い見る。薄ぼんやりとした月光が辺り一帯を鈍く照らしていた。妖艶なまでに美しい、満月の夜だ。それは同時に、彼の性欲が最も昂ぶる夜でもあった。<br /><br />「木こりなんてやっていなけりゃ、今頃俺も……」<br /><br />不意に、呪詛めいたものが口を衝いて出た。<br />それは偽らざる彼の本音でもあった。<br /><br />父から受け継いだこの仕事が嫌いなわけではない。ただ、山奥に一人棲み、仕事に忙殺される日々にあって、彼は恋人を探す機会を完全に奪われていた。<br /><br />その結果として、一人己を慰めるしかない夜が続いたのだった。<br /><br />しかし、その行為のみで自らを満足させることは、およそ不可能だった。一人だけの夜をどうにか自慰で我慢しようにも、彼の健全な精神は、彼の健全な肉体は、それを拒んだのである。<br /><br />「……」<br /><br />耳が痛くなるような静寂がその場を支配する。<br />家を後にした彼の眼前には、さざ波一つない美しい湖が茫洋と在った。<br /><br />「じきに秋がくるな」<br /><br />頬を撫でるそよ風に、僅かばかりの冷気を感じる。季節は確実に移り変わり、今年もまた、古くて新しい秋を迎えるのだ。どれ一つとして同じでない、だけど強烈なほどに既視感のある、たった一度の秋を。<br /><br />着衣を脇に置くと大気の孕む冷気がありありと感じられた。<br /><br />あと何度、俺はこの行為を楽しめるのだろうか。<br />それが終わりを告げるまでに、俺とこの営みとの間には、秋風が立ってくれるのだろうか。<br /><br />苦笑いと共に下らない妄念を打ち消す。考えたところで、自分の心をコントロールする術が得られるわけでもない。俺にできるのは、この衝動にただ身を任せることだけだ。<br /><br />持参した誘魚剤を手に取ると、雄々しく隆起したイチモツへと丹念に塗り込んだ。然るべきのち、彼は身を横たえ、人外の異臭を放つ己がイチモツを、湖の中へと静かに投じた。<br /><br />「oh...」<br /><br />即座に、イチモツが悪戯な刺激を感じ取る。それでいい、そして、それがいい。彼は板張りになった船着場で腹ばいになりながら、ただ訪れる快楽を貪った。<br /><br />その湖には数多くの鯉が棲息していた。<br /><br />鯉は、その習性として、吸い込むように餌を摂取する生き物である。そのことに気がついた彼は、ある日、自らのイチモツを餌に見立てーー鯉を、吸い付かせたのだ。<br /><br />新世界がそこにあった。<br />要するに、一人でするのとは別次元の "味わい" が、湖には内包されていたのである。<br /><br />爾来彼は、身体の火照りを抑えきれなくなった時、湖に足を運ぶようになった。野生の鯉を、仮初の恋人に見立てながら。<br /><br />「今日は食いつきが悪いな……」<br /><br />しばらくしてから、名状し難い違和感が胸に湧き上がる。<br />普段であれば、誘魚剤を塗り込んだイチモツを投じるや否や、鯉がそこを目がけて殺到するのが常だった。しかし、今夜はどうにも様子が違う。一体どうしたことなのだろうか？訝しがりながら、魅惑のカーボンロッドを湖面から引き上げたーー瞬間のことだった。<br /><br />「嘘だろ……」<br /><br />己がイチモツの消失に、気が付いたのは。<br /><br />弾かれたように立ち上がり、慌てて股間をまさぐる。<br />あるべきものが、そこにない。<br />それは彼にとって、まさしく恐怖と呼ぶべき事態だった。<br /><br />米を食えば、米はなくなる。<br />木を切れば、木はなくなる。<br /><br />あらゆるものには、総じて、原因があって結果がある。<br /><br />（では、目の前にある消失を生み出した原因は、一体どこに……）<br /><br />途方に暮れかけた、その刹那。<br />眼前にある湖面が神々しい光を放ち始めた。<br />優しく温かみのあるその光は、しかし、彼の目にあまりに眩しい。彼はその光を正視すること能わず、ただ目を瞑ることしかできなかった。<br /><br /><br />人の子よ……<br /><br /><br />「え？」<br /><br />突然、不思議なトーンを携えた声が鼓膜を揺さぶる。<br />唐突に訪れる出来事の数々に、彼は平静を保つことができない。<br /><br /><br />人の子よ……<br /><br /><br />最前と同じ声がもう一度聞こえた。<br />彼は恐る恐るその目を開ける。<br />湖面からは、先程までの光は消え失せていた。<br /><br /><br />人の子よ……<br /><br /><br />それと引き換えに、湖の上には、女神という概念を正しく体現したような存在が、穏やかに鎮座ましましていた。<br /><br />「な……」<br /><br /><br />人の子よ……あなたが……<br /><br /><br />パニックに陥りそうな彼をよそに、女神はなおも言葉を紡ぐ。一体、あれは自分に何を伝えようとしているのか？あるいは、本当に女神なのだろうか？様々な想いが浮かんで消えるが、全ては言葉になろうとしない。<br /><br />風も冷気も、時間さえも消え去った空間の中で。<br />彼はただ、女神からの言葉を待った。<br /><br /><br />あなたが落としたチンポは……<br /><br />この金のチンポですか……<br /><br />それとも、この銀のチンポですか……<br /><br /><br />「oh...」<br /><br />見れば、確かに、女神の掌中には、張型のような風情になったチンポが、金銀それぞれの輝きを放ちながら、そこに在った。そして慣れ親しんだそのフォルムは、それが確かに自らのイチモツと同一性を有するものなのだと、強く主張していた。<br /><br />消失した、イチモツ。<br />そして現れた、神々しい二対のイチモツ。<br /><br />もしも "運命の瞬間" というものが存在するのであれば、それはきっと、いま、この時に向かって収斂しているのではないかーー彼は、漠然とそんなことを思った。<br /><br />金のイチモツ。<br />それを手にすることができれば、俺の人生は金色の輝きを見せてくれるのではないか。しみったれた現状を打破し、新たな出会いをもたらして、人並みかそれ以上の幸福を……俺に、与えてくれるだろう。<br /><br />銀のイチモツ。<br />それを手にすることができれば、俺の人生は凛々しい銀光に包まれるのではないか。あらゆる毒を打ち消し、美しく綺麗なものだけをもたらす……そんな生き方を、与えてくれるだろう。<br /><br />金か、銀か。<br />いずれの選択肢も無上の喜びをもたらしてくれるに違いない。<br />だから俺は、思うままに、いずれかのイチモツを選べば良いのだ。<br /><br />ただ、それだけで、俺はーー<br /><br /><br />「……ポです」<br /><br /><br />ーーでも。<br /><br /><br />「……のチンポです」<br /><br /><br />誰かから一方的に与えられた人生なんて、真っ平御免だと。<br />あの時の俺は、確かにそんな風にーー<br /><br /><br />「普通の、チンポ、です」<br /><br /><br />思ったのだ。<br /><br /><br />普通の、チンポ……<br /><br /><br />「ああ、そうだ。普通のチンポだ！金じゃなくてもいい、銀じゃなくてもいい。俺のチンポは、一山いくらの凡庸なチンポでいい。退屈で平凡なチンポかもしれない。誰からも賞賛されないチンポかもしれない。だけど、俺は！その事実を受け止め、その上で、自らの力で……運命を切り拓きたい。なぜなら、そうして掴む幸せだけが、本当に価値ある幸せだと、俺は信じているからだ。与えられた幸せなんて、俺にとっては本当にーー無価値なのさ」<br /><br />今度はもう、臆しなかった。<br />素直な想いが、彼の真意が、重さある言の葉となり中空を舞った。<br /><br />「だから、女神様。俺のイチモツをーー」<br /><br /><br />いや……それは別にどうでもいいのですが、あなたが言うところの "普通" とは、 "普通のチンポ" とは、一体どういう意味なのでしょうか……<br /><br /><br />「えっ」<br /><br /><br />世の中に同じチンポは二本としてなく、それぞれがそれぞれに個性溢れるチンポをその身に携えています……あなたが普通という言葉を用いるのは勝手ですが、しかし私には、あなたの基準における普通というものを、どうにも推し量ることができないのです……<br /><br /><br />「そ、そんなことって！一体どうすれば！」<br /><br /><br />妥協点としては、あなたが私に、己がチンポの形状をありのままに伝え、その実像をハッキリ把握できるようにして頂くほかありません……<br /><br /><br />「そうは言っても、ただ普通のチンポとしか」<br /><br /><br />あなたは普通だ普通だと言いますが、仮にその "普通" という概念を定義できるのだとしても、あなたのチンポが真実真正の意味で普通なのか、これには大いに疑問があると言わざるを得ません……その上で聞きますが、あなたのチンポは、本当の意味で "普通" だったのですか……？1パーセントの例外もなく……？<br /><br /><br />「えっ、いや、その……」<br /><br /><br />サイズは……どうだったのです……<br /><br /><br />「言われてみれば、人よりも小さかった気が、その、します」<br /><br /><br />具体的には……指の長さでいえばどのくらいだったのです……<br /><br /><br />「大体、親指程度の」<br /><br /><br />それはフルマックス時のサイズでしょう……私は通常時のことを訪ねています……<br /><br /><br />「親指の、第一関節くらい……です……」<br /><br /><br />それが、あなたの言うところの、世間並みの普通なのですか……？<br /><br /><br />「すいません……でした……」<br /><br /><br />まあいいでしょう……他には何かありますか……<br /><br /><br />「後は概ね、普通かと……」<br /><br /><br />ギルティ……あなたはこの上、まだ嘘を重ねますか……<br /><br /><br />「お、俺はそんなつもりは！」<br /><br /><br />では、皮の形状は……？さあ、みなまで言わせないで下さい……<br /><br /><br />「包、茎です……！」<br /><br /><br />包茎、包茎と言いますが、一口に包茎といっても、そこには色々あります……あなたもご存知でしょう……<br /><br /><br />「カントン包茎……ですっ……！」<br /><br /><br />それは、"普通" なのですか……？<br /><br /><br />「普通じゃ……ないでず……！」<br /><br /><br />ふむ……ではそれらを踏まえた上で、あなたのチンポは一体どんなものだったのですか……<br /><br /><br />「おっ、親指の先サイズの……カントン包茎の……」<br /><br /><br />もっと大きな声で……より情念を込めながら……<br /><br /><br />「ウオオ！ウアアアアア！！」<br /><br /><br />叫んでても分からないでしょう……ハッキリ言いなさい……<br /><br /><br />彼は慟哭した。<br />なぜ慟哭するのか、それは彼自身にも分からなかった。<br /><br />自らが盲信していた普通性への想い、それが崩れ去ったからかもしれない。あるいは、女神によって彼の尊厳が著しく蹂躙されたからかもしれない。<br /><br />だが彼は、そういった悲しみにも増して<br /><br />「僕が落としたのはｱｱｵｱｯ！亀の餌みたいに小さくてみすぼらしくてｴｴﾝｯ！何日も洗っていなから漁港並みのスメルがするﾊｰｰﾀﾞｳｪｲｯ！薄汚い皮被りのチンポですｱｱｱｱｱｳｳｱｳﾝ！」<br /><br /><br />確かなる "悦び" のような感情をも、その胸に抱きつつあった。<br />それを裏付けるかのように、彼はけたたましい絶叫を上げながら、形而上のイチモツと共に、ビクビクと身体を震わせて、果てた。<br /><br /><br />グッド……良い回答です……<br /><br /><br />その光景に、女神はアルカイックスマイルを浮かべる。どうやら彼の言葉は、女神の心へと確かに伝わったようだ。彼は安堵の溜息をつきながら、未だ押し寄せる快楽の海に身を委ねた。<br /><br /><br />正直者のあなたには、この金のチンポと銀のチンポを差し上げましょう……<br /><br /><br />「えっ」<br /><br />女神の言葉が終わるが早いか、目の前で激しい光が明滅する。彼は再び視界を奪われ、目を瞑らされるがままとなった。<br /><br />「俺の、俺のチンポは……！」<br /><br />摩訶不思議な光は消え去り、湖畔に静寂が立ち戻る。まるで何事もなかったかのように、空にはただ満月が浮かんでいた。<br /><br />「そんな、こんなことが……」<br /><br />変わったことは、ひとつだけ。<br />正直であり続けた、彼の股間にーー<br /><br />「こんな……まるで、R2-D2とC-3POみたいじゃないか！」<br /><br />金と銀に輝く、双頭のイチモツがそびえ立っていたーーそのことくらいであろうか。<br /><br /><br />こうして、彼は金と銀のイチモツを手に入れた。<br />しかし固有物質と化してしまったイチモツは、もはや何らの感覚も有しておらず、従って彼は唯一の楽しみであった自慰行為を生涯にわたり奪われることとなった。また、固有物質であるがゆえ、そのサイズの調節も完全に固定されてしまい、結果として彼のイチモツは常にフルマックス状態を誇示していた。その造形はズボンを履いた上からでもありありと見て取れ、だから彼のところに木材の取引に来た商人たちは、皆一様に 「これはとんでもないことになってしまった」 といった趣旨の表情を浮かべ、次第に彼のもとに商人たちが訪れることはなくなった。<br /><br />このようにして、その身から快楽を喪い、他者との交流も途絶されてしまったかれは、あの日からきっちり17日後、とうとう世を儚んで来世へと旅立っていった。<br /><br />ひとえに、彼が正直であったがために。<br />己の快楽に、己の主義主張に、正直であり過ぎたがために。<br /><br />たったそれだけのことで、彼は……<br /><br /><br />（おしまい）<br /><br /><br />12月4日　晴れ<br />今日、僕は、コンビニに行ってガス料金を支払いました。<br />とても楽しかったです。<br />明日も晴れればいいと思います。<br /><br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br /><script type="text/javascript"><!--
google_ad_client = "pub-5679625313333004";
/* 234x60, 作成済み 09/09/15 */
google_ad_slot = "0262204613";
google_ad_width = 234;
google_ad_height = 60;
//-->
</script><br /><script type="text/javascript"
src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/show_ads.js">
</script>

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/134092605.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/134092605.html</link>
<title>そのスピードで。</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-11-27T23:55:50+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />人の心には "見えないブレーキ" が設えられている。<br />それは 『理性』 や 『常識』 という名で呼ばれるブレーキだ。<br />野に放たれた動物とは異なり、僕たちは本能からの欲求を、そのブレーキにてコントロールしている。<br /><br />ただ、残念なことに、そのブレーキの規格は未だ統一されていない。また、そのブレーキをいつ踏むのか、どの程度まで踏み込むのかなどの部分は、各人の裁量に任されている。<br /><br />従って<br /><br />『ブレーキがあるから、事故は起こらないだろう』<br /><br />と安易に結論づけることは、できない。<br /><br />心のブレーキの精度を高めるには、粛々と人生の経験値を積んで行くほかない。先人の教訓、自らの失敗体験、悲惨な事故例の目撃。そういった知見を得ることで、我々は自らに設えられた "ブレーキの具合" を知るに至る。<br /><br />若い時分には様々な事故が生じやすい。だが、その事故は決して当人の愚かしさから引き起こされているわけではない。経験の浅さ――それが、凄惨なる事故へのトリガーなのだ。<br /><br />『これくらいなら、いいだろう』<br /><br />全ての悲劇は、大体においてこの手のマインドから始まる。<br /><br />高校の頃の同級生に "ポエム" と呼ばれた男がいた。ポエム、とは即ち詩歌のことであるが、当のポエム氏本人はといえば、およそ詩歌界隈からは縁遠い顔面をしており、どちらかといえば 『週末が訪れるたびに鍛治工房に篭り灼熱の鋼を打ち付け、以て刀剣となすような行為が非常よく似合うよね』 などと吹聴されるような、極めてマッシブな容貌であらせられた。全然ポエミーじゃなかった。<br /><br />そんな彼が、どうしてポエムと呼ばれるに至ったのか？摩訶不思議な状況ではあるが、真相はいつだってシンプルかつ明快だ。要するに彼は、高校1年生のある時、当時想いを寄せている女性に対し、実に "詩的な" ラブメールを射出したというのだ。<br /><br />そのことを聞くや否や、僕はポエム氏に事情聴取を敢行した。<br /><br />「どういうことなんだ。お前、ポエムって柄か！」<br /><br />ポ「すいません、その話はやめてもらえませんか……」<br /><br />沈鬱な表情だった、と言わなくてはならない。だが、実体的真実を解明するためには、追求の手を緩める訳にはいかない。僕は鬼刑事のマインドになって、その後もポエム氏を責め立てた。<br /><br />「証拠はあがってんだよ証拠は！？エエー？！」<br /><br />「何も知らないっス。自分、何も知らないっス」<br /><br />尽力の甲斐なく、ポエム氏はカンモク（完全黙秘）を貫いた。が、その程度の抵抗で諦めていてはデカ失格である。僕は長い時間を掛け、宥めたり、慰めたり、機嫌をとったり脅したりをしつつ、最終的にはポエム氏の自供を引き出すことに成功した。<br /><br />以下は、ポエム氏の供述を、私の手により再構築した調書である。<br /><br />・・・<br /><br />『――当時、巷では、携帯電話がかなり普及していました。僕も親にねだって、ようやく携帯を手にすることができました。それと前後して、タイミングよく当時好きだった女の子とメアドを交換したのです』<br /><br />――結果、ポエムメールを射出した、と。<br /><br />『待って下さい刑事さん。話を聞いて下さい。確かに僕は、最終的にそういったメールを発射しました。それは事実です。でもね、僕は脳も心もない泥人形じゃない。色んな想いがあって、色んな考えがあって、その上でメールを送った。それだけは分かって欲しいんです』<br /><br />――具体的には。<br /><br />『彼女とはね、割と頻繁にメールのやり取りをしていたんですよ。それは幸せな時間でした。学校ではあんまり話せなかったけど、メールだったら気軽に連絡が取れたんです』<br /><br />『楽しかった。嬉しかった。僕はどんどん彼女のことが好きになった。でも、自分の想いだけは、どうしても伝えることができなかった。この関係が壊れることが怖くて、それで……』<br /><br />『そんなある日。彼女から届いた一通のメールが、乾いていた僕の心を濡らしてくれた。止まっていた僕の心を、動かしてくれたんです。だから、それで』<br /><br />――ちょっと待って下さい。その辺りのところ、詳しくお聞かせ願えますか？<br /><br />『……が……んです』<br /><br />――すみません、もう一度。<br /><br />『ハートマークが……あったんです……』<br /><br />――ハート、マーク……？<br /><br />『ハートマークが！あったんですよ！！ねえ、刑事さん！！』<br /><br />『あの日、彼女からのメールの末尾には！！ハートマークが！！そこに確かに！！あまつさえ二つも！！付けられて、いたんですよ刑事さん……』<br /><br />『だから……惑わされっちまったんですよ、俺…… "何か今日いける気がする" って……勘違いしちまったんだ……』<br /><br />『深夜ってのは……怖いですね刑事さん……お天道様も青空もないところだと、きっと人間ってのは狂っちまうんじゃあないですか…… "まともじゃない" ことが、 "まともなこと" に思えちまうんですよ……』<br /><br />――それで、ポエムを。<br /><br />『そうですね……比喩でもなんでもなく、気付いたときには、目いっぱいポエミーなメールが出来上がっていました』<br /><br />『刑事さん、信じて下さい。あの時、あの瞬間、俺にはあのメールは、"とても普通なメールだ" って、確かにそう思えたんですよ。「これくらいならいいだろう、これくらい誰でも言うだろう」って、そんな風に確信してたんだ』<br /><br />『だから送った！！夜中の二時に！！迷惑も顧みず！！彼女の携帯に！！』<br /><br />『でもね、刑事さん。俺だってバカじゃない。朝起きてから、メールを読み返したんですよ』<br /><br />――それで、どう思いました。<br /><br />『死にたい、って。ただそれだけです』<br /><br />――その後、どうなりました。<br /><br />『ポエム、と呼ばれるように……あああ、あああああ！！違うのに！！俺は！！そんなつもりでああああばばばあばばばばっばば』<br /><br />――おい誰か！鎮静剤を打て！！<br /><br />・・・<br /><br />要するに、あの日のポエム氏は、実に悲しい事故に遭遇してしまったのである。ただ、その主たる原因は、ポエム氏が己のブレーキを踏み間違った部分にある。<br /><br />皆さんもご存知の通り、最高裁は「夜中に書くラブレター、夜中に打つラブメールは、非常に強い危険性を孕んでいる」と判示している。宵闇に包まれた時に覚える過度の興奮、相手不在のまま綴られるやたらテンションの高い文面、JPOPから丸パクリしたかの如き陳腐なリリック……これら全てが相まって、ミッドナイト・レターは "<strong>致死量の劇物</strong>" へと姿を変えるからだ。<br /><br />そのことを熟知している人たちは、たとえ夜中にテンションが上がっても、軽々にはラブレターの執筆に着手しない。たとえ胸中に "あら、いいですね" の高波が訪れようとも、心のブレーキをベタ踏みし、事故を未然に食い止めるのだ。そして朝起きて、こう思うのである。『書かなくて、送らなくて、良かった』……と。<br /><br />本件については、もう一つのチェックポイントがある。それは 『女性から放たれるメール中のハートマーク&#63890;問題』 に関してだ。<br /><br />思うのであるが、まるで興味もない男に対して、蛇口をひねるかのように軽々しくハートマーク&#63892;を乱発するメスどもは、一体何を考えておられるのだろうか。ハートマーク&#63889;を惜しげもなく振るまい、我々に対して 「こいつ、もしかしちゃって！？」 と思わせるだけ思わせておきながら、最終的に<br /><br />「<span style="color:#FF00FF;">ごめん、そんなつもりじゃなかったのに……</span>」<br /><br /><strong>ヤクザの手口である</strong>。麻薬をタダで若者に配り、身も心も麻薬中毒になってから、法外な値段でシャブを売りつける。ハートマークを乱発する人たちの行いは、そんな麻薬密売人の行動とよく似ている。要するに、人外魔境の仕打ちなのである。<br /><br />もちろん、勝手に勘違いした我々に全く非がない、とは言わない。99:1くらいの割合で、僕たちにも過失はあるだろう。だが、残りの99は女性の罪だ。四捨五入するとおよそ100である。やはり僕たちは被害者である、と言わなくてはならない。<br /><br />「つーか、今時さぁー。ハートマークくらい普通に打つっしょ。その程度でアレコレ言われるとかマジ心外なんすけどー」<br /><br />お前らはそういうけどなあ！？普通だからいいじゃん、って、なあ、やってる行為は "普通" のことだから、何でもかんでも許されて然るべき……とか思ってるワケ？！『普通なんだからいいでしょ、なのに勘違いしないでよねこの豆タンク！』 とか、そういう宗教に入信しちゃってるってコト！？<br /><br />あーいいよ。よござんすよ。じゃあそっちがそういうロジックでくるのなら？こっちにも考えがあるし？<br /><br />"<ins>町中で出会い頭にクンニするのがナウなヤングにバカウケ！</ins>"<br /><br />こんな論陣が大手新聞各紙で張られた日には、いいか！めちゃくちゃにクンニしてやるから、せいぜい覚悟しとけよ？！なぜならその時、その行い（≒町中での出会い頭のクンニ活動）は、アンタらの言うところの "普通" になっているのだから。僕たちは、そのような思想・信条に則ってクンニ行為に勤しんでいるに相違ないのだから。だからその日まで震えて眠れ！<br /><br />逸れたましたが、とにかくも。<br />僕たちは自らの失敗経験、あるいはポエム氏型の失敗談を耳にすることにより 『夜中に打つメールには注意しなくてはならない』 的なブレーキを具備するに至る。それは成長と言い換えてもいいかもしれない。逆に言えば、何度失敗しても夜中にポエミーなメールを送ってしまう人というのは、その人の年齢が幾つであれ、精神的には全く成長していないことになる（ただ、本人が後悔していない場合は別である）。<br /><br />メールに限らず、世の中のありとあらゆる事象には 『ブレーキを踏むべきポイント』 というものが用意されている。フォーマルな場であれ、酒の席であれ、スポーツの場面であれ。どんな状況にもそれは内在している。<br /><br />だが、残念なことに。<br />世の中には、そういったブレーキポイントを察知する能力が著しく欠落した人というのも、確実に存在している。かかる人たちは、ある面からすれば非常にロックであるが、別の面からいえばひどく破滅的でもある。<br /><br />それはひとえに、ブレーキのない車で公道を疾走しているようなものだからだ。<br /><br />とみに酒の場において、そういう姿勢は顕著になりやすい。僕自身、自らの酒癖の悪さを何度もブログ上にて公表してきたが、それでも上には上がいる。それは決して崇められない、崇めてはいけない雲上人たちのフォークロアであり、常人には到底手の届くこと能わない現人神たちが紡ぐドドメ色の神話の世界だ。<br /><br />通常、我々が酒の席で手痛い失敗を喫すれば、大なり小なり 「次回以降は気をつけよう」 という気になるものだ。つまるところそれが次回以降の心のブレーキとなるわけだし、そういう経緯を踏まえつつ僕たちは "大人の" 飲み方を学んでいくものである。<br /><br />だが、ノー・ブレーキのワールドに棲む人たちは、どうやらそうではないらしい。彼らの場合、まず反省をしない。というか、反省するべき行為規範が脳内から抜け落ちてしまっているのである。<br /><br />「お前、昨日ひどかったぞ……」<br /><br />「は？酒ってそういうものでしょ」<br /><br />皆が法定速度で走っている世界にあって、彼らは一人ハイウェイを疾走しているのだ。<br /><br />「持てる性能を出し切らなくて、車に乗る意味があるの？」<br /><br />これが彼らの抱える心のシャウトなのである。僕もあまり人のことは言えないが、やはりモノホンの人たちが抱える才能というのは、その輝きが違うな……と感じさせられる。そしてその才能は、生きて行く上でこれ以上なく不要なものでもある。<br /><br />大学の後輩にSという女がいた。僕は未だかつて彼女を超えるほど酒癖の悪い女を、いや人類を、見たことがない。酔うと暴れる。ゲロを吐く。金を払わない。記憶のないうちに穴兄弟を量産しまくる。この辺りのことは、まあ、よくある話だ。僕自身も、彼女の更正を願いながら何度となく 「次からは気をつけろよ」 と、暖かい言葉を掛けていた。<br /><br />だがある日、Sが僕の友人の家で酔った挙げ句に寝小便をカマした辺りから 『これはちょっと何か違うぞ』 と思い始め、その後に酔った勢いで 「オヒョヒョ」 と叫びながら山手線の線路に飛び込みかけた辺りで <br /><br />「いよいよ万策は尽きた」<br /><br />との想いを抱くに至った。野に放たれた野獣を前に、常人たる僕ができることは、あまりにも少なかったのである。僕はゆっくりとSのもとからフェードアウトしていった。<br /><br />それからしばらくの時間が流れ。<br />ある日、僕のもとに一通のメールがきた。<br /><br />「肉欲さん。<br />Sがタイの空港で暴れてムショにぶち込まれました。<br />Sのために嘆願書を書いて下さい」<br /><br />僕は、そっと、メールを閉じる。<br />タイの人たちに、心の中で、謝りながら。<br /><br />これがブレーキのない人の一例である。<br />本来であれば、人生経験の中で覚えるべきブレーキのタイミングを、完全に忘却してしまった人たち。<br /><br />その生き方は、ある面からすれば実にスリリングで、かつ、刺激に満ち満ちたものなのかもしれない。だが、我々の生きる世界は野生ではなく、法と倫理と道徳の渦巻く現代社会なのだ。ブレーキのない人たちをいつまでも放っておくほどの寛容さはないし、あるいはそれを放置することを寛容とは言わないだろう。<br /><br />子供の頃は許された行為でも、大人がやると許されないことというのは、数多くある。それはつまり、世の中の側が<br /><br />「成長の過程で、きちんとブレーキの調整をしなさい」<br /><br />と僕らに訴えかけている、ということである。自由であることと、無軌道であることとは、まるで違う。失敗は一度たりとも許さない、ということではないが、二度以上は失敗するべきではないのだろう。<br /><br />そのためにも、僕たちは己のブレーキ加減を常に意識しておかねばならないのだ。<br /><br /><br />そんなことを、これまで女性に対し深夜にポエミーなメールを何度も掃射したメモリーを想起しつつ、また、この三月にタイで泥酔した挙げ句ホームレスに取り囲まれたというヤクい経験を思い出しながら、いま、この日記を書いている次第なのである。マジ全然覚えてねえわ。まあ酒ってそんなもんだよね！<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/133213428.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/133213428.html</link>
<title>汁 ～少年たちの夏休み～</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-11-18T00:34:07+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />それは、酷く暑い夏の日のことだったように、僕は思い出す。<br /><br />田舎町で育った少年少女たちにとって、盛り場の存在というものは砂漠におけるオアシスの如く貴重な存在だ。本州の片隅で育った僕にしてもそれは例外ではなく、休日になると癒しを求めるかのように町唯一の歓楽街へと足を運んだ。<br /><br />若年期における外出とは、得てして無目的になりやすい。<br /><br />『とりあえずどこかに行こう』<br /><br />全ての動機はそこに尽き、喜びや楽しみの殆どは出先にて見つける。<br />何も持たずに公園に出かける幼児のように。<br />無心で海へと駆けていく児童のように。<br />ただ点けられたテレビを無心に眺める小学生のように。<br /><br />『それをして何の得になるの？』<br /><br />未知への猜疑ばかりを覚えてしまうのが、大人なのだとするならば。<br /><br />『それをしたらどうなるんだろう？』<br /><br />未知に対して興奮ばかり覚えるのが、子供なのかもしれない。<br /><br />だから僕らは駅前へと向かった。低くて狭い世界の中で、そこにはいつも輝きが満ち溢れていた。行けば必ず楽しい何かが待ち受けていたし、何がなくとも『大人の世界』じみたものを垣間みるだけで、自然と心が躍った。<br /><br />駅前には大きなデパートがあった。<br />全国平均でみれば随分と寂れたデパートだったし、今考えればおよそ "大きい" とは形容し難いものではある。が、田舎町が世界の全てだった僕たちからすれば、そのデパートは『世界で一番大きい』デパートだった。<br /><br />大人がいた。<br />子供がいた。<br />不良がいた。<br />お姉さんがいた。<br /><br />教室の中では決して出会えない様々な人の姿、そのひとつひとつが僕たちの心をたまらなく揺れ動かし、落ち着かなくさせた。<br /><br />デパートの中に入る。首を90度近くに曲げても見上げきれないほどの高い天井。ドーナツ屋とハンバーガー屋の香しい匂いに出迎えられ、喉の奥の方がムズムズとしてくる。もちろん、買い食いができるだけの小遣いなんて持ち合わせてはいない。僕たちはウィンドウの外から店内をじっとりと眺め、いつかくるであろう "そのとき" に思いを馳せ、そっとその場を後にする。<br /><br />小遣いの少なかった僕らは、万事そんな風にしてデパート内を歩き回った。玩具屋でゲームのデモ画面を見つめ、書店で漫画雑誌を立ち読みし、ゲームセンターで他人が遊ぶのを後ろから眺め、シアターの入り口で繰り返し流される映画の予告編を何度も瞳に映し込む。<br /><br />そんなことを何巡かしていると、時間は音よりも速く過ぎ去っていった。明るかったはずの空は赤く鈍く染まっていて、僕たちは誰ともなしに駆け足で家路へと急いだものだった。<br /><br />金も使わずに、何も食べずに、何も手に取らずに、でも遊ぶ。<br />あの頃の僕たちは、確かにそんな感じで、遊べていたのである。<br /><br />ショーケースの向こうに鎮座しているドーナツを眺めながら、ビニールで装丁されたコミックを手に取りながら、肝心な部分はちっとも映そうとしない予告編を見詰めながら、いつもラスボスの手前で負けてしまうゲームのプレイ光景を窺いながら、僕たちは<br /><br />「その先には、一体何があるんだろう」<br /><br />そのことばかりを考えていたのだ。<br />考えて、たまらなく心躍らせていたのである。<br /><br />その日も、僕は友人のケンジくんたちと連れ立って、駅前のデパートへと赴いた。巡るルートは一年365日を通して変わらない。シアターに行き、玩具屋をひやかし、本屋に立ち寄ってゲームセンターへと行く。まだファッションには少しも興味のなかった時分であった。<br /><br />夕闇が迫り来る頃、僕たちだけのシンデレラタイムは終わりを迎える。人並み程度に素行の良かった僕たちには 『門限を破る』 なんてことは思いつきもしなかったし、ひとたび誰かが 「帰ろう」 といえば、みんな揃ってそれに同調した。<br /><br />過ごした時間が輝かしいほどに、帰りの足取りが重くなる。僕はいつでも伏し目がちになりながら出口へと向かった。<br /><br />帰り着く家は、暖かく心地よくも "予定調和" だけが待ち受けた世界だ。寝て、起きて、学校に行って、また帰って……その繰り返しばかりなのである。<br /><br />もちろん、その当時に高尚な哲学的思弁を抱いていたわけではない。ただ、帰宅の折りに、漠然と重い灰色の気持ちがいつでも胸に湧いていたこと、それは確かなことだった。<br /><br />階下へと向かうエレベーターの手前。<br />そこでは、フロアの四階までが吹き抜けになっていた。<br /><br />どうしてなのだろうか。<br />瞬間、僕は伏し目がちだった自分の頭を持ち上げ、フロアを上に見上げた。<br /><br />だから、その時なのである。<br />僕の瞳に、見ず知らずの女性のパンツの御姿が――<br /><br />飛び込んできたのは。<br /><br /><br />愕然とし、立ち止まる。<br />あれは一体何なのだろう？<br />知覚に理解が追いつかない。<br />僕は思わず二度見する。<br />そして僕はようやく知る。<br /><br />あれはパンツなのだ、と。<br />まさにパンツそのものなのだ、と。<br /><br />瞬間的なスペクタクルを切り取れば、その刹那の僕の心には激しい興奮も、深い喜びもなかった。ただ "パンツを見た" という事実がそこに横たわった、それだけのことだ。