今日、東京から鹿児島に帰る道中に色々考えたのだけれど、どうも僕には恋愛をしたという記憶がない。もちろんこれまで生きていて『それらしい』ことはあったけれど、果たしてアレが恋愛だったのかと問われると即答はできない。
いや、大胆に言ってしまえば、これまで僕は数名の女性と交際し、様々な人とファックも交わしたけれど、そのどれもが愛とか恋とかそんなクリーンな関係性ではなく、ただのサカリだったと確信している。
確かに交際をしている時、あるいは目の前の女性を口説き落とそうとしている瞬間には歯が浮いて銀河系をフライアウェイしてしまうくらいのスウィートでプリティな台詞を吐くこともある。
「結婚しよう!幸せにするぜ」
そんな無謀なプロパガンダをピロートークしたこともあったさ。
けれど往々にして処女膜とマニフェストというのは破られるために存在する。居酒屋で知り合ったイカしたスケを落とすために
「俺って結構恋愛とかマジメに考える系っていうか」
みたいなことを言うことがあっても、結局本音のトロの部分では
「ヤルのかい?ヤルのかい?」
ということしか考えていないのは厳とした事実なのだ。僕が肉欲を名乗る所以である。
この事実に羽田の第一搭乗口にて気付いた時、しばし愕然とした。恥ずかしながら、僕はこれまできちんとした恋愛を経験してきたつもりになっていたからである。しかしそれというのは結局
「好きだよ」
「今度井の頭公園に行こうか」
「君の料理って美味しいね」
というチンケなトレンディドラマの台詞をトレースしただけに過ぎなかったような気がするし、最終的に覚えているのはセックスの記憶だけだったからだ。
やはりセックスはウソを吐かないのかもしれない。そんなことは僕がこれまでここで再三述べてきたことではあるけど、どこかでそれを否定したい気持ちもあったのは確かな事実だ。
「俺だけは違う!」
もしかしたら、思春期特有のそんなエモーションも抱いていたのだろうか。例外なんてどこにもないのに。
考えてみれば、これまでデートをしたり恋人と語らったりしたこともあったけれど、やはりそのいずれの行為にも根底には『サカリ』が強く影響していたことは認めなければならない。去年の今頃、僕は必死になって当時の彼女のためにクリスマスプレゼントを吟味していたけれど、それだって突き詰めて言えば
「いい物をプレゼントすることにより、お互いハイな状態になって狂ったようにセックスがしたい。聖的な意味で!」
という黒い陰謀がなかったわけではない。いや、積極的にあったと白状する。
少し話は逸れるが、たまにこのブログで
『ヴィトンのバイブ』
という現実には存在しない商品を登場させることがある。これはヴィトンというブランドのプライオリティーをバイブという淫具の形容詞に用いることで笑いを生み出そうとするありふれた手法なのだけれど、もしかしたらこの世には本当にヴィトンのバイブというのは観念的なレベルで存在するのかもしれない。
その道具がバイブするのは、彼女のヌンコではなくそのハートである。聖夜にディナーする男と女、彼氏の手から給料の何か月分かの高級バッグが彼女に手渡される。嬉しい!この瞬間、確かに彼女の心は鳴動しているのだ。
「今日だったら普段は断っていたSMプレイもやぶさかではないかも…」
おそらく彼女はパークハイアットホテルのバーでそんなことを思う。その限りにおいてヴィトンは性具にはなり得なくても、彼女の心をバイブレーションしているのである。我々男は心ばかりのギフトで彼女の心を愛撫しているのだ。だからヴィトンのバイブはそこに存在する。今、すごくいいことを言った気がする。
