スキマ産業。僕が大好きな言葉の一つだ。世の本流からあえて身を引き、極めて粛々と社会の『隙間』を狙って動く男たち。その気概、まるでハイエナのような貪欲さがあると思う。また、あえて博打を打つようなその商売姿勢は非常にストイックでもある。
誰よりもニッチ(隙間、くぼみ)に。マジョリティに属さなくてもいいんだ!俺は細く短く生きてやる――そんなニッチャーたちの叫びはたまらなくソウルフルだし、また男の立場としては得も言われぬ『熱さ』みたいなものを感じさせられる。
しかし一口に隙間と言っても、それを見つけ出すことは中々難しい。大抵の隙間は既に先人たちに発見され、かつ埋められている場合が多いからだ。例えば最初に『ぶっかけ系』のAVを製作した人は間違いなくニッチャーだろう。動物の本能的にシンキングしてみれば、興奮度が高まったからといって、男の度胸汁を女性のフェイスにリリースしよう!とか思う訳がないからだ。しかし実際のところ、ぶっかけ系AVにはそれなりに需要がある。ニッチャーが隙間を狙って突き進み、新たな需要を喚起した格好だ。
隙間はいつでも見えにくい場所にある。要は気付くか気付かないか、の問題であり、アンテナ感度の高い人たちだけがその隙間に気付くことができるのではないだろうか。そう、だからニッチャーたちは非常に頭がキレる人たちなのだ……という捉え方をしても、別段強引ではなかろう。
では、現状において世の中にどんな隙間が眠っているのか?今日はそのことについて少し考えてみたい。ニッチな男になる、そんなプロパガンタを胸に秘めながら。
■バー『中年』
その名の通り、従業員全てがバリバリの中年で固められたバーである。バー、との名は付いているものの、その実質は居酒屋でしかない。世間的なウケを狙って、あえて『バー』という名称を付しただけのこと。
バー『中年』のウリは 『説教』 『パワハラ』 『アルハラ』 そして 『セクハラ』 の四点。パワハラとはパワーハラスメント、アルハラとはアルコールハラスメントの略である。店に入った客は全員が下座に通され、上座にはバー『中年』の従業員である脂の乗った中年がズドンと鎮座している。従業員であるはずの中年は、誰よりも早くおしぼりで顔をゴシゴシ、ワキもゴシゴシ、しこうして後に客全員が席に着くのを見届けると、おもむろに口を開いて、曰く。
「じゃ、乾杯はビールでいいよな?」
拒否権はない。また、銘柄はキリンラガーで決まりである。客は「もちろんですよ部長!」と元気よく返事をすることを求められ、かつ、一番年若い者は率先して従業員である中年にビールを注がなければならない。
「おいおい、そんな注ぎ方じゃ泡が立たねぇだろうが!大学で何を学んできたんだ!!」
ビールの注ぎ方によっては、従業員の厳しい檄が飛ぶこともある。もちろん、口答えは許されない。申し訳ない!おっしゃる通りです!バー『中年』で許される発言は驚くほど少ないのだ。
「男は黙ってサッポロビール……ってこれキリンじゃねーか!!ダハハハ!!」
笑わなければならない。たとえ従業員のギャグがどれだけ寒くても、である。お世辞笑い、そして愛想笑い。それは中年と相対した時に求められるマナーであり、同時に義務でもある。
「何?カルアミルク?そんなもん飲んでたら強くなれんぞ!!次、剣菱!ぬる燗でな!!」
選択肢はビールと日本酒の二択でキメだ。また、ぬる燗以外は選ぶことができない。そして、どれだけ望んでも久保田や八海山などの銘酒は出てこない。男はいつでも剣菱のみ!バー『中年』における不動の不文律だ。
「ケイコくん、ちょっとこっちに来たまえ。最近カレとはどう?やっぱり若いから夜はヤリヤリなんだろ?でかい胸してるしなぁ〜」
紛れもなくセクハラであるが、これも店からのサービス、厚意によるオプションである。たまに乳や尻、あるいはマンのコ部分などをタッチされることもあるかもしれないが、それはあくまでも店のシステムなので致し方ない。試練、と思って耐えて欲しい。
「じゃ、今日はこれでお開きということで!ではお手を拝借!ヨーオッ! (パパパン、パパパン、パパパンパン) ヨッ! (パパパン、パパパン、パパパンパン) ハッ! (パパパン、パパパン、パパパンパン) ありがとうございましたー!!」
この号令、そして手拍子が飛んだ時。それは店からの『早く金を払え』という合図であり、やはり拒否権はない。会計はあくまでもワリカンで支払うことが強要される。どうして?とお思いかもしれないが、それは必要欠くべからざる店のシステムなので致し方ない。宿命、と思って辛酸を舐めて欲しい。
これがバー『中年』の概要だ。誰得?という声が聞こえてきそうだが、実際に日本の酒場にはこの手の中年は一定数存在する。そしてその人物が、会社の上司であれば……そう、誰しもがこの手の人たちと遭遇する可能性を抱えているのである。その時、もしあなたがバー『中年』である程度の耐性を身に付けていたとすれば。