けれども同時に、本能のレベルで<br /><br />『これは、重大な、何かだ』<br /><br />ということを察知していた。<br /><br />10秒、1分、それとも1秒ほどのことだったのであろうか。分からないが、呆然としていた僕の意識を呼び戻したのは、不意に友人が肩に手を触れてからのことだった。ハッとして、すぐに顔を横に向ける。<br /><br />ケンジくんが立っていた。<br />ただ、立っていた。<br /><br />『話は、後だ』<br /><br />瞳の中でそう訴えかけながら、ケンジくんは、ただ。<br /><br />僕とケンジくんの家は隣同士で、だから必然的に遊ぶ回数も、一緒に家路につく回数も、一番多かった。その日も他の友人と別れた後、最後に残ったのは僕とケンジくんだけだった。夕景、蝉時雨、包み込む沈黙。人もまばらな田舎の家路、足音だけが二人の鼓膜を包み込む。<br /><br />「また、見ようや」<br /><br />出し抜けの一言、5W1Hが完全に欠落した一節。<br />それでも僕は、頭ではなく "心" でケンジくんの真意を理解する。<br /><br />「また、見ようよ」<br /><br />深く頷きながら、僕は言葉を返す。<br /><br />何も足さない、何も引かない。<br />そんな僕らの関係は、この日、より高みへと向かってアウフヘーベンし始めたのである。<br /><br />それからの僕らはツーマンセル（two man cell、二人一組）での行動をとり始めた。それはきっと、僕らの "目的" にどこか後ろ暗いものを感じていたからなのだろう。あの日あの時あの場所での、あの情景。それは僕ら二人だけの秘密だったし、またこれからの二人の目論みも、やはり二人だけの秘密であった。<br /><br />「駅、行こうや」<br /><br />ケンジくんが、あるいは僕がその言葉を発したとき、それは言外に <br /><br />『駅のデパートにおパンツを見に行きましょう』<br /><br />ということを述べていたし、ともすれば<br /><br />『明日、駅に』<br /><br />という短さだけでも、百万言を超える情報量を伝達することもあった。<br /><br />僕たちは変わった。<br />書店で、玩具屋で、シアターでゲームセンターで喜びを得られた、そんな多感な時期は終わりを迎えてしまったのだ。眩く輝く世界の全ては、等しくパンツへと帰納していったのである。<br /><br />一度気が付いてしまえば、『どうして我々はこれまで見過ごしていたのか？』との憤りを覚えざるを得ないほどに、其処はサンクチュアリだった。見上げたときの仰角は完璧なまでに階上のパンツを崇められるそれとなっており、僕たちがするべきせめてものことは、視線を少し上に持ち上げることだけだった。<br /><br />吹き抜けの二階から、三階四階を見詰める。<br />設えられた手すりの向こうで、何枚ものパンツが浮かんで消える。<br />白、赤、青、深緑、あるいは、黒のパンツ。<br /><br />『パンツには、色がある』<br /><br />世界が色どりに満たされていることを、初めて知った。<br />白一択しか知らなかった僕の心に、その事実は大きな衝撃を与えた。<br />世界のカオス（混沌）がロゴス（論理）によって、整理された瞬間である。<br /><br />僕たちは暇を見つけては駅前へと向かった。<br /><br />折よく、当時は夏だった。暑さに後押しされ、多くの女性は短めのスカートを着用していた。また当時のムーブメントとして、『ミニスカートを着用するのがお洒落』 とされていたのも大きかった。卑近な言い方をすれば、毎日が大漁だった。<br /><br />全てが順調だった。<br /><br />しかし順調であり過ぎることは、ときに人の心に疑心暗鬼を生じさせる。<br />だから、それを裏付けるかのように、ある日ケンジくんがこんなことを言った。<br /><br />「もしこんなのがバレたら、逮捕されるんやないか……？」<br /><br />暗くて重い一言。<br />僕の脳内に電流が走る。<br /><br />そんな、アホな――<br /><br />一笑に付したかったが、これまでも行為に対して名状し難い罪悪感を覚えていたこともあってか、僕の頭に "逮捕" という言葉が何度も何度もリフレインする。<br /><br />逮捕、勾留、裁判、有罪、入牢、一家離散……<br /><br />一旦生じた負のイメージは、止まることなく拡散していく。それが物を知らない若い時分のこととあれば、尚更のことだ。<br /><br />僕たちは駄菓子屋でチューペットを購入し二つに割ると、近隣の公園に緊急対策本部を設置した。<br /><br />それまでの僕たちの行動パターンはシンプルだった。<br />二階のフロアに赴くと、そこに設置されたベンチに座ってアホの子のように階上を見上げる。それが全てだった。<br /><br />しかしよくよく考えてみれば、フロアには必ず警備員が立っていた。<br />このままでは、いずれ司直の手が僕たちの身に及ぶのが必定だ。<br />自らの脇の甘さを初めて呪った。<br /><br />「やり方を見直そう」<br /><br />僕の言葉にケンジくんは深く頷く。<br />どれだけの脅威を感じても、パンツを手放す道理はない。<br /><br />いままでと同じことを、いまよりも上手に。<br /><br />僕はこの時の会議を通じて、初めて "建設的" という言葉の意味を知った。<br /><br />爾来、動きは明確に変化した。<br />一カ所に留まるという愚行は即時中止し、とにかくも動き続けた。僕たちは買い物に来ているのですよ、パンツなんか見ていませんよ……と、そう装うことに執心したのである。<br /><br />結果としてこのムーヴメントは大きな成果を上げる。<br /><br />偶然のこととはいえ、受け身一辺倒であった我々が能動的な行動を開始した。そして、その先に待ち受けていたのは、より多くのパンツ・シーンであった。<br /><br />ひと所で待ち続けるよりも、自らが主体的に動いた方がパンツを見やすいというのは、ある種当たり前のことだったのかもしれない。<br /><br />とにかくもこの頃、僕たちのスタンスは "守りのパンツ" から "攻めのパンツ" へとフェーズが移行したのある。<br /><br />こうして僕たちは、たゆまぬ努力と研鑽の末、"形而上のパンツ泥棒" へと成り果てた。まだインターネットもない、AVも借りることのできない、いわば "オカズ弱者" の頃合いのことだ。あのときのパンツの一枚一枚が、僕たちの心にどれだけの潤いを与えたか。それは現在の貨幣価値では到底計ることができない。<br /><br />――そうこうしているうちに、夏休みも終わりに差し掛かった。<br />僕はカレンダーを閲しながら、瞳を閉じる。<br /><br /><br />1996年8月24日<br /><br /><br />いよいよだ。<br />待ちに待った、下関夏の陣が、はじまる。<br /><br />玄関を開け、二、三歩してから隣家のチャイムを押す。<br />ほどなくしてケンジくんがその姿を現す。<br />気力が、生気が迸っていた。<br />おそらく僕も同様なのだろう。<br />それほどまでに、この日の訪れを希求していたのである。<br /><br />・・・<br /><br />パンツというものは、生き物だ。そして野生の生き物であるがゆえ、その生態分布図をこちらの側でコントロールすることは著しく困難だ。<br /><br />いくら僕たちがその到来を渇望したとて、見えないときは見えない。<br />悲しいことであるが、どうやらそれがこの世における最大公約数的な結論なのだと、当時の僕らは知るに至った。<br /><br />「もっと見たいのう……」<br /><br />この言葉の行間を読み解けば、それは『もっと（パンツが）見たいですね』 ということになるのであるが、兎に角も当時の我々の欲求は天井知らずなのであって、一枚や二枚程度のパンツを見たからといって、それで満足ということには決してならなかった。どれだけのパンツを見てもまた新たなパンツを求めたし、ともすれば見れば見るほど、知れば知るほど、新たなパンツへの期待は高まった。<br /><br />いま考えてみれば、それはあたかも、喉の渇きに耐えかねて海水を飲み続けるが如き行いのようだった。渇きは決して癒えることなく、否それどころか、飲むほどの渇きは激しさを増して行ったのだ。<br /><br />『パンツ・ジャンキー』<br /><br />あの頃の僕たちは、確実に下着中毒の状態へと陥っていたのである。<br /><br />学校で見るブルマなんかじゃあ足りない。<br />グラビアで見る紛い物の水着なんてもっての他だ。<br /><br />俺が、俺たちが欲しているのは、そんな代用物なんかじゃあない。<br /><br />欲しいのは、ヒリつくような生命力<br />弾けるようなライブ感<br />唯一無二のいま、ナウだけなんだ！<br /><br />……僕たちは確かにそう願っていた。<br />あるいは、祈っていたのだ。<br />だから――<br /><br />「祭の日を狙おう」<br /><br />慎重に、言葉を選びながら。<br />ずっと前から練っていた計画を、ケンジくんに伝えた。<br /><br />「８月24日、25日の両日。県下最大級の祭が駅周辺で催される。そのとき、きっと野生のパンツは、行き場を失ったパンツたちは、あのデパートへと訪れるだろう。僕たちは、そこで……」<br /><br />僕は多くは語らない。<br />語る必要もない。<br />語らずとも、僕の想いは、"心" は確実に、ケンジくんへと達するからだ。<br /><br />だからケンジくんは、そっと口角だけを持ち上げて、笑っていた。<br /><br />（パンツ・カーニバルだ）<br /><br />僕たちはその日のために、渇きに苦しむ日々を過ごしてきたのである。<br /><br /><br />見えざる牙でパンツを穿つ、そのためだけに。<br /><br /><br />・・・<br /><br />予想通り、駅前には夥しい数の人間が溢れ帰っていた。僕たちは人ごみに流されながら、それでも確かな足取りで、目的地へと向かって行く。辿り着いたのはデパートの二階フロア。見慣れたはずのその場所は、なぜだか妙なヒリつきを僕たちに与えた。<br /><br />ゆっくりと周りを見渡しながら、現況を確認する。<br /><br />クラスメイトの姿はないか<br />親類の影はないか<br />ガードマンの立ち位置はどこか――<br /><br />それらを冷静に分析しながら、ポイントオブノーリターン（帰還不能地点）をじっくりと導き出した。そして至る、これで勝てる！僕はケンジくんに目配せをする。彼も段取りを終えたようで、僕にだけ分かる笑顔をこちらへと向けた。<br /><br /><br />酷く暑くて熱い、夏の日<br /><br />物語が、はじまる<br /><br /><br />「にくちゃん、あそこ……」<br /><br />「うん……」<br /><br />ケンジくんがそっと僕に呟きかける。今さら言葉の意味を確認するようなことはしない。僕たちはなるべく視線を落としながら歩みを早めると、ハンターにだけ知り得る独自の感覚を頼りにして、目的の場所へと急いだ。<br /><br />勝負は寸時に決まる。<br />いじきたなく顔を上げてキョロキョロすること、そんなのは下劣なアマチュアの行いだ。<br /><br />（一瞬……だけど、閃光のように……！）<br /><br />二人はほぼ同じタイミングで顔を上げた。<br /><br />そして見えた！<br />至った！<br />瞳に収めた――パンツの、園を！<br /><br />刹那の陶酔感が全身に駆け巡る。<br />溢れ出すドーパミン。<br />始まりが終わり、終わりが始まる。<br /><br />ことの帰趨はファースト・パンツで決まる。<br />僕たちはファースト・パンツに関するお互いの感想を述べるべく、フロアの端に駆け寄った。<br /><br />「どうやった？」<br /><br />「ジャンゴー（森林）、やったな……」<br /><br />「うん、ジャンゴー（森林）、やったね……」<br /><br />束の間に見えたパンツ、その色彩は紛れもなく迷彩柄のそれだった。僕たちがパンツ・ビギナーであったらば、その衝撃のあまり心が折れてしまっていたかもしれない。しかし、僕とケンジくんは既に知っている。世界が、色彩に満ち溢れていることを。黒も橙も紐もアミも、どんなパンツもパンツであるということを。<br /><br />「迷彩柄は初めてやったね」<br /><br />「ああいうのを履くんも、おるんやねえ」<br /><br />僕たちは口々に感想を述べ合いながら、再び死地へと足を向ける。こんなのはまだプレリュードに過ぎない。二人の求める平地は、もっともっと高い。<br /><br />すべての出来事はこれから始まる。<br />これから、始める。<br />そう思っていた――<br /><br /><br />その時だった。<br /><br /><br />「ねえ、何しとるん？」<br /><br />突如浴びせかけられた頭上からの声。<br />突然のことに、僕たちは雷に打たれたように立ち止まる。<br />そして見上げる。<br />少しの好奇心と、多くの恐怖心を、携えながら。<br /><br />視線の先にあったのは。<br />最前に見たはずの、見覚えあるジャンゴーだった。<br /><br />「何しとん？」<br /><br />その女の子は、年齢でいうと大体僕たちと同じ暗いの風貌だった。<br />ミニスカートからスラリと伸びた、まだ幼い足。<br />でもその先にあるのは、威風堂々とした、確かなるジャンゴー。<br /><br />僕の心はパニックに襲われた。<br />慌ててケンジくんの方を見る。<br />彼は彼で、「どうしてこうなった……」 的な顔色を隠せずにいた。<br /><br />詰まるところ僕たちは攻撃面にだけ長けた一方通行（アクセラレータ）でしかなく、防御面はてんでからっきしだったのだ。初めての経験に、なす術がなかったのである。片手落ちもいいところだった。<br /><br />そして頭上から更なる言葉が降り注ぐ。<br /><br />「良かったらさあ、一緒にお祭り行こうやあ」<br /><br />――ああ、そうか。<br />――今日は、お祭りだったのか。<br /><br />僕はこの瞬間まで、今日が "正しい意味でのお祭りである" ことを、完全に忘れていた。要するに彼女たちは、デパート内でたまたま見かけた僕たちに興味を抱き、そして果敢にも 『一緒に祭を楽しまないか』 という趣旨の言葉をかけてきたのである。<br /><br />ある意味でそれは、ひどく幸福な情景だったのかもしれない。<br />同い年くらいの少女が、積極的に僕たちをデートに誘ってくれる。それは俗な言い方をすれば 『逆ナン』 と称される行為であり、世の男性の多くが渇望しているシチュエーションでもある。世が世なら 『リア充よ、滅せ』 との号令一下、打ち首獄門の刑に処されても不思議ではない体験談。<br /><br />だが、我々はどう在ったか。<br /><br />こちらとしては 『ひたすらにパンツを見る』 というカードしか用意していないのであって、まかり間違っても 『偶然に出会った女の子とキャッキャウフフ』 というシチュエーションは有り得ない、否、有り得てはならないのである。それが田舎で育った少年の有する演算能力の限界なのだ。<br /><br />付言するならば、このとき僕の脳内には<br /><br />「パンツを見ていることがバレた→逮捕→勾留→裁判→有罪→入牢→出所後、路上生活→孤独死」<br /><br />という因果経路が明確な未来予想図として構築されつつあったことも、併せてお伝えしておきたい。悲しい話ではあるが、これもまた田舎で育った少年の有する演算能力の限界だったのである。<br /><br /><br />――結果として、僕たちは。<br />脱兎の勢いでその場を後にした。<br /><br />肉欲棒太郎、12歳。<br />暑くて熱かった、夏の日の出来事である。<br /><br /><br />結論からいえば。<br />僕たちは、その日を境にパンツを見に行くことをやめた。<br /><br />パンツを見たい、という欲が霧散したわけではない。<br />それ以降も僕らの心に 『パンチラ＝グッドイナフ』 という方程式が燦然と輝き続けたこと、それは事実だ。<br /><br />ただ、あの場所で、フロアを見上げてパンツを見る。<br />その行為から完全に足を洗ったのである。<br /><br />８月24日の、あの日。<br /><br />僕たちは図らずも、各々のメンタルの弱さに気付かされた。<br />パンツを見ているのは自分たちばかりではなく、向こう側からもこちらの姿が見えているのだと、そのことを忘れていたことを深く認識したのである。<br /><br />"<strong>汝が深淵を覗き込むとき、深淵もまた汝を覗き込んでいるのだ</strong>"<br /><br />ニーチェが遺したとされるこの言葉。<br />僕はあの夏の日、そのことを頭ではなく "魂" で理解させられた。<br />そしてそれを知ったとき、そうまでしてパンツを見ようとする自らを省み、かつ『もう、いいかな……』 という帰結を胸に抱いたのだ。<br /><br />なぜなら、あの頃の僕に。<br />パンツの方から覗き返されるまでの覚悟は、なかったのだから。<br /><br /><br />こうして<br />僕とケンジくんの<br />パンツを通した、切なく儚い夏休みは<br />終わりを告げた<br /><br /><br />古い、古い話である。<br /><br /><br /><br /><br />・・・<br /><br />「にくちゃん、にくちゃん！」<br /><br />「どうしたん！？」<br /><br />「3組の柴田がさぁー！後ろから見たらブラジャーが透けちょるんよ！」<br /><br />「マジで！？」<br /><br />「ちょっとこらしめちゃらんにゃあいかんやろ！行こうや！！」<br /><br />「応！」<br /><br /><br />そして、また。<br />少年たちの間で――<br /><br /><br /><br />新しい物語が、はじまる<br /><br /><br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC&amp;hid=35">
<link>http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC&amp;hid=35</link>
<title>[PR]注目のキーワード「ツイッター」</title>
<description><![CDATA[

]]></description>
<dc:date>2009-11-18T00:34:07+09:00</dc:date>
<dc:creator>ads by Seesaa</dc:creator>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/131968827.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/131968827.html</link>
<title>萌えろいい男</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-11-04T00:04:04+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />「なぜ、あんな奴が……」<br /><br />不条理な現実、状況を前に、僕たちはしばしば思考の袋小路へと迷い込む。<br />ことに異性関係において、冒頭に掲げた類の想いを抱かされた人は少なくないだろう。<br /><br />セオリーやロジックを超越した、実にミステリアスな展開。<br />数式や公式などでは計算すること能わない、人間関係の妙。<br /><br />好むと好まざるとに関わらず、我々はそういった不合理の中で生かされているのだ。<br /><br />適式な手順を踏まえられて作られた料理というのは、ほとんどの場合それほど間違った味にはならない。料理というものはある意味で科学の実験に類似している。食材の分量、調味料の加減、火の入れ具合……それら全てが真っ当に調和すれば、いついかなる場面で作られた料理であっても、出来上がったものに大きな味のバラつきは生まれないものである。<br /><br />もしも味のバラつきが生じるのだとすれば、おそらくそれは、料理を作っているのが『心ある人間』だからであろう。<br /><br />火加減、塩分濃度、包丁の切れ味――たとえそれら全てが画一的なものであっても、それらを扱う人の心情までもが画一的なわけではない。料理をしている当人が、たまたまその時に落ち込んでいるだとか、悲しんでいるだとか、あるいは怒っているだとか……そういう『形而上のスパイス』が料理に加味されることにより、結果として料理の出来にバラつきが生まれることもあるのだ。<br /><br />それでも職人たちは、たゆまぬ努力と研鑽の末、料理の味にバラつきを出さない境地へと達する。食材を吟味し、調味料を研究し、更には己を律し、いついかなる時でも最高の逸品を出せる技量をその身に付ける。怒っていても悲しんでいても、辛いことがあっても。ひとたび厨房に立てば、明鏡止水の精神で包丁を握る。その結果として生み出される料理の味に、決してバラつきは生じない。<br /><br />故に、プロは精進に励むのである。<br /><br />おそらく、このマインドは料理に限らずあらゆる分野についても重要なファクターだろう。対象が食材であれ、木材であれ、鉄鋼であれC言語であれ。それを扱う人の心が不安定であれば、結果として出来上がるものには不具合が生じやすい。<br /><br />食材にも木材にも鉄鋼にもC言語にも、いずれの対象にも "心" "感情" が備わっていない以上、その素材を生かすも殺すも "心ある我々" の匙加減一つなのである。<br /><br />豚肉もベニヤ板もアルミもコンクリートも、経年劣化しない限りは、百年経っても千年経っても『そこにそうあるもの』 としてそこに在り続ける。変わっていくのは、ただただ我々の姿勢、精神の在り方だけなのだ。<br /><br />それを理解したとき、僕たちは先人たちの遺していった経験、知恵の価値を知る。味噌の作り方、足場の組み上げ方、火入れのタイミング――そういったものを受け継ぎ、更に洗練させ、また次代へと受け渡していく。経験則は指南書へと形を変え、指南書は体系的・科学的に研究され直し、永い時間をかけて普遍的なメソッドへと昇華され、知的財産として万人へと行き渡る。<br /><br />そのあたりの現実があるから、『学び続けることが大事である』と声高に叫ばれ続けているのではないだろうか。<br />その結果として<br /><br />『完璧を目指すほど、完璧に近づける』<br /><br />いつしか僕たちは、そんなことを思うに至るのである。<br /><br />この考え方は、おそらく、対物的には正しい。<br />だが対人的にどうかと言われれば、少々怪しい。<br /><br />仕事関係的に考えれば、効率の面でも完成度の面でも、仕事仲間の有するスキルは高ければ高いほど良い。その意味でいえば、技術的な完璧さを求め続けることは至極真っ当な姿勢だというべきである。<br /><br />だが、言うまでもなく我々は仕事にだけ生きているわけではない。人間関係というものの在り方には様々あるわけで、詰まるところ仕事なんていうものは、その中のごく一部に過ぎない。当たり前の話である。<br /><br />仕事以外の人間関係というものは、往々にして非常にファジーなものだ。<strong>論理よりも慣習が重んじられ、理屈よりも情緒が先立つ</strong>。矛盾が当たり前のように蔓延り、不合理こそが合理となり得る。ことの良し悪しはさておき、それが社会的な現実だ。<br /><br />効率や秩序、社会的整合性だけを求めるのであれば、そういうファジーな部分は徹底的に排除するべきだ。先例に学び規範を打ち立て、人としての "完璧な" 在り方をひたすらに求めて然るべきである。そのやり方が奏功すれば、料理の出来にブレがなくなるように、人間の出来にもブレがなくなることだろう。社会には恒久的な安寧が訪れ、僕たちは画一的な人生を生きる。<br /><br />けれども、現実にはそうなっていない。<br />そしておそらく、これからもそうはならないだろう。<br />なぜならそれは――<br /><br />僕たちが、ファジーさ故に引き起こされる "萌え" を知っているからである。<br /><br />「なぜ、あんな男に彼女が……！」<br /><br />これは、僕がこれまで100万回ほど抱いた心のシャウトであり、おそらくこれを読んでいる皆さんにおかれましても1000万回は抱かれたことのあるであろう魂の叫びだ。日常生活において不合理、不条理の類を見つけ出す機会は頻繁にあるが、それが異性関係の場面であるならばその味わいも格別である。それは呪詛という名のスパイスがキリリと利いた、逆珍味の逸品。<br /><br />「なぜ貞操観念の乱れきったあの野郎がモテる！？俺はこんなにも純情であるというのに！！」<br /><br />チンポの黒くなってしまったサッカー部員が女をはべらしている光景を目撃してしまった瞬間、我々の心は血の涙を流すだろう。なぜ？ホワイ？何度も騙されているのに、あの子はまたアイツのところに戻るんだ――？人智を超えた男女の情事、愚者の繁栄、賢者の不遇。そして僕たちはこう思う。<br /><br />「絶対、俺の方があいつよりも大切にしてあげるのに！」<br /><br />大切にする、という言葉が孕む意味はひとつではない。あの子に対してアイツよりも深い愛情を持って接するよ、もっと多い給料を持って帰るよ、休日は全て彼女に捧げるよ、家事全般は何でもこなすよ……様々考えられるだろう。<br /><br />共通しているのは、いずれも 『自分の方がそのゲスな男よりもメリットに富んでいる』 という一点だ。あるいは、そういう自負もないままに 「なんであんな野郎に……」 型のルサンチマンを抱くこともない。<br /><br />「数値化して考えれば、俺の方が良物件じゃねーの？！」<br /><br />あの日の僕の絶叫であり、これを読んでいる皆様がいつか抱いた涙のスクリーム。お察しいたします。<br /><br />だが、僕がその悲しみを察しても意味がない。僕がどれだけ皆さんに深い共感を寄せたとしても、あの日、あの時、あの新宿で！スロット狂いの丘サーファーに意中のあの子がテイクアウトされた過去、そいつが消滅するわけではない。あるいはその夜にドンキホーテ前のつぼ八で涙と共に消えていった新渡戸稲造が戻ってくるわけでもない。全ては起こってしまったことなのだ。僕たちは事実・史実を粛々と受け止めて生きていくほかないのである。<br /><br />倫理、論理、理解を超えた恋慕関係。そういうのはどこにでも転がっている。DV野郎のクセして女には事欠かない男、無職なのになぜかいつも彼女がいる男、多股をかけておきながら全ての彼女に愛されている男――そんなのは一山幾らのありふれたエピソードだ。<br /><br />しかしながら、ありふれているからといって、それを是とできる訳ではない。僕自身、ずっとずっと、『どうしてあんな人たちがモテるのか？』 という部分に思いを馳せ続けていた。けれどもその答は、いつまで経っても見えてこなかった。<br /><br />そんなある日、僕は考える方向性を変えることにしたのである。<br /><br />『一定数の女性は、どうしてあんな人たち （いわゆる "だめんず" と呼ばれる方々） を好きになるのか？』<br /><br />同じことを言っているようであるが、実際のところは少し違う。これまで僕は、男性の視点で『どうして彼らがモテるのか？』という点を考えていた。だがある時、僕は初めて女性の視点で 『彼らのどこに惹かれるのか？』 という部分を考察したのだ。<br /><br />そして、僕は一つの仮説を導くに至る。<br /><br />僕たちからすればダメな男に見える人々、そんな彼らはもしかすると、女性からすれば――<br /><br />萌え系なのではないだろうか。<br /><br />それは、ジャーゴン的定義としての "萌え" には該当しないかもしれない。しかし、それでも、一定数の女性たちが、いわゆるダメな人たちに抱いてしまう、ほとんど脊髄反射的な好意というのは、どこかしら萌えに通じる部分があるのではないか？僕はそのような考えを抱いたのである。<br /><br />たとえば我々は、無意識的にドジっ子という存在に対してときめきを覚える。程度問題であるが、甚大な被害が生じないレベルのドジっ子であれば、多くの方は 「まったく、こいつは仕方がないなぁ～＾＾」 式のTOKIMEKIを胸に芽生えさせることだろう。<br /><br />ここで、もしもそのドジっ子を人として "数値化" してみれば、それは『何かしらの欠点のある人』ということになりそうだ。<br /><br />グラスを割る、魚を焦がす、就業時間に遅刻する……いずれも 『しない方がマシ』 というレベルの行為であり、ごくごく合理的に考えれば、かかるドジっ子という存在は 『恋人としてあまり相応しくない人物』 ということになってしまう。<br /><br />だが、現実は少し違う。魚を焦がしてしまった結果、近隣一帯を火の海に包んでしまった……という事例は （心情的にも法政策的にも） 問題があるが、そうではなくもっと小さな案件、具体的には 『<span style="color:#FF00FF;">旦那さま～、サンマを焦がしちゃいました……</span>』 型のケースであるならば、僕たちは割合ほっこりとした面持ちで許しを与える、可能性が高い。<br /><br /><font size=2>（可能性に言及したのは、この事例の場合やはり "容姿" というファクターも重要視されてくるからなのであるが、ここでその話にまで触れると議論が錯綜してしまうので、置いておこう）</font><br /><br />とにかくも、本来はマイナス要因でしかない筈の "ドジ" というパラメーター、これが我々の業界においてはしばしば "ご褒美" "グッドイナフ" な項目として立ち上がってくるのである。<br /><br />そして、これはある意味で非常に不合理な事実でもある。<br /><br />先に申し上げた通り、もしも我々が効率や合理性だけを追い求めて生きるのであれば、かかる "ドジ" について憤りを覚えることこそあれ、萌え的な感情を覚えることは、些か不可解であるからだ。<br /><br />しかし、現実に我々の多くはドジっ子にTOKIMEKIを覚えてしまうのだ。理屈や道理を抜きにして、僕たちはそんな彼女たちに対してMUNE-KYUNしてしまうのである。<br /><br />だから、もしもその状況を指して、通りすがりの女性から<br /><br />「<span style="color:#FF0000;">どうして？！アタシの方が家事全般をこなせるよ！？</span>」<br /><br />とシャウトされてしまったとしても。<br /><br />「<strong>そうじゃ、ないんだよなあ……</strong>」<br /><br />僕たちは言うことだろう。いや、言うに違いない。根拠はないが、確信はある。<br /><br />『そーいう話をしてんじゃーねんだよ！！もっとこう、なんつーか！？俺たちだって心あるオスだからさあ、あれだよ、理屈とか抜きにしたファジーなところっつーか、あるだろ？！そういうのさー！！』<br /><br />――ここまで考えた時、僕はその台詞を丸ごと自分にぶつけてみるべきだと思った。<br /><br />あの日、あの夜、あの新宿で！僕に激しい憤りを与えた黒チンポの沢崎君。彼にしたって、女の側からすれば、僕がどれだけ "自分のいいところ、優れているところ" をプレゼンしたとしても、結局のところ<br /><br />『<span style="color:#FF00FF;">だから、そういう話じゃあーねーのよ！もっとこう、なんていうかー！彼のだらしないとことか、ちょっと見栄を張っちゃうとこっつーのかなぁー！！そういう部分も併せ含めてKyunKyunしちゃうんだから仕方ないじゃん？！あんたってホントつまんない人！！</span>』<br /><br />そんな思いを抱かれていた可能性が大なのである。もちろんその判断の前提に沢崎君の容姿が寄与している可能性も検討しなくてはならないのであるが、その話にまで立ち入ってしまうと72万字ほどタイピングする必要があるので今日のところは置いておきたい。<br /><br />要するに <br /><br />『僕たちがドジっ子を評価するように、一定層の女性の方々もドジ男 （それはつまりギャンブル狂いであるとかヤリチンであるとか常習窃盗犯であるとかシャブ狂いであるとか、そういう類のドジ） にTOKIMEKIを覚えるのではないか』 <br /><br />この辺りの可能性を僕は看過していたのだ。だからこそであろうか、僕は生まれてから25年ほどの間 『人間的に完璧を目指すほど、完璧に近づくのだ』 という思いを抱き続けていた。かつ、完璧に近い人間であればあるほど、異性からは好かれるのだと信じていたのである。<br /><br />もちろん、そのことが完全に間違っているとは思わない。だが、人間関係というファジーな舞台においては、必ずしもそうでないという可能性も認識しておくべきなのである。<br /><br />名作 『七人の侍』 という映画の中には、以下のような台詞が登場する。<br /><br />「<em>どんな名城にも、必ず弱点がある。だからこそ我々は、その弱点にて敵を迎え撃つのだ</em>」<br /><br />心ならずも我々は完璧を目指してしまう。それ自体悪い心掛けではない。しかし、完璧な人間なんてどこにもいない。そうであるならば、自らの弱点を見据え、理解した上で、受け入れる。<br /><br />『俺、浪費癖があってさぁ……参っちゃうよ』<br /><br />受け入れて、吐露する。<br /><br />『ホント、仕方ない人だねー。じゃあ、家計簿でもつけてみれば？』<br /><br />吐露して、補ってもらう。<br />会話が生じ、続いていく。<br />そんな関係もあっていいだろう。<br /><br />そのような在り方、生き方を指して 『自堕落だ』 『自己批判の精神が足りない』 と叱咤する人もいるかもしれない。もちろん、その指摘だって正しい。<br /><br />だが、再三になるが、人の在り方や誰かとの人間関係は非常にファジーなものだ。自堕落な人だからこそ支えてあげたいと思う人もいるだろうし、あるいは目の前の男性が完璧に見えるほどに、名状し難い劣等感をその胸に抱いてしまう女性もいる。<br /><br />『どうしてあんな野郎に……』<br /><br />そう思ってしまう僕の、僕たちの心は自由であったが、その思いで誰かの情緒、情念、恋慕の想いを縛り付けることは難しい。人間関係は、とみに恋愛関係は、仕事とは異なるからだ。完璧でブレのない味付けがいつでも最善、とは限らないのである。<br /><br />そんなことを、最近になってようやく思うに至った次第なのである。<br /><br />何が言いたかったのかというと、詰まりは、ちょっとメタボってしまったあなたのお腹も萌え系 （∵ぽっちゃりってステキ！） 、ギャンブルに狂ったあなたの姿勢も萌え系 （∵宵越しの銭を持たないソウルフルな態度がステキ！） 、エロゲが大好きなあなたの嗜好も萌え系 （∵形を持たない対象に様々な想像力を働かせる風情がステキ！） 、無職のあなたも萌え系 （下らないシステムに組み込まれないパンクな態度がステキ！） うっかりしてテロリズムなどの重犯罪行為に打って出るあなたも萌え系 （法治国家に敢然と立ち向かうニヒルな行動原理がステキ！） ……ということでな、そういうのな、あると思うし、そのーまあ、クリスマスも近づいておりますけれども、お前らみんな萌え系だよ。萌え系よ！<br /><br />だから、ドーンと構えておきなさい。<br /><br /><br /><br />※<br /><br /><br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/130960013.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/130960013.html</link>
