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2007年08月30日

僕が夢見た『漫』 〜こしのりょう先生〜

 
 
今年に入ってちょぼちょぼとオフ会をするようになって、普段出会えない様々な方とお会いする機会が増えました。のんべんだらりと過ごしている毎日では接することのできない方とお会いするのは非常に面白く、自分自身の刺激にもなります。

そして今月末。
一体いかなる僥倖なのか、今回僕はプロの漫画家の先生とお酒を飲みに行く機会を賜りました。僕はといえば幼少の頃からマンガスキー、漫画家の先生とお会いできるチャンスがある!と聞いて逃す手はありません。犬のように尻尾を振りつつ、僕は先生の住まわれる埼玉の地へと向かう運びとなったのです。

今日はその時のお話。
僕がお会いしたのは講談社刊行の週刊モーニングにて『Ns'あおい』を連載しているこしのりょう先生です。


Ns.jpg


普段とは異なり、日記内にあまりネタ的な要素は介在しませんが、悪しからずご了承下さい。

・・・

8月25日 池袋

週末の池袋には沢山の人が行き交っている。僕は雑踏の中、今回僕とこしの先生とを引き合わせてくれたキタイさんという女性を待った。

「どうもお久しぶりですー!」

元気な声で僕の所へ駆け寄ってくるキタイさん。

彼女は6月末に新宿で行った東京オフで僕と対面している他、肉欲ラジオとかいうヘドロ極まりないネットラジオにも幾度か登場していたり、またmixiで絡んだりと、様々なシーンで僕と懇意にしてくれている。まだ若いのに。こんなブログにハマってしもうて。僕が親なら108回ほど出家させますけどね……。

ある時、キタイさんが「私、漫画家のアシスタントしてるんですよね」と教えてくれたことがあった。無類のマンガスキーとしてはその情報をスルーできず、半ば脊髄反射的に「えっ、どの人のアシをしているの?」と問うていた。キタイさんは「口外しないで下さいよ?」とエクスキューズを付けた上でこしの先生のアシスタントをしていることを教えてくれた。

話は一旦そこで終わる。僕の中では『キタイさんは漫画家のアシスタントをしているんだ』という情報を得たのみで止まり、別段それから何かが広がるとか、広げようなんてことは思わなかった。

そんなある日、僕がいつものように暇に任せてラジオをしていると掲示板にキタイさんからの書き込みがあった。僕は、ラジオの掲示板に書き込みをしてもらうと一通りは反応するように心がけているので、キタイさんの名前を見た時に

「仕事頑張ってる?今度僕も先生にお会いしてみたいですねー」

というようなことを喋ったように記憶している。それは明らかに軽口の類でしかなく、実際のところ本気で先生に会えるだとか、会おうだとかは思っていなかった。

けれど数日が経つと、キタイさんから思わぬメールが届いた。

「肉欲さん、先生が8月の下旬なら都合が付きそうだから飲みに行きましょうよ!」

思わぬオファーに戸惑う僕。その時の気分を

『偶然買った宝くじが30万円の当選を果たしたような気分』

と言えばあるいは伝わるだろうか?もしくは

『ダメ元で告白したクラスで3番人気の女子から義理と本命の中間くらいのチョコを貰ったようなワクワク感』

の方が分かりやすいだろうか。いや、そんなことはどうでもいいじゃないか!僕はこしの先生の話がしたいんだ。話の腰を折らないでくれ!

そんな感じで邂逅の誓いはにわかに現実味を帯び、僕が北海道だ鹿児島だとクレイジーなオフ会トラベルを繰り返しているうちに、決戦の金曜日がやって来たのである。いや、土曜日だったかな?だからそんなことはどうでもいいじゃないか!

東武線に揺られてしばらく。80人でオフをした時でも大して緊張はしなかったけれど、この日はバカに緊張したことを覚えている。

「き、キタイさん。先生は僕みたいな者が管理・運営しているクズブログを読んでらっしゃるのかな……?」

読んでないんじゃないっスかねー!ハハ!」

き、気まずぃー!いや、オフ会をする時なんかは、正直ある程度の安心感を以て臨める部分が確かにあり、なぜなら参加されている方は(ブログというフィルターを通して)僕という人間を知ってらっしゃるからだ。その上で皆さんがオフ会に参加されている、という事実がある以上、こちらとしても