「部長!剣菱、頼んでおきましたからね!」(ニッコリ)
「分かってるな、キミィ!!」
即、昇進である。20代にして役付きになることも夢ではないのだ。ウソだ!と思われる方もいるかもしれないが、実のところひどく適当にこの日記を書いているのも確かだ。どうか信じて欲しい。
■励ます男
春、それは出会いと別れの季節。桜舞い散る3月、新たな職場に向かうため長距離列車に乗り込む人もいるだろう。その胸にあるのは、未来への希望かあるいは漠然とした不安か。内心の態様は様々だ。
ピリリリリ。青森発、東京行きの列車が発車しようとする。ふと、窓の外の雑踏に目をやると、そこには見知らぬ多くの人が行き交っている。故郷ともお別れか……寂寞とした心情が胸を包み込んだ、その時。
「吉村ぁーー!!」
ホームを切り裂く熱い、いや汗臭いシャウト!何事だ?!驚いて声の方に目をやると、そこには往年の山下真司ばりに汗臭い、否、情熱的なメンズが走ってこっちにやって来るではないか。
「間に……合ったな……」
息を切らして声を発するその男に面識はない。しかし先ほど、確かに自分の名前を呼ばれた。一体誰なんだ、こいつは……頭の中では様々な疑問符が浮かんで消える。刹那、男は顔を上げると、満面の笑みをたたえながら大きく口を開いた。
「吉村君、バンザーイ!!バンザーイ!!バンザーイ!!」
最大級に汗臭い、否、情感のこもった万歳三唱が駅中に轟いた。見ると男はうっすら涙すら浮かべている。何だコイツ?!戸惑いは加速度を増して膨らんでいくが、男はなおもバンザイをシャウトし続ける。
「お前は故郷の星だ!青森の宝だ!東京で一旗上げてこいよ!!」
男はようやく気付く。そういえば昔のドラマとかであったよな、"こういう"シーン……。いや、でもそんなの全然求めてねーよ!?大体、マジで誰なんだよコイツは。流れる時間の中で、戸惑いの感情は次第に怒りへと姿を変えていった。するとようやく電車がゆっくりと動き始める。助かった……男はホッと胸を撫で下ろした、しかし。
「負けんなよ!!!東京で!!!東京に!!!絶対負けんな!!!!!」
鬼の速さで列車と併走する山下真司似。その瞳からは汗臭い、否!情緒的な涙が確実に流れていた。加えて『吉村君 奮起!!』と毛筆で書かれた旗まで振って走っている。もはやこれはテロだ!男は思ったが、それに気付いたところで打つ手は何もありゃしない。
(あの人、そんなに大人物なのかしら……)
(吉村君は期待されてていいわね……)
車内のとこかしこからヒソヒソと囁く声が聞こえる。俺はもういっそ死にたい!もし彼がそう思ったとしても、誰も咎めることはできないだろう。
「いい励まし、したな!」
それとは対照的に、去り行く電車を見つめながら白い歯を浮かべる山下真司似。吉村君を励ますように頼んだのは、彼の大学の同級生たちだった。吉村のことは励ましたい、でも自分たちで励ますのも何かこっ恥ずかしいよな……若者は概してトゥー・シャイな生き物だ。そのシャイな心を優しくケアしてくれるのが、この励まし代行業である。実に痒いところに手が届くジョブ。まさに隙間である、といった風情か。
■性感ヘルス『もんぺ』
店内に吹きすさぶ寒風。所々穴があき、ボロボロになった障子。部屋の中には煎餅布団(中綿が弾力性を失い、形状が煎餅のように平らになってしまった布団)が敷かれており、そこには病でやせ細った老人が横たわっている。
「いつも済まないねえ、節子……」
「おとっちゃん、それは言わない約束だよ……」
病に伏せる父親を献身的に介護しているのは、愛娘である節子。親一人、子一人。二人三脚で今日まで生きてきた。生活を営むことは辛いけれど、父がいれば、子がいれば、ささやかであれ幸せもある。二人はそう信じて生きているし、あるいはそう信じなければ生きてはいけないのだ。
「オラッ!ちょっと邪魔するよ!!」
その部屋に乱暴にインする、役所人風の男!あなたのことだ。土足でヅカヅカと部屋に上がりこんだあなたは、怯える二人に冷たい一瞥をくれると、おもむろに言葉を発する。
「今日こそは年貢を払ってもらおうかね」
ついにこの日がきたか……節子と父親の目に、諦めとも悲しみともつかない色が浮かぶ。しかし、その日食べる物にすら困窮する二人の生活、高くなってしまった年貢を払う術などあるはずもない。
「すいません、お米は、ないんです……」
か細い、それでいて凛とした声で節子は答えた。芯の強い女子(おなご)なのである。
「そんな道理がまかり通るか!!何としても年貢は払ってもらうぞ!!」
冷酷に叫ぶのは、二人の前に立った鬼奉行!!あなたのことだ。あなたは布団に伏せる父親の肩をグッと掴むと『さあ、年貢を払え!』と強硬に主張する。
