「咥えろ」
冷たい声で言い放った富市は、サキコの髪をグッと掴んだ。
…という書き出しから始まる歴史的官能小説「アタシはタワシ〜最後のDV〜」を遂に脱稿、さあミクシにモリモリアップしよう、と思ったのですが寸でのところで思い止まった。危ないところだった…あと一歩で僕の性格、素姓、果ては性癖、あるいは性向、かつ性感帯、ひいては寿命などが白日の下に晒されるところでした。
しかしなぜ僕がそんな奇天烈な小説を発表しようかと思ったのか、それは日々の生活の貧困によるものです。やはりこのブログ、本来であれば日記を書く場所であるところじゃあ日記って何?ねえ日記って何なの?
「いや…日々の出来事を記すみたいな」
それをちゃんと言える?ねえ、それが本当ならアタシの目を見て喋ってよ?!喋れないんじゃないの?!なによこの意気地なし…!!早漏…!!
…というやり取りの末、杉田かおる夫妻は離婚に至った話はとみに有名です。それだけ日記を書くという行為は難しい。
というのもですね、まあ僕は本日、美容院に行ったわけなのですが、聞きたい?そんな話。
「マジ今日は美容院でさぁ、いきなり洗髪、いわゆるシャンプー?みたいなことされて、かと思ったら鋭利な刃物、いわゆるハサミ?英語でシザー、で髪という名のヘアーを、こう、チョキチョキと」
もう、身の毛もよだつつまらなさ。で、あれか。最後は写真をプリッとアップして
「こんなんなりました☆」
とかもうね、それはもうね、噴飯ものですよ。誰が男のビフォーアフターを見たいものかよ。
そうなるとやっぱ、エロ小説書くしかないじゃない。ねえ?分かるよねこのロジカルな展開。
あっ、でもあれかもしれんね。「明日は〜します!」みたいな日記を書いて、翌日に答合わせ的に日記を書くみたいな試みはいけるかもしれんね。これは画期的。コロンブスの卵的発想。
8月17日 水曜日
朝七時起床。清々しい朝。小鳥が鳴いている。
おはようジョン(セントバーナード7歳)。ハハ舐めちゃダメだよ。くすぐったいから。
よし、散歩に行こうジョン!海まで競争だ!タッタッタッ…ってどわー!何これ!油田じゃん!ゲヘゲヘヘ!これで富豪でんなぁジョンはん!よしゃ!ウチ帰ってこれからの傾向と対策をたてまひょ!
キキーッ!ドンッ!
ジョン!ジョーーン!!
(ジョン逝去)
こうなったら…裁判だ…!
こうして僕の訴訟は、始まった。
さあ、明日が楽しみだ。油田カモン。