「じゃあ、そんなに悪い印象は抱かれてないんだな」

という気安さで参加できるのだ。

けれど先生は僕のことを知らない。「何か九州の端っこで無駄に二酸化炭素を排出している小僧がのこのこと埼玉にやって来るらしいのう。ブチ殺してくれるわ!グハハ!」とかヨハネクラウザーU世みたいになってたらどうしよう!ヒイ!と、僕の脳内妄想特急は加速度を増す。刹那、暗くなった車窓に僕の顔が映っているのが見えた。前日の深酒のせいか、おそろしく顔のむくんだ男がそこにいた。ヤダ、あたいったら……眉毛の手入れもしてないじゃない……!もう23年くらいしてないじゃない……!いやぁ……!いやだよぉ……!ビクビク。


――そんな1セントにもならない下らないことを考えていると、僕らは駅に着いていた。良くも悪くも僕らしいっていうかね。


「あっ、あれが先生ですよ!」

オイ!キタイ!目上の人に向かって『あれ』とは何事か!ひかえおろう!と、僕の中の助さん・角さん部分が登場しかけましたが、強靭な胆力でそれをグッと押さえ込むと僕は先生の下に歩み寄る。全く世が世なら切り捨てられてますよ彼女は。

「ど、どうも!に」

葛藤、勃発。いいのか?!初対面で「どうも!肉欲棒太郎でオマ!」とか言ってしまっていいの!?それはたぶん社会人的にはアウトだぜ、絶対に!脇には鉄道警察、これはもう答はひとつであります。

くよくぼうたろうと申します!

社会人としてはダメでも、ブログ管理人としてはいつだって満点を狙いたい。死ぬときは常に前のめりって、決めているんだ。駅の一部に激烈に卑猥な単語が響き渡る。まあその後、光の速さで本名を名乗りましたけれども。

こしの先生は背の高いお方でした。非常に柔和そうなご尊顔をしており、そこで僕の緊張も幾分か解けた。マジこれで力也みたいなのが出てきたら喋るより先にマイ小指を詰めようと思ってましたからね。僕の懐中に忍ばせた和式ナイフ・肥後守に登場賜ることがなくて良かったですよ……。

「じゃあ行きましょうか!」

行きます!スピードの向こう側まで……とかトチ狂ったことを思いつつ、こしの先生に随伴する僕。この日、先生はご家族でいらっしゃっており、だから場には奥様とお嬢さんもいらっしゃっていた。増々自分が場違いな気がしてくる。しかしダイスは既に振られている、僕は僕のベストを尽くすしかないんだ!

歩いて程なくして、僕らはとてもお洒落な居酒屋に入店した。茶室の入り口ほどの小さいドアから店に入ると、そこは間接照明がキリッと利いた落ち着いた居酒屋。すまん、茶室の入り口は言い過ぎた。

皆がそれぞれ飲み物を注文すると、徐々に会話が回り始める。今回の一連のことは、一応ブログにアップすることへのご理解を頂いているので、常識の範囲内でその時の会話を上げ連ねていくことに致します。


――漫画家になろうと決意されたきっかけは何なのでしょう?

「昔から結構描いてはいたんだけど、中々発表するまでは至らなくて。だから一時期はサラリーマンをしてたんだけど、その頃は丁度うちの奥さんが看護師をやってたんだ。それで、仕事の愚痴を聞いていると『あれ?これって漫画のネタになるんじゃないかな……』と思ってペンを取ったのが、今の連載のきっかけになったかな」

――では『Ns'あおい』に賭けてみたと……

「そうそう。もしこれでダメだったら漫画家としての仕事は諦めようと思ってたんだよ」

――周囲の反対も強かったのでは?

「それは強かったねー。実家の両親なんて大反対してたもの。でもドラマになって、こうして連載が続くようになると手の平を返したようになって(笑)」

――でもご理解が得られるのは嬉しいですよね!

「そうだねー。帰ったらサインを頼まれたりもするけど、そういうのってやっぱり嬉しい。でも俺ってサイン描くの遅いんだよなー」

――そうなんですか?

「うん、ついついじっくり描いちゃって。だから少し苦手かも。そういえば、肉欲くんは僕の漫画のどの辺りが好きなの?」

――僕は、もちろん医療現場を緻密に描いた部分も好きなんですが、それ以外で登場人物のキャラクターを掘り下げるような描写が好きです。人物に厚みが出てくるので……特に○×号で先生とあおいの弟が会話をするシーンとか『ああ、男ってこういうとこあるよなー』という感じですごく好きでした。