「やめてくださいまし!!年貢は必ず、必ず払いますから!!」
つぎはぎだらけのもんぺに身を包み、節子は鬼奉行(=あなたのことですよ)に懇願する。しかし、無慈悲にも節子の細い手を乱暴に振りほどく鬼奉行!(=あなただ!)バタッ!もんどり打って倒れる節子。その時、節子のもんぺははだけ、その下からは雪のように白い肌が……。ジュルリ!鬼奉行(=YOU)の肉体十手が激しく反応する。
「まあ、ワシも話の分からん男やないけんのう……」
なぜ突然広島弁に?それは聞いてはいけない。そういうシステムなのだ、と納得して欲しい。ニヤリと下卑た笑みを浮かべたあなたは、おもむろに節子のもんぺを剥ぎ取って、曰く。
「しゃぶれぃ!」
ここからようやくプレイ開始。途中、父親から『やめて下さい!娘だけはどうか!!』という合いの手が入るが、それは無料サービスのオプションなので気にしなくてもいい。ま、プレイ自体は普通のヘルスと同じだ、と考えていただいて結構です。
「それって普通のイメクラと何が違うの?肉欲さんはバカなの?」
そんな質問も考えられますが、事情通の僕からすればその声はまるでなっちゃいない。いいですか?あなたは普通のイメクラに言って『すいません、今日は"もんぺプレイ"を嗜みたいのですが……』とか言えんの?言っちゃうの?無理ですって、絶対。あと、店ももんぺとか絶対用意してないし、障子も煎餅布団もないわけでしょ。確かにプレイの内容としてはイメクラ的ではあるけれど、そんなのって机上の空論でしかないんです。実社会を見ろよ、実社会を。
ということで、キレモノではない僕は3つの隙間産業を考えるので精一杯でした。いずれも、かなりの利益率を叩き出すこと請け合いな仕事であるように思われるのですが、どうですかね……。誰か『これならいけるぞ!』と確信を抱かれた方がいらっしゃれば、俄然チャレンジしてみて下さい。なあに、アイデア料はそれほど要求しません。取りハンでいきましょう。
※取りハン=取り分を半々にするという意味、取り分が7対3の時は取りナナ。主に後ろ暗い人たちが使う業界用語。
人気ブログランキング
肉欲さんは今日も元気そうでよかったです^^
おそわれる側がいい!
ムリヤリ的なプレイ願望あれど実際は怖いし(^ω^)
「スノー アイランド かまくら」はどうでしょう。かまくらを作る所からで、お1人様3時間 2000円 子供 1300円(記念写真1枚、甘酒1杯付き)*スコップ、手袋、防寒着、こたつ貸し出し有。
あたたかいお汁粉、お鍋もご用意しております。ぜひ一度雪国の醍醐味を都会で味わってみてはいかがでしょうか。従業員一同、心よりお待ちしております。
イケメン喫茶やイケメンイメクラ、ドラクエ喫茶なんてどーでしょう
肉たんに幸あれ♪♪
そろそろ書籍化しないと!
肉欲さんは鹿児島のどの辺りに住んでるんですか?
まず、部屋(しかしそれは場末の繁華街の路地裏のような内装)に通され、そこにいるのは一匹の痩せ干そった野良猫。そこでたまたま買っていた今日の晩酌のお供魚肉ソーセージを与え、家路に(次の部屋に)着く。
しばらくすると、尋ね訪れる一人の女性。
なんだかんだで帰り出会った野良だと気付いて恩返しにと重なり合い、疑似獣姦!みたいなヘルスないですかね?
【肉欲より】
ありません。
給食の時間に牛乳飲んでたら友人に笑わせられ、案の定思いきり牛乳吹き出したんだけど、対面の女子にその牛乳がかかっちゃって号泣。
その女子を慰めるみんな、ただ悪者になってしまった自分。
しかし数年後の同窓会で牛乳女子から「実はあの時から…牛乳を……かけられないと駄目なの!あたい!」とカミングアウトされ「あたいは牛よ!モー!モーモー!」と迫られて疑似獣姦!!
みたいなヘルスはないですか?!
あったら是非教えてください!!
【肉欲より】
ないです。
きっと肉さんのせいに違いありません、責任とってよね!
合間に入る肉さんの心の中の第三者の一言が、
いつもいつも絶妙なタイミングなので笑ってしまいます。
男の人って、そんな単純な生き物なの?(笑)
快楽に耐えながら必死にニュースを読み続けるクリステルを遠巻きに眺めながら、ブラックコーヒーを飲みたいです。お願いします。
メニュー
乾飯 初ガツオ 松風・・・
ツンデレ?、クーデレ??古い古い、時代の最先端は野武士!(ノーマル→武士)
まわりにそんな喫茶店ありませんか?無いですよね。すんません、調子にのりました。|彡サッ
出来れば悲愴感漂うものでなく、夏の日差しの下、キュウリやらナスを収穫する女性のモンペ越しの尻を視姦するなどスローライフ感が出ていればツボ
でも出来れば人妻設定などのオプションがあれば
更に良いと思うのは、幅広いニーズに適応して
どうたらこうたらだと存じ上げます。