<title>なぜ我々はAVを観るのか ～リバイバル～</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-10-23T02:25:26+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />来月でブログを初めて丸5年になるんですが（seesaaに移転する前にMSNでブログをやっていたため）、ある程度の期間日記なんてもんを書いてると 「あ、これについて触れてみよう」 みたいなテーマを見つけても、過去の日記中で既にそのネタに言及している場合がよくあります。それ自体は仕方のないことなんですが、それでも同じネタについて、昔と今とでは考え方が変わっている……ということもあり得ます。<br /><br />というわけで、今回は 『以前触れたことのあるネタについてもう一度言及してみよう』 という趣旨のもと、日記をしたためてみる次第。新規性に乏しく、また内容的に重複する部分もあるかとは思いますが、そこはまあご愛嬌ということで、ひとつ。<br /><br />あのー、まあ、いわゆるところのエロ本とかAVとかね、そういうモンについてなんですけれども、僕自身にはそういう経験はありませんが、世に生きる男性の中には恋人の方から<br /><br />「どうして私（＝彼女）がいるのにAVなんて観るの！？」<br /><br />といった趣旨のことを鬼のテンションでシャウトされることがあるらしく、なんというかその論旨としては<br /><br />「自分がいるのだから、他の女で興奮するなんて言語道断。そんなのは精神的な浮気だ」<br /><br />ということみたいなんですけれども、どう考えるべきなんでしょうね、このあたりの主張というのは。<br /><br />言いたいことは分かる。僕としても、女性の方々が 『恋人がAVを観ているのってちょっと……』 と思う気持ちは感覚的に理解できる。好きな人だから、愛するパートナーだからこそ、自分のことだけ見ていて欲しい。そんな風に願っちゃうマインドってのは何も女性だけに特有なものでもないし、あるいは異性関係に限らず "好ましいもの" に対して執着心を抱くこと、独占欲を覚えること、それは誰にだってあることだ。<br /><br />だけど、ここで考えなきゃいけないのは、そして最も気をつけておかなきゃいけないのは 『果たしてAVやエロ本を見ている男たちは、彼女から気持ちが離れているのか？』 この部分ではないだろうか。その疑問に対する答がイエスであるのなら、女性の皆さんも心置きなく男性を糾弾するといい。なぜなら、それは正しく "精神的な浮気" だからだ。<br /><br />しかし、そうではない場合。言い換えれば "多くの男性はAVやエロ本を彼女とは違う次元で捉えている" ということになるのであれば。そのときは視点を変え、もう一歩進んだ議論へと踏み込んでいくべきだと思う。<br /><br />AV、ないしエロ本というものは、大きく分けて二つの機能を有している。<br /><br />ひとつには鑑賞的側面。これは 『AVやエロ本を見ること、それ自体が趣味』 といった人たちにとって重要となるファンクションだ。<br /><br />古今東西ありとあらゆる官能物を収集し、それを眺める。<br />文化的な側面からそれらを熟読し、考察する。<br />その様子を、光景を、極めて表面的にだけ捉えれば<br /><br />「いやらしい、またあんな本を見て」<br /><br />ということになりそうである。<br /><br />けれども、お察しの通り、彼の方々の目的は己が劣情を煽ることではない。AVやエロ本を鑑賞しているその瞬間に刺激されているのは、ひたすらに知的好奇心でしかあり得ず、もしも当人が読んでいるのが 『でらべっぴん』 であったとしても、それは <br /><br />"その時読んでいたのがたまたまでらべっぴんだった"<br /><br />という以上の意味はない。彼にとってはカーマスートラ(*)もでらべっぴんも （趣味の対象として） 同程度の位置に据えられるのである。故に、かかる人物に対し、その行動の極めて表層的な部分 （エロ本を読むという行為） だけを指して 「あの人はいやらしい人だ」 と侮蔑すること、それは賢い言動ではないのだ。<br /><br /><font size=2>(*カーマスートラ……古代インドの愛の経典でおよそ4世紀から5世紀にかけて成立した作品といわれており、『アナンガ・ランガ』『ラティラハスヤ』と並んでインド3大性典のひとつとされる)</font><br /><br />さて、AVないしエロ本にはもう一つの機能がある。こちらの方がより一般的な役割を担っていると考えられるのであるが、率直に言えばそれは "実用的機能" のことであり、俗な言葉で形容をすると "オカズ" というファンクションのことである。<br /><br />エロ本やAVを、ひたすらに "性的な視線で" 鑑賞する状態のことだ。<br /><br />結局のところ 『彼氏がAVを観ていた……殺したい……』 式の嘆きを解決するためには、この後者の機能をどう評価するか？議論はその辺りに行き着くのではないだろうか。<br /><br />「彼女がいるんだから、オカズなんて必要ないじゃない！」<br /><br />なるほど、一理ある主張だ。一度心に決めた人間がいるのに、その興味 （専ら性欲） を彼女以外の第三者に傾けるなんてとんでもない……その言い分は一面からすれば正しい。我々としても、帰宅するや否や彼女サイドから<br /><br />「このAVはなんだテメー！ぶち殺すぞ！」<br /><br />みたいな趣旨のことを北斗晶のテンションで叫ばれたならば、理屈よりも先に 「こらえてつかーさい！」 と土下座をカマすことだろう。そのような状況にあって下手な言い訳など何の役にも立たないからだ。<br /><br />しかしながら。僕たちは勃起してしまうのである。あなたのことが好きで、大切で、どれだけ、愛していても。ふとした瞬間に、何かの弾みに、心が揺れ動いて、挙げ句の果てに、興奮――勃起を、してしまうスペクタクルが。確かにあるのだ。<br /><br />芽吹く春。風は爽やかに吹き抜ける。見上げた先には咲き誇る鮮やかな桜。僕たちは陽光に目を細めながら、微笑みとともに舞い散る桜吹雪を瞳に映す。アスファルトの鈍色すらも美しく、そして儚く感じられる刹那。不意に思う。<br /><br />時よ止まれ　お前は美しい<br /><br />風が、今度は先ほどよりも強さを増して、吹き抜ける。脚の間を何かが駆け抜けていくような感覚。頭を垂れるが、もちろんそこに人影はいない。春風の戯れ。四季への敬意。<br /><br />「きゃっ……」<br /><br />短くそして華奢な嬌声が、鼓膜に届いた。見るともなしに声のした方に目を遣る。<br /><br />ひらり、ひらりと。<br />舞い散るような、一葉のパンツ。<br /><br />「やだ、もう……」<br /><br />眩く白いその布は、その日目にしたどの桜花よりも切なくて儚くて美しく、情感的だった。ふと顔を上げ、パンツの君の顔を閲（けみ）する。<br /><br />可憐で、清楚で、瑞々しい力強さを内に押し込めた少女が、そこにいた。<br /><br />瞼を閉じる。<br />そこに蘇るは白い軌跡と、白い奇跡。<br />舞い踊る、何度でも何度でも、くるくると楽しそうに、くるくると。<br /><br />世界にひとつの土筆が、一本。<br />股間に聳えた。<br /><br /><br />「――そんなことが、あったから。女子高生パンチラもののAVを二本、僕は借りた次第なのです」<br /><br /><br />如何か。<br /><br />現象は止められないのだ。<br />風の訪れを知り、女性の悲鳴が聞こえた瞬間。<br />我々は、考えるよりも先に 『その方』 を見てしまうのである。<br /><br />この行動は、衝動は、誰のことを好きであろうが、あるいは愛していようが、抗える類のものではない。そして、ここからが肝要なのであるが、その結果としてパンチラを閲してしまった僕たちの心が、股間が、興奮してしまうこと――これもまた、抑え難いフェノメノン（現象）なのである。<br /><br />現象は更に進む。一旦興奮してしまった心は、生半には冷静にならない。ともすればドミノのように興奮が高まることもあるだろう。<br /><br />そうなると、僕たちの心はいかにも弱い。目は虚ろになり、気はそぞろ、両の手は震えに震え、四肢の自由すら奪われてしまう。せめてもの策とばかりに瞼を閉じるも、そこに浮かぶのは最前に見たパンチラの幻影。<br /><br />そして最後に思うのだ。<br /><br />オナニーをするほかない、と。<br />オナニーを以て真人間へと戻るしか途はない、と。<br /><br />このような僕たちの心象風景について、では、女性の皆さんは何を思うのだろうか。憤怒？悲嘆？あるいは諦念？様々あるだろう。いずれにしても好意的な心情にはなり得ないこと、それは理解している。<br /><br />だが、いくら皆さんが怒っても、悲しんでも、あるいは嘆いても、僕たちは僕たちとして在り続けることしかできない。<br /><br />愛するあなたが怒るから、私はパンチラに興奮するのをやめる<br /><br />――それは、不可能への挑戦でしかないのだ。<br /><br />「じゃあ、興奮してもいいけどさあ……でも、別にオナニーしなくてもいいじゃん！興奮して、そこで終わりでいいんじゃないの！？」<br /><br />気持ちは察する。だが、それは "理" の話でしかない。もしもこれがギャンブル狂いの話なら、僕としてもあなたの "理" に耳を傾けることだろう。だが興奮とは、性欲とは、もしくはオナニーとは、皮肉なことに "理" ではなく "情" の世界の話なのだ。これこれこういうわけで嫌だ、故にやめて欲しい――その理が耳に届いたとしても、心にまでは届かないのである。非常に申し訳ない話なのであるが、どれだけ皆さんが「嫌だ！やめて！」とシャウトしたとしても <br /><br />『したいから、する』 <br /><br />これが僕たちの不文律なのだ。<br />もっと言えば<br /><br />『パンチラの残像が瞼の裏に残っているうちに、<strong>させれ</strong>』<br /><br />魂の叫びなのである。<br /><br />このような想いのもと、実用的な側面ばかりを重視してAVを鑑賞する瞬間が、僕たちにはある。それは何もパンチラを見た瞬間にだけ顕著となるわけではない。満員電車で隣にボインなチャンネーが立っていた、就職活動中の女子大生がリクルートスーツを着ていた、銀行窓口に座るお姉さんの谷間が見えた……など、実例については枚挙に暇がない。そして僕たちは、その時々に非常に高い確率で 『オナニーを、させれ』 といった感想を胸に抱いてしまうのである。<br /><br />下賎な奴らだ、と思われるかもしれない。<br />最低、これだから男は……と嘆かれているやもしれない。<br /><br />それでもいい。<br />そう思ってしまう女性の皆さんの心の動き、これもまた現象だ。<br />止めることは誰にもできない。<br /><br />しかし、これだけは覚えておいて欲しい。<br />僕たちは、その時々において、ひたすら "不定形のオカズ" しか求めていないのだ、ということを。極めて抽象化されたパンチラというものを、リクルートスーツというものを、胸チラというものを――ひたすらに、その心に、求めているのだけでしかないのだと、そのことを。<br /><br />僕たちがAVを見ていたとしても、エロ本を見ていたとしても、個別具体的な "モデル" "AV女優" などに、さほど深い意味はない。好みの問題はあるにせよ、この人じゃないとフィニッシュできない！という状況は、ほとんどあり得ない （これは別途述べようと思っていたけれど、字数の都合上端折って書くと、そういう "決め打ちの人" は確かに 精神的な浮気人に該当しうる。そこは僕も認めたい） 。我々はAVやエロ本というフィルターを通して、ただただ 『"そういう" 状況』 を追想しようとしているだけのことなのだ。その追想の補助ツールとしてAVやエロ本を用いているに過ぎないのである。<br /><br />AVを通して、架空の銀行員と決算的な官能を味わいたい――<br />エロ本を通して、形而上のCAと夢フライトをカマしたい――<br /><br />そのような情熱を、誰が止めることができようか。<br /><br />あるいは。<br />AVを見るな、エロ本を見るな！との訓告、それは<br /><br />「そんな状況に興奮を覚えるな、劣情を催すな！」<br /><br />と強要することに等しい。<br />だが、それは決して容易なことではないのである。<br /><br />他の女性に目移りするな！ということと、パンチラに価値を覚えるな！ということは、決して同値ではないからだ。僕たちの心はそこまでシンプルには作られていないのである。風景・情景たるパンチラを、個別具体的な人物像と同列に扱うことは、とても難しいことだ。<br /><br />かくして、僕たちはAVを観る。<br />エロ本を買う。<br />エロゲームだってするかもしれない。<br /><br />けれど、それは決してあなたのことを軽んじているからではない。ただ自分の中の拭いきれない昂りを、センチメンタリズムを、劣情を、あるいは弱さを、抑えきれないから……というだけのことだ。そのことを指して浮気だ、裏切りだと糾弾されては、永劫にまともな議論は望めないことだろう。<br /><br />だから、それを踏まえた上で。<br /><br />「言い分は分かった、けどパンチラに興奮するようなあなたは嫌だわ」<br /><br />あなたがそう言うのなら、僕はそれを受け入れたい。<br />なぜならそれは、あなたが自らの中で冷静に、何度も熟慮した上で導いた、かけがえのない結論なのだから。かつ、その帰結は、両者の価値観の相違から導かれているに違いないのだから。<br /><br />価値観が異なる二人がいつまでも一緒にいることは難しい。<br />それが故に別れるほかないのなら、それはもう仕方のない話なのだ。<br /><br />そして、その時は。<br />パンチラ的自己人格を選ぶか、彼女との生活を選ぶか。<br />僕たちにしても、その辺りのことを真剣に考える以外の選択肢は残されていないことだろう。<br /><br />そういう風な男女の向き合い方だって、あっていいと思うのである。<br /><br />もしもこれを読んでいる人の中に、パートナーや恋人、あるいはまだ見ぬ彼について  「AVを観ちゃう人はちょっとね……」 と思ってしまう人がいるのなら。辛く、無為に思えるかもしれないが、どうか今一度だけ <br /><br />『どうして彼はAVを観ているのか？』 <br /><br />そのあたりのことを、できれば熟考して欲しい次第だ。<br /><br />それでは、この辺で。<br /><br />・・・<br /><br /><font size=2>（参照）今日の話と似たテーマを扱った日記。<br /><a href="http://2949.seesaa.net/article/38221016.html">オナニー・シーン</a>　（2007/4/8）</font><br /><br />・・・<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF&amp;hid=35">
<link>http://match.seesaa.jp/ot_listing.pl?aid=45900&amp;sid=2949&amp;tid=seesaa_hotspot&amp;k=%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF&amp;hid=35</link>
<title>[PR]注目のキーワード「ドバイショック」</title>
<description><![CDATA[

]]></description>
<dc:date>2009-10-23T02:25:26+09:00</dc:date>
<dc:creator>ads by Seesaa</dc:creator>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/130883028.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/130883028.html</link>
<title>夢が見えにくくなってしまった現代で</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-10-22T01:34:18+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><br /><a name="more"></a>　<br />皆さんも子供時分には【夢】みたいなものを抱いたことがあると思うし、あるいは現在進行形で夢を追い続けているのかもしれないけれど、それでも多くの人が【夢を追い続けること】の難しさ、それに気が付いているのではないだろうか。<br /><br />夢の前には、現実がある。<br />往々にして僕たちは、辛くて苦しい現実を前に、【夢】を諦めてしまう。<br /><br />そんな中で僕は思う。<br />それでいいのだと。<br />いやむしろ、そこからしか始まらないストーリーもあるのだ――と、そんなことをいま、強く。<br /><br />「夢を諦める」<br /><br />この言葉の背後には、そこはかとない "情けなさ" みたいなものが見え隠れする。夢を追うことは素晴らしい、夢を掴むことは何にも代え難いものだ――このような 『夢至上主義』 的な思想は、別段奇異なものではない。『夢を持たなきゃ！』、教師からそんな台詞を投げかけられた経験は皆さんにも一度くらいはあるだろう。<br /><br />結果として僕たちは 『夢、らしきもの』 をその胸に抱く。<br /><br />総理大臣になりたい<br />発明家になりたい<br />宇宙飛行士になりたい<br /><br />クラスの文集に並ぶお決まりの職業の数々。もちろんそれが悪いとは言わない。無知蒙昧さから発せられる大言壮語は、若者にだけ許された特権だからだ。<br /><br />だが、僕らはいつか知る。<br />自分は決してプロ野球選手には、芸能人には、画家には、政治家には、なれないことを。幼い頃には無限にも思われた自らの可能性、それは歳をとるごとにその数を減らしていき、気付いたときには既に幾許の可能性もなくなっていることを。<br /><br />次第に僕たちは、己が胸に抱く夢の形を変えていく。<br /><br />野球選手が無理なら、スポーツ用品メーカーに入ろう。<br />芸能人が無理なら、マネージャーを目指そう。<br /><br />そうやって、自らの夢を下方修正させながら現実を生きていくのだ。『やりたいこと』から『やれること』へと、『したいこと』から『できること』へと、己が夢の在り方を変容させていくのである。<br /><br />そのような生き方を指して 『夢を諦めたんだね』 と揶揄することも、あるいは自嘲気味に笑うことも可能だろう。けれども僕は言いたい。それでもあんたは十分輝いてるよ、と。<br /><br />なぜならば、あなたが自嘲するあなたの仕事は、他の誰かの【夢】なのかもしれないのだから。あなたの生き方そのものが、他の誰かの【理想】なのかもしれないのだから。<br /><br />この言い分はただの詭弁である。とある職が誰かの夢であったとしても、そこに従事している当人の絶望・辛苦を根本から癒すわけではないからだ。<br /><br />「奇麗ごと言うくらいだったら、お前が実際にやってみろよ！」<br /><br />という主張を前に、僕がいくら<br /><br />「でも、それは他の誰かの夢なのです」<br /><br />とシャウトしても、そこに何らの価値もない。<br />そんなものは意味のない相対化なのである。<br /><br />ただ、それでも。しばしば近視眼的なものの見方に囚われがちな僕たちだからこそ、ややもすると 「どうして自分だけがこんな不遇に……」 そんな被害妄想に苛まれてしまいがちな僕たちだからこそ、利害関係のない他者から<br /><br />「そんなことはないよ、あなたのしていることだって、置かれている境遇だって、随分と素晴らしいものなんじゃあないかな――」<br /><br />救われる瞬間だって、あるだろう。<br /><br />この考えを突き詰めていけば、最終的には『日常に転がる小さな幸せに感謝する』という宗教的なマインドへと行き着く。ともすれば我々はマスメディア主導の 『分かりやすい成功』 ばかりを 『幸福』 と捉えがちだが、成功することと幸せになることは必ずしもイコールではない。いつかの日記でも書いたように、<a href="http://www.nhk.or.jp/dodra/kansahoujin/" target="_blank">監査法人</a>というドラマの中においては<br /><br />「<strong>幸福は心の問題。成功は富と権力のこと</strong>」<br /><br />そんなことが述べられている。<br />成功したいのか、幸福になりたいのか。<br />僕たちは両者を絶えず分けて考える必要があるのかもしれない。<br /><br />小さな幸せ、心の幸福は、きっとそこかしこに眠っている。その数が多ければ多いほど、その人の人生は充実したものとなり得るだろう。たとえ、通り一遍の成功は掴めていなくとも。<br /><br />服屋には服屋の。<br />花屋には花屋の。<br />パン屋にはパン屋の、喜びがある。<br /><br />華々しい職業だけが職ではない。身分や経歴だけでは計れない 『幸福の基準』 というものは、確かに存在するのだ。どんな仕事だってすべからく評価されるべきなのである。<br /><br />そういう訳で、大学三年生の皆様におかれましては就職活動も始まることかと思われますが、大企業ばかりが企業ではありませんし、有名な職種ばかりが職業でもありません。そういう観点から、ここは一つ、私が正しい職業情報というものをお伝えしようと、そのような気概と胆力をもって本日の日記をしたためる所存であります。付け加えていえばこれまでの記述は全て本筋とは関係のない話であり、早急に忘れて頂いて構わない叙述でもあります。<br /><br />一旦CMに入ります。<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />（前回までのあらすじ）<br />借金の返済期日の猶予を求めにいったマスオであったが、そこで待ち受けていたのは弱みを盾にとった花沢社長から繰り出される濃厚なホモ・セックスの類であった！襲いかかる半金半手、実行される抵当権、快楽の渦の中でマスオは自我を失っていく。『サザエ、タラオ……！』心の中で愛する者の名を叫ぶも、その声はもう誰にも何にも届かない――。<br /><br />・・・<br /><br />「ただいま……」<br /><br />下半身に残る違和感を強引に抑えつつ、マスオは居宅へと戻る。ありがたいことに、まだ誰も帰っていないようだった。正直、家人の誰かに自らの動揺を見咎められない自信がなかった。<br /><br />「ううっ、グッ……」<br /><br />声を殺して咽び泣くマスオ。シャワーから放たれる温水も、彼の心までは暖めてくれない。自分は、汚れた――そのことを認識するたびに後から後から涙が溢れてくる。<br /><br />「あなた？帰ってたの？」<br /><br />ガラス越しに細君の声が聞こえた。買い物にでも行っていたのだろう、その手にはレジ袋が握られているようだった。泣いていたことを悟られてはいけない、マスオは歯を食いしばりながら努めて平静を装った。<br /><br />「ああ、今日は早く仕事が終わったからね」<br /><br />嘘をついた。本当は午後から丸ごと半休だった。一週間前に花沢社長から電話があったときから、そう決まっていたのである。<br /><br />（あの時、もし断っていれば……）<br /><br />考えてから、すぐにかぶりを振った。所詮、遅いか早いかの違いでしかない。僕が借金を返済しなかった以上、濃厚なホモ・プレイを強いられることは必定だったのである。全ては自分の不甲斐なさが原因なのだ。<br /><br />そう、あの夜の僕の、不甲斐なさが――<br /><br />【三ヶ月前　新宿】<br /><br />「ええー！？『ホモの男がレズのふりして義母にSMを仕掛けるが、実は妹の父親だった』なんていうプレイを実現してくれる店が歌舞伎町にあるのかい？！」<br /><br />「それがあるんだよ、フグ田くん」<br /><br />最初は、酒の席でのたわいない戯れ言だった。そういうプレイができればなあ……という願望をこぼした、ただそれだけだった。<br /><br />「こう見えても、僕はこの辺りでは "顔" なんだよ」<br /><br />それを、同僚のアナゴ君は聞き逃さなかった。彼の広範なる情報網は、マスオのバカげた夢想までも余さず掬い取ったのだった。<br /><br />「しかし、フグ田くんがそんな嗜好の持ち主だとはねぇ……」<br /><br />「いやー、恥ずかしながら……」<br /><br />酔った頭は冷静な判断能力を失わせていく。普段であれば『いやだな、ただの冗談だよ』と混ぜっ返すところだろう。だが酒は、性衝動は、マスオの理性を簡単に屠り去ったのである。<br /><br />「早速行こうじゃあないか」<br /><br />力強く宣言し、立ち上がるアナゴ。その時のマスオには抗う気概など一完全に消失しており、脳内にあったのはただただ桃源郷への憧憬だけなのであった。<br /><br />「いらっしゃいませー」<br /><br />アナゴに導かれるまま、薄暗い店内へと入っていく。やかましいユーロビート調の音楽が耳をつんざいた。普段なら鬱陶しく思われるそのミュージックは、マスオに対し心地よい非現実感を与えた。<br /><br />「ご希望のプレイは？」<br /><br />愛想のいい黒服がマスオに水を向ける。ふと顔を上げれば『遠慮するなよ』とでも言いたい様子でアナゴが笑っていた。マスオは生唾を飲み込み、口を開く。<br /><br />「……ええと、この『ホモの男がレズのふりして義母にSMを仕掛けるが、実は妹の父親だった』コースを……８時間で……」<br /><br />熱に浮かれたような顔で要望を告げるマスオ。<br /><br />だが、彼は気付かない。<br />地獄の釜の蓋は、既にゆっくりと開きつつあるという、その事実に――<br /><br />（続く）<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />そういう訳で、僕たちは世の中に色々な職業があることは知ってはいても、 『実際のところ、その仕事がどういうものなのか？』 という部分に立ち入ったとき、途端に言葉に窮してしまいます。その結果として僕たちは極めて表層的なイメージだけであらゆる職を語らざるを得ません。芸能人は金が稼げそう、だとか。プロ野球選手は女子アナと結婚できそう、とか。皆さんにもありますよね、そういう経験。<br /><br />でまあ、ご存知の通り前者の場合は『金が稼げる＝金持ちになれる＝たくさんセックスができる』という方程式が構築されるわけですし、後者の場合においても『女子アナと結婚できる＝たくさんセックスができる』と、こうならざるを得ないわけで、このことをもっと端的に表現すると<br /><br />『セックスがしたい』<br /><br />こうなってしまうのですが、なってしまうのですが、皆さんもお察しのとおり別に芸能人やプロ野球選手ばかりがセックスしているわけじゃああるめえ。で、あればですね、身近にある職種・業種について『どれだけセックスが成し遂げやすいのか』、この辺りの評価をもう一度、いま一度施す必要があるのではないか？とまあ、僕はこのように思う次第です。だってさ、日常に転がる小さな幸せって、そりゃセックスまでは中々難しいかもしれませんけど、それでも『どれだけのエロシーンと遭遇できるか？』って、その辺りに尽きるわけでしょう。パンチラとかさぁ。透けブラとかさぁ。あるじゃん、そういうの。忘れたくないじゃない、そういう熱い気持ち。<br /><br />もちろん、僕たちはエロシーンだけでは生きていけないので、もっとこう、将来性とか給料とか、そういうのも総合考慮していかなければなりません。その辺りのことも併せ含めつつ、これから少し 『身近に転がる親しみやすい職種』 というものを再評価していこうと思います。<br /><br /><br />【評価は★（最大で５つ）で行われます。なお、諸事情によりその可能性が未知数の項目については『？』という表記がなされます】<br /><br /><br />■本屋さん<br /><br />将来性　？<br />所得　？<br />楽しさ　？<br />エロさ　★★★★★<br /><br />→結局僕は本屋さんで働いたことがないので詳しいことはよく分からないのですが、それでも様々なメディア（主にAVなど）を拝見した上で意見を述べさせていただくならば、例えば過去から現在に亘って書店においては万引き犯をどう対処するか？この辺りの問題と闘い続けているという話であり、また万引き犯というのは 『ちょっぴりスリルを求める女子学生』 『家庭環境に不満のある女子学生』 が大半を占めている、相場でありまして、まあ往々にしてそのようにしてスリルを求める女子学生、家庭環境に不満のある女子学生というのは性的なことにも興味津々丸&#63889;というのが古来からの必定なのですが、その見地を踏まえて考えてみると、結局書店の店長が万引き犯を取り押さえ、かつそれが女子学生である場合、まずは事務所に連れて行くのが定石でしょうが、その後は鬼刑事のマインドで「オラ！この落とし前はどうしてくれるんだい！？」的な詰問をカマす、その恫喝に恐れおののいた女子学生は「堪忍して下さい……家に電話するのは、学校に電話するのだけは……何でもしますからぁ！」と哀願すること請け合い、それを受けて店長としても「ほう、何でもねえ……」と思わずペロリと舌なめずり、した結果「じゃあ身体で払ってもらおうじゃないか」と、まあこうなる、ここまでがワンプレイ。<br /><br />如何か。もちろん全ての書店でこのような夢劇場が繰り広げられているわけではありませんが、僕の仕入れた情報（主にAV）によりますと、このような図式は毎晩の如く（主に画面の向こうで）繰り広げられているわけです。どうです？何だかワクワクしてきませんか。してきますよね、当然。<br /><br />あるいは、書店で働いているほどなので同僚の大半は本好きであると推察されるわけですが、僕独自のリサーチによれば、セックス好きの人に対して 「これまでに本を読んだことありますか？」 と尋ねてみたところ、10人中10人が 「うーん、あるかな」 と回答しました。つまり 『セックスが好きな人＝本を読んだことがある』 ということが確定的に証明されてしまった運びですが、このことを書店員さんに当てはめると、これはもう大変なことになる、ような、気が、してきた。<br /><br />先を急ぎます。<br /><br />■米屋さん<br /><br />将来性　？<br />所得　？<br />楽しさ　？<br />エロさ　★★★★★<br /><br />→結局僕は米屋さんで働いたことがないので詳しいことはよく分からないのですが、それでも様々なメディア（主にAVなど）を拝見した上で意見を述べさせていただくならば、古来から『人妻は米屋に弱い！』と相場が決まっておりますわけで、なぜとなれば気だるい昼下がり、家事も終えた団地妻、することはワイドショーを見るだけ、という状況にあって筋骨隆々な米屋さんが「ちわー、魚沼産のコシヒカリです」と、米俵の三俵でも抱えていけばですよ、「あらお米屋さん、いつもありがとう。ちょっとそれは運べそうにもないから、すまないんだけど部屋の中にまで運んで下さるかしら……」とこうなることがほぼ確実であり、奥さんは軽々と米俵を持ち上げるあなたの二の腕を見て「あら、いいですね」と思うこと請け合いであって（なぜなら、嫌いな人以外女性は総じて筋肉が好きであるから）、そこにあって暇を持て余している民代は「ちょっと麦茶でも如何かしら」と申し向けざるを得ないところ、あなたもあなたで「そうですか？いやー、実は喉が渇いちゃって」と、大胆にも喉仏を激しく上下させながら麦茶を飲み干してしまう他ないところ、奥さんは激動する喉仏を見るにつけ「もうどうにでもして」という気持ちの高まりを抑えきれないわけで（なぜなら、そうでない人以外の全ての女性は喉仏の動きが好きであるから）、こうなるともう後はもうやめられない止まらない、サブちゃん抱いて！めちゃくちゃにして！と飛びかかってくる民代、チリンと音を立てる風鈴、流れ続けるワイドショー、飛び散るスペルマ、夏の夕暮れ。<br /><br />如何か。もちろん全ての米屋でこのような夢劇場が繰り広げられているわけではありませんが、僕の仕入れた情報（主にAV）によりますと、このような図式は毎晩の如く（主に画面の向こうで）繰り広げられているわけです。どうです？何だかワクワクしてきませんか。してきますよね、当然。<br /><br />あるいは、僕独自のリサーチによれば、セックス好きの人に対して 「これまでに米を食べたことありますか？」 と尋ねてみたところ、10人中10人が 「うーん、あるかな」 と回答しました。つまり 『セックスが好きな人＝米を食べたことがある』 ということが確定的に証明されてしまった運びですが、このことを団地妻に当てはめると、これはもう大変なことになる、ような、気が、して、くるよな。<br /><br />もっと先を急ぎます。<br /><br />■水道屋さん<br /><br />将来性　？<br />所得　？<br />楽しさ　？<br />エロさ　★★★★★<br /><br />→結局僕は水道屋さんで働いたことがないので詳しいことはよく分からないのですが、それでも様々なメディア（主にAVなど）を拝見した上で意見を述べさせていただくならば、詰まるところ水道屋さんにお世話になる99.9％の人というのは水道のトラブルを抱えた方というのが相場であるところ、じゃあ水道のトラブルが起こったら一体どうなるのか？という部分に立ち入って考えてみれば、自然と「お手洗いにいけなくなってしまう」もっといえば「膀胱は破裂寸前」ということになるわけで、そこにあって一人暮らしの女子学生などはモジモジとした風情で「す、水道屋さん……早く直して下さい……」と呟くわけですが、作業は遅々として進まず、いやー参ったな、なんて三味線を弾きながら、ようやく水道工事が終わった頃には彼女のダムが猛決壊、フローリングには新たな水漏れが夢出現、おやおやおぜうさん、こっちの蛇口も修理せんとあきまへんなあ……と京都訛りで囁き女将、女子学生は女子学生で排泄の終わった恍惚感から「もうどうにでもして」的なマインドを抱くに至っているわけで、そこから先の展開は想像に難くなく、おぜうさんこいつぁすげえや、後から後から浸水してきちまわぁ、ああ水道屋さん、あなたのイチモツってまるでノギスみたい、そんな睦言を交わしながら、隣家から響いてくる掃除機の音、枯れススキのざわめき、秋の払暁。<br /><br />如何か。もちろん全ての水道屋でこのような夢劇場が繰り広げられているわけではありませんが、僕独自の妄想によりますと、このような図式は毎晩の如く（主に僕の脳内で）繰り広げられているわけです。どうです？何だかワクワクしてきませんか。してきますよね、当然。<br /><br />あるいは、僕独自のリサーチによれば、セックス好きの人に対して 「これまでに蛇口をひねったことありますか？」 と尋ねてみたところ、10人中10人が 「うーん、あるかな」 と回答しました。つまり 『セックスが好きな人＝蛇口をひねったことがある』 ということが確定的に証明されてしまった運びですが、このことを水道トラブルにお困りの全ての皆様に当てはめると、これはもう大変なことになる、ような、気が、しない、わけがない。<br /><br />紙面の都合上どんどんいきます。<br /><br />■オフィスに出入りする弁当の仕出し屋さん<br /><br />将来性　？<br />所得　？<br />楽しさ　？<br />エロさ　★★★★★<br /><br />→結局僕はオフィスに出入りする弁当の仕出し屋さんで働いたことがないので詳しいことはよく分からないのですが、それでもこの際適当なことを自由奔放に述べさせて頂けるのであれば、詰まるところ弁当を食べるほとんどの人はお腹が空いていると想像されるところ、古来から三大欲求として食欲・性欲・睡眠欲というものが掲げられているわけで、そうであるならひとたび食欲が満たされれば次は残りの欲求に向かう、というのが人生の相場でありますが、食欲を満たした場がオフィスであるならばOLの皆さんもすぐに眠るというわけにはいかず、必然的に興味はもう一つの欲求へと向いてしまうことが請け合いであり、かつ、そこに『仕事によって生じたストレス』というスパイスを加味して考えれば、これはもう性欲が高まるに任せるほかない、オフィスとか常識とか関係ない、私のことも仕出して頂戴！というシャウトが猛連呼、そこでタイミングよく弁当箱を回収に来たオフィスに出入りする弁当の仕出し屋さんであるあなた（水嶋ヒロ似）が「今日の弁当、いかがでした？」とニッコリ微笑めば、あとはもう転がる石の如し、二人だけの会議室で上になったり下になったり、私のadobeとハイパーテキストリンクして頂戴！などと意味の分からない供述をカマしながら、窓越しにけたたましいクラクション音、静かに音を立てる空調設備、冬の夜更け。<br /><br />如何か。もちろん全てのオフィスに出入りする弁当の仕出し屋さんでこのような夢劇場が繰り広げられているわけではありませんが、あるはずもないのですが、僕独自の妄想によりますと、このような図式は毎晩の如く（主に僕の脳内で）繰り広げられているわけです。どうです？何だかワクワクしてきませんか。してきますよね、しなさい。<br /><br />あるいは、僕独自のリサーチによれば、セックス好きの人に対して 「これまでに何か食物を摂取したことがありますか？」 と尋ねてみたところ、10人中10人が 「うーん、あるかな」 と回答しました。つまり 『セックスが好きな人＝ご飯を食べたことがある』 ということが確定的に証明されてしまった運びですが、このことを丸の内オフィス界隈に棲息する全ての女性に当てはめると、これはもう大変なことになる、ような、気が、しても、僕は許すよ。<br /><br />――ということで、本当はもっともっと様々な業界の実情を紹介したかったところなのですが今日のところはこの辺りでやめておきます。いずれにしても大切なことは、浅薄なイメージに囚われすぎないこと、ただそれだけなのです。<br /><br />パン屋だからパンを作るだけなんじゃないの？その短絡的な考え方は危険です。【パン屋さんは小麦を捏ねる→私のことも捏ねくり回して！】このように考えることで、そういう願望を持った方々を想像することで、様々な真実が明らかになってくるのです。見えにくいだけで、どんな職にも、きっと――幸せは、眠っているのだから。<br /><br />ただ、経験則上確実に言えるんだけど、宝くじの呼び込みのバイトな。マジで夢も希望もなかったわ。西新宿で５時間くらい延々と「年末ドリームジャンボいかがですかー」と叫ぶだけだったわ。おまけに風邪までひいたしな。あのバイトにだけは魔物が潜んでおった。そりゃグッドウィルも潰れる。<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/129820420.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/129820420.html</link>