「ああ、あのシーンかあ。あれはねー、ホントはもっと長くしっかりと描きたかったんだけどね……ページの都合上どうしても」

――個人的には十分伝わってきましたよ。

「ずっと連載していると、そういうのが段々分からなくなる時もあってね。今は医療のことを描いているけど、そういうのって一種のトレンドもあったりするでしょう?ドラマとか他の漫画とかでも医療モノは沢山あるしね。そういう時、自分の描く目線はこれでいいのか?もっと別なアプローチがあるんじゃないのか?っていう疑問は、やっぱり尽きない」

――手前味噌になりますが、ブログなんかの場合は読んでくれた人のレスポンスが早くて参考になる部分はあるんですが、先生の場合はどうなんでしょう?例えばファンレターとか……

「ないない!全然こないよ(笑)あと、今は個人情報の関係で手紙の取り扱いとかも色々難しいみたいだよ」

――僕が小さい頃なんかはしょっちゅうファンレター出してましたけどね。でも、大先生になると全部紋切り型の返信しかないんですよね、絵葉書みたいな(笑)

「どんな漫画が好きなの?初めて読んだ漫画とか……」

――物心付いて初めて読んだ漫画は、やはりドラえもんですね

「あ、俺と一緒だ(笑)」

――やっぱりそこは外せないでしょう(笑)あとはドラゴンボールとか……。

「ドラゴンボールは俺も学生の頃ジャンプで熱くなってたなー。そういえば肉欲企画っていうのはナニワ金融道から取ってるんだよね?青木先生の漫画が好きなの?」

――大好きですね!自分が法律関係の勉強をしているっていうのもあるんですが、それを抜きにしても好きです。お弟子さんが描いてるカバチタレとかも。そういえば、漫画家の先生同士の交流とかって結構頻繁にあるんですか?

「うーん……俺はあんまりないなあ。年末のパーティとかで会話はもちろんするけど」

――お忙しいですもんね……やっぱり漫画を描く仕事というのは激務なんでしょうか?

「忙しいのはやっぱり忙しいよ。でもうちの仕事場は結構みんな仲良くて、仕事の後とかに皆で映画観たりとかしてる。あと、キタイさんの描いた漫画にアドバイスしたりとか」

『もー、先生やめて下さいよ!』

「いやいや、キタイさんは向上心があって素晴らしいよ。彼女は絶対成功すると思う。頑張って描き続けることが大事だよ」

――僕も応援してます

『いやいやいや、ホント勘弁して下さい(笑)』

・・・

と、こんな感じで概ね和やかなトーンで酒宴は進み、その後は僕が漫画業界の話を聞いたり、反対に僕が今勉強していることを聞かれたり、と常に会話が途切れることなくあっという間の3時間。途中、奥様から「いやー、この人(=僕)は何をやっても成功しそうな気がするわー!」と勿体無さ極まりないお言葉を賜りました。でも奥さん、僕は新宿で便を漏らす23歳なんだぜ……既に人生レベルで失敗しております……あの時は言えなかったけど……あの時は言えなかったけど……!

楽しいお話を聞かせていただいた上に、すっかりご馳走になってしまい、本当に恐縮することしきり。23時前後にお店を出て、道中を案内してもらってからこしの先生とお別れしました。次の日もお仕事があるというのに遅くまでお付き合い頂いて本当にありがとうございました!

・・・

こんな感じで【僕が夢見た『漫』】の第一回目は終了です!まあこのタイトルは思いっきりそよさんのところのパクリなんですけれども。ついでに第二回目が来世紀くらいまで訪れそうにないんですけれども。けど、そんなのって小さい問題だよね!

いやーそれにしても、まさか本職の漫画家の先生にお会いできる日が来ようとは。ブログやってて良かったですよ本当に。90%以上はキタイさんのお陰だという鋭すぎる正論にはこの際目を瞑って。正しすぎる意見はいつだって心を抉るんだ。

そしてあの日、先生が僕にNs'あおいの最新刊を下さいました!調子に乗った僕は、失礼を省みず

「あの、サインを頂いてもよろしいでしょうか……?」

と暴挙のようなオファー。しかし先生はそれを快諾して下さった。良かった、言ってみるもんだ!本当にありがとうございます!



Ns2.jpg



まさか先生も生きているうちに『肉欲』だなんて言葉を直筆で書く日が来るとか思ってなかっただろうなあ……「記録より記憶に残りたい」だなんて言葉があるけど、こんな形で記憶に残っちゃってどうすんのよ俺……。


肉欲企画はNs'あおいを応援しています。


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・・・

そこはかとなくオフレポを書き始めました
posted by 肉欲さん at 19:30 | Comment(25) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
なんでなのかはよくわかんないんですが
読んでたら、生きる気力みたいなのがわいてきました。
なんでだろう?
でもありがとうございました★
Posted by きなこ at 2007年08月30日 19:52
「9月はマジ狂ったように更新したい。」

楽しみにしてますよ棒兄さん!!

