肉欲企画。

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2007年03月30日

全部小さなこと

♪いつか最高の自分に 生まれ変われる日がくるよ

(by Every Little Thing『Dear My Friend』)

 
それは10年前の話です。何かのCMでこの曲が流れているのを聞いた僕は脳髄に電撃が走ったような気持ちになりました。

「ぼ、僕みたいなクズでも、いつか最高の自分に生まれ変われる日が来るやて!」

そんな幸福への特急切符が世の中に存在するという事実をビタイチ知らなかった僕はこの日見事開眼、いつか最高の自分に生まれ変われる日がくるのなら、その日までパーフェクトに屑な人生を送ってやろう、なに大丈夫、いつか最高の自分に生まれ変われる日がくるのだから……そんな思いを胸に携えた。世の中うまいようにできておまんなー。

それから10年経ったよ。最高の自分に生まれ変われる気配、おいおい一向にねーよ?いくら屑になるってもそろそろ限度があるって。つーかいい加減下を見て自分を肯定する人生も限界に近づきつつあるわ。いねえんだもの、下が。人生規模のストップ安だよ。

聡明な人には既にお分かりかと思いますが、今回僕は持田K香織氏に完全に騙された形です。本当、女っていうのは魔性だな。コロリと騙されたよ。いや勿論分かってんよ?持田氏にしても俺のこんな憤りをテクニカルにスルーするスキルを持ち合わせてることなんかよー。

「当方は『いつか』と申しました。期日の到来日は明言していません」

つまるところ肝臓ガンで末期状態になり流動食ライフを謳歌しているその瞬間、神が舞い降りて劇的に生まれ変わる瞬間だってあるかもしれない!いきなり男の男部分(学名:チンコ)が45cmくらいにはなるかもしれないわよ、というロジックでもって僕の不満をサラリとかわす手はずなのは明確です。よしんばその老人(≒肉欲)が死の到来のその瞬間まで生まれ変わることがなかったとしても、そこはホレ、死人に口なしなんですよ!悔しいビクビク。

全体、最近の風潮としてこのような甘言が流行ってる気がするんよ。いつか、いつかきっと君にもいいことがある!なぜなら君は、尊い『君』という存在なんだから!みたいに、論理的な正確性が一切担保されていない言葉の渦な。全くそんなことを囁く人間は軒並み弾け飛んでしまえばいいと思う。

現実にあった話です。僕が受験勉強に勤しんでいる時、一人の女性がさめざめと泣いていました。聞くと、模試の結果が悪かった、とのこと。

僕はその娘が一切勉強をしておらず、あまつさえ彼氏とわいのわいのクチュクチュマチュピチュな日常を謳歌していることを知っていたので「結果が悪くて当たり前じゃない。加持祈祷にでも勤しんで、その上で結果が悪かった、だから神が憎い!みたいなそういう涙なのかな」と思っているとどうも風向きがおかしい。このままだと受からない、みたいなことをブツブツと呟いてらっしゃる。うーん、アバンギャルド!

そこまでは別に良かったっていうか、己が勉強していない以上、いかなる不利益もそれは当人が全てまるっと甘受すべきである、まあせいぜい親の懐が痛む、くらいのものですので、こういう時は積極的に無視するのが一番だと極めて現代っ子的な感想を抱きました。したところ、どうもその娘を慰めている女子がいた。声がでかいもんだから自然とその声が鼓膜をノックしてきた形です。

「大丈夫だよ、きっと受かるよ!」

「エグッエグッ、そうかなぁー」

『きっと』『いつか』。何だよその心地のいい言葉。だから今思い返してみると、これらは一種のシャブであってその瞬間は受け取り手として非常に心地よい言葉です。しかも中毒性とか依存性があるから怖い。

なぜならそのようにして『きっと受かる!』と上佑メンバーのような目で優しく慰めていた女子、一切実質的なアドバイスをカマしてなかったのだもの。大丈夫だよ、そのままのあなたでいいんだよー、ってお前、啓蒙活動家ですか。そこに愛はあるのか?マジでよー。つーかアレだな、慰めている自分を作出することによって己のプライオリティを高めるタイプだね、ありゃ。

なぜかこの辺りになって僕の怒りはボルテージマックスにまで高まり、当時患っていた胃炎も僕の心の中のランボー部分を力強く後押し、結果として僕はその泣き叫ぶ娘のところに赴き

「まあ模試の結果は残念だったけどよー、泣いてる暇があったらさっさと勉強した方がいいと思うよ?つーか自習室で雑談カマしてくれてんじゃねーよ、犯すぞ!?!」

的なメッセージをスピリチュアルにお伝えしたところ、見事翌日から『鬼畜』の二文字を拝受いたしました。優しさって、痛みが伴うよね。

つーかさ、本質的な優しさって難しいですよ。いや、確かに精神的なケアが必要なのも分かる。TPOっちゅーのは確かに存在する。しかしながらよー、延々と傷口にマキロン噴射しててもキズは治らないんじゃないですか。たまには乾かしたり動かしたりして、そういう風にして血小板は適切に働くんじゃないのかい。

