・・・
オフ会に関するメールは明日全部返します。
しばしお待ち下さい!
・・・
【嫁はんの知っている夫は、飲み友達が知っているその男とは随分、違うものだ。
「いやぁー、この間の飲み会はもう大変だったよ。高橋のヤツが酔い潰れちゃってさー。手当たり次第、その席にいたネーちゃんのオッパパイは触るわで、本当まいったんだよな」
夫が帰宅して、妻にしゃべる飲み話の主人公はいつだって友人だ。決して自分がメインではない。”その時、オレは横で見ていて、大変迷惑した”というのが夫のアリバイだ。
しかし実際はその会にいたメンバーの中、都合の悪い一人はいなかったことになっている。どうして自分が、気持ちよく酔っている友人を見て、ただそれだけで満足できたのか?
その疑問は、単に自分の横に愛人も同席していたに過ぎない。】
[みうらじゅん著 『LOVE』(角川文庫より刊行)より抜粋]
こと嘘をつくことに関して、男性が女性にうち勝とうと思うならば、それはほぼ不可能なことであるように思う。それは別段、女性が特別に嘘を吐くスキルに長けているとかそういうことではなく、単に男性一般が嘘を吐けない、あるいは生真面目すぎる、という部分に起因しているような気がする。つまり、男性はよく墓穴を掘る。
引用したみうらじゅんの言葉は、全く正しい。男はこういう風にして、頻繁に下らない嘘をつく。もしくはそれは捏造体質、と言い代えてもいいだろうか?実際に我が身に起こったあれこれを捻じ曲げ、事実をなかったことにする。あるいは、自分とは全く別のところで起こった出来事のように語る。そういう素養が男性にはあるように思う。
「これは友達から聞いた話なんだけどね……」
男というのは、いやまあ勿論女性もこういう物言いはよくするんだけれど、一応そこまで説明していると紙面が足りないので割愛しますが、とにかく男。男が『友達から〜』と語り始めた時は概ね二つのパターンに分けられる。
1 友達の武勇伝を語る場合
「この前、オレの友達がさあ、歌舞伎町でヤクザに絡まれたわけよ!んで、そいつってのが見た目は普通なんだけど空手の有段者でね。もうあっと言う間にヤクザ3人をボコボコにしちゃって!すごかったぜー」
こういう語り口の場合、それは本当に他人の話だ。だってその人が空手の有段者でないことは周りにも分かっているからね。この場合、自分以外に起きた興味深い話をすることにより、会話の中心に自分を据えたい!という男の浅ましい心が明白に際立っている。居酒屋に閉店時間までいれば、この類の話は300回くらい耳に流れてくる。これは元居酒屋店員の僕として、まず間違いないものだと自負している。
2 他人の恥ずかしい話を語る場合
「高校時代の友達の話なんだけどさあ!そいつが初めて彼女とヤろうとした時、そいつ彼女の家でヤろうとしたワケよ。まあお互い初めてで、やっぱそういうのって色々手間取るじゃん?!それでも何とか『いざ挿入!』ってとこまで漕ぎつけたわけよ。でも彼女も恥ずかしがるからさぁー、やっぱ『電気消して……』ってなるんだな!まあお互いウヴだからさぁー、電気を消してカーテンを閉めて、それでいざ!ってなるんだけど、そしたらそいつがどうしたと思う?間違えてアナルに入れちゃったのよ!ア・ナ・ル!当然彼女もブチキレよ!それで結局そいつはセックスもできなくてさぁー、すぐにフラれちゃってたね。それからそいつのあだ名は俺らの間で『アナル大王』とかになっちゃって〜……」
居酒屋に一晩いれば500回は耳に入ってくる類の話である。この事例において男は
『その場にいない』
『誰も知らない旧友を』
『こきおろすことによって』
相対的に己の地位を高める方法に出ている訳なんだけれども、こういう場合は大抵ご自身の体験談であることは、まず間違いない。
『あいつはホントにどうしようもないヤツでね……』
とかいう枕詞がつけば、自分の経験談である可能性は限りなく100%に近づく。
虚実織り交ぜて、という言葉がある。これは読んで字の如く、【嘘とホントをごちゃ混ぜにして】という意味であるが、男ってのは実に虚実織り交ぜて語ることが好きな存在であるように、最近思う。それはおそらく自己保身とか、虚栄心とか、そういう精神が複雑に相俟った上でのことなのだろう。
