季節はすっかり芽吹く春ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。僕はといえば今日、大学の新入生と思しきフレッシュなアワビどもが、おろし立てのスーツに身を包む様を眺めながら、その……勃起……しちゃいましてね……!
世の中には様々な趣味嗜好というものが存在し、ある者はセーラー服という宗教を盲信、またある者はナース服という邪教を狂信、別の者は六尺フンドシという密教に心酔、とまさに百花繚乱の態様。そんな中で僕の信ずる神、いわゆるガッド(god)は『慣れないスーツに身を包むモガ』である、と昔から決定されております。
※モガ=モダンガールの略
だから僕は新入生たちがスーツを着込むそのあり様が大層好きで、かつ、この時期に数多はびこる就活生も好き!大好き!昔から心に決めておりました。なんつーのかな……あの『本当は私、こんな服着たくないんだけど……内定が欲しいから仕方なく着てるの悔しいっ!(リクナビッ ニッケイッ』な感じが堪らないと言いますかな……。新入生も同じような感じで『こんな堅苦しいスーツじゃなくて、サマンサタバサの服が着たいのに入学式だから……悔しいっ!(サクラッ サクッ』なテイストがマジヤバイと申しますか……。
別にスーツが好きなわけじゃない。バシッとパンツスーツを着込んだエリートOLがスターバックスコーヒーシステムとかで何とかペチーノを飲みつつ日経ダイヤモンドを読んでいる姿、格好いいとは思うけれど別に性的興奮は誘わない。それはもう、彼女がスーツを『日常の戦闘服』として体の一部にしているからであり、言ってみれば『彼女』と『スーツ』との間に大きなブレはない。
結局、僕らは日常に潜むある種の『ブレ』に興奮を覚えるのではないだろうか?論拠はないけど、漠然とした確信はある。例えば、スクール水着に興奮する僕たち。文字にすると変態的なのだが、男としては極めて健康体だ。むしろスクール水着に興奮しない人の方が不健康だ……という評価を下したとしても、それほど暴論ではない。
なぜ僕たちはスクール水着に興奮するのか?それは単純な『露出度』の面からだけでは計れない。『スク水の場合、いつもは隠している肌がちょっとばかし出てくるから興奮するんでしょ?』と言う人がいるかもしれない。が、それは断じて違う。なぜなら、スクール水着に興奮する人が必ずしも『キワキワのビキニ』に興奮するとは限らないからだ。
まず、スク水を着る状況とビキニを着る状況と。両者は『水着を着ている』というレベルにおいては一致しているが、その内実は驚くほど異なる。後者の場合は『休日にプールや海に赴いて、自己の趣味としてビキニを着ている』というケースであり、前者は『学校の授業などで仕方なく、 仕 方 な く スク水を着ている』というケースだ。端的に言えば前者は強制であり、後者は任意なのである。
よって、この視点に立って考えてみると、こうなる。
【夏の海、キワキワのビキニの場合】
「ヤッホー☆どう、この水着!新作なんだよー。カワイイでしょ?」
「うん、カワイイよ!(セックスしたい!)」
【梅雨のまだ肌寒い時期、避けられない授業におけるスク水の場合】
「プールに入るにはまだ寒いよね……てか、水泳の授業とか恥ずかしくてヤダ……」
「あー、マジでダリーよなー(俺は忘れない、この一瞬!一秒を!輝け、俺の網膜よ……そして静まれ、俺の邪龍よ……)」
お分かりだろうか。
「えー、それだったら実際興奮してるのってビキニの方なんじゃないのー?」
だから!お前は!ダメなんだ!違うのである。いや、確かに表面的な性的興奮を刺激するのはキワキワのビキニだ。それは僕も認める。しかしながら、ビキニが持っているのはあくまでも(性的な意味での)瞬発力でしかないのだ。ビキニ姿のあなたを見たその時、確かに僕らは性欲の猿となるだろう。けれど、射精が終わった途端にビキニは無価値な布と化す。ことが終わった後、彼は虚無的にタバコを吸い、おもむろにテレビをつけ、テッシュを枕元にぞんざいに置きながら、あなたに向かってこう語るだろう。