てかプロの漫画家さんて
すげぇ
Posted by at 2007年08月30日 20:03
肉タソ羨ましすぎだろ…常考
Posted by 豚足 at 2007年08月30日 20:04
おぉ・・・まるでインタビュアーのように見事な話し運び。何だか読んでて和みましたw
Posted by 一花 at 2007年08月30日 20:14
漫画家さんとの会食ですか、羨ましい限りです。
やはり肉さんの人徳のなせる技ですかね( ^ω^)
Posted by 茂吉 at 2007年08月30日 21:15
羨ましいw
Posted by 冨樫 at 2007年08月30日 21:58
漫画家さんに会えるなんてなかなか貴重な体験しましたねぇ。
この調子で、次は安部首相あたりいってみましょうよ。
(´・ω・`)ノ
Posted by 太陽 at 2007年08月30日 22:06
おー肉さんくらいになるとそげなことがあるんですねー。
ふつーにうらやましすぎるんですけどww
Posted by のどあめ at 2007年08月30日 22:10
一漫画オタとして実に羨ましい!(^ω^ )
Posted by はっさん at 2007年08月30日 22:50
すごい経験をしましたね。ちょっとうらやましいです。なにやっても成功しそうという意見には同意です。
Posted by M2 at 2007年08月30日 23:38
非常に興味深く読めました。
Posted by at 2007年08月31日 00:00
いいなぁ…肉さんの人脈の広さはハンパないですな☆
Posted by ゆう at 2007年08月31日 00:07
初めてコメントさせていただきます!!
肉欲さんの緻密に計算された文章に感銘を受けました!!
これからのご健康とご多幸をお祈りしつつ
今後とも拝見させていただきます。
Posted by 和狼 at 2007年08月31日 01:00
こちらこそお忙しい中、しかもこのような素晴らしい記事にして頂き、有難うございました。
先生も大変喜んでおりました。
全ては肉さんの人徳が為せる技でございます。
先生の身長ズバリ当ててましたしね!

第二回目は私になるはず、と宣言して失礼致します。
もう身元明かしちゃったので無闇にシモネタとかいえませんね。セックス。
Posted by キタイ at 2007年08月31日 02:00
行動範囲、ハンパなく広いっすね。
俺もそろそろ外に出ようかな。富樫も働くみたいだし…
Posted by at 2007年08月31日 04:44
漫画家の先生ではありませんが、ビーバップハイスクールの加藤浩史のモデルになった方と東京、吉祥寺にて懇意にさせて頂いてます。
なにやら地元でビーバップハイスクール作者のきうちかずひろ氏と友人で、加藤浩史氏(本名)の高校時代を描いたのがあの漫画なんだそうです。
肉欲さんとの対談とか楽しそう!

Posted by キヨ at 2007年08月31日 08:32
あぁ・・・肉欲さんがもの凄く遠い存在になってしまう・・・早くホモセックスしないと・・・
Posted by 筋骨 at 2007年08月31日 09:41
肉さんすげーよ肉さん
Posted by at 2007年08月31日 10:04
太ってない頃のカバチタレの作者に少し似てる俺が来ましたよ
Posted by ありしあ at 2007年08月31日 10:45
肉さんの歳火とか内藤シリーズとかをキタイさんが漫画化して漫画『肉欲企画。』を描けばいいと思うよ!!思うよ!!
Posted by at 2007年08月31日 11:21
肉欲さんが人を本当に尊重できる方なので、先生も奥さんもキタイさんも肉欲さんも、みんなが心地よい時間を過ごすことができたのでしょうね。肉欲さんという人間に、なおさら興味が湧いてきました。
Posted by 深海 at 2007年08月31日 13:54
やっぱり初対面でもしっかりと会話ができるんですね!うらやましいです!先生は肉欲企画の事知ってらしたんですね
Posted by ふむ。 at 2007年08月31日 14:09
すごい! インタビューも的をえていてさすがです!
Posted by at 2007年09月01日 03:57
あ、こしのりょう先生だったんですか!BBQの時に聞いた時は伏せていたから気になってましたよw
Posted by ニッシー at 2007年09月03日 08:10
キタイさん、そぅだったのか。すごいな!
肉さんの記者ぶりも見事ッス!

ってか埼玉って。いつの間に関東に…w
Posted by ЁmÅ at 2007年09月04日 12:53
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