結局、男の嘘が露見し易いのは、このようにして『実』を混ぜているからではないか、と個人的に思っている。ホントのことは語れないけど、どこかで真実を混ぜて語りたい!というカルマのような気持ちが、全ての男の心の底に沈殿しているような気がしてならない。そして虚と実を繋ぐ部分があまりにも不自然だから、男の嘘は簡単にバレてしまう。論理矛盾が多いからだ。もちろん例外のような男もいる。でも、大抵の男ってそんなもんだと今、自戒を含めて述べている。
だから上述した例の(1)あるいは(2)の場合であっても、結局その後には自分語りが始まるものだ。(1)の場合で言えば、その後は
『いかにして自分がその様な屈強な男と友達でいられるか』
を語るのであるし、また(2)の話であれば
『自分の初体験の時はどれほどスマートに運んだか』
といった感じになろうか。全ては自分を大きく見せるための布石である。あるいは、冒頭のみうらじゅんの例で言えば、己のカルマから目を逸らさせるための煙幕である場合も多い。
とかく男は『ある程度の嘘』と『ある程度の事実』を良い具合に混ぜれば、自分が本当に隠したいことを隠しおおせる、または小さな嘘を吐くことで大きな自分を演出できる、という風に思っている節がある。
別にそれが悪い、とかいう話じゃない。嘘だって死ぬまでバレなきゃそいつは真実になり得るし、生きていれば必然的に吐かなければならない嘘だってあるだろう。浮気をしたことを、罪悪感に押しつぶされてバカ正直に白状する輩は万死に値すると思うし、
『ある一定の真実は嘘を吐くことでしか語ることができない』
という舞城王太郎の言葉も確かだと思う。
けれど問題は、どうでもいいところで嘘を吐く人間があまりにも多いという現実だ。ここからはもう僕の主観に過ぎて、おそらく読み進められるうちに嫌悪感を抱かれる方も相当数多いとは思うのだけれども、それでも一度ハッキリさせておきたいことではあるので、今日に限り特に推敲もせずに書くことにする。
・・・
たとえば、飲み会の翌日、恋人の前でこのように語る人が、日本全国を探せば必ずいる。
「昨日の新歓?ああ、結構盛り上がったよ。なんか小田とかすごい舞い上がっちゃってさ。小田好みの女が何人かいたからだろうなー、もう飲みまくり。オレもその流れで飲まなきゃいけないみたいな感じになっちゃって、ホント参ったよ。そしたら小田のヤツ、最後にはブッ潰れちゃって。結局オレと小田は最後に漫喫に泊まるハメになっちゃったし、もう散々だったよ」
よく読めば分かるとは思うのだけれども、これはアホの物言いである。小田が相当のブス専でない限り、その場にいた女性は確実に彼氏にとっても満更でもないはずだし、かつ、この文脈で小田に対して『やれやれ……』といった空気を出している割にはこの彼氏、やたらノリノリである。また、漫画喫茶に泊まったということはイコール終電がなかったはずなんだけれど、じゃあその場合他のナオンはどうしたというのだろうか?まさか彼氏と小田も、秩父の山奥に住んでいた訳でもあるまい。他の女性は帰宅しているのに、どうしてお前らだけ漫喫にいるの?って話だ。
結局この文脈で彼氏が演出したいのは
【小田に迷惑をかけられた可哀相なオレ】
という一点のみであり、かつ、彼女に隠したい事実は
【新入社員の娘と(あるいはその他の女と)朝までフィーバーしてました】
という部分であることは、ほぼ確実である。というか、僕はよくこういう嘘ついてたからね。分かるんだよ、自然と。ソースは間違いなくオレ。
何かを守ろうとするから、どこかに綻びが生まれるんじゃないだろうか。
事実を無理に改変しようとするから、必然的な歪みが生じてしまうのではないだろうか。
だからこの場合、彼氏としては
「昨日の飲み会?あー、楽しかったよ。詳細?覚えてねーよ。つーか頭痛いから寝る」
くらいに止めるのが最善だし、もしこれ以上言葉を紡ぐのでれば、それは男に後ろめたい事実があるからだ。えっ、疑われてるのかな?!という過度の警戒心をして、男を弁舌にさせるのである。だって普通、彼女に対していちいち飲み会のアレコレとか喋んないでしょ。もちろん付き合い方は色々あると思うけれども。
