『僕たちは死んだらどうなるの?』
生きとし生けるものであれば、誰しも一度は胸に抱いたことがあるであろうこの疑問。死んだら僕たちはどうなってしまうのか?ビックリするくらいの虚無?それとも来世までの準備期間がそこにはあったり?
懊悩は果てしなく、しかして答は出てこない。なぜかといえば、それはどうしても『死んでみないと分からない』世界の話だからであり、種々様々な仮説を立てることは可能だけれども、実際にそれを検証することは極めて難しいからだ。
果たして僕たちは死んだらどうなってしまうのだろうか……。
実験をすることはできないけれど、僕たちは想像する自由がある、力がある。未来を予見し危機を回避し、円滑な社会生活を営んでいる我々。それはひとえに僕たちに想像力が付与されているおかげではないだろうか。そうであればこそ、この『死後』というテーゼに対しても、我々の想像力をフル活用させれば、あるいは何がしかの答らしきものを導けるのではないだろうか。
死後の世界。
今日はその深淵に少しでも迫りたいと思います。
・・・
「どこなんだここは……」
気付いた場所には闇しかなかった。前後左右の別もつかないほどの完全な深闇。墨と見紛うくらいの漆黒で塗りつぶされた空間に、僕はいた。
自分は今、立っているのか座っているのか、そもそも寝ているのか起きているのか――それすら曖昧な感覚が僕を包む。
「一体何が……」
そこまで呟きかけた時に、不意に記憶がフラッシュバックした。
脳裏に蘇るのは、こと切れる前に見た今際(いまわ)の景色。
あの時、僕が生業として耕していた田んぼから帰る最中、確かに僕は突然やって来た巨大な鉄塊に――ダンプカーに、轢き殺されたのだ。
「僕は死んだのだろうか」
漠然とひとつの考えが頭に浮かんだ。
わが身を包む理解不能な暗闇は、ただただ己に倒錯感ばかりを与える続ける。
それはおよそ今まで生きてきた中で味わったこともない奇妙な、そして不快な感情を僕の胸にもたらし、だから僕は理の裏づけなど微塵となくとも、いつしか己の死を受容し始めていた。
死――
それが今、自分の許に――
「死んじまったのか」
どういうわけかその言葉は、歌うような弾むような調子で僕の口からついて出た。死んだことを楽観しているわけでは決してない。けれども今の僕は、必ずしも悲観しているというわけでもない。未だ判然とはしないが、もし自分が今『死』という状態に浸っているのだとしても、僕はこうして思考を紡げている。
かつて『人間は考える葦である』というようなことを提唱した学者がいた。そうであるならば、こうして『考える』ことを継続できている僕は、たとえ既に死んでいるにせよ、未だ人間であるということになるのではないか?つまるところ、生と死を分ける分水嶺となるのは、ひたすらに『肉体を具備しているか否か』という部分に帰着するだけであり、そうであるならば死というのは……
刹那、僕の視界を包んだのは突然の電光。
瞬時に世界は明滅する。
瞳孔が急速に収縮し、僕の目はたちまちに眩んだ。
『……のゲス……原啓……どうぞ……』
「なんだ?」
遠く遠く、茫洋たる海の向こうから響くさざ波よりも微かな声が僕の鼓膜を揺らしていた。視覚、そして聴覚。僕は五感の一部を、まるで数百年ぶりに取り戻したかのような感覚に捉われる。一体いま自分の目の前では何が起こっているのだろう、とは思うのだけれど、思考は儚く空転するばかりであった。
「実は今、将来の進路を迷ってて……海外に留学してみたいという気持ちはあるんですが、日本を出るのも何か怖くて。なので、直々にアドバイスをいただければと思いまして……どうかよろしくお願いします」
「分かりました。それでは失礼いたします」
徐々に視界が開けていく。明るい建物の中、そこには幾台かのカメラがあった。それはいつかブラウン管越しに見たテレビ局のスタジオとひどく類似しており、それ故に自分がおそらく今、何かの番組の収録現場に立ち会っているのだということを察した。
「それにしても、どうして」
僕の目の前には、気弱そうな一人の女の子が椅子に座っている。見覚えは全くないが、おそらく年齢は僕よりも幾分か下だろう。まだ幼さの残る体つきが、如実にその事実を物語っている。ただ、彼女の対面に座った男……不思議なことに彼とはどうにも初対面である気がしないのはどういうことなのだろう。彼と面識などないはずなのであるが――。
「え……?」
瞬間、彼は明確に意思のある視線を僕に向かって投げかけてきた。そんなバカな、既にこの世にはいないはずの自分の姿を識別できるだなんて――あり得えない――そう思った、僕はそう確信したのだ。しかし――
「見えます。あなたの背後には若い男性がいらっしゃいますね」
僕の目をジッとねめつけながら、ねっとりとした声で彼はそう語る。最早疑いようもない、彼には僕の姿が見えている!