<title>それでもええじゃないか</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-10-08T21:31:55+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><br /><br /><a name="more"></a>　<br />もしかすると、皆さんは普段 『自分は常に理知的な生き方をしている』 と思っているかもしれない。あるいは 『自分については自信はないが、周りの人は常に理知的に生きているに違いない』 と思っているかもしれない。<br /><br />だが、本当にそうなのだろうか。<br /><br /><font size=2>■【<strong>理知的</strong>】りち‐てき<br />→<em><ins>理知</ins>によって冷静に物を考え、行動するさま</em>。<br />「―な人」<br /><br />■【<strong>理知・理智</strong>】り‐ち<br />→<em>理性と知恵。<br />また、本能や感情に支配されず、物事を論理的に考え判断する能力。</em><br /><br />（大辞泉より引用）</font><br /><br />『理知的に生きる』 という言葉を辞書的に読み解けば、それは 「本能的衝動に流されず、社会、常識、法慣習等と調和的に生きる」 といった内容になるだろうか。簡単に書いてしまったが、このことを徹底して遵守することは中々に難しい。<br /><br />ただ、内心において 『自分が理知的だ！』 と思い込むこと、それは自由だ。客観的に見れば少しも理知的でない人であっても、その人に内在する "思い込みの心" は止めることはできないからである。そういう人にとって、辞書上の言語定義など、かなりチープな存在だろう。<br /><br />辞書的な意味はさておき、僕たちは往々にして、自らのことを 『ある程度理知的な人間である』 と考えている節がある。その証拠に、多少乱暴な話にはなるが、例えば皆さんが友人から唐突に 『あなたって一つも理知的じゃないよね』 と言われたら、軽めに激怒する可能性が高い。いわばそれは 「自分は理知的な部分が多々あるのに、こいつは何を言ってやがるんだ」 と、当人が思っている証左ではなかろうか。とはいえ、激怒した時点で理知的ではなくなるのであるが。<br /><br />別に揚げ足取りをしたいわけじゃない。率直に言うと、おそらく僕たちのほとんどは 『理知的』 という言葉を、辞書的なレベルより下の基準で捉えている。刑法犯にならないようにするだとか、公衆道徳を重んじるだとか、貞操を守るだとか、そういう 『最低限のライン』 を踏み越えないこと、そこに理知を見出している。<br /><br />そのように考えてみれば、確かに僕たちの大部分は理知的たり得る。言い換えればそれは 『常識的に生きる』 ということであり、あるいは 『不合理なことはしない』 ということである。<br /><br />おそらく、ここで多くの人は<br /><br />「じゃあやっぱり自分は理知的だ。だって、常識外れのこと、不合理な行いなんてしない、したことがないのだから」<br /><br />と思われることだろう。<br /><br />だが、本当にそうであろうか。<br />真実に僕たちは、いつもいつでも、常識的論理的冷静沈着的に――生きて、きたのだろうか。<br /><br />「そういえば、いまの彼女に告白するために、夜中にチャリ走らせて越境した記憶が。これってつまり、自分が冷静じゃなかった証拠か！？」<br /><br /><a href="http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/04759" target="_blank">別冊フレンド</a>でやれの世界だ。その例の場合 「こんな夜中にチャリをぶっ飛ばしている俺！熱い俺、カッコいい俺！」 という薄汚ねえ打算が働いているであろうことはほぼ確実なのであって、その意味でいえば十分理知的だと言える。だが、いま僕がしたいのはそういう話ではない。<br /><br />ヒロイックな状況にあって、我々が打算や保身という考え方を打ち捨てるのは珍しくないことだ。チンピラに絡まれた女の子を助ける、道路に飛び出した子供をかばう、火事で燃え盛る家に飛び込む、199X年において<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/トキ_(北斗の拳)" target="_blank">とある拳法家</a>が核シェルターに弟とその恋人を押し込み自らは爽やかに笑いながらその扉を閉める、などの例は古来より枚挙に暇がない。いわゆる 『<strong>頭よりも先に体が動いてしまう瞬間</strong>』 というやつだ。<br /><br />そのような場面において理知を放擲すること、無私の精神を発動させること、これは極めて "人間らしい行い" として評価されるだろう。この辺りのことは皆さんも感覚的に分かって下さると思う。<br /><br />ただ、上に挙げたようなのはかなり特殊なケースだ。僕もそろそろ生まれて26年になるが、上述したようなシーンに出会ったことなんて一度としてない。おそらく、皆さんにしても同様のことであろう。僕たちは極めて平々凡々とした日常を過ごしている。そこにあって、僕たちが理知をかなぐり捨てることなど、あまり想定できない。<br /><br />しかし、ないわけではない。皆さんも、特に男性諸兄は、胸に手を当ててよく考えて欲しい。僕たちの来し方行く末において、あの日あの時あの場所で、理性論理常識モラル、それらを一切合切破壊してしまったことが、おありになるのではないだろうか。非常に不合理なことを、社会性を身につけた人間としてはおよそ有り得ない行いをしたことが。<br /><br />そう、言うまでもなくオナニー・シーンのことである。<br />オナニーに耽っている際、僕たちはしばしば人智を超える。<br /><br />ここで注意して頂きたいのは、何も僕たちが『人智を超えたオナニー』をしているのではない、という点だ。人智を超えたオナニーというのは、まあそうですね、<a href="http://koerarenaikabe.livedoor.biz/archives/50977443.html" target="_blank">バナナの木をレイプした人</a>とか、いるんでね、そういう人については 『人智を超えたオナニー』 という概念が当て嵌まるかと思うけれども、僕がここで論じたいのはそういう超人・偉人たちがカマしたウルトラCの話ではない。『普通のオナニーをしているときに人智を超える瞬間』、このテーゼだ。<br /><br />これから語る内容は、もしかすると一部の女性にとって少しショッキングな話かもしれない。しかし僕が語る内容はいつだって史実、ないし事実に基づいている。だから、皆さんにも是非知っておいて欲しいのだ。<br /><br /><strong>床射</strong>のことを。<br /><br />床射。つまり僕たちの大半は、オナニー時に性的な高まりを覚え過ぎてしまうがあまり、時として床に、畳に、フローリングに、カーペットに――射精、してしまうことが、ある。本当に、ある。<br /><br />「それは、ティッシュがなかったから？」<br /><br />ノー、と言わなくてはならない。ティッシュは傍にある、<strong>けれども床に射精する</strong>。この匙加減。分かるだろうか。<br /><br />床射をカマす時、僕たちは確実に人智を超えている。なぜなら、僕たちは床に欲情しているわけではないし、また、床にぶっ放せばどうなるか、後々でどんな面倒が待ち受けているか、その辺りのこともしっかり把握しているからだ。把握した上で、ぶっ放すのである。<br /><br />「なんなの？<strong>シャケなの？</strong>」<br /><br />もちろんシャケではない。だが、気分はシャケに近いかもしれない。<br /><br />個人的な体験談になって恐縮であるが、僕の場合はAVを鑑賞しながら最後の最後の段階で男優と観念的に同化、ウオオ！ウアアアア！と獣もかくやの雄叫びを心の中で放ちつつ、画面越しの顔射に合わせて同時に床射。やったわ。このエピソードのどこがシャケに近いのかはよく分からないが、どうせ誰もシャケの気持ちなんて分かるはずもないので別にどうでもいい。<br /><br />床射のあとに待ち受けているもの、それは確実な意味での地獄だ。フローリングであれば被害は最小に抑えられるが、カーペットなどにスペルマを放出してしまった場合は悲惨だ。なにしろシミが取れない。実際に経験した僕が言うのだから、まず間違いない。『ガンコな汚れ』という言葉の本当の意味を知ったのも、あの時だったように記憶している。<br /><br />だが、そんな不合理性を理解してなお、僕は床射した。そしてそれは、ほとんどの男子中高生に共通する経験のはずなのだ。根拠はないが、なぜだか確信はある。だからあなたの弟も、お兄さんも、お父さんもお爺さんも、きっと一度くらいは床射をカマしている計算になる。<br /><br />不合理の極みである。常識的に考えれば、ティッシュに出すのが適当なところだ。床に欲情しているのではない以上、床をオカズにオナニーをしているのではない以上、ティッシュに放出しても床に放出しても、得られる快感が左右されるわけではない。そんなのは分かっているのだ。<br /><br />しかしあの時、あの瞬間。<br />僕は、僕たちは、思ってしまったのである。<br /><br />なんかもう、床でいいかな――って。<br />たまには床も、いいかな――って。<br />そんなことを。<br /><br />ここで分かっておいて欲しいのは、床射をする人たちは決して社会的な意味における 『変態』 ではない、ということだ。<br /><br />『床でしかフィニッシュできない！』<br /><br />このケースは少しばかり変態的だが、僕らの場合は<br /><br />『床にフィニッシュしたことも、ある』<br /><br />両者の違いに注目してもらいたい。つまりは、事故のようなものなのだ。過失はあっても故意はない。あるけどない。ないと言わせて欲しい。<br /><br />だから、たとえばこれを読んでいる女性の方々が、将来的にお子さんの床射シーンを目撃したとしても、決して怒ってはいけない。心配することすら不要だ。なぜならそれは、文化心理学的な側面から考えてみれば、極めて正常な行いだからだ。文化心理学など一切勉強したことのない僕が言うのだから、ほぼ間違いない。<br /><br />床射のことばかりを語ったが、事例は何も床射だけに限定されるわけではない。セルフ腹射、掌射、壁射、などのケースも上と同様のロジックが当て嵌まる。付言しておくとすれば、『ヤンマガ射』や『<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/COMIC快楽天" target="_blank">快楽天</a>射』などは床射の亜流として捉えられがちだが、どちらかといえば顔射の代替的行為として位置付けるべきであろう。残る後悔は同じであるが、そこに内包される思考プロセスは驚くほど異なる点に注意されたい。<br /><br />高まる快楽を前に、僕たちは時として理知を打ち捨てる。<br /><br />「それって要するに、本能に流されているだけでは？」<br /><br />そんな指摘があるかもしれない。が、僕は少し違うと思っている。<br /><br />再三になるが、僕たちは行為の最中、フィニッシュの直前まで 『床にするとか、マジ無益だよな』 ということは確実に認識している。認識しながら、何となくそのラインを踏み越えてしまうのだ。<br /><br />「その先に待ち受けているのって、一体何なのだろう？」<br /><br />僕たちの心は少年探偵団。<br />興味を覚えたことは、余さず試すのが性分よ。<br /><br />たとえそれがナンセンスな行為でも、理解不能な行いでも。<br />何となく、気になってしまった瞬間に！その向こう側の景色を――見たくなってしまう生き物なのだ。<br />察して頂きたい。<br /><br />「これやっちゃうと、どうなっちゃうんだろう！？」<br /><br />そのリビドーを止める術はおそらくどこにもない。分別に乏しい頃であればなおのことである。そして、転んでみなければ膝の痛みが分からないのと同じように、とりあえず試した結果痛い目をみない限り、僕たちの衝動は止まらない。止めることはできないのだ。<br /><br />おそらくそれは、およそ 『理知的』 という言葉からは掛け離れた行動原理なのだろう。故に僕たちは、理知的に生きているつもりでも実際は違う場合がほとんどなのだ。<br /><br />「それは違う！」<br /><br />そう主張する人がいるのなら、じゃあ聞くけど、アンタは一度でも床射をしたことがないと断言できるのだろうか？一度として？本当に？神に誓って？へえ、そう。何だかそれってつまんない人生だね。何だかそれってつまんない人生だね！<br /><br />本人も無意識のうちに、理知の殻を破り去っている瞬間。そんなのはよくある話だ。授業中に教室でこっそりオナニーをカマしておきながら、その中学で生徒会長を勤め上げてしまった男のことを、僕は知っている。理知的であることと社会的なステータスとは必ずしも一致しないのだ。ちなみに彼は現在、どこかのブログの管理人をやっているとの話を聞いたが、僕は多くは語らない。<br /><br />「それって何の得があるの？」<br /><br />それは、往々にして女性が放ちがちなターム。<br />そして、その言葉を受け取るのはいつでも男の役目だ。<br /><br />皆さんがそう問いかけたい気持ちは分かる。<br />僕たちはしばしば、あまりにも理屈に欠ける行いに打って出る。<br /><br />しかし、できれば女性の皆さんにも考えてみて欲しい。<br />得することばかりを考えた人生で、果たしていいのか？と。<br />ひたすら得だけを追い求める姿勢なんて、何だかあまりに窮屈ではないのか？と。ちょっとでも、一秒でもいいから、考えてみて欲しいのである。<br /><br />ティッシュにスペルマを放つ自由があるなら。床に放つ自由だって、認められてええじゃないか！（ええじゃないか！）授業中にオナニーしたって、ええじゃないか！（ええじゃないか！）バレなければええじゃないか！（ええじゃないか！）バレてもええじゃないか！（ええじゃないか！）同窓会で「お前、あの時……」と汚泥を見る様な目つきを向けられてもええじゃないか！（ええじゃないか！）<br /><br />ええじゃないか！（ええじゃないか！）<br />ええじゃないか！（ええじゃないか！）<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/128801104.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/128801104.html</link>
<title>刑事（デカ）、山崎 【後編】</title>
<description></description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-28T00:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
 <br /><div align="center"><img src="http://2949.up.seesaa.net/image/sikomomomo.png" width="400" height="400" border="0" align="" alt="sikomomomo.png" onclick="location.href = 'http://2949.seesaa.net/upload/detail/image/sikomomomo.png.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></div><br /><br /><a name="more"></a>　<br />「狂チンポ病ウィルス……！？」<br /><br />「そうだ」<br /><br />資料を読み終わるのとほぼ同時に竜二が言葉を発する。その手の中には写真のようなものが二枚握られていた。山崎は震える手で写真に写った "それ" を確認する。<br /><br />「竜っぁん、これは？！」<br /><br />「一枚目は健康な成人男子の精子。お前も中学の保健体育などで見たことがあるだろう。そして二枚目が今回の鑑定で発見された精子だ」<br /><br />一枚目と二枚目を見比べる。両者は、姿形において全の同一性を有していた。先入観なくその写真を眺めたら、おそらく大半の人間はその違いに気付くことはできなかったであろう。しかし、一枚目の写真と二枚目の写真と、そこに写し込まれた精子には劇的なまでの相違点が存在したのである。<br /><br />「精子の頭部に、『狂』の文字が刻まれているのか……」<br /><br />「その通りだ。そしてそれこそが、加害者が狂チンポ病を患っていた証左でもある」<br /><br />「しかし竜っぁん！俺は今までこんな、狂チンポ病なんて病気、聞いたこともなかったぞ！もしそんなウィルスが存在するのなら、もっと早く公になっていてもおかしくなかったはずだ！！」<br /><br />山崎は困惑していた。一連の事件の犯人、それがウィルス性の病原体によるものだったなんて。そんなものはたちの悪い同人ゲームの世界だけで十分である。しかし、もしも犯行が実際にウィルスに起因するのであるとすれば――被害者や犯行現場に、何らの一貫性がなかったことも納得できてしまう。認めたくはないが、認めざるを得ない。山崎にとっては非常に苦々しい状況だった。<br /><br />「ひと昔前、ある天才科学者が日本にいた。彼は泌尿器科学を専攻にしており、その研究成果は目覚ましいものだった――あるいは、目覚ましすぎた」<br /><br />「目覚ましすぎた？」<br /><br />「ある時、彼は独自の説を提唱した。その学説は『陰茎独立性説』ないし『人体従属性説』と呼ばれた。彼は長年に亘って陰茎について調べてきたのだが、その挙げ句に一つの結論に辿り着いたんだ。曰く『陰茎こそ我らが本体であり、人間は陰茎の従物に過ぎない』。脳髄や脊髄などに大した意味などなく、人類は総じて陰茎により生かされている。そう主張したんだ」<br /><br />「狂ってるっすね……」<br /><br />「当然、他の学者も反対した。しかし、調べれば調べるほどに彼の学説の正当性が証明されていく。学者は焦った。『チンポが主体など、そんなことが有り得ていいはずがない』、そう考えたのだ。革新的な論理を凝り固まったモラルで封じ込めようとしたわけだ」<br /><br />山崎は考える。その態度は、科学者としておよそ褒められたものではないのだろう。しかし、その新説を認めることは、取りも直さずこれまでの科学的発見を根底から否定する行為にも繋がりかねない。進歩をとるか、現状維持を選ぶか。その究極的な二者択一において、当時の科学者たちは後者を選んだーーおそらく、真実はそんなところなのだろう。<br /><br />「もちろん彼は反発した。ふざけるな、貴様らはそれでも科学者なのか！と。しかし数を恃んだ強行採決を前に、彼の声はあまりにも弱すぎた、遠すぎた。結果として彼は……学界からその存在を抹殺されたのだ」<br /><br />正しさだけでは計れないもの、それはこの社会に確かに存在する。組織力を使い、政治力を使い、資金力を使ってでしか通せない "我" というものは、確実に在るのだ。彼には、その辺りの認識が欠落していたのではないだろうか。孤独なる科学者の姿を空想しながら、山崎はひとり考える。<br /><br />「でもその話と、今回の事件と、ぶっちゃけ何の関係があるんっすか？ちょっと見えてこないんっすけど」<br /><br />「本題はここからだ。学界を追放された彼は、それでも自らの手で研究を続けた。施設も資金も満足にない環境にあって、それはさぞ辛い試みだったであろう。耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、爪に火を点すような日々を過ごし続けた孤高の科学者。彼は積年の恨みを活力に変え、研究に励んだ結果……ついに、復讐のための道具を生み出したのだ」<br /><br />「それが……」<br /><br />狂チンポ病ウィルス、なのだろう。<br />この禍々しいウィルスが誕生する背景には、一人の男の根深い怨念が眠っていたのである。<br /><br />「だが、彼の復讐は果たされないままに終わりを迎える。ついに狂チンポ病ウィルスを生み出した彼は、手始めにとばかりに自らの身体にそのウィルスを投与した。そしてそれが、全てのピリオドになった」<br /><br />「どういうことだ？」<br /><br />「あまりにも毒性が強すぎたんだよ。ウィルスに対し、身体が保たなかったのさ。おそらく、臨床実験をする余裕もなかったんだろう。初めての被験者となった彼は、自分自身にウィルスを注入した結果……陰茎が千切れ飛び、ショック死したんだ」<br /><br />辿り着いた先、最後の段階で。<br />自らが生み出した息子の如きウィルスが、自身を死に至らしめた。<br /><br />暗い部屋で、下半身を露出し、一物を失い、挙げ句にショック死する。その光景は、想像するだけで、何というか……<br /><br />「……悲惨っすね」<br /><br />「確かに悲惨だ。だが、それは同時に彼の実験の成功をも示唆していた。あの時、彼のチンポは弾け飛んだのだが、驚くべきことに千切れたチンポは、しばらくの間独自の意思で生き延びた痕跡があったんだ。つまり狂チンポ病ウィルスは、陰茎の目覚めを劇的なまでに促進し、固有の生命を与えた――ということになるのさ」<br /><br />「陰茎独立性説の成就、か」<br /><br />死の間際、彼は幸せだったのだろうか？考えるが、その答は最早どこにも転がっていない。山崎はただ、彼の思考に思いを馳せることしかできない。<br /><br />――根っからの仕事人間である山崎には、彼の気持ちが、執念が、我が身のことのように感じ取られた。自分の追いかける事件の真相を、犯人を、この命と引き換えにでも掴み取ることができるのであれば。それは何にも代え難い悦びであり、死してなお幸せであり続けられるような……そんな気がした。<br /><br />だからこそ。<br /><br />「その意思を、遺志を、冒涜しちゃあいけないっすね」<br /><br />「そうだ、下井草。犯人の目的がどうあれ、このウィルスを生み出した偉大な科学者はこんな現状を望んじゃあいないはずだ。それは彼に対する裏切りだ。死者の尊厳を踏みにじる蛮行なんだ。警察は、俺たちは、決してそんな真似を許さない。被害者のためにも、孤高の科学者のためにも、な」<br /><br />山崎は決然と言い放つ。自分がチンポでも、チンポが自分でも、そんなことはどうでも良かった。俺は俺だ。そこさえ違えなければ、あとは何だっていい。そう思った。<br /><br />「ザキヤマさん、行きましょう！」<br /><br />「待て、若いの。でたらめに捜査したって、徒労に終わるだけだ。ここに行ってみろ」<br /><br />「竜っぁん、これは？」<br /><br />「生前、彼の住処があった住所だ。そこに行けばきっと何か手がかりがあるだろうよ。あと、これも持っていきな。おっと、まだ開けるんじゃない。本当にピンチになった時にだけ、そいつを使うんだ」<br /><br />「何から何まですまねえな、竜っぁん。今度、俺が見つけた秘密のポイントに連れてってやるよ！」<br /><br />「無事に帰ってこい、そして海釣りに行こう！ザキヤマ！」<br /><br />右手だけを上げ、竜二の言葉に応える。目は既に、前にしか向いていなかった。<br /><br />・・・<br /><br />「ここが……」<br /><br />「マジっすか？」<br /><br />辿り着いた先は大手町。<br />目の前にあったのは、予想に反し、ごく近代的な高層ビルであった。<br /><br />二人はその入り口に掲げられた屋号を見上げる。<br /><br />『聖シコマラ教』<br /><br />「これは……何なんだ、下井草」<br /><br />「ザキヤマさん、知らねーんすか？こいつぁ最近着実に信徒を増やしている新興宗教法人『聖シコマラ教』、その本部っすよ」<br /><br />その名前には聞き覚えがあった。犯罪性はないものの、組織の規模を徐々に増やしつつあるということで、それとなくマークされている教団である。その信徒は若年層が中心で、大半は男性の信者であるとの話だった。<br /><br />「しっかし、例の科学者が住んでた形跡なんて微塵もねえっすね。もっとこう、あばら屋みたいなもんがあるのかと思ってましたけど」<br /><br />「時間が経てば人も変わる、街も変わる。だが、本質は永遠に変わらない。行くぞ、下井草！」<br /><br />「チョリーッス！」<br /><br />自動ドアを抜けずんずんと受付に進んでいく。広く清潔感溢れるそのフロアは、逆説的な不気味さを二人の刑事に感じさせた。ここにはきっと、何かある。<br /><br />「おう、邪魔するぞ。ここの代表に会いたいんだが」<br /><br />「あの、面会の予約などは……」<br /><br />「予約？そんなものはないっすねえ。とりあえず会わせちゃあくれないっすか？」<br /><br />下井草が軽く、それでいて強いプレッシャーを含んだ口調で畳み掛ける。普段はちゃらんぽらんな男だが、ここぞという時にはしっかりと職責を果たす。だからこそ山崎はコンビを解消せずにいるのだ。<br /><br />「あの、予約のない方にはちょっと……」<br /><br />「狂チンポ病の件で話がある、と伝えろ」<br /><br />「狂ち、え？狂チン、え、え？」<br /><br />「狂チンポ病っすよぉー！おめぇ、鼓膜が腐ってんじゃあねえっすかぁー？！」<br /><br />刹那、下井草の放った『チンポ』という単語が轟音となってフロア中に響き渡る。普段ならゲンコツをくれてやるところだが、今はその無軌道な勢いが頼もしかった。<br /><br />「しょ、少々おまちくfgyふあさい！」<br /><br />受付嬢は弾かれるようにして電話を手にすると、怯えたような口調で受話器に話しかけ始めた。代表が留守の場合を危惧していたが、どうやら杞憂に終わりそうだ。山崎は胸ポケットに手を当てた。すぐに『全館禁煙』の文字が目に入り、舌打ちをした。<br /><br />「そ、そちらのエレベーターから最上階までどうぞ」<br /><br />「おう、ありがとうよ」<br /><br />「あざーす」<br /><br />見ると、四機設えられたエレベーターの内一つが扉を開けていた。果たして、鬼が出るか蛇が出るか。どちらにしても結末は近い――山崎は刑事（デカ）の本能でそう感じ取っていた。<br /><br />辿り着いた先は、壁がぶち抜かれた広大なワンフロア。壁面の一辺は巨大なガラスが貼られており、そこから大都会が一望できるようになっている。<br /><br />そしてその部屋の中心――大理石で作られた重厚なテーブルの向こうに、男が一人、立っていた。<br /><br />「はじめまして、教祖さん。私は」<br /><br />「山崎さん、ですね。そしてそちらは下井草さん、でしたか」<br /><br />出し抜けに名前を呼ばれ、少なからず狼狽する。受付を通ってから僅かの間に、個人情報が調べられたというのだろうか？いや、そんなことは有り得ない。では、一体どうして。<br /><br />「なぜ、という顔をしていらっしゃる。ふふ、手品のタネを明かすのは野暮ではありますが、いいでしょう。まあ、簡単な話です。私どもの仲間は、有り難いことに年々その数を増やしておりましてね」<br /><br />「……スパイ、っすか」<br /><br />「そういう言い方もできるかもしれないですね。つまりは仲間の一人が、もうすぐあなたがたがやって来ることを事前に教えてくれたわけです。どうです？分かってみればつまらない話でしょう？」<br /><br />「昔っから手品は嫌いでな。手品に限らず、俺は得体の知れないものが大嫌いなんだ。だから、根こそぎ真相を暴きたくなっちまうのさ。この――」<br /><br />言いながら、山崎は写真を投げつける。<br />それは竜二から受け取った、あの写真だった。<br /><br />「狂チンポ病のことだってな」<br /><br />静寂がフロアを包み込む。<br />目の前の男はなおも余裕の表情を崩さない。<br /><br />「知らない、と言ったら？」<br /><br />「任意で同行を願おう」<br /><br />「嫌だ、と言ったら？」<br /><br />「逃亡の恐れあり、として逮捕してやるさ」<br /><br />「随分と横暴ですね。国家権力の濫用ですよ、それは」<br /><br />「それが俺のやり方だ。文句があるなら監察にでも訴えろ」<br /><br />山崎は一歩も譲らない。彼の中には確信があった。この男が黒幕なのだという、確信が。<br /><br />「……よろしい、お話しましょう」<br /><br />「え、マジっすか？」<br /><br />「やめましょうか？」<br /><br />「ちょ、ちょ！そんなことぁ言ってねえっすよ！……話してもらおうじゃないっすか」<br /><br />戸惑う下井草の姿を見ながら、男は不気味な笑みを浮かべる。こいつの狙いは一体何なのか。山崎は思考を巡らせるが、果たして真意は掴めない。その内に、男は縷々として語り始めた。<br /><br />「お察しの通り、確かに私は狂チンポ病ウィルスを利用しました。そうですね、まずは私と狂チンポ病との出会いからお話しましょうか。あれは、今から２０年前の話になります。当時製薬会社に勤めていた私は、ひょんなことから出世の道を断たれてしまった。それはもう荒れましてねえ……いっそ自殺でもしてやろうか、とも思いましたよ」<br /><br />「しかしそんなある日、私は一人の科学者の話を耳にする。男の名前は沼袋信介――ご存知のとおり、狂チンポ病ウィルスを生み出した不遇の天才科学者のことです。僕は彼のことを調べ上げ、そして一つのことを思いついた。『狂チンポ病ウィルスを社に持ち帰れば、再び出世の道が開かれるのではないか』とね」<br /><br />「私はさっそく大手町のある場所に、まあここのことですが、とにかく沼袋のところに赴いた。そりゃあもう酷い様子でしたよ。やせ細り、腐臭は漂い、部屋は荒れ放題。それでも、目だけは生気を失っていませんでしたねえ。いや、大したものです。執念のなせる業、といったところでしょうか」<br /><br />「私が尋ねたとき、彼は丁度資金繰りに苦しんでいました。それもそうでしょう、援助なんて一切受けられない状況だったのですから。そこで私は、なけなしの貯金を切り崩し、彼に援助をしました。安い金じゃあなかったですよ。貯金していた資金だけでは足らず、自宅に抵当権を打ったくらいですからね。ただ、その甲斐あって……数年後、ついに狂チンポ病ウィルスがこの世に誕生したのです」<br /><br />「喜びました。これで起死回生できる！再び出世コースに乗ることができる！って。すぐさま私は沼袋氏に申し出ました。『このウィルスを世界に広めよう』と。しかしそれに対する沼袋氏の反応は、予想だにしないものでした。彼は言ったのです。『このウィルスは、すぐに消滅させなければならない』ってね」<br /><br />「耳を疑いましたよ。そうでしょう？せっかく長い時間を掛けて、莫大な財を投入して完成したそのウィルスを、すぐにでも亡きものにさせようって言うんですから。当然私は問いましたよ。どうしてなんだ！？って。そしたら、沼袋氏はこう言いました。『このウィルスは、必ずや人類を破滅に導くことになる。だから廃棄せねばらなんのだ』……試験管を振り上げながら、そんなことをね」<br /><br />「すぐに我々は揉み合いになりました。沼袋氏がどんな思想信条を持っていようと構わない、しかしそのウィルスの一部は私のものでもあるんだ。私は叫びながら試験管を奪い取ろうとしましたが、沼袋氏も懸命に抵抗します。そして咄嗟の弾みに試験管の栓が外れ、中の溶液が――沼袋氏の体内に侵入したのです」<br /><br />「直後のことでした。沼袋氏は突然股間を押さえ、呻き始めた。最初は絞り出すような声で、次第に叫ぶような声で。最後は、まあ、ほとんど断末魔の叫びでしたね。僕は何もできずその様子を見守るばかりだった。恐怖もありましたが、それにも増して投与結果に並ならぬ興味があったものでね……」<br /><br />「五分ほど経過したころですか。沼袋氏が仰向けになったかと思うと、カッと目を見開き、そしてチンポが、爆ぜた。それはまさしく『爆発した』という形容しかできないほどの光景でした。直後、彼の履いていたズボンを突き破って一竿のチンポが床に、自らの意思で以て、立っていたのです」<br /><br />「沼袋氏は既に絶命していましたが、チンポは違った。まるで海鼠のように動き、這いずり回っていた。それはとてつもなく奇妙な光景でしたが、同時に、沼袋氏の学説を強固に裏付けるものでもありました。陰茎独立性説――そこにおいて、彼の研究は真の意味で完成したのです」<br /><br />「私は残った溶液とこの土地の権利書を手に、すぐさま逃げ出しました。ヘタに通報でもして警察の実況見分に付き合わされるのはまっぴらでしたからね。で、それからは私が彼の研究を引き継いだのです。おそらく、今のままでは狂チンポ病ウィルスを実用することは難しい。沼袋同様、即座にチンポが爆ぜてしまう。改良しなければならない……」<br /><br />「0から1を生み出すには労力もない途方を要します。が、1を10にする作業は、相対的に容易いのです。既に1なる狂チンポ病ウィルスは生み出されていた。私に残された仕事は、それを10にすることだけだったのです。まあ、それでも優に10年は掛かりましたがね」<br /><br />「そうやって完成された10なる狂チンポ病ウィルスが――これです」<br /><br />見ると、男の手には白濁した液体で満たされた試験管が握られていた。瞬間、栗の花ライクなスメルがフロア全体に満ちていく。山崎と下井草は懐かしくも禍々しいその香りに顔をしかめた。<br /><br />「……なるほど、経緯は把握した。しかし、動機がまだだ。お前さんがどうして一連の凶行に踏み切ったのか、その理由を俺はまだ聞いていない」<br /><br />山崎の言葉に、男は皮肉めいた表情を浮かべる。先ほどまで保たれていた冷静さは既に掻き消えていた。<br /><br />「話は前後しますが、先に私は『ひょんなことから出世の道が断たれた』と申しました。その "ひょん" な出来事、それが全ての始まりなのです」<br /><br />「当時、私は勤めていた会社の社長令嬢とお付き合いをしていました。ゆくゆくは結婚しようと、そう約束し合っていました。次期社長のポストには自分が納まるのだ、そう信じていたのです」<br /><br />「しかしその期待は無惨にも裏切られた。ある日、私は彼女から告げられたのです。『もう、終わりにしましょう』、ってね」<br /><br />「すぐに理由を問い質しました。なぜだ、一体私の何が悪かったんだ？！と。答はすぐに分かりました。彼女は、三課の……私よりもよっぽど成績の劣る男を、その伴侶に選んだのです」<br /><br />「私は憤りました。そして言いました。<br /><br />『玲子、言ったじゃないか！ "私は研究にひたむきになる男の横顔が好きだ、って！学歴も何も関係ない、何かに向かって一生懸命になる人が、大好きなんだ" って、そう言ったじゃないか！』<br /><br />と。涙を流しながら。声を限りに叫びながら、ね」<br /><br />「しかし玲子は冷静に、まるで道に落ちた空き缶を見るような目で――こう言ったのです。<br /><br />『但しイケメンに限る』<br /><br />冷淡に、冷酷に、血の通わない言葉で、玲子はあの時、私に言ったんだ！キャリアも努力も実績も！愚直な愛情も！三課のあいつが、あの男が、ただイケメンというだけで！！全て崩れさってしまったんです！！こんなのってあるか？！こんなことが許されていいのか！！？」<br /><br />山崎は思わず横を見る。視線の先では、下井草が『まあ、しゃあないっすね』という感じで何度も頷いていた。<br /><br />「それが全ての、動機です」<br /><br />言い終わるが早いか、男はパチリと指を鳴らした。<br />同時に、轟音を立てて周りの壁が天井に吸い込まれていく。<br />その向こうから恐るべき早さで屈強な男たちが走り寄り、たちまちのうちに二人の刑事を押さえつける。<br /><br />「貴様！何をする！！」<br /><br />「こんなことして許されるとでも思ってんっすかぁー！？」<br /><br />「許す？許さない？そんなものはちっぽけな話なんですよ……この、改良型狂チンポ病ウィルスの前ではね……」<br /><br />大型の注射器を手に、男は二人の許へと近づいてくる。中には白濁した液体が満たされていた。狂チンポ病ウィルス、その魔の手が着実に、確実に、二人の近くに。<br /><br />「そうそう、改良型の性能についてお話していませんでしたね。初期型はチンポに過度なまでの自我を許し、結果としてチンポが爆ぜた。しかし、このウィルスは違います。チンポそれ自体は身体に付着したまま、全身のコントロールがチンポに委ねられるのです」<br /><br />「そうなると、どうなるか。知っていますか？通常、脳味噌は人に対しその筋力をある程度抑制させるよう指令を出しています。100％の性能を出し切ったままだと身体が保ちませんからね。しかし、チンポに身体コントロール権が移ることにより、このリミッターは解除されます。現にあなたたちを押さえつけている男たち、もの凄い力を発揮しているでしょう」<br /><br />山崎も下井草も、先ほどから抵抗を試みてはいる。しかし、男たちの放つ圧倒的なパワーを前に、身体はびくとも動こうとしなかった。<br /><br />「更に素晴らしいことに、一度狂チンポ病ウィルスが注入された者の精液もまた、狂チンポ病ウィルスに支配されるという点です。