ホストクラブに行ってみよう 中編
1:30に入店してきっかり二時間後の3:30、Aちゃんが二人分の代金10000円を払って僕らは退店。初回でホストの指名しなければ、二時間飲み放題で一人きっかり5000円。ホストクラブというのは遊び方さえ間違えなければ、意外に安いところなんですね。
ホストに見送られながら店を後にした僕ら。もっとぞんざいに扱われるかと思ったけど、なかなかどうしていい扱いじゃないですか( ^ω^)まあぶっちゃけ、あの程度の業務なら結構誰でもいい線いくんじゃねえの?ホストとか言って楽勝じゃん!ホホホ……
なんて思いは夏の蜃気楼よりも儚い。Aちゃんの本命ホストクラブ『R』に行ってみて気付いたよ。ホストなんて楽勝?そんな妄想はポンデリングよりスウィートだったってな…。
もうなんていうか、イケメンが勢揃いの『R』。どのホストも端正な顔立ちで髪型もバシッと決まってて、僕とはウンコとケーキくらいの差がありました。あんな瞳で射抜かれたら濡れる。間違いなく豪雨。濡れちゃう、マンマンが琵琶湖みたいになっちゃう。
ホント、来るホスト来るホストみんな『メンズノンノ』とか『スマート』とかそんな雑誌から送り込まれたような男たち。混じりっ気なしのヤリチンみたいなそんな男ばかりなんです。
そして流れるようなトーク&トーク。間違いない、これは濡れる、濡れちゃう、襲い来るハリケーン。五大湖みたいになっちゃう。
スゲー……と感動しながら周りを見渡すと、客のアワビたちもみんな可愛いの。キャンキャンだかアハンアハンだか言った雑誌から飛び出てきたような娘ばっかりなの。言うなれば、僕の人生の一つや二つ投げ打ってもいいから、お願いします、一発やらせてください!あ、いや、もうこの際先っぽだけでもええから…先っぽだけ…でも…!なんて思わず土下座&懇願&カルピス発射しかねないくらい可愛いんです。そんな取れたてアワビが10も20もいるんです。もうここは陸奥湾かと。
ええやん、こんな可愛いナオンに囲まれるなんて素敵やん……!ホスト素敵やん……!と思いましたよ当然。僕もホストになりたいなーって。そこで大胆かつリアルに僕のホストライフをシュミレートしてみましたよ。
「こんばんは〜。肉欲棒太郎です( ^ω^)」
女「チェンジ」
6秒。
どう頑張っても6秒。僕のイクまでの時間と同じですね^^やかましいわ!!
いいよな。お前らイケメンホストたちはいいよな。
あれだろ?店では
「ドンペリ入れてよ〜^^」
とか客に頼んでるけど、布団の上では
「挿れてぇ!タカシのドンペリ挿れてぇぇ!!肉ヒダ捲り上げてええええ!!!」
とか客に言わせてんだろ。
それでもって能登産の大根みたいにおっきした肉棒をさすりながら
「ピンク?ゴールド?どっちだい^^」
とか聞くんだろ。
それで遂には
「タカシの股間の…ドンペリブラックゥゥゥ!!!」
とか言わせてんだろこの黒チンポ!!
稲刈りするぞこの野郎!!
それでアレだろ、イッたらイッたで
「ハァハァ・・・あっ、ドンペリホワイト出ちゃった☆」
「もうっ!この名・バー・テ・ン・ダー♪」
とかやってんだろこの薄汚れた如意棒野郎が!!死ね!死んで俺と代われ!