「明日、8時に起こして」
悲しいけれど、これが世の中の真実だ。
しかし、スクール水着は違う。個人差はあるだろうけれど、正味の話をすればスクール水着を着ている状況を前に、その人とセックスをしたい!そう思う人はむしろレアなケースだ。それは思春期、いや、男として誰もが避けることができない、あの『好きな人はオカズにできない……』という切ないカルマにも似ている。ビキニもスク水も同じ水着なのだが、スク水を着ている人はあくまでも(直接的な)性的対象とはなりえないのだ。
【ふるさとは 遠きにありて 思ふもの】
室生犀星氏のポエムである。スク水だって同じことだ。成人となってしまった僕らは、スク水をナマでこの目に見る機会は絶望的に少ない。あったとしても、それは市営プールなどでJSもしくはJCが着用している姿を見るのみだろう。だからこそ僕らはその光景を『遠きにあり』ながら、そっと静かに『思ふ』だけに留まる。つか、手を出したら色んな法律に抵触する。警察から割とキツ目の説教を喰らい、裁判官と望まない対面を果たすことになる。手が届かないからこそ、その姿は一層輝くのだ。
「んじゃ、肉欲さんのアドバイス通りに今日はスク水着て彼氏とエッチしまーす☆」
違うと!言って!おるだろうが!そうじゃないんだ。いや、確かに僕たちはスク水を想像して手淫にいたることもあるかもしれない。僕はないけれど、実際にそういった想像をしながら実行(≒オナニー)に着手する人も少なからず存在するだろう。繰り返すが僕はない。何度でも言う。ない。アゲイン。ナッシング。
けれども、オナニーをしている=セックスをしたい、ではない。ここは認識して欲しい。確かに同じ性欲ではあるのだけれど、僕らがオカズにしているのは『スク水』そのものでは決してない。そうではなく『(身近にスク水のあった)戻れない日々』が、本来的な意味でのオカズなのだ。願っても、どれだけ金を積んでも、戻れないあの日々!そのもどかしさが僕らをピンクにさせるのであり、コチンの硬さを4割増強させるのだ。
そこにあって、彼女がスク水を着たとすれば。その心意気や良し!ではあるけれど、きっと僕らはどこかしら切なくなるだろう。
『そーじゃ、ないんだよなあ……』
もちろんセックスはすると思う。だが、何か違う!同時にそんなことも思うに違いない。理想は理想だから理想なのであって、現実にやって来るとそれはもう理想足りえないのだ。ワガママに聞こえるかもしれないけれど、実際そうなのだからしょうがない。
僕の話をしよう。かつて僕は福岡にある有名な歓楽街、中洲という場所に行った。そこはもう男の性欲を3年くらいじっくり煮込んで、その上澄み液を抽出したような土地なのだけれど、僕は中州で友人と一緒に看板がピンクなお店に入った。
その店に入るや否や、問診票みたいなものを渡された。『クエスチョンナンバーワン:好きなプレイは?』直球である。僕は友人の顔を見た。鼻毛が出ていた。
結局その問診票の中には『どんなタイプが好きか?』『どんなシチュエーションが好きか?』みたいな、負の国勢調査がフルに搭載されており、僕らは欲望の赴くままに問診票に筆を殴りつけた。結果、僕がチョイスしたのは以下だ。
『委員長+体操服+赤縁メガネ』
あらゆるニーズに対応するパターンである。なんだかよく分からない……という青少年のために吉野家的にたとえると、こうなる。
『大盛つゆだくギョク、けんちん汁付き』
更にラーメン二郎にたとえると、こうなる。
『ヤサイマシマシニンニクカラメ』
かつ六本木ヒルズにたとえると……キリがないので止めるが、とりあえず豪華絢爛!とかそんな感じだ。ニュアンスが伝わればそれでいい。