そこにあって「大丈夫、大丈夫」と囁き続ける行為、これは必ずしも善じゃねえよ。ハチクロの森田も言ってますよ?大事なのは転ばない方法を教えることじゃなく、転んでも何度でも立ち上がれることを教えることだ、って。チクショウ、掘りたい……。

いやいや、僕は別段ホモではありません。最近どうも巷ではそのような嫌疑が高まっているらしくてねー。普通にマンコ原理主義者です。勘違いは御免被りたい。それはどうでもいい。とにかく僕ができるのは事実の摘示だけですが、結果的に言えばその時パーフェクトなメンタルケアを施されていた涙娘は華麗に受験に失敗し、スピリチュアルなメッセージを送っていた慰め娘は慶応大学に合格した、というその点のみです。脱兎のような勢いで東京に去っていったよ、あの娘。多分浪人したあの娘に対してもノーフォローだな。

世知辛い世の中です。優しい言葉のひとつも欲しい!と思うのは人情ですが、でもそれも程ほどにして下さいっていうか、特に持田さん。僕みたいな純情少年が完膚なきまでにあなたのリリックによって人生を左右された、という事実は正直どこにも存在しないので別段落ち込まなくてもいいですよ。歌に人生が左右されるほど、僕の感受性は豊かではないのです。切ねえー。

ちゅーか昨日有線であの歌を久しぶりに聞くまでそんな歌が存在していた事実すら忘れておったよ。結局あらゆることは全部小さな事(every little thing)ってことでね!アハー!


【今日の日記】


自宅の鍵を見事に紛失しました。ダイエーに買物に行く、その道すがら。

しかし僕の中には勝算があったわけで、それは正に『出掛けにベランダを開けていた』という完全無比なファクト。備えあれば憂いなしを綺麗に体現した形です。リスクヘッジやわー。

とは言え問題があるとするならば、それは僕の家が5階建ての5階に存在するってことかな。SHINOBIよろしくベランダからドロンと我が家に侵入する目論見でしたが、これは一歩間違えれば来世へのデスダイブとなる。ヒリつくぜ。

ピンポーン。僕は隣宅のチャイムを鳴らした。出てくるもっさりとした男。1年住んでたけど初対面です。オッスオッス。

「すいません、ベランダ貸してくれないっすか?!」

こいつ終わってんな……teihen of the teihenだな……といった趣旨の視線を無遠慮にぶつけられる僕。ハッ!初対面の人間にこの有様ですか。全く、お里が知れますな。

僕はデヘデヘと笑いながらことの経緯を説明する。楽しかったあの日、辛かったあの夜。僕らはいつも音楽で繋がっていた。そうだろう、マイト?!

「いや、大家さんの所に行ってくださいよ」

正論、それは時として刃。正しいだけじゃやってらんないこともあるって、それを体で覚えさせてやろうか?!アァ!?!という思いをマイルドに隠しながら、大家が不在であったことを雄弁に語った僕。何事にも因果関係というものは存在するんです。理由のない行動なんて、そりゃキチガイの仕業だよ。

「どうぞ」

そう言ってぞんざいにベランダに案内される僕。クソが……人をベランダフェチみたいな目で見やがって……。この瞬間僕が将来的な復讐リストである「NIKU NOTE」に隣人の名前を書き殴ったのは言うに及ばないことですね。僕が内閣総理大臣になったら真っ先にこの男から人権を剥奪してやんよ。

そんな小さなマニフェストを心に掲げる。男は誰でも心に港を持っているものさ。俺は船長、ヨーソロー、とか考えてたら眼前に5階建ての高さ分の光景が広がっていた。俺は今からここを乗り越え、我が家へと侵入する。

MI2、気分はまさにトムクルーズ。脳内にBGMが踊る。僕はやおらベランダの柵に足を掛けた。刹那!アヌスがキリリと引き締まった。危険信号に対して本能は素直なものだ。しかし僕はそれを胆力でねじ伏せると、エイヤ!と叫んで一気に我が家まで押し入った。勝った!