それに、小田君の人となりは僕には分からないけれど、自己保身のために小田君の人権をないがしろにしていいはずがない。これがもの凄くピュアな彼女だったらば、どうなるか。
【小田君=彼氏を連れまわし、私に寂しい思いをさせた野良犬】
と脳内変換されることはまず間違いないわけで、彼女の中の印象の小田君は最悪である。実際、小田君は何もしてないのにも関わらず、だ。もしかしたら彼女の中では終生『全世界の小田=ロクデナシ』というイメージすら付きまとうやもしれぬ。それだけの大罪なのである、この文脈での嘘というのは。
ということで、こういう状況でヘタな嘘を吐く男というのは本当に勘弁して欲しい!具体的に言えば
『あの夜の肉欲がさぁー』
『マジ肉欲の酔い方っていったらヒドかったぜ』
『肉欲とはもう酒を飲まないよ』
『肉欲は早漏』
『肉欲は死ね』
みたいなことを、ほんっといけしゃあしゃあと語ってくれた僕の友人たち、今だから言えるけれど、大学時代に僕がそれによってどれだけ苦労したことか……!!いわれもなく
『肉欲って最悪らしいよ・…!』
と数々の女性陣からあらぬ嫌疑を掛けられたことか……!お前ら一度でも想像したことがあるのでしょうか。マジでミジンコ以下の扱いだったぜ、学部時代は。
もちろん僕だってスネが痛い部分がないわけではないけれどもさぁー!?全然見ず知らずの女のオッパイとか激しく揉んだ夜もそりゃあったよ?!でもよ、お前らだって揉んでたじゃん!揉みしだいておられましたやないの!何してはるんですか岡村さん。
それなのに、だ!どうして、下関市民だけがいつも泣かなければならないのか。頑張った長州民は、明治維新が終わればポイってわけ?
もうやめましょうよ、嘘を吐くのは。吐くべき状況以外では、お互いフェアにいきましょう。嘘を吐くならとことん吐く、ホントのことを話すならとことん本音で……と、この姿勢な。
ブログとかでもさぁー、過去の彼女とのことを
『あれは丁度、雪が溶けかかった啓蟄の頃のことだった……』
『友恵、オレ、本当は』
みたいな、そういうの、ホント勘弁してくれ!耳がもげるし目が腐る。そういうのはYOSHIに任せておけばいいじゃん!君が語るべき内容は『あの日僕は、終電に向けて必死に甲州街道を走った』とかそんなペディグリーチャムみたいな内容ではなく、もっとこう
『阿佐ヶ谷の四畳半で腰が弾け飛ぶようなファックをしました!!5回!』
とかそういうことなんですよ。僕らが欲しいのは『ナマ』のその部分だし、そういうのじゃなくて『彼との最後の夜は、麻布だった』みたいな綺麗な文章が読みたかったら、僕らはダッシュで書店に行くって。村山由佳を読むって。
とかまあ、まとまりのない文章になりましたが、もっとこう素直に自分をさらけ出していく風潮が少しでも出来上がればな、と思って已まない僕です。急に、とはいかないでしょうが、X軸にピタリと沿っていた直線が1度でも上に向いていけば、何百年後かには大きな前進になるのだし、そのような効果を願いながら今日はキーボードを置きます。ちなみに僕は童貞です。
人気ブログランキング
生きててよかった。
糧にさせてもらえて。
そして狂ってる。
そこにしびれるあこがれる。
く、黒チンコのくせに!!!!11
てか、もしかして肉さん村山由佳さん読むんですかー(>∀<)?!俺好きなんですよ〜www
肉さん黒チンコぢゃなかったんや…人を文章で判断したらァカンのね。。
>ちなみに僕は童貞です。
意味のない嘘がこんなところにも。
村山由佳はないよ。
何でだろうな。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070615-OHT1T00180.htm
俺にはまだ戸田恵梨香がいる!
違うだろ、と。オトコが護るべきものは他にあるだろ、と。
うすら寒い空気が漂う今の世で、肉欲さんのような筋の通った変態がもっと増殖すればいいのに、と思う今日この頃。
あたしかっこ悪いわーー