しかし、そんなのはただの机上の空論だった!と気付くのに、それほど時間は掛からなかった。考えてもみて欲しい。赤縁メガネをかけ、体操服を着たちょっと勝気のクラス委員長!(しかもエッチ!)その存在を。いるわけがない、否、いてはいけない。僕はそんなコスチュームに身を包んだ女性を前に『どうしてこんなことに……』としばし途方に暮れた。何の話か?何事も狙いすぎはよくない、という切ない人生訓だ。結局、スク水も体操服も委員長も、思い出の中にだけ生きているから美しいのである。そいつを無理に現実に引っ張り出しても、そこに待っているのは切なくて厳しい現実だけなのだ。無為なのである。
ここでやっと冒頭の話に戻るけれど、慣れないスーツ。僕はキャピキャピと浮つく新入生たちを眺めながら『あら、いいですね』の波が止め処なく押し寄せてくるのを感じた。しかし同時に『ああいうのは、性的なものがないからこそ、いいんだ!』とも思った。24年間生きてきて、ようやく至った地平がそれだ。
彼女らの日常生活と、今着ているスーツとの間に『ブレ』があるからこそ覚える性的興奮。全てのボンノウの起算点はそこなのであるが、そのボンノウが彼女たちに対して殊更にヒートアップするのはなぜか?それは、僕とスーツを着た彼女らとの間に一定程度の距離感があるからだ。だからこそ彼女たちは光り輝くのである。
このことは高校在学中にJKの制服には興味がなかったのに、卒業した途端に眩しく見えた!という、あの感覚にも通ずるのかもしれない。遠くにいるからこそ味わえる滋味みたいなもの、それは確かにこの世に存在するのだ。
そこにあって、それに近付こうとする行為。ダメとは言わないが、きっと大した悦びはないだろう。知ってしまうこと(=実行に着手してしまうこと)により、却ってかつてあったワクワク感、ドキドキ感が失われる可能性がある…という風に考えれば、むしろ損失ですらある。
もちろん以上の話は僕の主観だ。男が総じてこんな風に考えているワケでもないし『リクルートスーツじゃないと勃起しねえんだよ……』という深い罪業を背負っている人も台東区に5人はいると聞いている。そういう人はバンバン己の欲求に従って行動するべきであり、『遠きにありて』……なんて言ってる場合じゃない。ただ、多くの場合は『憧れ・郷愁』と『性欲』を倒錯している可能性がある、という話だ。
遠くから見ればこそ、虹は綺麗に輝く。
近付けば、それは全て儚く消える。
抽象的な話だけれど、僕は自分のボンノウをそんな風に捉えている。
人気ブログランキング
こそ乱したい。
むしろ責められたい。
今もまぶしいです。
そういえば大学の入学式も何故か心躍る一日だったな…なるほど…
なんかこうちんこがキュンキュンする感じといいますか。
肉さんのコスプレにはブレがあります☆
本気で仕事しろって思います。
その点イメクラ嬢は偉大ですね。
入学する前からセーラーにはビンラディンでしたがなにか?
思い出はきれいなままで残しておきたい!って感情と似ているような気がします。
長文失礼しました
感嘆しました。
いつか肉さんにお会いしたいです。
浅い自分に絶望しそうだけど。
詳しくおせーてー!
これには激しく同意します
ほんっとに高校時代なんてもったいあにことしてたんだぁぁぁ
リクルートスーツはたまらなくたまりません。どうにかしてください。
まさにそうなんです。スク水に対するモヤモヤがとれました。スッキリ!!
中学の頃、腋毛の処理をしていないスク水姿の女子に妙に興奮したのを思いだしました。
ちなみに自分も新人のリクルートスーツ姿に勃起するワンノブゼムです。
物食いながら読んじゃダメだなw
確かに!遠いからイィんですね!
超久しぶりに再会した元彼と遊んで切なくなったコトを思い出しました(´ω`)
今まさに、自分の中で手探り状態だったものが肉欲さんの言語化を経て、自覚できるようになりました。
ありがとうございます。
男のリクスーもあどけなくてすてき。
>更にラーメン二郎にたとえると、こうなる。
>『ヤサイマシマシニンニクカラメ』
食べきれないや。。。
しかし、最近高田馬場二郎は小麦粉の価格高騰の影響を受けて量がガクっと減ったらしいです。。。
でも今ならぎりぎり届くかも…合法で