そんな訳で、僕がこれまでに経験した恋愛じみたものは結論としてすべて性欲が根底に存在していたということになり、そんな僕には到底恋愛を語ることはできない。あの日あの時「俺、お前のこと一生守るよ!」「こんな気持ちになったのは初めてだよ」「これ、一生懸命バイトして買ったんだ」などと幸田晋のような目つきで語ったのは全て夢・まぼろしの類でしかなかったのだ。
けれど、ただ一つだけ「あれはもしかしたら愛だったのかもしれない」としみじみ思う出来事もある。焼畑農業のようにまるで生産性のないセックスを繰り返した僕だったけれど、3年前のあの時、中野の街で僕は愛の存在を目の当たりにしたのかも―――。
セックスの話です。
「結局それかよ!死ね!」
という声が聞こえてこないわけではないですが、もう少し我慢して下さい。
当時僕は20歳、血気盛んな大学生だった。その時付き合っていた彼女とは既に1年ほど一緒に過ごしており、お互いの性癖・性感帯・土踏まずの角度などはほぼ完璧に把握していたと思う。
お互いを理解するという行為は決して良いことばかりではない。そこからは容易に「マンネリ」が発生する。100%の理解というのは一見素晴らしいようだけど、実質的に見ればお互いの向上心を奪い、退屈を生み出すものだ。
僕と彼女にしてもご他聞に漏れずマンネリズムの波を感じており、セックス一つとってもそれは淡々としたものだった。口吸いをして義務的にホックなどを外し、しばらくして密林に潜り込む。上になったり下になったり。一応、当ブログは良い子のブログなのでこれ以上ディティールを刻むことは避けるが、適当にフェラしたりクンニリングスをしたりしてファックして一丁上がり、というのが当時の僕たちのルーティンだった。ディズニーランドのエレクトリカルパレードの巡回コースが不動なのと同じである。当初覚えた感動は、いつまでも続かないのだ。
寒い冬の日だった。僕はバイトから帰ると早々とベッドに潜り込み、暖をとる。横には彼女が寝ている。それなりに疲れていたので
(ま、向こうからモーションがなければファックはせんとこ)
など、親が聞いたら泣いて悲しむような思考を抱いていた。付き合いたての頃は一秒を惜しんで求め合っていたのに、今ではこの体たらく。全体、付き合って1年を過ぎたカップルなんてそんなもんである。
ゴソゴソ
彼女の手が手練のトレジャーハンターのように動き始める。目標地点は当たり前のようにチンコその人。糸井重里が徳川埋蔵金の発掘を開始した瞬間だった。当方としても求められればやぶさかな方ではない。カーン。二人の間で戦いのゴングが高らかに鳴り響いた。
もちろん、そこに「ときめき」などはない。僕は頭の中で
(適当に乳揉んで……ゴムはどこだっけ……)
などと徹子の部屋よりもぞんざいなストーリーを組み立て始めていた。ディズニー的に言うと
「はい、そろそろミッキーがシンデレラ城の前を通りますよー。グーフィーはもっと前に出て!」
という流れである。そこに例外は存在しない。出来レース、というアレだ。
そんなもんだから、僕としてもアバウトな感じで彼女の体をタッチしながら
(ハー、そろそろリングス【=クンニリングスの略】でもするか)
と思いつつズルズルと体をトップダウンしかけていた。その時である。
ガバ!