……取り乱しましたが、実際はそんなに楽な商売ではないようですね。
とりあえず僕のはす向かいのテーブルに、27歳くらいのギャル風なお姉ちゃんがいたのですが、その人なんかテーブル一杯に自分で入れたであろう種々雑多な、見たこともないような煌びやかなボトルを並べているんですよ。ありゃあ多分100万円相当はあったんじゃねえかな。
僕 「いやー、ああいう人を上客って言うんでしょうね。店としてもありがたいでしょう?」
ホ 「はは、まあそうなんだけどさ・・・俺たち若いヘルプは大変なんですよね」
僕 「どうして?」
ホ 「上客だから絶対に逆らえないんですよ。この前なんて、あのお姉さんがウィスキーのボトル一本入れてくれたんですけど、ヘルプの僕に未開封のウィスキー差し出して『これ、一気で飲め』とか言うんですよね」
僕 「あ、あんなかわいい顔して・・・」
ホ 「そう、恐ろしいですよ。でもそこで断って機嫌損ねたら大変じゃないですか。だから一気に飲みましたよ。もう死ぬかと思いました」
僕 「すぐに吐きに行けばいいじゃないですか」
ホ 「いや、勝手に席を立ったらいけないんですよ。まあそれでも隙を見てトイレに行こうとしましたけどね。そしたら『ちょっと!勝手にどこに行こうとしてるのよ!!』って・・・結局吐けなかったですね。ハハ、記憶ないけどその後自分、泡吹いて倒れたらしいですよ」
僕 「・・・・・」
げに恐ろしきはホスト業界。僕も多少はお酒を飲みますけど、ウィスキーを瓶ごと一気飲みなんて荒業をした日には死ぬ、間違いなく死ぬ。パトラッシュとルーベンスの絵を見に行くことになる。色々聞いていると、やはり肝臓をやられて泣く泣く引退する人も多いそうな。
僕 「それは大変っすね・・・それで、今日は何時頃家に帰るんですか?」
ホ 「うーん、一応お店は朝の7時までなんですけど・・・わかりませんね」
僕 「えっ、何で?」
ホ 「お客さんがいる限り、何時まででもやるんですよ。基本的に」
僕 「えっ」
ホ 「昨日の最後のお客さんは、午後1時までいましたよハハハ」
ちょwwおまwww一時ってwwwそんな小堺一機な時間まで酒なんて飲んでられないお(;^ω^)
しかもほとんどのホストは稼げないから自分の部屋もなくて、大抵店が用意した2Kくらいのマンションに4−5人で住んでるらしい。マジでシビアです。1週間程度で辞めてしまう人なんてザラらしい。やっぱ楽な世界なんてないんですね。
ということで、様々な話を聞けて非常に勉強になりました。最後に来たホストなんかは
「いやー、ぶっちゃけ女と話すより男の方が楽しいんですよねー」
なんてとても気さくで、最後には
「お互い頑張って成功しましょう!」
なんて硬い握手まで交わしてしまいました。ええ人でした。
気づいたらAM6:00とかで、さすがに僕も疲れた。いつのまにかAちゃんなんてボックス席の片隅でグースカ寝てるしな。ホント、とんでもねえ女だぜ。
「おい、帰るよAちゃん」
「う・・ん・・・あぁい・・・」
そしてお会計を済まし、出口へと向かう僕ら。と、そこでAちゃんが
「あっ、ちょっと待って!」
「忘れ物?」
「忘れてた忘れてた。オブジョイトイ!!」
(勢い良くパンツがぺロリ)(ホスト、ドン引き)
うん、あの、死ね。
(終わり)

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やる気がでます
「オブジョイトイ!!」で
「アヒャッヒャヒャッヒャ」と
声を出して笑ってしまいました。
ま、もともと僕なんて動物園くらいでしかやとってもらえませんけど。
わたいもホストクラブを奢ってくれる友達が欲しい。
いっそ「風俗ルポblog」という新開地---じゃねえ新天地を開拓したらどうでせう。
体がもつかどうか微妙なところですが。
ウマイ汁だけすすれる世界なんて、どこにもないんですね…。
>ミさん
いやね、あれを目の当たりにしたら笑えませんよちっとも。
>クマさん
大丈夫、クマみたいな人もいっぱいいました!ようは役割分担ですよ。
>センセイ
意味がわかりません><
>なっぱさん
僕もスーパーテレビは大好きです(笑)
>CASSさん
体っていうか、財布が爆発します。援助があればモリモリやりますお( ^ω^)
おもしろかったです
グーグルで「ホストクラブ 破滅」で上位ヒットしたので来てみました(w。
流れるような文章で、前編から後編までひといきに読んでしまいました。
そして、後編は特にイケメンホストに対する一般の持つイメージ(妄想)から始まって→反するホストの過酷な現実→オチと文章構成が素晴らしいです。凄いです。
所で、幼馴染さんの行き着け店「R」の
イケメンホストたちの目は、やはり死んでいたのでしょうか?それとも?
その一点がとても気になります。