……しかし、だからと言って何があるというのだろう。今さら慌てたところで、所詮僕が死んだという事実は覆らないのだから。
そう思っていた。
何の疑いもせずに。
「ちょっと私がコンタクトをとってみましょう」
その刹那、股間をニュングリとした感覚が包んだ。
僕はこの感じを知っている……これはそう、巷で言うフェラチオそのもの。豪雷、激嵐の類がスタジオの一部に大発生、まるで護摩祈祷でも唱えているが如き徳の高い舌使いが僕の局所をタージマハルし始めた。やめろ三蔵……!そこは…天竺じゃないっ……!
(まさか――そんなバカな――)
しかし既に死んでしまった僕には、その感覚に抗う術がひとつもない。
(ペロ……ピチュピチュ……スピリチュアル……)
フェラのリズムに合わせて、そんなピチュ音が僕の鼓膜の中で軽やかにサンバする。たまらない快楽と、得も言われぬ不快感が交互に僕に押し寄せる。見ると、彼は不敵な笑みで僕のことを見つめていた。あなたやめて僕のライフはとっくに0よ!しかし彼はそんな僕の懇願を嘲るように、執拗な攻めを展開した。ずっとお前のターン。僕は絶望した。
(ん?ここがいいんですか……そうなんですか……?まったくとんでもないエロ霊体ですね……ジュパアッ!)
「オウフッ!ちがう……僕はノンケだ……!」
そんな言葉の抵抗も空しく、目の前の彼はゆっくりとそして情熱的な様子で僕の股間に植わった御神木を舐めに舐め舐め新嘗祭。僕の股間の高天原は天叢雲剣から熾烈な攻撃を受け、ヒトマタノオロチはもう息も絶え絶えって感じ。
(オラオラ……オーラ、泉のようにグッショリですよあなたのケツマンコは)
「ち、ちが……ニャ……ニャーン!!」
(こうなっては屈強な農夫も形無しですね……)
「く……くやシイタケ……(ビクッ ビクッ」
僕は果てた。
恥辱と快楽の海の中で。
3輪「全てを委ねなさい」
酷分「初めて男にイカされてどう思った?」
(これからは僕の管理するスピリチュアル・ハウスで過ごすのです……)
フワフワと浮かび上がりそうになる意識の中、彼は一切の感情を感じさせない機械的な声を僕に投げかけた。その宗教的なボイスは、僕の中枢神経をゆっくりと支配し、気付いた時には彼の思うままになっていたのであった。
「――分かりました。あなたの前世はヨーロッパの王侯貴族であり……」
その後、彼が少女に向かって何やら言葉を投げかけていたけれど、今の僕には全てが空しく響くばかり。これからの霊魂ライフをくそみそに過ごすのも悪くない――頭に浮かぶのは、どうにもそのことばかりだったのだから。
筆者註:以上は【地獄通信増刊号 『サイコーの夏を逃さずチェキ!スピリチュアルな彼氏との初めてのニャンニャン体験100連発 〜数々の贈り物〜』】より抜粋いたしました。悪しからずご了承下さい。
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吹いたww
はじめに騙されたおwwwww
バロスwwwwwwwwww
途中からカオスwwwww
まあそれ気になっただけで面白かったですwwww
【肉欲より】
修正しました!どうもありがとうございます。
まさかの、くそみそ・・。
HA☆NA☆SE!!
本当に(ry
オーラ見たことないけど見てみようかなwww
三蔵に吹いたwwwwwwww
あと「ひぎぃ」と「らめぇ」を入れてくれたら完璧だったのではないかと、スピリチュアルなメッセージが。
新ジャンルですねこれは・・・
超真剣によんでたのに・・・w
本当に(ry
ニャ…ニャ---ン!!
言われたいwwwww
>僕のライフはとっくに0よ!
なるほどたしかに。死んだら使おう