いきなり彼女に両の手を掴まれ、刹那に僕の自由は奪われた。何だ?!突然の展開に戸惑いを隠せない肉欲。僕というのはどちらかといえばサディスティックな人間で、前戯は極めてスパルタ主義を採用しており、女性の方から
「もうだめぇー!アヘェー!」
という心のシャウトが飛び出すまでは徹底的に攻め入るタイプの人間なのでこの段階で制空権を奪われるというのは稀有なことだった。
「なんだよ、いきなり!」
思わず彼女に問いかけた。もちろんその時、ほぼフルチンだった。親が悲しみのあまり自殺しかねない光景ではあるだろう。しかし今は現状に対処しなければならない。僕は彼女の言葉を待った。
「今日は、あたしが攻めるねん!」
関西出身の女性だった。力強く関西弁でそう宣言されては、さしもの僕も返答に困る。
(ま、たまにはいいか)
ミッキーがグーフィーに主役を譲った瞬間である。まさに予想GUYの展開に、僕の心に潜むオーディエンスも
「この後、一体どうなってしまうのか!」
とガチンコ的なアナウンスをシャウトしていた。
今日は攻める、と宣言した彼女の言葉に嘘・偽りはなかったようで、普段なら決してお見せすることのない姿勢を次々に要求してくる彼女。中国雑技団、そんな言葉が僕の脳裏をダッシュする。やはり僕はマゾにはなれそうにない。
「ふふ」
見ると、面妖な笑みを浮かべている彼女。どうやら行為は、僕のツンパを脱がすところに差し掛かっているようだった。こうなってしまうと、さしもの都の西北に在籍する女子大生文学少女もただのメス。愛読書はヘルマン・ヘッセと太宰治という彼女だったけれど、あの瞬間彼女を支配していたのは間違いなく団鬼六だったと思う。
核心はここからである。よく見ると彼女は、口を使って僕のツンパを脱がそうとしているではないか。もちろんツンパはそんな脱がし方をするものではない。文明人の間では当然の前提である。しかし、往々にしてエロスというのは常識を超えたところに存在する。ガチな人間を前にして
「つーか、手ぇ使って脱がせば?」
と忠告するのは最大のタブーなのだ。
(もう何でもいいや)
半ば投げやりな気持ちでツンパを脱がそうとする彼女の一挙手一投足を見守る僕。ユニクロの安ツンパと格闘する彼女。これだけ偏差値の低い光景もそうそうあるまい。そんなことを考えていたその刹那に魔王はやって来た。
ガリリ!
「ギャー!」
彼女の犬歯が僕の愛しいタートルズに炸裂した瞬間だった。猛烈な激痛が僕のコチンで踊り狂う。何たること、彼女は僕のツンパを口で脱がせることに拘泥したあまり、その獰猛な歯が大切な一人息子を殺傷したのであった。
「だっ、がっ!ちょ、ま!」
真実の痛みと対面した時、人は原初の姿を取り戻す。僕の場合は言葉を失った。壮絶な表情でベッドを飛び出しコチンを押さえうずくまる。アッラーに祈りを捧げるイスラム教徒のような姿勢だったと思う。もちろん、そこに信仰心は存在しない。
「あ、あ、ね、大丈夫?!大丈夫?!」
(大丈夫なわけあるかぁ!ボケェー!)
心ではそう思っているのだけれど、そんなことを口にする余裕はどこにもない。息子の安否が心配される。僕はしばらくそのままうずくまっていた。
「……どう?」
5分後、心配そうな顔で僕を見つめる彼女がいた。ようやく鮮烈な痛みは引いたけれど、相変わらず鈍痛は治まらない。僕はおそるおそる男のシャウエッセンを覗き込む。
亀は泣いていた。血のように赤い涙を流していた。いや、ちゅーか、血だった。彼女はそれを見て泣きながらこう言った。
「血が、出とる……!」
(当たり前やんけ!)
これは僕の心のシャウト。けれどそれを口にすることはない。なぜならば、彼女は亀の涙を目にして、己の瞳に涙を浮かべていたからだ。全体、男というのは女の涙には弱い。それも、秘め事に関係した涙とあればなおのことである。僕は、痛みもさることながら
(チンコ関係で心配をかけては、いけない!)
と強い義務感を覚えたのである。
そんな僕だったので
「いっやー、たぶん大丈夫だって!ほら、幸い傷も浅いし?」
ちっとも浅くなかったけれど、こういう場合に求められるのは何よりも平常心だ。僕は激痛を堪えながら「あー、ビックリした!」とフランクに喋りつつ、己のチンコにマキロンを噴射し、その上をオロナインでホイップした。僕はオロナインの成分表示を精査する。
【効用:チンコの怪我に】
もちろん、そんな記載はどこにもなかった。
「ごめんな……ごめんな……」
少しばかり精神的に不安定だった彼女は、この事態にひどく狼狽したらしくいつまでもしくしくと泣いていた。
「いいって、喜ばせようとしてくれてのことなんだろ……」
僕は、少しも怒ることなく、彼女が眠りにつくまでいつまでもその頭を撫でていた。あれはおそらく、僕が23年間生きていた中で、唯一自分から発することのできた愛だったのではないかと、そう思っている。
何が恋で、何が愛なのか?