これが何をもたらすか、分かりますか？――性交後における、女性たちの人格崩壊です」<br /><br />「どういう……ことだ……！」<br /><br />「狂チンポ病ウィルスは男性にしか反応しません。当たり前ですよね、チンポは男性にしか生えていないんですから。しかしひとたび狂チンポ病ウィルスが体内に入り込んでしまえば、ウィルスは宿主、つまりチンポのことですが、それを探して延々と体内を彷徨い続ける。そして女性の体内に入り込んだウィルスは、チンポの代替物として、女性の脳を破壊してしまうのです」<br /><br />思い出す、自我が完全に崩壊してしまった被害者たちの姿を。一時的なショックによるものばかりと思っていたが、その背後にこのウィルスが関与していたとは。許せない――山崎は強く唇を噛む。しかしその身体は、やはり動こうとしない。<br /><br />「手始めに、玲子の自我を破砕させてやりました。いい気味でした。イケメンに拘らなければ、また違う未来も待っていたでしょうにねぇ……ククフ。さあ、山崎さん。この素晴らしいウィルス、あなたにも注入して差し上げましょう」<br /><br />「おい！俺にそんなもんは要らんぞ！」<br /><br />「失礼ながら山崎さん、あなたはいわゆるその……イケメンから、ほど遠い容貌をしていらっしゃいます。さぞ苦労されたんじゃないですか？様々な差別に遭われたのでは？人は外見じゃない、という腐ったフレーズに、何度憤りを覚えたことが？」<br /><br />「ザキヤマさん！そんな男の言葉に耳を貸すんじゃあないっすよ！」<br /><br />「黙れ小僧！下井草さん、あなたのようなイケメンにこの苦しみは分からないんですよ……生まれもったアドバンテージのある、あなたのような人間にはね……山崎さん、あなたにも経験があるんじゃあないですか？異性に告白した際、その返事の中で『ごめん、物理的に無理』と言われたことが……生理的に、じゃない。"物理的"に無理と、きっぱり宣告された経験が、あなたには……」<br /><br />「ぐ、グアアアア！！」<br /><br />「ザキヤマさん、ザキヤマさん聞いちゃいけない！！あんたは、あんただけは、フォースのチンポ面に堕ちちゃいけねえんだ！！」<br /><br />思い出す、かつての日々のことを。<br />運動会のフォークダンスで、自分だけ順番が回ってこなかったあの日。<br />席替えで意中の子が隣になった瞬間、その子がとんでもない勢いで泣き始めたあの日。<br />高校の頃、優しくしてくれた女の子に『ありがとう』の意味でノートを貸してあげたら、次の日から登校拒否になったあの日。<br />合コンに行った際、『メアド教えてくれる？』と聞いたら『ごめん、携帯持ってないんだ』と、携帯を弄りながら断られたあの日。<br />あの日<br />あの日<br />あの日……<br /><br />「イケメンが……憎い……！」<br /><br />「ザキヤマさぁぁぁん！！」<br /><br />「ククフ、それでいいのですよ。今こそシコマラ教の教えの下、女に、そして世界に！天誅を下さなければならないのです。さあ皆の衆、山崎さんに真理の光を！」<br /><br />「シーコシーコマーラマーラシーコマーラシーコマーラ……」<br /><br />信徒たちが不気味なマントラを唱えながら山崎のズボンを脱がしていく。即座にそのケツはパックリと二つに割られ、アヌスに注射器があてがわれた。<br /><br />「これは特別製ですよ、山崎さん。さあ、新しい世界へいらっしゃい……」<br /><br />「ウオオ、ウアアアアアアア！！！」<br /><br />山崎は獣のような雄叫びを上げ、激しく体を震わせた。その凄まじいパワーに、山崎を押さえつけていた信徒たちはたちまちに吹き飛ばされてしまう。<br /><br />「おお、素晴らしい……狂チンポ病ウィルスはその顔面が逆イケメンであればあるほど効果を発揮する……しかしこの結果は予想外だ、素晴らしいですよ山崎さん！」<br /><br />「くそぅ、ザキヤマさん、あんたはそんな人じゃねえっすよ……！あんたは不器用だけど、正義と平和を愛する激アツなデカだったじゃねえっすか……！」<br /><br />「無駄ですよ、もう山崎さんの耳にあなたの言葉は届かない。いまここにいるのは、全てのイケメンを滅殺し、あらゆるビッチどもを虐殺する破壊神、シヴァ崎なのですから！クフフ、クフフフフフ！！」<br /><br />「畜生、畜生……！」<br /><br />下井草が悔し涙を流しかけた、その時。<br />先ほどの竜二の言葉が、耳朶に蘇った。<br /><br />『……本当にピンチになった時にだけ、そいつを使うんだ』<br /><br />「一か八かっすね……！」<br /><br />下井草は顔を上げる。そこでは猛り狂った山崎が、自分より僅かでもイケメンである信徒に対して襲いかかっていた。その光景を見て下井草は窮余の一策を閃く。<br /><br />「ザキヤマさん！ここにもイケメンがいるっすよ！！」<br /><br />「下井草？！貴様、何を……！」<br /><br />「ウオオ、ウアアアアアアア！！」<br /><br />叫びながら山崎が突進してくる。それはサイよりも猛々しく、グリズリーよりも獰猛な勢いだった。下井草に覆い被さって信徒たちはたちまちの内に吹き飛ばされる。<br /><br />――その一瞬を見逃さなかった。<br /><br />「竜っぁん、助けを借りるっす！」<br /><br />竜二から渡された包みを開ける。<br />見るとそこには、一本のコカコーラが入っていた。<br /><br />「コーラだと？！……そうか！！」<br /><br />「馬鹿馬鹿しい、そんなもので一体何ができようと言うのか！さあ山崎さん、あのイケメンを始末してやりなさい！！」<br /><br />「ウアアアアアアア！！」<br /><br />僅かなミスが命取りになる。しくじることは許されない。<br />下井草は握られたコーラのプルトップを開けると、山崎が襲いかかるのを待った。<br /><br />「……来る！」<br /><br />山崎が下井草を圧殺しようとした、その刹那。<br />下井草は俊敏な動きで山崎の股ぐらをくぐりぬける。<br />目標を失った山崎が床に倒れ込むと、瞬時に敬愛する上司の無防備なるアヌスへ――コーラを、流し込んだ。<br /><br />「ッ！？下井草、貴様何を！！」<br /><br />「あんたは知らないかもしれねーがなあ……このイケメン界には、昔からッ！『中出ししてもコーラで洗えばオーケー』という不文律がッ！！存在し続けているんっすよぉーー！！」<br /><br />「ば、バカなッ！！そんな、そんなこと、有り得るはずがない！！」<br /><br />「嘘かどうか、アンタのその目で確かめることっすねぇー！！」<br /><br />二人は同時に山崎を見遣る。アヌスにコーラ缶をねじ込まれた山崎は、大きな悲鳴を上げながら床の上を転がり回っていた。<br /><br />「山崎さん、山崎！思い出せ、イケメンへの憎しみを！！」<br /><br />「ザキヤマさん、負けちゃあダメだッ！あんたにはやり残したことが、まだまだ沢山あるはずっすよ！！ザキヤマさぁぁぁん！！」<br /><br />「運動会、席替え、バレンタインに放課後、そして合コン！山崎、お前はまた暗黒の日々に戻っていくのか！？」<br /><br />「グアア、グオオオオオオ！！」<br /><br />頭を掻きむしりながら咆哮を上げる山崎。その目は暗く深く、落ち窪んでいる。下井草はその目つきをよく知っていた。薬物に手をだした結果、凶悪犯罪に手を染めたもの達の目つきだった。<br /><br />「クソぉ、もう手遅れだっていうのかよ……ザキヤマさん、あんたは確かに大した顔面はしちゃいねぇー……女心だってちっとも分かっちゃいないっすよ……でも、あんたには！本当に大切な "ハート" みてぇなもんがッ！あるじゃあ、ねえっすか……」<br /><br />「クフフ、言うに事欠いて浪花節かね！これは滑稽だ！しかし、イケメンがいくら吼えようともブサメンの理は変わらん、変わらんのだよ！」<br /><br />「違う、そんなのは間違ってるんすよ！ザキヤマさん、思い出して下さい！あんたはブサメンだけど、あんただけがブサメンなんじゃあねえッ！あんたの親も、きっとブサメンだったはずだ！俺には分かる、あんたのブサメンっぷりは一朝一夕に身に付くもんじゃあねえッ！血統書付きのブサメンのはずだ！」<br /><br />「バカめ！ついに狂いよったか！山崎をより一層追い込んでどうする！」<br /><br />「でもなぁ、そんな両親でも、一子相伝のブサメンペアレントでもよぉーッ！あんたを、生んだんじゃねぇか……愛を育み、結婚し、あんたを、この世に導いてくれたんじゃあねえっすか……」<br /><br />「グア………グ……」<br /><br />「山崎、聞くな！そんなものは詭弁だ！！ブサメンに未来などない！明日などない！」<br /><br />「詭弁じゃねえ！！ザキヤマさん、あんたは一人じゃねえ、ブサメンかどうかなんて関係ねえぇーッ！あんただって十分、幸せになる資格があるんっすよ！！ご両親と同じようにッ！！あんたにもッ！！ザキヤマさぁぁぁーーん！！」<br /><br />下井草は叫んだ。<br />山崎のために、<br />人類の未来のために、<br />絶望に暮れる全てのブサメンの、ために。<br /><br />「アアア！オアアアアアア！！！」<br /><br />その言葉に嘘偽りなど何一つなくて、だから彼の叫びは――<br /><br />「ガッ、グッ……ぐはっ！！し、下井草……俺は……ゲホッ！」<br /><br />山崎を山崎へと、戻したのだった。<br /><br />「ザキヤマさぁん！！」<br /><br />下井草は激しく咳き込む山崎の顔を見る。<br />その目には、いつも通りの生気が蘇っていた。<br /><br />「ザキヤマさん、あんたってやつぁ……クールっすよ……」<br /><br />立ち上がり、山崎に手を差し伸べる。山崎は照れくさそうにズボンを上げながら、その手を取った。<br /><br />「バカな……私の狂チンポ病ウィルスが……！」<br /><br />「お前の野望もこれまでのようだな。俺の体の中には、既に狂チンポ病ウィルスへの抗体ができている。もう、狂チンポ病患者が増えることもないし、ワクチンが出来上がり次第お前のとこの信徒も目を覚ますことだろう」<br /><br />「そんな！そんなご都合主義的展開が許されていいのか！！」<br /><br />「ザキヤマさん、早ぇとこコイツをしょっ引いちまいましょう！」<br /><br />サディスティックな目をしながら、下井草は男の方に近づいていく。男は抵抗せんとばかりに下井草に掴み掛かろうとするも、あえなく投げ飛ばされてしまった。<br /><br />「くそっ……くそっ！もう少し、後少しで俺と、沼袋の悲願が達成されたというのに……！！」<br /><br />「……お前はひとつ、勘違いをしている」<br /><br />「何だと……」<br /><br />「天才科学者沼袋は、最後の最後で気付いたのさ。自分の説が間違っていた、という事実に。彼は『俺たちがチンポにくっ付いている』と言った。しかしそれは違うんだ。チンポが俺たちを操っているんじゃない、俺たちがチンポを操っているんじゃない。そうじゃなくて……俺たちがチンポで、チンポが俺たち、だったんだ」<br /><br />「俺たちが……」<br /><br />「そうだ。俺たちは時折、チンポの赴くままに行動しちまうときがある。酒を飲んだとき、とてつもなく疲れたとき、自暴自棄になったとき。その時々に俺たちは『世間体とかどうでもいいからとにかくもうセックスがしたい』『あれ？こいつ、薄目で見たら結構可愛くね……？』みたいなことを、確実に思うだろう。そいつは若い時分であればなおさらのことだ。そういう時、俺たちはこう感じるのさ。『まるで理性がチンポに乗っ取られたみたいだ』……」<br /><br />「でも、そうじゃあない。確かに俺たちは、時に破滅的なまでの性欲を覚えることがある。しかしながら、俺たちはそれを抑制するやり方を身につけているんだ。素数を数える。因数分解をする。近所のおばさんの顔を思い浮かべる。そういう風にして、俺たちは上手にチンポと共存している……そうじゃないか？そしてその時、俺たちは確かに『チンポに打ち克っている』のさ」<br /><br />「沼袋は、そのことに気がついた。だからこそ、チンポの暴力性を一方的に助長するあのウィルスを、廃棄しようとしたんだ。俺は、そう思うよ」<br /><br />「……」<br /><br />山崎の言葉に、男は何も答えない。後悔しているようでもあり、未だ憤りを抑えきれないようでもあったが、その表情からは何の感情も窺うことができなかった。<br /><br />「ザキヤマさん、そろそろ」<br /><br />「ああ、そうだな……行くぞ」<br /><br />男を挟み込むようにして山崎と下井草はシコマラ教の本部を後にする。<br />早晩、この組織も解体されることだろう。何人かの信徒は、連続通り魔の嫌疑で逮捕されるに相違ない。彼らもある意味での被害者とはいえ、罪は罪だ。適式に断罪されなくてはならない。<br /><br />「俺は、間違っていたのか……」<br /><br />偽りの教祖が誰ともなしに呟く。その目は虚ろで、およそ活力を感じさせない。山崎はエコーを取り出すと、火を点けてから浅く煙を吐いた。<br /><br />「お前さんが正しかったのか、間違っていたのか。そいつを決めるのは裁判所の役目だ。お前さんの量刑に興味なんてないし、正直に言えば有罪か無罪かにも興味はない。だが……」<br /><br />そこで言葉を区切ると、火を点けたばかりのエコーを灰皿に押し付ける。穂先から糸のように細長い煙が立ち上り、しばらく車内に漂い続けた。<br /><br />「お前さんは悲しかった。ただ、悲しかった。それだけは間違いのないことだ」<br /><br />「……」<br /><br />男は相変わらず生気のない瞳のまま、沈黙を保ち続ける。<br />山崎もまた、それ以上何かを口にすることはなかった。<br /><br />赤色灯を光らせながら、パトカーが走り抜ける。<br />僅かに開かれたパワーウィンドウからは、初秋の乾いた風がいつまでもいつまでも、間断なく流れ込んでくるのであった――<br /><br />（了）<br /><br /><br />【次回予告】<br /><br />類稀なるコンビネーションで巨悪の企みを打ち砕いた山崎と下井草。<br />しかし二人の仕事に終わりはない。<br />一つの悪が潰えれば、また違う悪が萌芽する――<br /><br />「ザキヤマさん！今度は埠頭で事件発生っす！」<br /><br />「畜生、どうなっていやがる！！」<br /><br />疾走する敏腕刑事たち、しかし犯人の尻尾を捕まえきれない。<br />募る焦燥、増えていく犠牲者たち、それをあざ笑う凶悪犯。<br />果たして山崎たちは真相に辿り着くことができるのか？<br /><br />「ザキヤマさん、あんたとのコンビ、悪くなかったっすよ……」<br /><br />「下井草ァァぁぁぁぁぁ！！」<br /><br />大巨編クライムノベルス『刑事（デカ）、山崎 ～<em>second gig</em>～』、次回公開予定は<strong>未定！</strong>クソして寝ろ！<br /><br />【おまけ】<br /><br /><a href="http://wwwch.blog65.fc2.com/" target="_blank">平野楽器</a>さんが描いて下さった『聖シコマラ教』のシンボルマーク。<br /><br /><a href="http://2949.up.seesaa.net/image/sikomomomo.png" target="_blank"><img src="http://2949.up.seesaa.net/image/sikomomomo-thumbnail2.png" width="150" height="150" border="0" align="" alt="sikomomomo.png" onclick="location.href = 'http://2949.seesaa.net/upload/detail/image/sikomomomo-thumbnail2.png.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></a><br /><br />（作成時間30秒ver）<br /><br /><a href="http://2949.up.seesaa.net/image/simomomomo.png" target="_blank"><img src="http://2949.up.seesaa.net/image/simomomomo-thumbnail2.png" width="150" height="150" border="0" align="" alt="simomomomo.png" onclick="location.href = 'http://2949.seesaa.net/upload/detail/image/simomomomo-thumbnail2.png.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></a><br /><br />（作成時間3分ver）<br /><br /><a href="http://2949.up.seesaa.net/image/sikoma.png" target="_blank"><img src="http://2949.up.seesaa.net/image/sikoma-thumbnail2.png" width="150" height="150" border="0" align="" alt="sikoma.png" onclick="location.href = 'http://2949.seesaa.net/upload/detail/image/sikoma-thumbnail2.png.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /></a><br /><br />（作成時間30分ver）<br /><br />平野さん、いつもありがとうございます。<br /><br /><font size=2>【補遺】<br /><br />作中で『コーラには避妊効果がある』との誤解を与えかねない描写が登場しています。当たり前の話ですが、そんなのはまるっきりの都市伝説でありますので、くれぐれも実践されないようご注意申し上げます。</font><br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br /><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/128838122.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/128838122.html</link>
<title>刑事（デカ）、山崎 【前編】</title>
<description></description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-25T18:50:51+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
 <br /><a name="more"></a>　<br />「ハアッ　ハアッ」<br /><br />暗闇の中を一人の女が疾駆する。<br />その表情は窺い知れないが、荒々しいその吐息が彼女の精神状態を雄弁に物語っている。<br /><br />「ここまでくれば、きっともう……」<br /><br />一体どれくらい走り続けたのだろう。<br />数分、あるいは数十分か。<br />気付けばそこは見知らぬ土地だった。<br />周囲は相変わらず闇の中に包まれている。<br /><br />「一体、何だっていうの……」<br /><br />立ち止まってから、彼女は独り言ちる。<br />自分には何らの落ち度もなかったはずだ。<br /><br />それなのに、なぜこんな目に……。<br /><br />――その刹那だった。<br /><br />ガサガサッ！<br /><br />「ヒィッ！」<br /><br />草むらを掻き分けるが如き、乱暴な音。<br />瞬時に警戒心を取り戻すが、身体はひとつも動こうとしない。<br />彼女は音のした方を凝視する。<br />視線の先はやはり漆黒で、何かを視認すること能わなかった。<br /><br />「だ……誰なの……で、出てきなさいよ！」<br /><br />足下にあった小枝を投げつける。<br />すぐさまカッと小気味よい音が響き、また静寂が広がった。<br /><br />ただの風か――<br /><br />安堵し、再びうなだれた。<br />このまま夜が明けるのを、静かに待とう。<br />そう念じながら瞳を閉じる。<br /><br />だから、その時だった。<br />彼女のところに、獰猛なる意思を秘めた魔が猛襲したのは。<br /><br />「ひ……ヒイイイイイイイイイ！！」<br /><br />闇を切り裂かんばかりの咆哮が一帯に轟く。<br /><br />しかし　光すらも失われたその場所にあって<br />彼女の声は　誰にも　何にも<br /><br />届かない<br />届かない<br /><br />届かない――。<br /><br />・・・<br /><br />【連続通り魔による被害者、またも発生！】<br />【一向に解決の糸口が見えない現状に、警察への非難が殺到】<br /><br />「まったく、好き勝手に書きやがるぜ……」<br /><br />苦虫を噛み潰したような表情で新聞を放り投げた男、名前を山崎。勤続２３年、常に現場の最前線に身を置いてきた叩き上げの刑事（デカ）だ。ここ数ヶ月は管轄内で頻発している凶悪な通り魔事件の陣頭指揮をとっている。<br /><br />「ザキヤマさん、マスコミの言うことなんて気にしてちゃあダメっすよぉ」<br /><br />缶コーヒーを片手に声をかけてきたのは、山崎の補佐を務める下井草だ。まだ三十路前の若造ではあるが、これで中々勘がいい。ゆくゆくは山崎の後釜にすえられるのだろう、と誰もが目している。『署内随一のひねくれ者』として名を馳せている山崎との関係も、割合良好だ。<br /><br />「しかしな下井草。こうも好き勝手に書かれっちまうと、さすがの俺も堪忍袋の緒が緩んじまいそうだぜ」<br /><br />「おや？ザキヤマさんに堪忍袋なんて高尚なもんがあったなんて知りませんっしたねぇー」<br /><br />「テメー、この野郎！！」<br /><br />丸めた新聞紙で下井草の後頭部をはたく。下井草は苦悶の表情を浮かべながら「うぐぅ……こんな横暴が許されていいんっすかぁ……ザキヤマさん、法廷で会いましょう……」と呟いて、自らのデスクへと戻っていった。<br /><br />「それにしても……」<br /><br />缶コーヒーをちびりと舐めつつ山崎は考える。<br />捜査が始まってから早数ヶ月、警察だって何も遊んでいたわけではない。徹底した聞き込み、そして科学的な検証、さらにはマスコミを使った情報収集の呼びかけ。様々な手は打ったのだ。しかし、手がかりらしい手がかりは何も見つからない――それが現状だった。<br /><br />数十名に上る被害者に、それらしい共通点は一切ない。<br />犯行時刻も、場所も、てんでバラバラ。<br />おまけに目撃者すら見つからないのだ。<br />捜査が難航するのも無理ならぬことであった。<br /><br />「それでも、まずは聞き込みだ」<br /><br />机の上にあった捜査資料を鞄に詰め込み、山崎は立ち上がる。<br />現場百回、それは山崎が駆け出しの頃に先輩から叩き込まれた刑事として第一の心構えだ。<br /><br />「下井草、PC回せ！」<br /><br />「チョリーッス」<br /><br />今回の被害者は新井薬師多美子（あらいやくしたみこ）。<br />まずは彼女の証言を訊くことにした。<br /><br />・・・<br /><br />消毒液の尖った匂いが山崎らの鼻腔を撫でる。<br />病院に漂う独特のスメルには、いつまで経っても身体が慣れてくれない。<br /><br />「たまらんな、この匂いは」<br /><br />「そうっすか？自分は存外好きですけどねぇ」<br /><br />軽口を叩きつつ、下井草が通りすがる看護婦に流し目を送る。<br />売れっ子歌舞伎役者のような顔立ちの下井草は、年齢を問わず女によくモテた。<br />また、それが奏功して聞き込みの成果が上がったことも一度や二度ではない。<br />それは、岩石を押しつぶしたような顔面の造形をしている山崎にとって、憎らしいやら羨ましいやら中々に複雑な事実だった。<br /><br />「カミさん、欲しいなあ……」<br /><br />「えっ？ザキヤマさん、何か言ったっすか？」<br /><br />「やかましい」<br /><br />言葉が終わるよりも早く、下井草の下腹部に重いボディブローが放たれる。手加減したつもりではあったが、思いのほか力が入ってしまったらしく、下井草は嘔吐きながら身体を『く』の字にしていた。さすがにやりすぎたか……そう思いながら下井草に声を掛けようとする。<br /><br />「おい、すまんかっ」<br /><br />「あの、大丈夫ですか？」<br /><br />若いナースが下井草の安否を気遣っている。見上げた職務精神ではあるが、その光景は山崎にとって苦々しいものでしかなかった。どうして下井草だけが、こんな良い目に……先ほどまで芽生えつつあった申し訳なさは瞬時に掻き消え、次の瞬間には下井草の後頭部をゲンコツで殴りつけていたのであった。<br /><br />「看護婦さんに迷惑掛けてんじゃねえ！さっさと行くぞオラッ！」<br /><br />それは、本人からすれば渋めの口調を装っていたのではある。けれど傍から見れば、それは極道筋の恫喝にしか聞こえなかったというのだから、実に哀しい。ここぞとばかりにニンマリとした笑みを浮かべた山崎の顔を見るや、看護婦は「ヒッ」と短い悲鳴を上げてそそくさと立ち去っていった。<br /><br />「ザキヤマさん、ひでえっすよ……マジ訴えますよ……」<br /><br />「泣きたいのは俺の方だ！」<br /><br />ドスドスと足音を立てながら山崎は通路を進む。決して悪い男ではないのである。ただ、彼はそういう生き方しかできない――それだけのことなのであり、そしてそれが、どうしようもないくらいに悲劇的なのであった。<br /><br />「あ、ここっすねぇー。お疲れさまっすー」<br /><br />辿り着いた病室の前には二名の警官が待機していた。山崎は挨拶をせずに、壁に設えられたネームプレートをチラリと確認する。<br /><br />【新井薬師多美子】<br /><br />「失礼します」<br /><br />大きな音を立てないように気を払いながらドアを開く。カーテンが閉められていたせいか、昼間にも関わらず部屋の中はぼんやりと薄暗かった。ベッドの上には、新井薬師多美子その人と思しき女性が横になっている。山崎は目礼だけ送ると、ずんずんとベッドの脇へ歩み寄った。<br /><br />「どうも、私は山崎と言います。早速ですが、事件のあった夜のことをお伺させて頂きたく……」<br /><br />喋りながら、慎重に新井薬師の様子を確認する。予想通りというべきか、彼女はやはり生気の抜けたような風情でそこに佇んでいた。<br /><br />「ザキヤマさん、いつも通りっすね……」<br /><br />「うむ……」<br /><br />これまで見てきた全ての被害者が、新井薬師と同様の反応を見せていた。無気力、無関心、無反応。尤も、被害を受けた直後にこのような状態になるのは特別珍しいことではない。しかし、同一の通り魔事件において、全ての被害者が全く同じ反応を見せるというのは、少なからず奇妙なことだった。<br /><br />「手がかりはなし、か……」<br /><br />しばらくの間新井薬師に話しかけてはみた。しかし、彼女の口からは何も語られることはなかった。期待がなかった、といえば嘘になる。だが期待と同程度、あるいはそれ以上に、諦めがあった。どうせ、新井薬師もこれまでの被害者と同じだろう――という、乾ききった諦めが。<br /><br />「ザキヤマさん、この辺にしといた方が良さそうっすねぇ」<br /><br />「ん、そうだな……」<br /><br />溜め息をつきながら二人が立ち上がる。と、その瞬間に下井草がケラケラと笑い出した。<br /><br />「おい、不謹慎だぞ！」<br /><br />咄嗟に拳を振り上げた。『言葉より先に身体に教え込め』――それもまた、先輩刑事からの大切な教えであった。<br /><br />「だ、だってザキヤマさぁーん！それ、見て下さいよぉー。ヒッヒヒ……あーおかしい」<br /><br />「それって……うおっ？！」<br /><br />下井草が指差した先、視線の向こうには、こんもりと膨れ上がった山崎の股間があった。端から見れば、それはまるで一物が勃起しているような風情だっただろう。<br /><br />「何てこった！くそっ、ポッケに入れてたボールペンが変な角度で……ああっ、畜生め！」<br /><br />顔を真っ赤にさせながらポケットに手をねじ込むも、ボールペンを上手く掴めないせいであろう。先端が、ズボンの中で猛り狂ったように暴れだした。<br /><br />「ザキヤマさん、そいつぁやばいっすよぉー」<br /><br />「やかましい！遊んでるわけじゃねえ！」<br /><br />一分少々格闘した後、ようやくボールペンが引っぱり出された。たったそれだけのことなのに、山崎ははあはあと肩で息をしている。下井草はその様子に失笑を禁じ得ない。<br /><br />「この……」<br /><br />真っ赤な顔をした山崎が拳を振り上げた、その時。<br />視界の端で新井薬師多美子が動きを見せるのを察知した。瞬時に拳を下ろし彼女の方に視線を投げる。<br /><br />「新井薬師さん？」<br /><br />「あ……ああぁ……」<br /><br />「新井薬師さん！どうされました、新井薬師さん！」<br /><br />「チ……チ、チ……」<br /><br />「チ？ち、血？ええい、これだけじゃ何も分からんぞ……！」<br /><br />「ザキヤマさん、落ち着いてつかぁさい！まだ何か喋ろうとしています！」<br /><br />「チン……ポ……チ、ンポ……チンポ……チンあああああああああああ！！」<br /><br />新井薬師は突然叫び声を上げると、気を違えたような勢いで頭を上下に揺らし始めた。口の端からは泡が飛び散り、目は白目を剥いている。そこに、新井薬師の異変に気付いたナースが慌ただしくやって来た。<br /><br />「新井薬師さん、新井薬師さん落ち着いて下さい！」<br /><br />「チン、チンポがああああああ！！チンポ、チンポがわたしをををおおおおお！！！」<br /><br />「新井薬師さん大丈夫です！ここにはチンポはありません！！ノーチンポ、ヒア！！」<br /><br />語りかけながら、ナースは鬼のような形相で二人を睨みつけた。すぐに視線の意味に気付いた刑事たちは、股間を押さえながらそそくさと病室を後にするのであった。<br /><br />・・・<br /><br />「一体、何がどうなってやがるんだ……」<br /><br />胸ポケットからエコーを取り出すと、愛用しているデュポンのライターで火を点け、深く煙を吸い込んだ。ささくれだった神経がゆっくりと鎮まっていくのを感じる。<br /><br />「下井草、どう思う？」<br /><br />紫煙をくゆらせながら山崎は相棒に水を向ける。顎に手を当ててしばし考えたあと、下井草は慎重に口を開いた。<br /><br />「新井薬師さんは、確かにチンポ……と」<br /><br />「やはり、か」<br /><br />携帯灰皿に吸い殻を押し込み、中空を睨め付けた。ようやく見つけた手がかりらしい手がかり、しかしその情報量は未だ圧倒的に少ない。<br /><br />「どういう意味なんだろうな」<br /><br />「僕も色々考えたんっすけどねぇー。一つは、彼女の言っていた言葉が"ching-pong"という英語ではないのか、という可能性っすかぁ」<br /><br />「ching-pong？そりゃあ一体どういう意味なんだ？」<br /><br />「ザキヤマさん、学がないっすねぇー。chingっていうのは英語で『チン』と音が鳴ることを表した単語、pongはこれまた英語で『ポーン』と音が鳴るって意味なんすよ」<br /><br />「『チン』と『ポーン』？それが一体、何だっていうんだよ」<br /><br />「そりゃあ……自分にも分からんっす」<br /><br />「それじゃあ意味がねえだろうが！……他には？」<br /><br />「もう一つは、やっぱ英語で　"chew in power"……ゆっくり発音すればチュウ・イン・パウワですが、早口で発音すればぁ……」<br /><br />「チュインポー、チュンポゥ、チンポゥ……強く噛む、か」<br /><br />「ただ、それが何を意味しているのか。そいつぁやはりよく分からんですねぇ」<br /><br />手帳を閉じながら下井草が深い溜め息をつく。彼にしても既に気がついているのだ。おそらく、真相はそんな言葉遊びの中には存在しないということを。あまりにも当たり前な、ごくありふれた一つの単語に帰結していくのだ、という事実を。<br /><br />「チンポ、だろうな」<br /><br />「……でしょうねぇ。しかし、だとしても新井薬師は、我々に何を伝えたかったんすかねぇー……」<br /><br />「それを俺たちが調べるんだろうが」<br /><br />足を使ってな――背中でそう言いながら、山崎は足早にパトカーへと戻っていくのであった。<br /><br />・・・<br /><br />「ザキヤマさん、ここ、科捜研じゃあないっすか。何か調べものでもあるんっすか？」<br /><br />科捜研――科学捜査研究所（かがくそうさけんきゅうしょ）とは、都道府県警察本部の刑事部に設置されている機関で、科学捜査の研究および鑑定を行っている場所だ。ここで証拠物件が鑑定されることにより、捜査が大きく進展することがしばしばある。<br /><br />「竜っぁん、鑑定の結果は出たかい？」<br /><br />「おお、ザキヤマか……まあ待て、いまプリントアウトしている最中だ」<br /><br />山崎が声を掛けた相手は鷺宮竜二（さぎのみやたつじ）、通称竜っぁん。科捜研の主任を務めている。山崎とはプライベートの釣り仲間だ。<br /><br />「しかし珍しいっすねぇ、ザキヤマさんが科捜研を尋ねるなんて。いつもは現場優先で、せいぜい上がってきた鑑定結果に目を通すくらいじゃないっすか」<br /><br />「ちょっと気になることがあってな……どうだい、竜っぁん」<br /><br />「うむ、どうやらお前さんの読み通りみてぇだな。これを見ろ」<br /><br />竜二から突き出されたA4の紙を受け取り、しげしげとその中身を読み込む。下井草も脇からそれを覗き込んだ。<br /><br />「精液？ザキヤマさん、こいつぁ……」<br /><br />「今回の現場に行ったとき、俺はある違和感を覚えたんだ。それは本当に些末な違和感だった。今回の事件が初めて起こったもので、あるいは連続性が欠落していたならば、きっとその違和感は忘却の彼方に葬られていたことだろう。だが、その違和感は事件が回数を増す毎に俺の中でどんどん堆積していった。そして今回、新井薬師多美子が標的となった現場で……満たされた違和感が、表面張力の限界を超えたのさ」<br /><br />「見えてこないっすね。一体その違和感ってーのは、何だったんっすか？」<br /><br />「これさ」<br /><br />山崎はポケットから透明のビニール袋を取り出す。中にはくしゃくしゃに丸められたティッシュが入れられていた。何の変哲もない、ごく普通のティッシュであった。<br /><br />「ははあ、そのティッシュに精液が付着していたと……いや、でもおかしいっすね。そんな重要な手がかり、どうしてこれまで見つけられてなかったんっすか？」<br /><br />下井草の言う通りだった。これまで、現場において犯人のものと思しき精液が発見されたことは一度もない。また、被害者は新井薬師と同じく、事件後は揃って口を閉ざしていた。よって犯行がどのような性質で、またどのような手口で行われていたのか、それすらも把握できていなかったのである。<br /><br />「盲点だったのさ。お前だって普通に道を歩いていて、そこらにティッシュが落ちてたって何も気にしないだろう。なぜならそれはゴミだからだ。いわば路傍の石よりもチンケな存在――そんなものに敢えてまで注意を寄せるやつは、そうそういない」<br /><br />「まあ、確かに……」<br /><br />「不甲斐ないことに、俺たちデカも同じような思考の盲点に陥っていた。通り魔＝凶器、血痕、目撃証言という凝り固まった偏見に捕われ過ぎていたんだ。だから、犯行現場のティッシュを見逃した。いや、見逃し続けたのさ」<br /><br />山崎は眉間に皺を寄せながら思い返す。<br />これまでの犯行現場、その全てにティッシュが落とされていたことを。<br /><br />当初は何も思わなかった。<br />しかしその白い存在は、山崎の記憶に宿便のようにこびり付いていったのである。その結果として、今回の鑑定結果があるのだ。<br /><br />「ん……？」<br /><br />「ザキヤマさん、この資料にゃあ続きがあるみたいっすよぉー！」<br /><br />山崎は慌てて二枚目を捲る。せめて精液の痕跡だけでもあれば、と思っていたが、もしかするとそれ以上の発見が得られるのかもしれない。逸る気持ちを抑えつつ、注意深く資料に目を通す。<br /><br />そこには、予想だにしない結果が記されていた。<br /><br /><br />「狂チンポ病ウィルス……！？」<br /><br /><br />（つづく）<br /><br />・・・<br /><br />ついに事件の手がかりを掴んだ山崎と下井草、果たしてその真相とは？<br /><br /><div style="text-align:right;">――「無事に帰ってこい、そして海釣りに行こう！ザキヤマ！」<br /><br />男と男の誓い、山崎はその約束を果たせるのか。</div><br /><br />――「狂チンポ病っすよぉー！おめぇ、鼓膜が腐ってんじゃあねえっすかぁー？！」<br /><br />暴走する若い正義、行き着く先には何が待つ。<br /><br /><div style="text-align:center;">――「それが全ての、動機です」<br /><br />ついに語られる真相。その時山崎と下井草は、果たして。<br /><br /></div><br />――「ザキヤマさぁぁぁぁぁぁん！！」<br /><br />風雲急を告げる展開。<br />山崎と下井草の運命や、如何に。<br /><br /><br />【次回『刑事（デカ）、山崎』後編　9月28日更新予定】<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/128621077.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/128621077.html</link>