特にオチはありません。本当に無事に家に辿り着けました。皆さんも鍵の紛失にはどうぞお気をつけて。いやー、やっぱ自宅は最高ですね。あと、先ほど隣人にお礼の焼酎持って行ったら割と普通に友達になれました。何だよ、世の中いい人だらけじゃないですか。僕は心のNIKU NOTEを燃やした。さようなら、リューク。



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posted by 肉欲さん at 23:59 | Comment(27) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
初1げっと!
Posted by なす at 2007年03月31日 01:27
問題は解決されてないように思われます・・・。
Posted by てす at 2007年03月31日 01:33
お疲れさまでした
Posted by at 2007年03月31日 01:34
やっぱり
そおゆう何気ない文でも
こってり言い回し?てる
肉欲さんがすきィ〜(ノ∀`*)
Posted by まちゅぴちゅ at 2007年03月31日 01:36
「NIKU NOTE」でかなり笑いましたw
Posted by のーあ at 2007年03月31日 01:38
大人びた高校生やったんですね。
Posted by at 2007年03月31日 02:00
肉欲さんの私生活が垣間見てみたい私。全然、引きこもりじゃないよ。人間関係を築かなくても働ける職場なんてえらばなけばあるもんだし こんなに沢山の文章を書いてるのが凄いと思う。
Posted by りさ at 2007年03月31日 02:17
オンリーワンとかそういう言葉が消えればいいってよく思います。
ほんと最近安いメッセージソングが増えましたよねー。
Posted by at 2007年03月31日 02:28
はじめましてこんばんは。
今日の文章、2浪が決定した私にはとても響きました。甘えた期待、その場しのぎの言い訳は簡単に作れるものですよね。実際、私はそれらにどっぷりつかっていました。
どうやってこのブログを発見したのかはもう覚えてませんが、下関から下った辺りにある某北K予備に寮生として生活していた折、肉欲さんに勝手な親近感を抱き、いつも楽しみに覗いていました。
今日の文章は、薄々とは気付いていたのに目を逸らし続けてきたものと私自身を、正面から向き合わせてくれたように思います。

駄文、長文失礼しました。
素敵な文章を書かれる方に対して気持ちを書いて伝えるということは、とても難しく、苦しいことですね。出来るものなら直接私の内蔵を取り出して、どんなに熱く早く脈打ってるかお見せしたいくらい。
Posted by ミチル at 2007年03月31日 03:01
噂だとオンリーワンはある限られた分野でのナンバーワンらしいんだけどね…
なんか…世の中違うよね…

( ´・ω・`)…
Posted by at 2007年03月31日 03:07
アッー!
Posted by at 2007年03月31日 03:15
あんたは十分最高です。
Posted by ぶん at 2007年03月31日 07:57
変態ブログがあると聞いてmixiから飛んできました。
涙女が受験に失敗し、上祐がKO大学という辺りが現実を物語っておりますな。
Posted by アンチャン at 2007年03月31日 10:04
ベランダ貸してくれませんか

噴いた
Posted by けーやん at 2007年03月31日 11:07
ずーっとロムり続けてましたがやはり肉欲さん最高です。もう神の域まで達してます。
でも、呑み過ぎで本当に神にならないように気を付けてください。
Posted by ひめ at 2007年03月31日 11:36
肉さんのコミュ能力あるからっすよ
Posted by at 2007年03月31日 11:58
肉欲棒太郎さん。流石です。本当言い回しがうまい
Posted by あまのじゃく at 2007年03月31日 12:47
そういった状況なら私も肉さんと似たような意見だと思います。受験〜
Posted by まつ at 2007年03月31日 16:18
合鍵はあるのか。
Posted by at 2007年03月31日 18:13

 鍵が紛失したついでにディンプル錠に買い換えたらいいと思いますよ!
Posted by 鳥居 ドンキー at 2007年03月31日 19:02
「NIKU NOTE」に名前を書かれるとどうなるの!?
40秒後に掘られるの!?


アッ-!!
Posted by らいらい at 2007年03月31日 22:34
厳しい言葉の中の優しさ。ぬるい言葉は、辛い現実を一瞬、誤魔化す事ができるケド。根本的な事を解決する事ができない。どういう訳か、女子という生き物はぬるい言葉で固めたゆるい関係を『友情』と呼びます。

私は、その嘘くさい関係があまり好ましくなくて…普通の女子とは、なかなか馴染めません(*´Д`)=з

耳に痛い言葉の中の優しさに気づく事ができる人は、少ない。厳しい事を言ってくれる人が、好きです。そして、自分も敢えて厳しい言葉を述べます。それでも、受け入れてくれる数少ない人たちが私の大切な友人です。(*^-^)b
Posted by ぽちり at 2007年03月31日 23:32
3回も声を出して笑ってしまった。どうしてこんなにも面白いのか?使える語彙がボクの10倍はあるような………。
Posted by M2 at 2007年03月31日 23:46
最後が普通にイイハナシだったのが和みました。
Posted by ヒカル at 2007年04月01日 01:25
こんな女は三角木馬に乗せても新しいディズニーシーのアトラクションと言ったら信じるんだろうなぁ。
Posted by アドリアン☆アドニス at 2007年04月01日 09:35
隣人は密かに笑うwwwwwwww
Posted by ダイ at 2007年04月01日 22:24
これでライトのように失敗はしませんねwww
Posted by Sim at 2007年04月05日 02:58
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