そんな難しい話は僕には分からないし、僕のサカリも後5年は続くと思っている。けれどあの日、チンコの激痛に耐えて、更に彼女を思いやることができたあの時の僕は、少しだけ愛の存在に触れることができたのではないか?僕にはそう思われてならない。
それはやせ我慢、という言い方をしてもいいかもしれない。
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久しぶりに長くて嬉しいぜぇ
( ^ω^)「相変わらず肉欲さんは面白いお。」
( ^ω^)「ふふふ。」
(;^ω^)「…。…あ、あれ?」
(;^ω^)「お、オチがないおwwww」
流 石 だ な
サディストの愛は鞭だけですぜWWWWW
痩せがマンのせつ
ヤセガマンのせっ
やせがまんのせっくす
マラソンセックス?
感動しました
肉ちゃんカコイイ!
>幸田晋
香田晋じゃないっけ?
ティム・ポウに傷を負うと、男は弱くなるのさ。
肉欲さンの性欲、5年後は一体どう変化しているんでしょうね。アナルに対する執着も。
そんな私は、現在ダーリンと付き合って三年以上経つけど、毎日ラブラブでマンネリなんて感じたことないお。ちなみにセクロスは二年ぐらいしてないお。でもラブラブで、毎日一緒に寝てるお。
セクロスなんてしなくても十分幸せな22歳。
私って変かな…(・_・;)
一生現役プリーズ!
にくよくさあああん
五年後にナニから赤玉が出たら、それをネタに一遍綴って下さいな
ジュン!
童貞も守れない奴に何が(ry
性欲からくる愛もありだと思ってます(^ω^)
しかし、肉欲さん、そのボキャブラリーの豊富さと文章力で23歳とは!!
自分がこんなにエロ人間だったとはwwww反省wwww
彼女が舐めて止血するというシチュエーションを想定しながら読み進めたら違ったwww
肉さん『・・・何だろう?痛さの他にもこんな。。ウホッw 新・感・覚www』とか想像した私に愛は有るのか?wwwww
もし肉欲さんがマゾだったら、血を見ても
うはwwwやべwww
とかで、優しさより性欲が勝っていたのに…。
いつの間にか自分が被害者であるかの様な立場にすり替わり、
相手を心配させてしまう・・・
これって女のずるいところですよね。
自分も女ですけど(^_^;)
それに対して一切疑問・批判無く、
愛を発動させる。それが男(肉さん含む)の
可愛いところです♪
それと……宮崎あおいは恋人じゃなかったんですか?!
まあ冗談はさておき、肉欲様の恋愛論はそよさんとまた違いなかなか面白がったです^^
おまけに美巨 乳の素 人娘のオパ〜い画 像からはめ 撮 りまで!!
小麦色の肌にかかる白 い○ 液・・
喘 ぎ声もギャルには珍しくアニメ声でたまりません・・・
きれいな美 巨 乳と「やん、やん」と小さく漏らす喘 ぎ声
がたまりません。
援 交初 体 験って事でなんとたったの2万でOKでした!
おまけには め撮 りまで・・・
某大学教授個人所有のPCから。
この大学教授は異常。
平然としているところが尚更許せない。
だがそれがry
せやけど、そうでっしゃろな。童貞の人にあんなクオリティ高い文が書けてなるんものかって、毎回思ってましたもの…
愛はまだ霞のごとく遠いですね・・・
いい文章書けるんだったら作家になったらどうですか?
ある意味アガベー マンセー
詰まるところ愛はやっぱり自分の事と同等に相手の事考えられるかどうかなんすかねー。。
所詮は愛なんて抜かしてる9割りはonly欲ッスよ。
自分で塗ってるタテマエメッキにも気づかないだけ。
それならいっそnice to meet you, shall we FUCK?
な日本になる事を望んでます笑。
久々に肉さんの文章で笑いました^^
私が彼を一生幸せにしたいという気持ちでいっぱいなのですが、
まだまだ何も知らないピヨピヨなのかなーと思いました。