<title>平等主義は何故色恋を引き起こすか</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-22T22:31:30+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />目の前にあるものがまるっきりの虚構、ファンタジーであったとしても、それを目の当たりにしている当人が 「これは現実なんだ！」「自分はこれで幸せなのだ」 と強く思い込むことが出来るのであれば、納得できるのであれば、それは誰にも侵すことのできない "真実" になるんじゃないだろうか。<br /><br />僕たちはしばしば "他者を介して自らを愛でる" という行為をカマす。ことの善し悪しは別にして、よくカマす。他者との関わりの中で自己確認を行っている。<br /><br />『人に優しく、<strong>する自分が大好き！</strong>』<br /><br />こういうのが顕著な例である。往々にして 『独りよがり』 とか 『独善的』 などど揶揄されやすい価値観だ。<br /><br />人に優しくするときは利己的であってはならない、すべからく献身的であるべきだ……乱暴な論調ではあるが、こういった考え方をしている人は少なくない。無私の精神から発せられる優しさは尊いが、それ以外の優しさは押し並べて無価値である――このような主張は、割と自然にまかり通っている。<br /><br />利己的な優しさは一方的に糾弾されるべきなのか？といえば、僕自身はそうは思わない。【人に優しく、する自分が心地よい】。言葉にすればチープなフレーズだが、無意識的に見返りを求めてしまう僕らの心は止めようがないからだ（この場合は "他者からの好意的な評価" というリターンを求めていることになる）。<br /><br />『これだけしたから、少しくらい良いことが起きないかな……』<br /><br />この表現であれば比較的謙虚な姿勢にも見えるが、語っている内容は、本質において『人に優しく、する自分が大好き』というそれと肉薄している。しかしながら、前者に比べて後者の言い回しの方が周囲に対しネガティブな印象を与えにくい……ように感じられる。不思議なものである。<br /><br />どこまでが無欲の優しさで、どこからが利己的な優しさなのか。それを分ける基準なんてどこにもない。それは外面的に決されるのではなく、ひたすら自分の内部に存在する "内なる基準" に求められている。だからこそ実際に顕現した優しさについて、周囲からの評価がバラバラになりやすいのではないだろうか。<br /><br />なればこそ、僕たちにできるせめてものことは 『とにかく自分を信じる』 という、若干宗教じみた行いへと収斂していく。これは相手のためになるのだ、こういう振る舞いをしている自分は間違っていないのだ、と強く信じること。それにより、自尊心や虚栄心を満たすのである。相手の心をケアするふりをして、実際は自らを癒しているのである。<br /><br />それでいいのだと思う。むしろ、そういうありかたの方が却って健全な場合すらある。『誰かを利用する』 というマインドは盲目的に忌避されがちだが、実際のところ、その状況の背後には 『自分も誰かに利用され得る』 この可能性が眠っている。<br /><br />自分が誰かを利用し、満たされる。<br />相手も自分を利用し、満たされる。<br />へらへらと笑いながら 「見返りなんていらないよ」 とうそぶかかれるよりも、よほどシンプルで分かりやすい。<br /><br />もちろん、『自分は誰かを利用する、だけど私のことは利用しないで！』―― この手の人間が軒並みクソ野郎であることは論を俟たない。また、こういう人に限ってやたらと 「やっぱり愛だよ」 とか 「優しさが足りないんじゃない？」 と、抽象論ばかりをぶとうとする。論理的な議論になると、自分の非を認めざるを得ないからだ。<br /><br />『施しを受けているのは知っている、だけど自分は（疲れているから、面倒だから）施したくない、そんな自分に対して何かを求めるだなんて優しさがない、愛がない、人面獣心の人非人だ 』<br /><br />最後にはキレることだろう。自分の心の弱さの所在を 『愛』 だの 『優しさ』 だの、よく分からない概念に求めるのだから始末が悪い。結果として余計にその二つの言葉のイメージがマイナスに脚色されていく。愛、優しさ、それはいかなる不合理をも包み込む全知全能のマインドなのだ！――そんな嘘八百が平気でまかり通っていくのである。ひどい茶番だ。<br /><br />僕が嫌うのはそういう場面で語られる 『優しさ』 であるが、それ以外の優しさについては別段何も思わない。『いかなるときでも他者に優しく振る舞うことが自分のアイデンティティだ』という人がいてもいいし、あるいはその逆であってもいい。誰かを媒介することでしか確認できない自分像、癒すことのできないマイハート、というものは、確かにあるからだ。僕自身、八方美人な人は結構好きである。<br /><br />恋愛関係などが分かりやすい実例だろう。特に初期の恋愛関係というのは、お互いが自分の良さをプレゼンし合う、結果として好意を深め合う、なおかつ 『やはり自分はステキな野郎だったんだ』 と確認し合う、という壮大なプレイだ。その段階で見せられる優しさというものは、ほとんどの場合 『相手のためのもの』 ということはあり得ない。大胆にいえば、自らの付加価値を高めるためのイミテーションでしかない。<br /><br />だからこそ、いつかどこかの段階でその虚飾は崩れ落ちる。肩を揉んだり、無駄に長い前戯をカマしたり、ということがなくなる。恋愛が成就した、という利を手に入れた後になってまで、自分の良さをプレゼンし続ける胆力のある人は少ない。釣った魚に餌をやらない――という悲惨な事例が数多報告されるのも、それが理由だ。<br /><br />いいじゃない、その時々は楽しかったんだから。そのやり取りがプレイである以上、終わる瞬間というのは必然的に訪れるわけでしょ。大切なのは 『次のステージでどういう楽しみを見つけるか』 であって、過去の光に惑わされ続けることではないのです。オナニーと一緒の話で、いずれにしても永続する快楽なんてあり得ないわけです。<br /><br />ただ、オナニーとは異なり、恋愛において得られるのは精神的な快楽（ あの名状しがたいワクワク感。センターに何度もメールを問い合わせるもどかしさ。分かるだろ？） であるからこそ、僕たちは生半にその愉悦を諦めることができない。どれだけ辛酸を舐めても、あるいは結婚などのイベントを経ても、あの快楽を、悦びをもう一度！とばかりに欺瞞に満ち満ちた恋愛の場面へと、色欲の世界へとダイヴしてしまう。切ない話ではあるものの、世間にて浮気や不倫の案件が後を絶たないという現状を考えれば、それは否定できない事実でもあるのです。<br /><br />じゃあどうするのか、怠惰と堕落の海に身を任せるままでいいのか？――と問われれば、やはりそれは苦しい。近年になって頻発しているストーカーの事案などがそうであるように、自制心を失った恋愛というのは時として極悪な犯罪を引き起こしかねません。そこには自ずとルールやマナー、あるいは法的な規制が用意されて然るべきでしょう。<br /><br />つまりは安全なラインで疑惑と偽りに満たされた色恋を楽しめばいい、誰にも迷惑を掛けないままに己が欲求を満たしてやればよい、ということになるわけで、そう考えてみたとき俄に立ち上がってくるのが、やはり金銭を介在させたお付き合い、いわゆる『割り切った関係』ということに、なるのではなかろうか。<br /><br />「やだ、それってすごくドライ……」<br /><br />字面だけを見れば乾いた風情ではありましょう。大人って汚い……！と絶望を叫ぶ青少年の方々もおられることと思います。しかしね、僕は思うんですが、一口に金といっても同じお金は一つとしてないわけで、例えば１００万円という数字、それは誰にとっても平等に１００万円ではありますが、それを "誰が" 捻出するのか、という問題に立ち入って考えてみれば、その１００万円は実に様々な顔を見せてくれるわけです。<br /><br />ビルゲイツの１００万円。僕たちからすれば、ビルにとって１００万円なんて場末のカマドウマよりもミジンコな価値でしか有り得ないんだろうなあ、という感想を抱くでしょうし、仮にビルが<br /><br />「ホンダのシビック、高いなー」<br /><br />と車屋の前で難渋しているのを目撃したとすれば、僕たちは本能的に<br /><br />「こいつ、しょっぺえな」<br /><br />と思うことでしょう。それがいわゆる市民感覚というやつです。<br /><br />翻って、小学生の１００万円。ハッキリ言って小学生に対し１００万円の支払いを強要する、というのはどう贔屓目に見ても悪鬼羅刹の所行であり、畢竟万死に値する罪業です。小学生が１００万円もの金を捻出する、なんていうのはほとんど不可能に近いことなのだから。<br /><br />故に、僕たちが１００万円を手にした小学生を目にすれば、きっとこう思うはずです。<br /><br />「おじさんに貸してご覧なさい」<br /><br />もとい<br /><br />「この子は一体、どんな苦労の末にこの金を手に入れたのだろうか。想像するだけで涙がちょちょぎれるわ……」<br /><br />ビルの１００万円と、小学生の１００万円と。金銭の面から見れば両者は全く同じ意味で１００万円を手にしていますが、しかし、そのいきさつやバックグラウンドに思いを馳せたとき、僕たちはその１００万円を同価値として見なすことができなくなるのではないか。各々の１００万円に対し、固有の意味みたいなものを見出してしまうのではないか。<br /><br />金を通じたお付き合い、これも同じことです。相手が支払う１万円、１０万円にどんな意味があるのか。そのことを真剣に考えることは、下らない言葉を幾百も重ねるより遥かに価値のあることです。あるいは目の前の異性が手にしている５０００円、その背後に度重なる絶食や徹夜の労働、預金の切り崩し……などの事実が眠っているのであれば、あなたは金を通して "誠意" というものを知ることになるでしょう。<br /><br />要するに『身勝手な優しさは良いけど、金はダメ』というのは乱暴なダブルスタンダードだ、ということです。別に金でもいいんですよ。というか、その方がシンプルで安全です。また、金が運ばれてきた背景には想像を働かせる余地がある……とは上で述べたところですが、それでも "金そのもの" は二義を許しません。変わっていいのは相場くらいのもので、どれだけいっても金は金としての機能しか果たし得ないのです。<br /><br />「先っぽだけって言ったじゃん！根元までズッポシじゃん！」<br /><br />「知らねえよ！言ってねえよ！」<br /><br />そんな、世界一無価値な議論を巻き起こすリスクもないのです。この辺りの事実が僕をして金を猛プッシュさせる所以なのですね。<br /><br />じゃあ一体金銭を介在させた恋愛って何？ということになるのですが、これはもう単純に風俗、水商売、ということに他なりません。古来の遊郭から始まり現在に至るまで、様々な人が色町へと足を運び金を落とし夜の蝶と騙し合いを続けている……という事実からも導かれる、実に合理的な結論です。<br /><br />ただまあ、僕もお付き合いで何度かキャバレー・クラブ・システムないしオッパイ・パブ・コミュニティなどに足を運びましたが、やはりああいったところで納得のいく色恋遊びができるのか？と言われればそれは中々難しいものがあって、というのも僕自身がああいうところに足を運んだ際、まず真っ先に<br /><br />「なるべく金を使わずに楽しもう」<br /><br />「できればタダで酒を飲みたい」<br /><br />「あまつさえヤリたい」<br /><br />という基準を打ち立てるのですが、不思議なことにこの指針に則ってお酒を飲んでいるとあまり楽しくない、というか、開始７分で『離婚間際の夫婦』的なニュアンスの空気が漂い始めてしまい、結果として僕は 「キャバレー・クラブ・システムなんて楽しいこと一つもないよな」 という、後ろ向きな帰結を胸に抱くばかり。<br /><br />おそらく、この問題は僕が湯水の如く金を使えば即・解決するのでしょう。しかし僕が欲しいのは、キャバレー・クラブ・システムにおいて大枚をはたいた結果得られる   「キャー！ヘネシー！」 という嬌声などではなく、もっとしっぽりとした甘い睦言、青春時代に置き忘れてきた桃色の囁き、もっと情緒的なサムシングなのです。<br /><br />「先輩、<strong><span style="color:#FF00FF;">今日の夜もメールしていいですか……？</span></strong>」<br /><br />この空気感。分かるだろ？！一度でも青春時代を過ごしたことのある読者諸兄におかれましてはさぁ。同じ金を払うなら、僕はこの空気感、ノスタルジー感にこそ全財産を賭したいのですよ。でも、そういうのはたぶん、キャバレー・クラブ・システムやピンクサロン・アソシエーションなどでは中々得難いエモーションのような気がしてならないのです。<br /><br />もっと色恋に特化したサービスを。もしかしたらそういう類の店もどこかにあるのかもしれませんが、現状僕は知りません。もし存在するのだとしても、それが一部のセレブ層だけをターゲットにした商売であるのなら、それはやはり僕らとは関係のない世界のお話……ということになります。それでは意味がないのです。<br /><br />敷居を低く。<br />できれば、１０００円くらいから始められるのが理想です。<br /><br />まずはバーチャルの世界からスタートしては如何か。要するにメールのみで異性とやり取りをし、そこでお互いの人となりを知る。何か違うな…と感じるのなら、別の人とメールをする。そういうやり取りを大体数回。出会い系と何が違うの？と思われるかもしれませんが、このシステムの場合は "店に行けば必ず会える" というのがミソです。何がミソなのか分かりにくいですが、とにかくミソです。いいな。<br /><br />で、その後に実際対面することになるのですが、ここで僕は革新的な提案をしたい。<br />メールでのやり取りを経た我々（＝客）が店に赴くや否や、相手（＝女性）の自分に対するラブ値（ときめき具合&#63889;）が数字化されて伝えられる――というシステムの導入です。いわゆる 『ときめきメモリアル』 方式の採用を声高に叫びたい。<br /><br />なぜそんなシステムを？と思われるかもしれません。しかし、これは非常に重要な要素で、だって目の前にニンジンがぶら下がってなかったら、走る気が起きねえんですよね……相手が最初から自分にときめいてるのが分かってたら、遠慮なく走れるじゃあないですか……。<br /><br />あるいは、本来ならば知り得なかった、知る由もなかった相手の趣味・嗜好・性癖やフェチシズム、それらの情報を先んじゲットすることにより<br /><br />「今夜あたり、イケるんちゃう？」<br /><br />「こいつ、相当やな……」<br /><br />そんな確信を得ることができる。かくして、僕たちのチャレンジング精神は激しく燃え盛るのです。有り体に言えば、僕らって勝てるゲームしかしたくないんですよね……当たりくじだけのくじ引きがしたいんですよ……なんで金払ってまで負け戦に挑まにゃならんのか……。相手の本心を探るだとか駆け引きをするだとか、そんなのは現実世界で十分なんですよ、正味の話。<br /><br />かくして、僕らは自分と相手のパラメーターを確認しつつ、意気揚々とお店で金を落としていくのです。そしてしばらくの時間が経過し、ある程度お互いが成熟した間柄になると、当然次のステージへ。いわゆる "ラブな関係" へと移行していく必要があります。<br /><br />なぜか？と言えば、分かってんだろう？あのさあ、俺たちもウヴなネンネじゃねえからよ、やっぱ五万円くらいペイした辺りから 『そろそろ、チンポの季節に……』 と思ったとしても、誰も咎められやしねーよ。健全な男子として当たり前なリアクションだって、それは。<br /><br />さて、この "ラブな関係" に至った頃というのは、そりゃあもうラブもラブラブ。通常のゾクフー（風俗）であれば、プレイ開始後は何となく気まずいもんだから<br /><br />「あ、はじめましてー。よろしくお願いしますー」<br /><br />「あ、どもー……」<br /><br />みたいな、一種の社交辞令が介在してしまうのだけれども、僕の提案するプレイスタイルによれば、ラブプレイに至るまでの間に（メールなどを通じて）とても緊密なやり取りが交わされているがため、プレイルームに入るや否や<br /><br />「あ、こんにちはー」<br /><br />「ニャーン！挿れて！」<br /><br /><strong>こうなります</strong>。いや、こうならなければいけないのです。ご理解頂けるでしょうか。したな。<br /><br />さて、メールから始まり相手の好感度を上げる作業を経て、無事にラブな段階に至ってしまった。通常の恋愛関係にあっては大体この辺りで頭打ちになってしまうものですが、ここでもやはり重要なのは金のパウワ (power) です。<br /><br />社会通念に即して考えたとき、僕たちが浮気的なサムシングをカマそうと思ったら割合複雑な手続きを踏まなくてはなりません。周囲に対するカモフラージュ、彼女に対してのアリバイ作り、潤沢な資本力、罪悪感を打ち消すだけの鈍感力、などなど。この辺りの全てのハードルを超えて初めて我々はJI （ジュンイチ・イシダ） の高みへと近づけるわけですが、中々そうはいかないのが世知辛いところ。悪巧みはいつか露見する、というのが世の常なのです。<br /><br />そこでプレイだ。よろしいかな。浮気をするに際してパートナーに嘘を吐かなければならない、というのはあくまでもリアルワールドの話だからであって、僕の提案する店にあってはそういう制約・規制は一切存在しません。業界用語でいうところの "本命" がいたとしても、同時並行的に別の女性を攻略する……十分に可能なのです。<br /><br />「そ、そんな！そんなのって許されちゃうのかい？！」<br /><br />許されちゃうんだな！これが！まあ結局さ、本命の彼女と『ニャーン！挿れて！』 という間柄にまで至ることができたのだとしても、やはりそれは 『金によって培われた関係』 という呪縛から逃れられないのだけれど、だからこそ、その金満的ロジックを押し進めれば "浮気の沙汰も金次第" ということにこれ、なる。ならなくてはならない。<br /><br />ということで、皆さんは店側にアナザーマネーをペイすることにより新たな女の子のメアドをゲット。便宜上設定は 『彼女の後輩』とか 『職場の同僚』 とかその辺りに据えつつ、おもむろに<br /><br />「最近、彼女とうまくいってなくて……」<br /><br />的なメールを猛射出。大体１メール１０００円くらいするのだけれども、概ね５メールほどしたらその子の方から 『じゃあ、ちょっと飲みにいこうか？』 といった趣旨のメールがくる（というシステム）なので、お客さんは下心を隠しながら、でもスキンだけはきっちり用意しながら、プレイルームへと赴くのであった。<br /><br />（コンコン）<br /><br />「いらっしゃ……キャー！」<br /><br />「もう辛抱たまらんばい！辛抱たまらんばい！」<br /><br />「ダメ！あなたにはよし子がいるじゃない！」<br /><br />「後生でごわす！後生でごわす！」<br /><br />「ダメ、ダ、だ……ニャーン！」<br /><br /><strong>こうなる</strong>。論理性とか因果関係とか一切関係なく、こうなるわけです。それが資本主義経済から吐き出された結論だし、僕たちメンズの内に潜む  「言うてもお前も、ホレ……」 というカルマを満たす唯一の手段なのだから。これはもう仕方がない。新自由主義が生み出した構造的瑕疵としか言いようがない。<br /><br />で、まあここからが再びミソなんですが、そういう風にしてお客さんが擬似的浮気を楽しんでいる間、本命は本命でその様子を隠し窓からこっそり覗いていなければなりません。そういう風に決まっているのです。<br /><br />「あの……泥棒猫！」<br /><br />この台詞を聞き出すまでがワンプレイ。男たるもの、一度くらいはこのフレーズをナマで耳にしたいところ。<br /><br />「それって、何が楽しいの？」<br /><br />あのさー！？楽しいとか得があるとか、そういうレベルの話じゃないんですよこういうのは。『考えるな、感じろ』の話であって、そこにあって理屈とか理由とか、マジでどうでもいいし。察して頂きたい。<br /><br />ここまで語れば聡明な一部の読者は既にご理解かと思うのですが、楽しいのはここからであって、擬似的な浮気をカマしたあなたは当然のように本命の女性と修羅場を迎えるだろう。どういうことなの！説明してよこの豆タンク！彼女は修羅よりも修羅の形相になり、あなたに掴みかかってくるに違いない。<br /><br />「ひどいわ！信じてたのに！」<br /><br />「よし子！聞いてくれ！」<br /><br />「いやっ、何も聞きたくなング……ニュパ……チュパロン……」<br /><br />「プハッ……よし子、愛してる。俺には君だけだ……」<br /><br />「あなたっていつもそう……いつも……<strong>ジュテーム</strong>」<br /><br /><strong>という経緯の末</strong>、この後は腰が砕けるような仲直りファックです。やはりこの場合も、冒頭の喧嘩を含めてワンプレイ。もっと言えば浮気を含めてのワンプレイ、ということになりましょうか。識者に伺ったところ 『彼女との仲直りファックは格別の味わいがある』 とのことでしたので、このプレイが組み込まれることはごく自然なことと言えるのではなかろうか。<br /><br />このような感じで。このプランが実現されればかなり様々なプレイ展開を見せてくれることウケアイ、これはもう新しいビジネスモデルにならざるを得ないでしょう。また、実施に際しては 『きめ細やかな対応能力』 をウリにしたいところ。上述したような王道パターンもあれば、浮気相手＆よし子＆あなたの三人で愛を育む<strong>ハーレムエンドコース</strong>、あるいは『自分の本命が他の男性とプレイする様子を目撃する』という<strong>NTRコース</strong>も不備なくご用意。ちなみにNTRコースに進んだ場合は、希望に応じて<br /><br />「私が悪いのは分かってるの！」<br /><br />「だって、寂しかったの！！しょうがないじゃない！！」<br /><br />「でも、私が好きなのはあなただけなの！１！」<br /><br />という台詞がオプションで付いてきます。あらゆるニーズに対応したい気構えです。<br /><br />疑似であれ架空であれ、恋愛情事によって癒されてしまうしどけない僕たちのココロは、確かに存在する。世の中に数多はびこる恋愛小説や恋愛ゲームの存在からも、そのことが裏付けられています。昨今ではラブプラスというゲームが目覚ましい売り上げを記録していますが、その意味でいえば僕の提案するこのビジネスモデル、需要がなくはなくもないといえなくもないと断言することにいささかの躊躇いも覚えないでもないではない。ある。<br /><br />冒頭の論調とはうって変わってなぜか事業計画のお話になってしまいましたが、重ね重ね問いたかったことは 『幸せって何？』 という至極哲学的な疑問、それだけです。映画でも小説でも、ゲームでも妄想でも、あるいは風俗でも。それに熱中して取り組んでいる人が 『俺はいま、確かに幸せなのだ』 と断言できるのであれば、その時どれだけ周りの人が 『そんなの間違っている！』 と指摘したとしても、何の意味がないのです。ある人が成功したか否か、それを外部的な基準で計ることはできても、ある人が幸せか否か、それを客観的に判断することなど、およそ不可能でしょう。その基準は、各々の心の中にしか存在し得ないのだから。<br /><br />なればこそ、『誰かに優しくする、そんな自分が大好き！』 という価値観を抱いていても、それについて是非を論じるのはあまり意味がない。あるいは 『俺はコンニャクでしか快楽を得ることができない、そしてそれで満足だ！』 とシャウトする人を前に、僕たちが語るべき言葉はあまりにも少ないのです。その場合、せめて僕たちにできることと言えば、そういう人を伴侶に選ばないようにするとか、見て見ぬふりをするとか、それくらいのものでしょう。ないし、肛門にねじりん棒を突っ込んだ状態でしか異性とラブトークができないという人は……まあ、実例について枚挙に暇はありません。<br /><br />詰まるところ僕たちは、多種多様な価値観の中で生きていくほかないのですから。最大公約数的な幸せなんて幻想でしかなく、自分が幸せか否かを判断するのは、いつだって自分しかいないのです。<br /><br />「じゃあ、カニバリズムとかも許容されて然るべき、とかそういうこと？」<br /><br />そういうのお前、あれだ、警察に任せておこうぜ。そんなところで噛み付かれても、俺、困っちゃうよ。<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/128132050.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/128132050.html</link>
<title>アンドロイドは手マンの夢を見るか</title>
<description> </description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-15T23:00:51+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　<br /><a name="more"></a>　<br />結局さ、手マンなんてものは慎重かつ正直なコミュニケーションありきのものでしょ。一方通行の行為なんかじゃなくて、双方向の肉体言語なわけでしょ。その前提も踏まえずして手マンを語ったって何らの意味もなくなっちゃうじゃない。そんな世界なんて無味乾燥で殺伐とし過ぎているじゃない。<br /><br />「あちゃー。肉欲のやつ、とうとう……」<br /><br />と苦々しい気持ちを抱かれた皆様、待ちたもれ。別に僕は伊達や酔狂で手マンのことを論じようとしているんじゃあないし、僕が日記に書く内容にはいつだって意味がある。意味がない時以外は、絶対に意味がある。信じて欲しい。<br /><br />野に咲く一輪の花と、手マンと。両者の本質的な相違点はどこにあるのか？と問われたとき、皆さんのほとんどは高い確率で言葉に窮してしまうだろう。迸る生命力を誇示しながら植わっている草花。対して、凛とした躍動感と共に繰り出される手マン。 "生命力" "躍動感" という観点からすれば二つの存在は非常に近しい存在だと言えることになるし、だからこそ、僕たちは野草と手マンとの間に峻厳たる区別を与えることに困難を見出すのだ。<br /><br />この時、皆さんから 『そもそも生物としての区分が違う』 という反論が上がることが予想される。しかしながら、そんなものはマクロコスモス（大宇宙）的視点からすれば実に瑣末な問題に過ぎない。対象が野花であるか人間であるかの別など、大きな流れの中では大した意味を持ち得ないのだ。<br /><br />そのように考えていくと、ここに一つの仮説が立ち上がってくる。<br /><br />『ややもすると野に植わるカスミ草と、我々の手マンとは、観念的なレベルにおいて同一の存在と解されるのではなかろうか』<br /><br />もちろん、手マンとは行為、事象、あるいは現象のことであって、物質・物体であるカスミ草とは自ずとその孕んでいる概念を異にしている。だが、そんなものはただの言葉遊びに過ぎない。なぜとなれば、手マンそれ自体は確かに現象ではあるものの、何もない場所から唐突に手マンという現象は生じ得ないからだ。<br /><br />手マンが生まれる場所、そこには必然的に誰かの身体の存在が要求される。要するに我々という意思ある個体抜きにして手マンは発生し得ない、故に手マンは現象でありながらも物質・物体たる我々の存在と連続性を保ち続けており、その意味からすれば手マンを物質・物体的側面から捉え直すことも、当然に可能なのである。<br /><br />だからこそ、手マンとカスミ草とは極めて密接に関係にある……と言わなくてはならないのだ。それがそれとしてある、手マン。それがそれとしてある、カスミ草。理屈は抜きにして、原初の時代から "そう" あるもの――仏教はこのような在り方を指して『<strong>タットワ</strong>』（tattva：それがそれとしてあること）と称した。<br /><br />要するに、大局を踏まえて見たとき。<br />手マンも草花もそう大した違いはない――永くの間、通説はそう指摘し続けていた。手マンに対し固有の意味を、認めてこなかった。<br /><br />しかし近時になって、この通説は崩される。<br />ある時、一人の学者がこう提唱したのだ。<br /><br />「いやいや（笑）手マンと草花は全然違うでしょ（笑）」<br /><br />学界に、激震走る――<br />なぜならばその主張は、荘子の教えである万物斉同（万物は道の観点からみれば等価値なのである一つであるという思想）という概念を根底から覆さんとするものであったからだ。<br /><br />当然、学界はこの主張に猛反発を示した。<br />しかしその反論は、同じ学者から提起された再抗弁により完璧に封殺されることとなる。曰く<br /><br />「いやいや（笑）だって草花には手もマンもないじゃないですか（笑）」<br /><br />学界に、電流走る――<br />完全に虚を衝かれた格好になり、諸学者たちは色を失った表情を浮かべた。草花に、手は、ない。それは当たり前の事実であった。しかしそれは、皮肉なことに、当たり前であり過ぎたがため誰しもが見落としていた、見失っていた。大事なことが、見えなくなっていた。<br /><br />それでもなお、諦めきれなかったとある学者は、重々しい口調で言葉を紡ぐ。<br /><br />「……本当に草花界に手マンが存在しないと、そう断言できるのか？1%の例外もなく？」<br /><br />議事堂を厳粛な沈黙が支配する。しかしそれも少しの間のことで、すぐに場内からは  『そうだそうだ！』 『草花に手マン、あっていいじゃないか！』 『お前に草花の何が分かる！』 『金返せ！』 などの怒号が飛び交いはじめた。<br /><br />（麒麟児の奇説もここまでか）<br /><br />誰もがそう思った。それでいいと考えた。無理に通説を捩じ曲げる必要などどこにもない。旧態依然とした状況を揶揄する輩もいるが、世の中には変わらない方が良いものも数多存在する。<br /><br />草も木も、オケラもカマドウマも僕たちも、手マンも。あらゆる存在は全にして無なのだ――<br /><br />だから、議論が妥結しかけた、その刹那だったのである。<br /><br />「お父ちゃん」<br /><br />「せ、節子？！せつこーーーーーー！！」<br /><br />「お父ちゃん、草花も、うちのアサガオも、手マンするん？手マン、するのん？」<br /><br />「せつこ、せつこーーーーーーーー！！」<br /><br />麒麟児が、場にジョーカーを登場させたのは。<br /><br />「皆さんが "そう" 信じるのならば、確かに "それ" は "そう" 在るのでしょう。それは認めます。しかしそのロジックを親に、伴侶に、あるいはご令嬢に！果たして、主張できるのでしょうか」<br /><br />「うちがせっせとせっせと、毎日水をあげたったこのアサガオも、朝な夕なうちの知らんとこで、手マンしとったんやね……」<br /><br />「違う、違うで！！せつこ、そうやない！！」<br /><br />「何が違うのん！ガマも仁丹もひやひやひやの樋屋奇應丸も！！全ては同じもんやって、皆一緒なんやって、お父ちゃん、そう言うたやんか！！やからアサガオやって手マンしとるんや！いいや違う、アサガオが手マンなんや！！うちも手マンや、うちが手マンや！！せつこはせつこちゃう、手マン子なんや！！」<br /><br />「せつこ、せつこぉーーーーーー！！！」<br /><br />見れば、議事堂内には数人、数十人、いや数百人もの子供が押し掛けていた。その子供たちは口々に叫ぶ。俺が手マンだ、私が手マンだと、学者の前で、次々と次々と、いつまでも押し寄せる波のように。<br /><br />気付けば、誰もが泣いていた。<br />子供を抱きかかえながら、謝罪するように、あるいは、祈るようにして、泣いていたのである。<br /><br />その光景を、しばし醒めた目で見つめてから、麒麟児はゆっくりと口を開いた。<br /><br />「皆さん。どうでしょう、そろそろお認めになっては」<br /><br />水を打ったような静けさが空間を定義する。嗚咽の声も、洟をすする音も、既に止んでいた。<br /><br />「あらゆるものは同一である、事象も現象も、丸ごと全て同じことである――そんなものは詭弁なんだ。そんなものは、あなたたちの弱い心が生み出した幻想に過ぎないんだ」<br /><br />ある者は俯き、ある者は頭を抱え、ある者は麒麟児をじっと正視する。しかし、彼の言葉に口を挟もうする者は、もう誰もいない。<br /><br />「僕たちにあって草花にはないもの。それは "相手を思い遣る気持ち" です。それはとても陳腐な表現で、抽象的で、学術的には何も意味を持たない概念かもしれない。しかし、それでも……僕は言いたい」<br /><br />「僕たち人間は、意思ある存在だ。意思があるからこそ、誰かを愛し、誰かに手マンを、する。"そのような存在" であるところの僕たちと、草花との違いを認識すること、それは "誤った差別" などではなく "正しい区別" なのではないでしょうか」<br /><br />「始めましょう、正しい手マン認識を。手マンは自然発生的なものなんかじゃない、万物に等しい行為事象なんかじゃない。心ある人と人との間にのみ許された、愛のある営みなんだと、そのことをきちんと理解していきましょう」<br /><br />議事堂内に再び嗚咽が木霊し始める。<br />皆、被害者なのだ。<br />かつて手マンを体験し、けれども己が不手際ゆえに相手から詰られ、責められ、距離を置かれた。そういう人たちなのである。<br /><br />『あなた、下手ね』<br /><br />その言葉の前に傷つき倒れた、英霊たちなのだ。<br /><br />だからこそ。<br />彼らは自らへの鎮魂歌として――通説を紡ぎ上げた。<br /><br />『手マンに上手いも下手もない。そもそも、万物は同等なのだ』……と。<br /><br />『俺も手マン、お前も手マン、すべてが手マン。それを下手と言うのであれば、それはそもそも、森羅万象における構造的瑕疵なのである』……と。<br /><br />「俺は、間違っていたのか」<br /><br />麒麟児は目を瞑り、首を横に振る。<br /><br />「正しいとか間違いとか、そんなのはどうでもいいことです。大事なのは、ただただ "善く" あることでしかありません」<br /><br />「"善く"？」<br /><br />「誠実さ、と言い換えてもいい。要するに、『下手だ』と言われるのであれば、その事実と向き合う。相手と対話を重ねる。ないし、自学自習に励む。無理矢理な自己肯定はしない……そんな、単純な話です」<br /><br />思い出す、あの日のことを。<br />新宿のつぼ八で、彼女が泣き叫びながら 『キュウリもいい、茄子も我慢する、でもトウモロコシはやめて――』 と私に懇願した、あの夜のことを唐突に、鮮明に、思い出す。次の日から同級生連中から 『もろこし輪太郎』 と呼ばれ始めたあの朝のことを、思い出すのである。<br /><br />「今日、この日から。新しい世界が始まりを迎えます。誰もが互いに手マンを高め合い、批判し合い、そして認め合う、そんな世界が、始まるのです！」<br /><br />「スパシーバ！！」<br /><br />「コングラッチュレーション！！」<br /><br />「ブラーヴォ！！」<br /><br />「ばんざーい　ばんざーい」<br /><br />場内に万雷の拍手が鳴り響いた。<br />手を叩きながら、誰もが泣いていた。泣きながら、笑っていた。<br />麒麟児も泣いていた、笑っていた、嗚咽を上げていた。<br /><br />「始めましょう、僕たちで、否、皆で！さあ皆さん、ご唱和下さい！」<br /><br />そこで言葉を止め、うやうやしく全体を見渡すと、深く息を吐く。<br />ああ、ようやく誕生を迎えるのだ。新しい社会が、世界が、あるいは、宇宙が。<br /><br /><br />――物語が、始まる――<br /><br /><br />「手マン、ルネッサンス！」<br /><br /><br />【19○○年、ヴァチカンにて行われた第42回WHC(*)の議事録より抜粋】<br /><br />*World HandJob Conference<br /><br /><br /><br />■<ins>追記（ある識者からの提唱）</ins><br /><br /><strong><font size=2>本日、僕が以下に書き記す文章は、 肉欲氏から「手マンの極意を御伝授頂きたい」というオファーを受けてしたためたものである。 <br /><br />皆様方の中には僕の事を「オレイズムのヨッピー」「オモコロのヨッピー」として認識してらっしゃる方も多数含まれていると思いますが、 今日はそういった認識をすべて捨て去り、 僕の事を「手マンの鬼」、つまり、「マン鬼（まんき）」と呼んで頂きたい。 <br /><br />～マン鬼が語る至高の手マン～　 <br /><br />○至高の手マンとは男と女が共同で作り上げる芸術作品 <br /><br />まず私、マン鬼が肉欲氏の<a href="http://2949.seesaa.net/article/115433630.html">該当記事</a>、及びそれに寄せられた多数のコメントを拝読して真っ先に思った事。 <br /><br />それは「女性の、手マンに対する意識の低さ」であります。手マンに対してされるがまま、男性側のスキルにまかせっきりの完全なる受身体制を取っている方が余りにも多い。 <br /><br />中でも「痛いけど演技してる」などという発言には大変驚いた。こういった行為に心覚えのある方は猛省して頂きたい。 <br /><br />「手マン」という単語から連想されるイメージとして、 <br />男性が一方的に「する」ものであり、女性が一方的に「される」ものだという認識がまかりとおっておりますが、 これは明らかな間違いです。何故なら究極の手マンとは男と女が二人で作り上げるものだからだ。 <br /><br />たとえば貴女が足を捻挫して病院に行ったとしましょう。 <br />その際、貴女を診察するお医者さんは、足の色んなポイントを触ったり、曲げたりしながら、 「ここは痛いですか？」「これは大丈夫ですか？」などと聞いて来るはずだ。 <br /><br />それに対して、本当は痛いのに「大丈夫です」などと答えたり、 全然痛くない場所なのに「そこが痛いです」などと返答したら正常な診察が出来るはずがない。その結果見当違いな処方をした医者に対して「あいつはヤブ医者」などという烙印を押す人間が居たらそいつはただのキチガイである。 <br /><br />「演技する」という行為はまさにこれと同じだ。 <br /><br />「痛いけど演技してる」などと言ってのける女性に、その男性に対して「ヘタ」という烙印を押す権利は無い。 <br /><br />もう一度言いますが、至高の手マンとは男と女、二人の協力があって初めて成立するものなのです。 <br /><br />男性が運転手なら、女性は地図を持ったナビゲーターであり、 貴女が上手に導いてあげないと我々男性陣は至高の手マンの頂には辿り着けません。ここのところをしっかりと認識して頂きたい。 <br /><br /><br />○手マンの心得 <br /><br />次に男性諸君へ。 <br />君達が「至高の手マン」の大いなる頂にたどり着く為に必要な事を今から述べる。 <br /><br />・爪は短く、清潔に <br /><br />今更言う事でも無いのかも知れないが、「短く、なめらかな爪」というのは「至高の手マン山」への入山許可証のようなものだ。これが備わっていない人に、手マン山の頂を目指す資格は無い。 <br /><br />短く切るのは勿論、ヤスリがけも忘れずにしておこう。 <br />その際には、爪切りの裏についているギザギザの部分を使うのではなく、ネイルアートに使う女性用の爪ヤスリを使うと良い。高いものでも無いので一本くらい自分の部屋に常備しておく事をお勧めする。使い勝手も良く、早く綺麗に磨けるのだ。 <br /><br />・摩擦では無く振動で <br /><br />女性器の中への愛撫は、「こする」のではなく「ノックする」事によって行う。 <br />それぞれのポイントを、「トントン」とノックする事によって快感を高めていくのだ。これを「こするものだ」と勘違いしている人は結構居るんじゃないかと思う。 <br /><br />女性器内の「気持ち良い」ポイントは、直接指で触れられる範囲には無く、皮膚よりも下のもっと深い層にあるのだ。<br /><br />だからそこの部分まで届くように深く、刺激を与える為には、皮膚の表面をなぞる「摩擦」では効果が薄い。それに「摩擦」によって手マンを行う場合は、高確率で痛みが伴うし、下手をすると粘膜を傷をつけてしまう事に繋がりかねない。人間の肌は「振動」に強く、「摩擦」には弱く出来ているのだ。洗顔した後に、顔をタオルでゴシゴシとこするのではなく、ポンポンと叩くようにして水分を取りなさい、と薦められるのも同じ理由から来るものだ。 <br /><br />女性器への愛撫は摩擦では無く振動で。 <br />指を出し入れする必要はまったくない。 <br /><br /><br />・「触診」の意識 <br /><br />もう何度も体を重ね合わせ、感じるポイントを全て知り尽くしてる、というくらいの間柄なら必要ありませんが、二人にとってそれが「はじめての夜」だった場合、医者が捻挫した患者に対して触診している、くらいの意識で接するといいでしょう。 <br /><br />良く言われる「感じるポイントは女性によって違う」というのは本当で、しかも我々の持つポコチンのように外側に露出しておりませんので、我々は真っ暗な中を手さぐりでその「ポイント」を探さなければなりません。これは相当に至難の技であります。 <br /><br />じゃあどうすれば良いか？ <br /><br />答えは簡単。相手に聞けばいいのです。 <br /><br />お医者さんが「こうすると痛い？これは？」と聞くのと同じように、ポイントを少しづつずらしてノックしながら、「こっちとこっちならどっちが気持ち良い？」「じゃあこっちとこっちなら？」という具合に聞いていきましょう。 <br /><br />童貞諸君におかれましてはたいそう時間がかかると思いますが、ある程度経験を積むと「大体この辺にある人が多い」ってなくらいにはポイントを絞れますので、そんなに時間もかからないはずです。 <br /><br />更に女性が顔をしかめた場合は気持ち良いか痛いかのどっちかですので、その時も「痛かった？大丈夫？」ってな具合に質問し、「痛い」というポイントが無いかどうかも平行して探っていきます。</strong></font><br /><br /><br />・・・<br />・・<br />・<br /><br /><br />（非常に残念なことに、これ以降の資料は未だ見つかっていない。というか、率直にいえば私が3月の時点で「ヨッピーさん！手マンについて熱く語って下さいよ～」と揉み手でオファーしたところ、氏は「よしゃ！すぐに書いたる！」と快諾して下さり、本当にすぐにこの文章を寄越して下さったのだけれども、当の私が今日の今日までこの文章のことを完璧に忘れていたため、氏も以降の論文を執筆されることなく、このように不完全な形の発表と相まってしまった。もちろん、誰が悪い、という話ではないのであるが、強いていうなれば、世間が悪いと言うほかありますまい。ありますまい）<br /><br />・・・<br /><br />いやー、すげー久しぶりに二日連続更新した。<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/128026197.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/128026197.html</link>
<title>いま、包茎の乱れが問題に</title>
<description>かり【仮】《「借り」と同語源》①間に合わせであること。「―の住まい」「―の措置」②本当のもの、本来のものではないこと。「―の親」「―の姿」思うに、『仮』という言葉に良い印象を抱いている方は少ないであろう。ほとんど絶無である、と言ってもいいかもしれない。世を忍ぶ仮の姿、仮初めの自分、仮面浪人、仮免許etc...。これらの用語の背後には、総じて "真実の姿" が見え隠れする。在るべき姿、理想の実体は確かに存在する。ただ状況が、環境が邪魔をして、真実真正な意味で "ホンモノ" にな...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-14T19:35:13+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<strong><span style="font-size:large;"><ins>かり【仮】</ins></span></strong><br />《「借り」と同語源》<br />①間に合わせであること。「―の住まい」「―の措置」<br />②本当のもの、本来のものではないこと。「―の親」「―の姿」<br /><br />思うに、『仮』という言葉に良い印象を抱いている方は少ないであろう。ほとんど絶無である、と言ってもいいかもしれない。世を忍ぶ仮の姿、仮初めの自分、仮面浪人、仮免許etc...。<br /><br />これらの用語の背後には、総じて "真実の姿" が見え隠れする。在るべき姿、理想の実体は確かに存在する。ただ状況が、環境が邪魔をして、真実真正な意味で "ホンモノ" になりきれていない――そのような悲哀が 『仮』 という一文字の中に潜んでいるのだ。<br /><br />故にこそ、我々メンズは。<br />ほとんど本能的に、脊髄反射的に、<strong>仮性包茎</strong>という禍々しい呼称を、忌避するのである。<br /><br /><a name="more"></a>　<br />ここで注意しなければならないのは、我々が仮性包茎に対し苦々しい気持ちを抱いているのは確かだが、さりとて 『真性包茎になりたい！』 と願っているわけではない。詳しい言及は避けるが、身体的事実としては、仮性包茎よりも真性包茎の方が症状として重篤な状態だからである（これは差別的意図があっての発言ではない。詳しくは<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/真性包茎#.E5.8C.85.E8.8C.8E.EF.BC.88.E7.9C.9F.E6.80.A7.E5.8C.85.E8.8C.8E.EF.BC.89" target="_blank">wikipedia</a>などを参考にして頂きたい）。<br /><br />僕たちが仮性包茎という言葉を用いるとき、本来の定義とは異なるとは知りつつも、己がコチンを 『仮のズルムケ』 という風に心の中で位置づけている。<br /><br /><div style="text-align:right;"><em>本当はズルムケになりたい</em></div><br /><br /><div style="text-align:center;"><em>けれども状況がそれを許さない</em></div><br /><br /><em>故に今現在の我がポチンは、世を忍ぶ仮の姿</em>――<br /><br /><strong>名を、仮性包茎！</strong>（ジャッジャジャー！ジャジャジャッ！）<br /><br />などと虚勢を張ることができればまだマシなのであるが、残念なことに我々のハートはそれほどタフじゃない、強くない。仮の自分なんて恥ずかしい、こんな息子を外には出せない……気弱になってしまった僕たちは、必死になって確定的な真実（＝あなたが仮性包茎である、という史実）をひた隠しにしようとすることだろう。<br /><br />女性の方々はあまりご存知ないかもしれないが、男子が寄り集まって会話をしていれば、大体67%くらいの確率で次のような話題に至る。<br /><br />「<strong>汝は包茎なりや？</strong>」<br /><br />EU圏にお住まいの方のために翻訳をしておくと、こうなる。<br /><br />「<em>Are you HOKEI or not？</em>（アー・ユー・ハーケイ・オア・ナット？）」<br /><br />瞬時、場に広がっていく緊迫した空気。<br />メンズたちは、表面上は笑顔を保ちつつも、恐るべき早さで思考を稼働させ始める。先ほどまで姦しく軽妙に喋り合っていたにも関わらず、いま席全体を包み込んでいるのは微妙な沈黙ばかり。そう、誰もが気付いているのだ。たった一度の判断ミスが致命傷に繋がりかねない、その事実に。<br /><br />「えー、と……」<br /><br />「アハハッ、包茎……ね」<br /><br />男は誰もが心に武蔵を飼っている。希代の剣豪・宮本武蔵だ。彼の遺した伝説の妙技 "後の先" ――我はみだりに動くことせず、安全な間合いを保ちながら相手の攻撃を待ち、相手が仕掛けてきた時点ではじめて動く、そのやり方。包茎トークという名の巌流島にて、斜め上の武士道がいま、猛スパーク。<br /><br />「<strong>まぁ</strong>俺はー…剥け、てる<strong>かな</strong>」<br /><br />『まぁ…』 や 『かな…』 という曖昧な表現により、真実を軒並みボヤけさせてしまう日本語の妙。結局どっちなんだ？それは！外人が聞けばそのようなシャウトが聞こえてきそうであるが、我々は日本人同士なのでそんな無粋なことは言わないし、言えない。<br /><br />「うん、俺もまぁ……剥けてる、よね」<br /><br />「剥け、てるなぁー……」<br /><br />「だよね……アハッ」<br /><br />『剥けている』 という第一声の発現により、全ての状況が決定されてしまった格好だ。"ズルムケにあらずは人にあらず"――無論、そんな教えはどこにもない。だが、周囲が次々とズルムケ表明を行っている状況にあって、自身が仮性包茎である旨の告白を行うことには相当の胆力を要する。<br /><br />この文脈においては、たとえ自分がズルムケであろうとなかろうと、あなたのチンポ的現実は "<ins>観測されるまで確定されない</ins>" という点を押さえておきたい。この現象は物理学会において 『<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/シュレーディンガーの猫" target="_blank">シュレディンガーのズルムケ</a>』 と呼称されている。あなたがひとたび<br /><br />「俺？俺はズルムケだよ！」<br /><br />と強弁すれば、あなたは （観念的なレヴェルにおいて） ズルムケたり得るのだ。まるでペテンのような話であるが、本当にペテンである。<br /><br />逸れたが、とにかくも。要するに僕たちは自身のチンポ的現実を明け透けに語ることを、過度に恐れている節がある。もちろんそれはチンポ＝デリケートゾーンという確固たる事実が理由となっているのであるが、それに加えて現代の日本においては保護者、地域、学校、行政、ないし国が、僕たちのチンポ的現実をあまりにもぞんざいに扱い過ぎた――そこにも原因の一端があると言わねばならない。<br /><br />前例が、道徳が、規範が欠如しているのだ。一体、どのようなチンポがグローバル・スタンダードなのか？この辺りのことを僕たちは誰からも教わらなかった。教わらないままに青年期を迎えてしまったのである。<br /><br />結果として僕たちは、誤った経験則のみから 『チンポ、かくあるべし』 的な虚像を作り上げていった。先輩の話を聞く、トゥナイト2を視聴する、ノー・モザイクのAVを研究する……かかる努力と研鑽の末、僕たちは一つの真理に至る。<br /><br />『チンポ、ズルムケであれかし』<br /><br />もちろん、そんな法はどこにもない。仮性こそが正しい在り方なのだ！と国が提唱すれば、それはたちまちに通念として根付いていくことであろう。衛生面で多少の問題はあれど、仮性包茎でも "現場" においては十分な機能を果たしてくれるからだ。また僕たち親の目線からすれば、どんな息子であろうとも、やはり可愛い。そこから鑑みても、それぞれのチンポに優劣などつけるべきではない。<br /><br />つけるべきではないのだけれど――皮肉なことにズルムケを、知ってしまった。己の息子を歪な競争社会へと叩き込んでしまった。隣の芝生が、青く、蒼く……見えて、しまったのである。<br /><br />こうして、僕たちの中に 『仮性包茎＝恥ずかしい』 という最終定理が生じるに至った。そしてこの方程式は、少年社会に更なる混沌を産み落とす。どういうことかというと、取り急ぎ次のような情景を想像して頂きたい。<br /><br />・・・<br /><br />【高校の修学旅行において】<br /><br />「さー、風呂行こうか！」<br /><br />「いいねー、行こうぜ！」<br /><br />（ガラガラ）「おー、大きな風呂だなあ！」<br /><br />「いやー、気持ち良さそうな湯船だねえ！」（ザパーン）<br /><br />「ふー……」（チラッ）<br /><br />「ふー……」（チラッ）<br /><br />「……」（剥け、てるな）<br /><br />「……」（剥けて、るのか）<br /><br />「……上がろうか」<br /><br />「……ういー」<br /><br />・・・<br /><br />この情景、一見すると二人ともズルムケ側の人間であるようにも捉えられる。しかし、真実は違う。この場合、二人は更衣所においてパンツを脱ぐ直前、自らの包皮をスルリと剥き上げ、<strong>あたかも普段からズルムケであったかのように装っている</strong>に過ぎない。社会行動学の研究者たちはこれらの行動を指して 『薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)』 と呼んでいる。なぜ薄っぺらいのか、と言えば、いくら努力して仮性包茎的包皮を剥き上げたところで、それはあくまで仮初めの実態、偽りのズルムケ。ほんの少し刺激を受けただけで、すぐさまいつも通りのポチン (as it is)  を取り戻してしまうのだ。人生とはかくも儚くて、切ない。<br /><br />なぜそうまでしてメンズたちは悲しい努力を尽くすのか？と、問いかけること勿れ。彼らにとっては仮性包茎的事実が露見する方が、己を騙すことよりも遥かに辛いのである。共感しろ、とは言わない。ただ、理解して頂ければ幸甚だ。<br /><br />事態は修学旅行の場面のみに止まらない。<br />初めての彼女、初めての夜、初めてのセックス。<br />ここにおいても包皮問題は非常にシビアな障壁として立ち上がってくることだろう。<br /><br />「こんなポチンで彼女は満足してくれるのだろうか――」<br /><br />答の見えない禅問答。その答は彼女にポチンを見せるまでは決して分からないはずなのに、僕たちはいつまでも出口のない袋小路の中で懊悩してしまう。ズルムケ or ノット。近い未来に観測されることがほぼ確実な状況にあっては、シュレディンガーのズルムケは機能不全に陥ってしまう。<br /><br />肚を決めなくてはならない。<br />逃げ場のないことを悟った僕たちは、静かに己がポチンと向き合い、そして意を決する。彼女に向かって口を開いて、曰く<br /><br />「<strong>電気、消していいかな？</strong>」<br /><br />まさかのオトメン？！否、そうではない。これはあくまでも仮性包茎的真実を隠さんとするべく生まれた窮余の一策、闇に隠れて生きんとする悲哀の姿勢、早くズルムケになりたい！と心でシャウトする包茎人間（ルビ：ベム）たちの最後の一手（ダンサー・イン・ザ・ダーク）なのである。暗黒の訪れと共にシュレディンガーのズルムケ、ここに復活。<br /><br />このように。僕たち防御力の高いメンズは、実に様々は対策を講じつつ世に棲んでいる。時に電気を消しつつ、時に包皮を剥き上げつつ、世間の逆風と戦っているのだ。その態度は、まさしく現代に蘇った隠密そのもの、NINJAの名を欲しいままにしている！と評価することは、できないであろうか。<br /><br />故に僕は、次のメールを寄越して下さった彼女に対してこう言いたい。<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />（冒頭略）<br /><br />ちなみに、<strong>私の彼は包茎ではありません</strong>。恥ずかしい話、彼が初めて＋5年以上の付き合いなので、逆に仮性/真性包茎がどんな・・・なのかが分かりません。皮に被るって・・・！？という感じです。授業で習ったことはあるけど、<strong>被ったままの状態が維持されているのが想像しかねます＞＜</strong><br /><br />■□■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />彼は本当に、真実真正な意味で！包茎では、ないと言えるのかい……？もしも彼が<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/HUNTER×HUNTERの能力"target="_blank">念能力者</a>であるならば、目に見えるコチンの造形それ自体が<strong>全てダウトである可能性</strong>も、これ、否定できないんじゃないのかねぇ……。ここでもう一度考えてみて欲しいのだけれども、あなたは、アアーン！？本当にご自身の彼氏が間違いなく、100%、1ミリの例外も有り得ない程度の確実性で以て！？？！ズルムケだと、言えるというのですか……？<br /><br />「そういえば……よく考えたら、彼のお父様も……伯父様も……お爺様も皆……仮性包茎だったような気が……でもそんなことって……いいえ、でも確かに！嗚呼、何ていうことなのかしら！」<br /><br />オーケー、落ち着いて。カマン、いい子だ。それでいい。別に誰かが悪いだとか、誰かを責めたいだとか、そういう類の話じゃない。ただ真実はいつだって泥臭くて、哀しい。それだけのことなんだ。だからミランダ、落ち着いてこのホットミルクを召し上がれ。（ありがとう、ニック）<br /><br />観測されなければ、いくらでもウソをつくことができる。また、観測される時間が極めて限定されているのであれば、その間だけズルムケを装えば、僕たちは社会的にズルムケ認定されることになる。滑稽で薄汚いやり方であるが、僕たちは、少なくとも僕は、このようにして己が心の平穏と、そして小さなプライドとを、辛うじて保ってきた。<br /><br />だが、そんな戯曲も今日で終わりだ。自分を偽ることはもう止めよう、可愛い我が子を恥じ入る心は投げ捨てよう。仮性、ええじゃないか！包茎、ええじゃないか！見ようによっては、包皮に隠されたその姿はとってもキュートだし、皮に覆われているからこそ厳しい冬も暖かに過ごすことができよう。あなたがアサガオのつぼみが突然見たくなったときは、僕のチンポを「アサガオ！」と呼んでくれたって構わない。あなたが何の脈絡もなく象の鼻が見たくなった際は、僕のチンポを「ナウマン象！」と呼んでくれたって構わない。そういう風なチンポとの付き合い方だってあっていいし、あった方がいいし、きっとある。ないとおかしい。<br /><br />先のメールを下さった方は24歳の助産師であったが、彼女はそのメールの中で、非常に含蓄ある言葉を下さった。<br /><br />『<strong>女性が美容に努めるのは素敵な面もあると思うんですが、相手を信じて自分をさらけ出すことにも、美学が存在するような気がします</strong>』<br /><br />相手を信じて自分をさらけ出すこと。<br />異性を信じて自らのご本尊を包み隠さずお届けすること。<br />恥ずかしいだなんて思ってはいけない、そこでしか光り輝かない美しさだって、確かにあるのだ。<br /><br />長い時間が掛かってしまったが、僕はようやくその境地に辿り着くことができた。<br />そして決意した。<br />これからは、もう、己を偽らずに生きていこうと。<br />誰彼を問わず、状況を問わず、自らすすんで社会に、世界に、この仮性包茎を露出していこうと、見せつけてやろうと、そのようなことを！僕はこの胸に、確かに――<br /><br />最後に。<br />全ての仮性包茎の人々に、幸せが訪れますように――<br />そして、ズルムケの連中がよりズルムケになりますように――<br />I wish.....<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a><br />

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/127360536.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/127360536.html</link>
<title>親の話とオッパイには千に一つも無駄が無い</title>
<description></description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-09-05T17:10:05+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
 <br /><a name="more"></a>　<br />そりゃあ僕たちも心あるオス野郎ですので、やはり女性の外見・スタイルなどに関してはそれぞれ一家言有しております。お目めがパッチリした女の子が良い、腰がキュッとくびれた淑女が至福、あるいは豊満なバストを具備した女性こそが法悦、などなど。<br />　<br />もちろんそれはあるんです。あるんです、が。僕たちも多感な時期を過ぎ、ゆっくりと大人の階段を上っていった結果、『残念ながら理想の女性を手にすることは容易ではない』そのことに気がついてしまった。現実はいつだって泥臭く切なく、そして生温かった。<br /><br />理想は理想として。胸に秘めてはいるけれど。僕たちメンズが現実、現ナマの場面において、徹底的に理想を追い求めるのか？と問われれば、答は果たしてノーだ。<br /><br />バストサイズがどうであっても。<br />ウェストがリック・ドムの如き造形であっても。<br />顔面が破壊的な様相だったとしても。<br /><br />どこかが、何かが、いずれかの部位が！僕たちの琴線をピピンとかき鳴らしてくれるのであれば、僕たちは満足できる、否、『必死になって満足しようとする』、そのような妙技を体得するに至ったのである。<br /><br />それでも、いつかどこかの段階で 『あれ？もしかしてこの子、俺のタイプじゃないんじゃねえの……？』 ということに気づかされてしまう夜もある。それは、例えば、彼女の前歯から青青としたニラが飛び出しているのを目撃したスペクタクル、あるいは、彼女のホクロから針金もかくや！の勢いで毛が飛び出しているのを発見してしまったモーメント。いずれも高い破壊力を兼ね備えたシチュエーションであること、皆さんにもご理解頂けるであろう。<br /><br />けれども、多感な時期をとうに置き去りにしてしまった僕たち、成熟しきった紳士たる僕たちは、そんな彼女の現実に対して、次のようなメソッドで対処するだろう。<br /><br />"見なかったことにしよう"<br /><br />知覚されなければ、現実は現実たり得ない。<br />露見しなければ、嘘も真実となり得る。<br />僕たちの心の中の裁判官は、彼女たちに対して "推定無罪" をシャウトするのだ。<br /><br />難しい物言いになってしまったが、つまるところ 『あばたもえくぼ』 という話をしたかったのだ。好きなればこそ、あの子の貧乳までもが愛おしい。愛しているから、彼女の全てが美しく見える。<br /><br />ただ、コンプレックスというものは人それぞれだ。いくら僕たちが 『そんなあなたでも、いや、そんなあなただからこそ！好きなんだ』 と囁いても、 『こんな自分は嫌だ！』 と思ってしまう彼女の心は止められない。僕自身はずっと前からこのブログにて<br /><br />「おっぱいは、ただそこにあるだけで価値がある」<br /><br />という、パイオツ原理主義を唱えてきた。唱えるだけでは意味がないので、飲み会や食事会などの場においても女性たちに対し 『AとかBとか、そんな区分に大きな意味はない。オッパイはただそこにあるだけで美しい。そう、健気に生きる草花のようにね』 といった趣旨のことを解いてきた。<br /><br />が、僕の言葉はいつでも無力で、儚かった。僕の説得を受けた女性のうち10人中83人は 『死ね』 という内容のことをマイルドに伝えてきたし、残りの2人についても<br /><br />「言わんとすることは分かる、でも！私は自分のオッパイをどうにかしたいの」<br /><br />悲しげに語った。<br />正しさだけでは計れない価値観、それはこの世に数多く存在するのである。<br /><br />それでも、オッパイは美しい。アスファルトから顔を出した名も無き雑草、それに対して深い感動を覚えることに理由が必要だろうか？ただそこにオッパイがあり、それを見るや否やエレクチオンしてしまう僕たちのわがままバディ、それに対して論理的な説明が必要であろうか？僕が言いたいのは、だから、そういうことであり、それが全てなのである。<br /><br />それらのことを念頭に入れながら、本日もまた脳みそがポップになってしまった方から当ブログに寄せられた質問について、回答を行っていきたい次第。<br /><br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br /><font size=2>（冒頭略）<br /><br /><strong>まず、おっぱいのことなんですけど</strong>…男の人がおっぱい好きなのはいいと思うし　大きさのこととかもどうでもいいんですが　ちくびってどうなんですか　色とか形とか乳輪の大きさとか…<br /><br /><strong>色はピンクがいいってゆうのが定説</strong>ですが実際男の人はそこまで気にしてるんでしょうか　ママになって授乳するとちくびがおっきくなる気がするけどそれはアウトなんでしょうか　エッチもそこをあんまり念入りに攻められすぎると<strong>ママちくび</strong>になるんじゃないかと心配で、集中できません<br /><br />次に、<strong>またおっぱいのことなんですけど</strong>…乳輪まわりの毛のことです　私はエステティシャンなので色んなお客さんの胸見てます　意外とみんなあると思うんですが、男の人から見てもボーダーラインみたいなのはあるんでしょうか　女側が過敏すぎるのか、それとも男側が敢えて黙認してるのか…<br /><br />そして最後に、ビキニラインの毛ことです　これも職業柄気になるんですが、下着から出ちゃうほどの毛量はともかく、やっぱり少ないほうがいいとか面積が狭いほうがいいとかあるんですかね　<strong>彼氏がいるお客さんほどやたら減らしたがる</strong>ので気になります</font><br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />随所にキラリとしたセンスを窺わせる文面であり、この才能をエステのみに眠らせておくのは国家的損失と言えなくもないけれど、今は先を急ごう。定説て、あなた。どこのライフスペースなんだよ。<br /><br />乳首の大きさ、色。これについては百花繚乱の価値観が跋扈している、というのが現状であり、乳首かくあるべし、みたいな指標を示すことは極めて難しいと言わなくてはならない。僕も以前 『やっぱ乳輪は小さいに限るよね』 みたいなことを書いたところ、同意が6割、反対が4割、という実に意外な結果に終わってしまった。<br /><br />『大きな乳輪こそが究極』<br /><br />この種の教義を抱えた宗教に入信している信徒は相当に多いのだと思われる。もちろん 『乳輪小さい方がベスト』 という宗派に属する修験者も多い。ただ、それはあくまでも宗教の問題、心の拠り所の話なので、どちらが良くてどちらが悪い、という択一的な解答を導く必要はない。<br /><br />ではどうするべきなのか？好きになった相手がどちらの宗教に入信しているのか、丁半博打よろしく運否天賦に任せるほかないのか？と、不安な気持ちをお抱えになった皆さん。待たれよ。そうではない、これは別に難しい問題ではないのだ。<br /><br />先に言ったことを思い出して頂きたい。<br />僕たちは、本当に好きになった相手であれば、たといその子がどんな乳首をしていようとも――その乳首までも、愛おしい。どんな乳首でも愛し抜く自信がある。真実のお話だ。<br /><br />「でも、でも、私！昔の彼に、乳首を理由に振られたんです！どうして？！肉欲さんのバカ！嘘つき！真性包茎！！」<br /><br />うろたえるな！仮性だ。いや、そうではない、そうではなく……これを言うのは非常に辛いが、もしもあなたの言っていることが実話なのだとすれば、あなたが本当に乳首を理由に振られたのだとすれば――そのことが意味するのは一つ。<br /><br />あなたは彼から"本当の意味で"好かれてはいなかった、そういうことになるのだ。酷薄な言い方を許してもらえれば、彼はあなたの金やカラダが目当てだったのであり、そこに愛はなかったのである。<br /><br />好きな人の乳首の美しさ、それは愛がなければ"視"えない。<br /><br />「あのさあ？！別にアタシ的に愛とかラブとかどうでもよくて！？とりあえずバンバン男ひっかけてーから、男にとってグッド・イナフな乳スタイルをちゃっちゃと教えて欲しいんですけど？！？」<br /><br /><strong>ガッテンだ！</strong>まあ一般的には、やはりそのー、仮面ライダー方式、マイルドな形容をすれば身体にメスをぶっ込むメソッド、まあそういう方法で以て、かつ、グラビアアイドルの写真を参考にしつつ、最大公約数的に好まれる可能性の高いパイオツを入手する。これが一番の近道かとは思います。<br /><br />思います、が。これはどうしても大金を要する方法ですし、また、多面的な角度から考えたとき、どうしても種々のリスクを看過することはできません。親にもらったこの身体、いじるなんてとんでもない！という真っ当な倫理観も見過ごせないところです。じゃあどうするのか。<br /><br />配られたカードで勝負するしかないんですよ、結局のところ。ありのままの身体、そのままのオッパイでドーンとぶつかって行きなよ。それだけで大丈夫だよ。<br /><br />ただ、それに際して。僕と一つだけ約束して欲しい。<br /><br />この日記をここまで読んで下さった方っていうのは、きっと何かしらの身体的コンプレックスを抱えていらっしゃるのだと思われるけれど、それは例えば乳首がサファイヤの色をしていて恥ずかしい！とかそういうので構わないんだけど、もしもそのコンプレックス部分が白日の下に晒されたときに、それでも、ありのままの姿で彼に向かっていくときに、どうかこう言って欲しいのである。<br /><br />「<strong>いやぁ！らめぇ！み、見ないで</strong>」<br /><br />分かるな？！分かれ！！これなんですよ、僕が本当に言いたかったことは要するに。<br /><br />乳首の色がどんなものでも。<br />あなたの乳首がママ乳首でも。<br />乳に毛が植わっていたとしても。<br />陰毛の具合が三国無双の如き状態であったとしても。<br /><br />一言、ただ一言　「ら、らめぇ！」　と叫んでくれたらば。くれたらば！<br /><br />「バカ！そんなの気にするなよ！」（ｶﾞﾊﾞｯ）<br /><br />「ニャ、ニャーン！！」（ｼﾞｭﾝｼﾞｭﾜｰ）<br /><br />コンプレックスを補って余りある美しさ、桃源を、そこに見出すことだろう。何も難しいことはない、ただあなたが 「らめぇ」 と言うだけで。世界に、光が満ちる。<br /><br />真面目な話、そういう風に 「ダメ、見ないで！」 という台詞が出るってことは、相手の心の奥底に "向上心" みたいなものがあるってことで、僕たちはそういう健気な女性にいかにも弱い。浅薄で歪な価値観ではあることは確かだけれど、結局僕たちは、そういった "分かりやすい要素" に弱いのだ。<br /><br />故に、先のメールでいえば、例えば乳に毛が生えていたとして、かつ、彼女がその事実を認識していたとして。それを彼に見られてしまった際に、恥ずかしさが一周してしまった結果 『生えてますが何か？』 と、冷静を装われてしまうと。非常に物足りない、というか<br /><br />「なんだこいつ……もう女捨ててんのか？」<br /><br />と、早急な結論を導いてしまうことだろう。<br /><br />もちろん、無理に平静を保とうとする心の機微自体は理解できる。恥ずかしがっているところを、弱みを見せたくはない！そんな感情はごく自然なものだ。<br /><br />が、この文脈においてそれをやってしまうのは、あまり上策とはいえない。心が動揺するのであれば、それを隠そうとせず、正直に 「ら、らめぇ！」 と赤面して見せた方が、この場合はベターだ。そしてそれは、あなたが普段強気な人間であればあるほど、効果的でもある。<br /><br />最後にもう一つだけアドバイスをしておくと、一見して万能に見える 『らめぇ』 でもあるが、もちろんそこには穴もある。らめぇ！という語感それ自体は素晴らしいが、毎日毎晩毎ベッド 「らめぇ！」 だけで押し通されると、さしもの僕たちも 『もういいよ、らめぇは……』 と、退廃的な気持ちにならないとも限らない。<br /><br />なればこそ<br /><br />らめぇ！→ひぎぃ！→うぐぅ！<br /><br />いわゆる "らめぇ三段活用" を常に留意して欲しいところだ。この多角的な攻め、多面的な姿勢は、高度に情報化が進んでしまった昨今の情勢を鑑みれば、ある種当然とも言えるかもしれない。<br /><br />さて、長くなってしまったが、これにて僕の主張を終了させて頂こうと思う。我々は常に理想を追い求めるけれど、そこに到達する道は恐ろしく長く、そして険しい。だからこそ、泥臭くても汗臭くとも僕たちは痺れるような現実と向き合っていかなくてはならないのだ。今ある乳房で、今あるチンポで！勝負するしかないのである。別に僕が仮性包茎だからとか、そういう話をしているのではない。だからそういう目で見るなよ。うるせーな！俺が仮性でお前らに何か迷惑かけたのかよ！？仮性で何が悪い！！もう放っておいてくれよ！！ワー！！<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a>

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/126457645.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/126457645.html</link>
<title>変態と純愛の違い</title>
<description>人が誰かを好きになったときに、恋に落てしまったときに、その人は一体どういう行動に出るのだろうか。それに対する回答は決してひとつではないけれど、僕たちは経験則から一定の指針・方向性みたいなものを導くことが可能である。</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-08-25T17:42:24+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
人が誰かを好きになったときに、恋に落てしまったときに、その人は一体どういう行動に出るのだろうか。それに対する回答は決してひとつではないけれど、僕たちは経験則から一定の指針・方向性みたいなものを導くことが可能である。<br /><br /><a name="more"></a>　<br />ひとつは、相手から関心や好意を抱かせるためのアクション。筋力を誇示する行いであったり、余りある財力を見せ付ける振る舞いであったり、鋭い知性を匂わせる言動であったり。ジェントルメンを気取ったり無頼漢を装ったりすることもあるかもしれない。<br /><br />アプローチは様々であるが、全ての行動は "相手から好かれたい、興味を抱かれたい" という動機において一致する。それは、恋愛病を患う多くのクランケが通過するであろう、ごく自然な行動様式なのである。皆さんにも心当たりの一つや二つ、あるに違いない。<br /><br />ただ、財力を見せ付けたり筋力を誇示したりという方法は、あくまでも恋愛関係に至るためのファーストステップに過ぎない。余りある富も膨大な量の知識も、結局、恋愛における "確実な成功" を担保してくれるわけではない。<br /><br />だからこそ様々なカードを切りながら、相手の様子を窺いつつ、彼我の距離を少しずつ縮めていく。価値観や相性などを付き合わせつつ、対話を重ね、結果として成功することもあれば、失敗することもある。それが、一面からみたときの "恋愛" というものの正体なのだ。<br /><br />それはある意味で非常に迂遠な作業だ。もちろん、その迂遠さを指して "だからこそ恋愛は面白い" と結論付けることも可能である。だが、そこには当然 "そんな面倒なことまでしてまで恋愛したくはない" という想いを抱く人たちも生まれてくるだろうし、あるいは、恋愛における煩わしい行程を全てシカトし、盲目的に結果 （≒欲望・欲求の実現） だけを追い求める人々も登場してくる。<br /><br />プロセスなきゴールだけをひたすらに目指す人。<br />卑近な言い方をすれば、それは 『変態さん、爆誕』 のスペクタクルへと収斂していくのではないか。<br /><br />"然るべき過程" を抜かしたままでの欲望の具現化――<br /><br />多くの変態さんたちに共通する、揺ぎ無い行動原理がそれである。<br /><br />先般、僕は知人のオスたちに対し緊急アンケートを実施した。議題はズバリ 『<em>小学生の頃に好きだった女の子の上履きスメルを嗅いだことがあるか否か</em>』 。僕は調査対象を延べ4名という大規模かつ広汎な人員に定め、時間に換算しておよそ5分もの歳月を賭してその調査に当たった。<br /><br />調査結果を先に申し上げると、以下のようになる。<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />・嗅いだことがある――50%<br /><br />・『嗅いだことがない』と即答することにはかなり激しい逡巡を覚えさせられる――25%<br /><br />・舐めた結果として嗅いだこともあったかもしれない――25%<br /><br />（ロイター）<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />画面越しに女性陣の青ざめた表情が見えてくるようであるが、残念ながらこれが現実である。世の中には "もしも" も "まさか" も存在しない。ただヒリつくような事実がそこに横たわるばかりなのだ。耐えて正視して欲しい。<br /><br />小学生の時分、僕たちのハートは著しく多感＆シャイになる。好きな女の子についイジワルをしてしまった！――そんな体験談は古来より枚挙に暇がない。そのような精神状態にある男子諸君に対し "真っ当な方法で好きな女の子にアプローチしろ" と助言すること。言葉としては正しくとも、誰にも何にも役に立たないだろう。<br /><br />好きな子に対しての適式なアプローチを諦めてしまう少年たち、では彼らの青いリビドーがそこで霧散してしまうのかといえば、それは否である。<br /><br />あいつのことが好きだ！<br />でもどうしたらいいのか分からない……<br />伝えるのは恥ずかしい、だからといって諦めきれない！<br />でも、でも……<br /><br />このような脳内劇場がエンドレスで繰り返される中で、彼らの内側に生じた恋慕の情は際限なく膨らみ続ける。本来ならば "想いを吐露する" という形でガス抜きを行うべきなのであるが、先にも述べたように対外的にも内面的にもそれ （＝心情の吐露） が許されることがないため、ラブな気持ちは歪な形で肥大し続けてしまうのだ。<br /><br />そうなると、どうなるか。<br />然るべき過程を踏めない、にも関わらず、欲望だけが肥え太ってしまった少年たちは、どこに向かうのか。<br /><br /><br />「下足箱、でしたね」<br /><br />紫煙をくゆらせつつ静かに語ってくれたのは、下関出身のNさん(25)だ。彼は当時のことを振り返りながら、次のように述懐する。<br /><br />「――放課後、だった。放課後の時間だけ、僕は "本当の僕" を取り戻すことができた。放課後の、あの下足箱だけが僕の中でのサンクチュアリだったし、確実な意味での桃源郷であり続けたんだ。形而上に揺蕩う蠱惑的な芳香はいつでも僕を陶然とさせ、束の間に現世（うつしよ）を忘れることを、僕に許してくれたんだ」<br /><br />彼は難解な言葉で語り続けたが、掻い摘んで表現すれば 『<strong>放課後、コソコソと好きな女の子の上履きを嗅いだ</strong>』 『<strong>そのスメルは非常にグッド・イナフだった</strong>』 と言いたかっただけのことであるけれども、その指摘はあまり無粋過ぎるので避けるべきである。濡れた野良犬に傘を差し伸べるばかりが優しさではないのだ。<br /><br />状況は上履き・シーンだけには止まらない。これもまた古来から指摘されている通り、ある一定の男子生徒たちは意中の女子のリコーダーを舐める、いや、<strong>ねぶる</strong>。これもまた、醜く肥大してしまった己の恋愛感情と切なく苦しい現実とを<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A2%E6%8F%9A" target="_blank">アウフヘーベン</a>しようとした結果に相違ない。<br /><br />もちろん、だからといってそれらの行いが許されるわけではない。先に述べた通り、適正な手続きを経ずに欲求だけを解消しようとする行い、それはダイレクトに "変態！" と呼ばれて然るべき案件だ。もしも当時、彼らの行いが白日の下に晒されていれば、勝率0%の魔女裁判が連日猛開催されていたであろうことは想像に難くない。戦犯たる少年の存在価値はカマドウマよりも低くなり、終生に亘り同窓会に呼ばれることもなく、彼の墓標には、野太い文字で "たてぶえ舐め太郎" と記されることであろう。"上履き嗅ぎ男" でも結構だ。そんな彼の所業は末代までの恥ではあるが、きっと彼で末代となるので、あまり問題はない。<br /><br />あの日、あの夕方。どうして少年たちは上履きのスメルを愚求したのだろうか。先に僕は欲求解消のため、と述べた。しかしその指摘はあまり適切ではないことを、僕は白状しなければならない。<br /><br />なぜならばあの日、あの宵。<br />僕たちが求めていたのは "彼女の残したスメル" それ自体ではなく<br /><br />"<strong>彼女に関係するものに触れる、という行為を通して、彼女との一体感を得ること</strong>"<br /><br />だったからである。その対象となったのが、たまたま身近にあった上履きに向けられた――それだけのことなのだ。気障な表現を許していただければ、僕たちは上履きを嗅ぎながら、彼女との間で愛のメモリーを構築していたのである。言わば「クンカクンカ！スーハースーハー！！うわぁぁぁんモフモフ！！上履きモフモフ！！あああ届けこの想い！！」といった程度の動機だ。射精欲であるとか屈服欲であるとか、そういう下賎で浅薄な劣情を満たしたかったわけではない、そのことだけはできれば理解して頂きたい。よろしいかな。<br /><br />つまり、僕が言いたいのはこういうことだ。<br /><br />「外から見たら非常に変態じみた行動であっても、その内情を紐解けば、純粋な愛情に満ち満ちた、非常に美しいものである場合がないとも限らないと断言することもやぶさかではない」<br /><br />もちろん、犯罪の構成要件に該当するような行動が許されないことは言うまでもない。だがそうではなく、もっと珍妙な行動 （例えば、ある男が、毎朝決まった時間、必ずあなたの自宅に赤味噌を宅配する、といった行動。この事例は愛知県に多い） などはどうか。犯罪ではないが、かなり不気味ではある。<br /><br />しかし、送り手はその不気味さには気づかない。彼にとってその行動は彼女に対する愛の一手、赤味噌を彼女にプレゼントする――という行為で以て "彼女と自分との連続性" を保とうとしているに過ぎない。赤味噌を送った彼は、こう考える。<br /><br /><br />彼女はきっと、毎朝届く赤味噌の使用方法を様々考えることだろう。味噌汁を作るかもしれない。田楽にして食べるかもしれない。チーズの味噌漬けを作ってもいいだろう。いずれにしても、彼女は味噌を通して食生活を送ることになる。そうなると、どうなるか。そう、彼女の日常生活の何割かは、紛れもなく僕の影響下にあるのだ。日々を味噌に支配される彼女、日々を味噌で支配する俺。ああ、かくして僕たちは繋がっているんだね――<br /><br /><br />ただ味噌がそこにあるだけで。<br />情熱的な人々はこの程度の妄想が可能です。<br /><br />その行動の帰結として何が待ち受けているのか、それについて詳細な言及を行うのは避けてきたい。多くの場合は接近禁止命令が出されることが関の山であるが、奇跡的に<strong>味噌を介した愛</strong>が芽生える……という可能性もゼロではない。愛の形は様々だ。定型を持たない概念であればこそ、ある面からすれば "純愛" と呼ばれる行動が "変態" と揶揄され得るのである。<br /><br />変態と純愛の境界線。<br />それがどこにあるのか、あるいは両者を峻厳と区別することが可能なのか……僕は未だにそれに対する答を見つけられずに、いる。<br /><br /><br />■□■□■□■□■□■□■□■□<br /><br />お便り紹介コーナー<br />熊本県在住　Rさん(18)からのお便り<br /><br />■□■□■□■□■□■□■□■□<br /><br /><font size=2>（冒頭略）<br /><br />しょうもない変なおじさん話なのですが…昨年冬、私は博多発の新幹線で、３人掛け座席の窓側に座っていました。真ん中には誰もおらず、通路側に普通のサラリーマンのおじさんがいました。彼は突然書類を手で切り分け、何かを書くと、少しそわそわしながらトイレへ行きました。<br />私は荷物を上に仕舞う作業で精一杯で、彼が座席に戻って微笑まれても、全く気付かなかったのですが、真ん中の座席に置かれたらしい手紙は私宛だったみたいなんです。<br /><br />彼が小倉で降りてから、手紙の存在に気付きました。<br /><br /><strong>┏━━━━━━━━━━<br />┃want to become<br />┃ your slave.<br />┃<br />┃美脚服従<br />┃　　　　till kokura<br />┗━━━━━━━━━━</strong><br /><br />（手紙の写メはあります。連絡先なんかも書いてありませんでした）<br /><br />（中略）<br /><br />お忙しいとは思いますが、おじさんの意図や性的趣向を是非とも肉欲さんなりの解釈でご教示願いたいです。</font><br /><br />・・・<br /><br />ただの<strong>変態じゃないんスかね</strong>。というか、この手の輩を野に放つなよ。行政は一体何をやっているんだ！<br /><br />彼は一体何を考え、何を狙ってこのような文を綴ったのか？この場合、彼の思考を完全に理解できてしまう方が問題になるのですが、様々な状況や手がかりから、その動機を推察を試みたところ、以下のような仮説を組み立てました。<br /><br />おそらく件の変態さんは、直接的なリアクションを欲するタイプではなく、あたかもマーキングの如き手法で以て対象（この文脈でいえばRさん）に爪痕を与え、しかるべく後に<br /><br />「彼女は一体どんな反応をしているのだろう」<br /><br />と想像することにより、一定の感慨を得ることのできるタイプなのではないか……と考えております。低コストな変態、といったところでしょうか。<br /><br />けれども、こんなのは素人のあて推量に過ぎませんし、僕自身もこの考察が当たっているとは解し難いものがあります。故に、ここで僕は提案したい。虎には虎を、龍には龍を、変態には変態を。<br /><br />今回僕は、変態の専門家、変態の大家、変態を観察し続けて幾十年、変態考察熱の高まりを抑えきれなくなった結果 『<a href="http://blog.livedoor.jp/hentainews/">変態さん、いらっしゃい</a>』 なるブログを開設するまでに至ってしまった稀代の豪傑、マスク・ド・変態さんからご見解を賜ることに成功いたしました。<br /><br /><br /><img src="http://2949.up.seesaa.net/image/major.JPG" width="386" height="220" border="0" align="" alt="major.JPG" onclick="location.href = 'http://2949.seesaa.net/upload/detail/image/major.JPG.html'; return false;" style="cursor:pointer;" /><br /><br /><font size=2><strong>（冒頭略）<br /><br />さて本題ですが、くだんの彼女が困惑している理由が微塵もわかりません。どこをどう読んでも立派なラブレターです。しかもファーストコンタクトで性癖フルオープン。男の隠し事を嫌いがちな女性に歓迎される文面とはなにか、具体例をもって答えを示した格好です。<br /><br />また、彼はかなりの高学歴であると見受けられます。疑問をもつなら、あなたは美脚服従なんて四字熟語を創造できますか？　凡人が千回墨を擦ってもヒネり出せない単語を生み出しサラリと使いこなす知性の持ち主です。<br /><br />そんな彼の失敗を挙げるなら、手紙の渡し方でしょうか。ただ、口で言えば10秒で済む用件を手紙にしたためて伝える奥ゆかしい彼のこと、「読んでください」と言って手渡すなんて真似はできません。それができるなら口で伝えてます。真ん中の座席に手紙を置いた時点で、彼は渡したつもりなのです。<br /><br />もし彼女が真意を察してすぐに手紙を読んでいたならば、いやまあ普通に車掌沙汰ヘタすりゃ警察沙汰ですが、彼の絵が完成をみていたかもしれないと思うと残念でなりません。絶対おもしろい絵を描くぜこいつ。<br /><br />すべては彼のつたなさが起こした悲劇。でも、できることなら責めないであげて欲しいと思います。未経験ゆえの滑稽を笑うことは簡単です。恋愛経験なんて最初は誰もが無いはずなのに。いままさに、モテる人たちからすればほんの1ポイントにも満たないかもしれませんが、経験を積んでいる彼なのに。<br /><br />ほかで経験を積もうにも、それは無理というもの。ラブレターで告白するエロゲーは無いからです。花火大会の帰りに木に手を付かせて浴衣まくって立ちバックする公園青姦はいくらでもあるのにな。<br /><br />最後になりましたが、返信が遅くなったことをお詫びいたします。<br /><br />マスクド</strong></font><br /><br />・・・<br /><br />さすが御大は格が違った。僕なんぞの放つ変態考察論など下も下、児戯に等しき稚拙な文章よ。いずれにせよ<a href="http://blog.livedoor.jp/hentainews/archives/50058761.html" target="_blank">スク水脱糞野郎</a>という巨漢を相手にしたこともあるマスクドさんにとって、この程度の案件は場末の痰壷よりも些事なものだったに相違ないぜ。<br /><br /><br />季節は晩夏に向かい、じきに秋へと突入します。<br />季節変わりのこの時期、街には変態が跋扈し始めるというのが世の常。皆様におかれましては、平和過ぎる社会に油断することなく、常に自衛を心がけ、この世知辛い現代を生き抜いていって下さい。例えば上履きは持って帰るとかさ、そういう小さいとこからコツコツやっていくべきだと思うね。僕は。<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a>

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
<item rdf:about="http://2949.seesaa.net/article/125789282.html">
<link>http://2949.seesaa.net/article/125789282.html</link>
<title>僕たちのさもしい愛情</title>
<description>突如として郵便局に襲来した強盗に出くわした僕は、あたかもそれが義務であるかのように彼が手に持っていたAK47通称カラシニコフを叩き落とそうとしたのだけれど、その際に銃口が乱れて弾丸が僕の肩甲骨付近を破砕、それでもなお胆力を振り絞って強盗を取り押さえ、郵便局に平和が戻ったのを見届けてからゆるりと意識を失い、生きるや死ぬやの狭間で戦っていた僕。その意識が復活したのは、そう、8月14日のことであった。</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>肉欲さん</dc:creator>
<dc:date>2009-08-16T02:24:17+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
突如として郵便局に襲来した強盗に出くわした僕は、あたかもそれが義務であるかのように彼が手に持っていたAK47通称カラシニコフを叩き落とそうとしたのだけれど、その際に銃口が乱れて弾丸が僕の肩甲骨付近を破砕、それでもなお胆力を振り絞って強盗を取り押さえ、郵便局に平和が戻ったのを見届けてからゆるりと意識を失い、生きるや死ぬやの狭間で戦っていた僕。その意識が復活したのは、そう、8月14日のことであった。<br /><br /><a name="more"></a>　<br />「ここは……」<br /><br />目覚めてすぐの僕は、まるっきり状況が把握できないままでいた。それも無理からぬことで、なぜとなればあの日、正確に言えば8月2日、ブログの更新を終えた僕は所用で郵便局に向かい、結果として意識不明の重態に陥ってしまったからである。つまり僕は、その日から数えて約二週間弱も意識を失っていたのだ。記憶が混濁するのも致し方のないことであろう。<br /><br />「目が覚めたのね」<br /><br />「石田ゆり子さん……」<br /><br />僕の横臥するベッドの横には石田ゆり子さんが座っていた。彼女は手慣れた手つきでリンゴの皮を剥くと、ごく自然な動作で僕の口元に一切れのリンゴを運んだ。<br /><br />「いや、食欲がないんだ」<br /><br />「ダメよ。無理してでも食べなくちゃ」<br /><br />有無を言わさぬ口調に苦笑いを浮かべながら、力なく口を開ける。それとほぼ同時にリンゴが口の中に突っ込まれた。爽やかでありながら奥深い、瑞々しい香りが僕の鼻腔を貫く。口中に広がるシャリシャリとした食感を楽しみながら、わけもなく　『人が生き続けるということは、食べ続けるということなのだろうな』　そんなことを思った。<br /><br />「悪いのかい」<br /><br />「え？」<br /><br />柄の小さなフォークを手の平の上で弄びながら、出し抜けに僕は聞く。石田ゆり子さんは僕の言わんとすることを計りかねた様子で、曖昧な笑みを浮かべながら小首を傾げていた。<br /><br />「僕の具合は……あまり良くないのかい」<br /><br />「……」<br /><br />曖昧だった笑顔は、張り付いた笑顔へと変化した。問いかけに対する返答はなく、沈黙だけが病室を支配していく。しかし、否、だからこそ、その無言こそが、僕の質問に対する何よりの答えとなった。<br /><br />「もう、長くはないのか」<br /><br />「そんな……大丈夫、きっと良くなるって、先生もそうやって言って下さって……」<br /><br />「おためごかしは結構だね！！」<br /><br />叫んだ瞬間、激しい音を立てて窓際にあったガラスの花瓶が床へと転げ落ちた。その様子に石田ゆり子さんはビクリと肩を震わせたが、それも一瞬のことで、僕が顔を上げた時にはすっかり冷静さを取り戻していたようだった。<br /><br />「自分の身体のことだ。きちんと知っておきたいんだ。頼むよ……」<br /><br />吐き出すようにして、言った。握りしめた拳が激しく脈を打っている。それはおそらく、これから石田ゆり子さんの口から放たれる言の葉が、僕にとってある種の死刑宣告となるであろうことを予想していたからなのだと思う。<br /><br />「……銃創の処置手術自体は成功したの。でも、あの強盗が持っていたAK47通称カラシニコフに込められていた銃弾、これが問題だった。警察の調べで分かったことなのだけれど、あの男は強盗を装ったバイオテロリストで、あの銃弾はいわゆる散弾式になっていたのよ」<br /><br />「散弾に？」<br /><br />「イエス。そして散弾の内容は、病原菌の入った微細なカプセル……あの男は街中でそれをまき散らすのが目的だった。ただ、その過程で逃走資金も賄うことができれば、という腹心もあったみたい。それで郵便局に押し入ったのでしょう」<br /><br />「続けてくれ」<br /><br />「ここから先は、あなたにとって少々酷な話になるかもしれないわ」<br /><br />「元より承知の上さ」<br /><br />「カプセルに込められた病原菌、その全てがあなたの体内に入り込んだわ。そしてそのウィルスたちは、あなたがこの病院に搬送されるまでの間に身体の隅々まで行き渡っていた。医師がその存在に気がついた時、ウィルスの侵攻を食い止める術なかったそうよ……」<br /><br />そこまで語り終えると、石田ゆり子さんは瞳に涙を浮かべながら、深くうなだれた。その姿を見ながら、彼女に真実を告げさせたことを後悔した。彼女だって望んでこんな話をしたわけではないのだ。僕は自分自身の至らなさを呪う。<br /><br />「死ぬのか、僕は……」<br /><br />「あなたの身体に入り込んだウィルスは世界で初めて発見されたものらしいの。現状を率直に言えば、医者も匙を投げた状態……ってとこかしらね」<br /><br />言いながら、石田ゆり子さんは自重気味に笑う。自分のジョークがさほど良い出来ではないこと、それは当人が最も理解しているのだろう。僕は口角を無理矢理持ち上げるようにして笑ってから、ただ白い天井を眺めた。<br /><br />「良い人生だった」<br /><br />「そういうことを言うのはよして！」<br /><br />刹那、僕の右頬に鋭い痛みが走る。その辺りからじんわりと熱が発するようになってから、初めて　『ああ、自分は頬を張られたのだ』　と気づいた。<br /><br />「生きて、生きて、それでも生きて……最後まで生に執着すること、不格好でもなんでも、生き長らえること。それが本当の意味で "良い生き方" ってことなんじゃない……分かったふりして格好つけて、諦めて……バカみたい……そんなのって、ほんと、バカみたい……」<br /><br />石田ゆり子さんは、嗚咽を上げながら僕のベッドに縋り付いた。その情念的な挙動に、ほとんど止まりかけていた僕の心が、ゆっくりと動き出すのを感じた。<br /><br />「石田ゆり子さん、僕、決めたよ」<br /><br />「え……？」<br /><br />「最後まで、懸命に生きる。生きて生きて、死ぬ寸前まで抗って見せる」<br /><br />「肉欲棒太郎さん……！」<br /><br />涙に濡れた顔を一層ぐしゃぐしゃにさせながら、石田ゆり子さんは、笑った。その顔があんまりおかしくて、滑稽で、ひどく美しいものだから、つられて僕も笑った。<br /><br />「だから石田ゆり子さん、僕の決意を聞いておいて欲しい」<br /><br />「うん……」<br /><br />「僕の身体に棲息している未知なるウィルス、こいつがいつかまた "組織" の手によって世に放たれるかもしれない。今回は僕の被害だけに止まったけれど、次は悲惨な結果を巻き起こさないとも限らない。だからもし、僕が死んだら……この身体を徹底的に解剖して、研究を進めて欲しいんだ」<br /><br />それはもう、骨も残らないくらいにね。<br />そうすれば、ちょっとは格好よく死ねるかな、なんて。<br /><br />窓の外を見た。<br />夕日が、燃えるように赤い夕日が、ビル群の中にゆっくりと沈んでいく。<br />僕と一緒にその様子を眺めていた石田ゆり子さんだったが、不意に僕の方に視線を向けると、決然とした調子でこう言った。<br /><br />「肉欲棒太郎さん！抱いて！！」<br /><br />「OK牧場」<br /><br />・・・・・・・<br /><br />まさかこの日記を読んでいる男性諸君の中で "自分がいきなりテロに襲われるも果敢に反撃、見事撃退に成功したまでは良かったが生死の境を彷徨い、その身を案じた同級生の女子（※ただし良い顔面をした淑女に限る）が泣き崩れながら 『バカぁ！早く目を覚ましなさいよ！じゃないと私、私、まだ何も伝えてないのにぃ！！』 と、昏倒する自分の胸のあたりをポムポムと叩き、その行動を 『やめなさい！彼は病人なんだ！』 と医師から諌められるのだけれど、僕と仲の良い同級生が 『先生、アイツはあの子の言うことだけは聞いてたんだ。だから、止めてやらないでくれないか』 といった趣旨のことを発言、それを受けて医師が 『ナンセンスだ、そんな非科学的なことが……』 と無機質なことを言うのだけれど、同級生の女子が87回目のポムポムを繰り出したあたりで、やおら僕が目を覚まし、開口一番 『お前って、案外泣き虫だったんだな』 といった趣旨のことをウィスパーボイスで囁く、それを聞いた同級生の女子は 『あ、あんたってバカ、ほんとバカ……！』 みたいな感じで三たび号泣、医師は唖然としながら 『し、信じられん、こんなことが……奇跡だ！奇跡に違いない！』 と騒ぐのだけれど、仲の良い同級生はニヒルに笑いながら 『違うな先生、これは必然ってヤツさ』 と病室を去りながら語り、最後は何やかんやありながら同級生の女子とゴールインする" みたいな想像をカマしたことがない、という御仁はおるまいな。そのような妄想をスパークさせること、それが僕たちが男として生きるっていうことの意味だし、それを経験せずして己を男子と自称すること、畢竟万死に値する行いよ。<br /><br />かつ、また "自身が原因不明の難病・奇病の類いに冒され、懸命に闘病するも最早処置なし、あとは死ぬのを待つばかり……という状況にあって、半ば自暴自棄になってしまうのだけれどそんな様子を見かねた同級生の女子（※良顔限定）が 『バカバカ！そんなのってあんたらしくないんだからね？！』 みたいな趣旨のことを、胸のあたりをポムポムしながら猛シャウト、その姿勢に何かを感じ入った我々は奇麗に心を入れ替え 『俺、生きるよ。お前のために、たとえ残りの時間（ルビ：いのち）が僅かでも、懸命に生きる（ルビ：たたかう）よ』 と宣言、その姿勢に心打たれた同級生の女子は泣き叫びながら 『あなたと合体したい』 といった意味内容のことを言い、図らずも燃え上がるようなセックスに至ってしまう" 的な想像をカマしたことがない、という御仁もおりますまい。そのような虚妄と夜な夜なダンスっちまうこと、それが僕たちが男として生きるっていうことの意義だし、それを経験せずして自らを漢と自称すること、人外魔境の所行であるよ。<br /><br />つまるところ本日の日記において叙述されたハートフル・ストーリーのうち 『突如として』 という部分以外は軒並みウソ・妄想・虚言の類いなのですが、それはともかくとして僕たちの抱く夢想・理想みたいなものっていうのはある程度定型化することができるもんです。そのうちの一つが、これまでこのブログでも何度か書いたことのある "学校にテロリストが襲来、それを華麗に撃退する俺！" 型の妄想であり、いま一つは "ハードな闘病生活の末、気弱になった自分を励ましてくれる女人とフォール・イン・ラブ" 式の妄想でありましょう。このどちらかの妄想を一度たりとも抱いたことがない、という方は、もはや生まれる種を間違えたとしか言いようがないため、来世は場末のカマドウマにでも生まれて欲しい。僕との約束だよ。<br /><br />カマドウマの話はどうでもいいんですが、妄想の話題。僕は長くの間上述した２パターンが男子における妄想の王道、いわゆる妄道だと確信していたのだけれど、ここ最近ふとしたことから 『よく考えたらもう１パターンあったな……』 ということに気づかされた次第。<br /><br />それというのは、つまり<br /><br />"難病・奇病に冒された同級生の女子を甲斐甲斐しく看護する、オレ"<br /><br />これだよな。<br /><br />「えっと……バカなの？」<br /><br /><strong>待たれよ</strong>。確かにその結論を導かんとするあなたたちの気持ちは察するし、『もう１パターンとか言いながら、結局その前の定型と同じような内容じゃん！』 といった主張も理解できる。<br /><br />だが、外面に惑わされてはならない。とことんまで抽象化した時に残るのが、ただただ "看護" というキーワードでしかなくても、それぞれの現場において生じる温度、あるいは熱量は、驚くほど異なってくるのだ。<br /><br />先々の例では、難病奇病を患い、挙げ句看護されるのは男子の方である。しかし本件の場合、看護をされるのは女人の方なのだ。ちょっと見過ごせませんよこの違いは。<br /><br />なんとなれば塞ぎ込みがちになり易い入院生活、マイナスの感情は行き場をなくし、親愛の情を持って接してくれている人たちに  "怒り" "憤り" という形で発散されていく。それはもちろん、我々に対しても例外はないわけで――<br /><br /><br />・・・・・・・<br /><br />「よっ、元気か？」<br /><br />「……何しに来たのよ」<br /><br />「ご挨拶だな。見舞いだよ、見舞い」<br /><br />「もう来ないでって言ったでしょ。迷惑なのよ、本当に！」<br /><br />「ほら、桃買ってきたんだ。一緒に食べようぜ」<br /><br />「いいから帰ってよ！！」<br /><br />バシーン。乾いた音が病室に響く。瞬間、貴明が持参した数個の桃が冷たい床へと転げ落ちた。その光景に由香はバツの悪そうな顔を浮かべたが、それでも謝罪の言葉は出てこない。<br /><br />「桃に罪はないだろ……」<br /><br />やれやれ、という風に笑いながら貴明が桃を拾い上げた。床に落ちた衝撃からか、桃の外皮の一部が変色している。しかしながら、どうしてだろうか、そのようにして完全性を失われた今の桃の方が、よほど自然味溢れる造形をしているようだった。<br /><br />「桃、食べないか？」<br /><br />「……いらない、何も、見舞いも桃も、何もいらない」<br /><br />沈みゆく夕日の明かりがぼんやりと二人の姿を包み込む。黄昏時の曖昧な雰囲気は、それだけでなにかを雄弁に物語っているようでもあった。たそがれ、たそかれ、誰そ彼――家族でもないのにいつまでも自分のことを心配してくれるこの人は、いったい誰なのだろう――そんなやくたいもない疑問が、由香の頭に浮かんで消える。<br /><br />「……ら……いでよ」<br /><br />「え？」<br /><br />「迷惑かけちゃうから……もう構わないでよ……」<br /><br />絞り出すようにして発せられた声は、それまでの冷たい罵倒とは異なり、紛れもない由香の本音だった。<br /><br />歩けなくなってからこっち、沢山の人間が由香のことを気にかけてくれた。<br /><br />『大丈夫？』<br /><br />『手伝おうか？』<br /><br />悪意のない言葉の数々は、その全てが由香の心を優しく撫でて、その分だけ由香を深く苛んだ。<br /><br />自分が生きているだけで、誰かに気を遣わせてしまうのかもしれない<br /><br />ある瞬間に生じたその想いを、拭い取ることができなかった。普通でありたいと、普通に接して欲しいと願えば願うほど、理想と現実との乖離に苦しまされてしまうのだ。由香はただ、人並みに生きられることができればそれで良かったのに、それ以上は何も、望まなかったのに。<br /><br />「だからもう、構わないでよ！」<br /><br />複雑な想いを、シンプルな言葉に託して吐き捨てる。歪に捻じ曲がってしまった由香のプライドは、"拒絶" という形でしか他者と関わることを許そうとしない。その目から流れるとめどない涙が "誰かと関わりたい" と願っている由香の本音なのだとしても、由香はそのことに気がつくことができない。<br /><br />ひとしきり泣いた後。<br />顔を上げた由香の視線の先には、相変わらず貴明がいた。<br />その光景に由香は少しく驚いた。<br /><br />「桃。食べようよ」<br /><br />貴明の手の中には、果物ナイフで奇麗に皮を剥かれた桃が在った。<br />それを小振りなフォークに突き刺して、由香の眼前まで持ってくる。<br /><br />「だから、いらないって……」<br /><br />「食べない方が迷惑するんだよ、俺が」<br /><br />由香の口元に無理矢理桃が押し付けられる。<br />しばらく抵抗を試みたが、その反抗も何だか急にバカらしくなったのか、由香はやれやれという様子で口を開き、桃を咀嚼した。<br /><br />「……美味しい」<br /><br />「そりゃ、多少色が悪くなったって、美味しいもんは美味しいでしょうよ」<br /><br />剥いた桃のほとんどを自分一人でパクパクと食べながら、貴明は笑う。<br />その光景に、見舞いの品じゃなかったのかよ、と思いながら由香もつられて、笑った。<br /><br />・・・・・・<br /><br /><br /><strong>分かるだろう、メーン？</strong>いやまあ確かに？！ 『不幸になった心の弱みにつけこんで優しさの押し売りするなんてさもしいにも程があるだろ……』 という皆様方のハート・シャウトも理解してはおりますけれども、それでも、それでも！あるやん、こういう妄想しちまう瞬間っつーのは。あるやん。あれよ。あれかし！<br /><br />さもしい、まあ本当にさもしいとは思いますよ。でもさあ！？"そんな事態に陥っても見捨てない俺、献身的に頑張っちゃう俺" みたいな情景に？！勃起しちゃうんだからしょうがねえよこのチンポが。いや違うよ！？まさか病床に臥せっている彼女に対して 『はい、グリセリン注入のお時間ですよ＾＾』 『やだ先生、そこは静脈じゃないわ』 『これがメディカルドラゴンだよ』 みたいな性的欲求を覚えている、とか、そういうワケじゃねーよ！そこまで鬼畜じゃないよ、見損なわないでくれんか。そうじゃなく、純粋に "やだ、そんな風にして真実の愛みたいなもんを見せつけてしまう俺ってば超濡れてしまう……マンコはないのに濡れてまう……" みたいな趣旨で、趣旨で！チンポが勃起しちまうんだな、これが。分かるな。分かって欲しい。ヘイ分かれ！<br /><br />とまあ、そんな感じで我々は日々妄想を紡ぎ紡いでいるわけなんですけれども、皆さんにおかれましては、ご自身の中にいくつかあるであろう "これだけは譲れない、超マストな妄想" みたいなものをお聞かせ願えれば、それに勝る幸せはありません。あります。<br /><br />ちょっとリハビリがてら日記を更新したので、なんだか締まらない結びになってしまいましたが、今日はこれにて。ハバナイス盆！<br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?183614">人気ブログランキング</a>

]]><![CDATA[
]]></content:encoded>
</item>
</rdf:RDF>
