
前回の話はコチラから。
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(前回までのあらすじ)
極北の廃墟『ホロウバスティオン』に辿り着いたマスオとアナゴは、ヌサマンダラとの激闘の末ついに伝説の剛剣・塵地螺鈿飾剣(ちりじらでんかざりつるぎ)を手に入れた。しかし喜びも束の間。倒れたヌサマンダラが法力を無くしその姿を露にすると、そこにいたのは変わり果てた姿の義弟・カツオだった。
「兄さん、ミカワ=ヤの秘密には触れちゃいけない……あれはヒトがどうにかしていいものじゃないんだ……あれは……」
最後の力を振り絞ってマスオにミカワ=ヤの真実を伝えようとするカツオ。しかしその刹那、メキドの焔がカツオの全身を包んだ。激しい業火に焼かれ即座に塵芥と化したカツオ。一瞬の静寂の後、マスオの慟哭する声がホロウバスティオンを包み込んだ――
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「フグタ、今は悲しんでいる場合じゃない」
「……ああ、分かっている」
ほとんど消し炭となってしまったカツオの亡骸を見据えながら、マスオはグッと眦(まなじり)を拭った。辛い時は、心に向かって問いかけろ。
目の前の道は何のために在る?
――未来を示すために在る。
僕のこの足は何のために在る?
――未来に向かって歩くために在る。
振り返らない、立ち止まらない、下を向かない。
全部、これまでの旅の中で決めてきたことだ。
「行こう、アナゴ。全てを……この物語を、終わらせるために」
「……ああ」
互いの顔を見つめ、無言で頷きあった。
と、その時のことである。
ゴゴゴゴゴゴ!
耳を劈(つんざ)く地獄の咆哮。
大地が、いや、地球全体が鳴動するかの如き大衝撃が二人に襲い掛かる!
「なんだ、この地震は!かなりデカイぞ!」
「ち、違うマスオ!これは地震じゃない、もっと禍々しい何か、これはそう……」
「アナゴ、お前何か知っているのか?!」
「これはそう……Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)だ!」
恐怖から、だろうか。アナゴは真っ青な顔をしながら二人を襲ったこの現象の名前を叫んだ。
「クッ、立っていられん!一体こりゃ何なんだアナゴ!」
「Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)だ」
「ハイパー……そりゃ何だ?!」
獰猛なまでの勢いで二人を襲う大振動の中、アナゴは懸命にこの現象『Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)』の全てをマスオに伝えた。
「そんな……そんなことが許されていいのか!」
アナゴの言葉に激昂を抑えきれないマスオ。
それも無理はない、Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)の全貌を知ったとなればその反応はむしろ自然なことだった。
げに恐ろしきはHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)。
「これじゃ絶体絶命じゃねえか……公安は一体何やってやがる!」
「無駄だよ、フグタ。警察組織において公安は聖域であり、アンタッチャブルな存在であり続けている。その使命感に基づいて、公安は盗聴、ガサ入れ、スパイ活動、不当逮捕もやりたい放題だ。どれだけの人間が何をしているのかも一切秘密に伏されている。そしてこのHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)には公安も傍観の姿勢ってわけさ」
「何てことだ!だったらオレたちはこのままHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)の渦に飲み込まれて死ぬしかないってのか?!」
「そうかもしれん……」
「冗談じゃない。こんな危ないところに一秒でも長くいられるか!オ、オレは一人ででも帰るぞ!」
「フグタ、待て!」
アナゴの制止も聞かず、フグタはその場から駆け出した。
しかしHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)の牙はここからが鋭さを増す。Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)からは誰も逃れることができない。
次にアナゴが見たのは、ズタボロに変わり果てたマスオの姿だった。
「フグタ、フグタぁ!」
「へへ……ざまあねえ、勇んで飛び出してみりゃこの有り様よ。俺の復讐の旅(ジャーニー)もここまでかもしれんな」
「ぶるあああああ!ぶるあああああ!」
瀕死のマスオ、全身から血があふれ出している。
それでも何かにすがりたいアナゴは、懐に忍ばせていた日本酒を口に含み必死にマスオに吹きかけた。吹きかけたのだ!
「とっつぁん、もう何したって無駄さ……オレぁもうすぐ死ぬ、へへ、それはもう分かっちまったんだ……」
「ぶるあああ!喋るなマスオ!ぶるああああ!」
「フフ、アナゴ……もしかしたらオレはお前を……」
更に激しさをます大地の震動。
止まるところを知らないHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)は更に加速する!!
「オレはお前を……愛していたのかもしれないな……」
「もういい!喋るな!ぶるああああああ!クソ、日本酒がきれたぜ!」
「こういう時になんて言えばいいんだろう……」
ビシィ!大地が割れた。Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)が天地を砕く。こんなことが許されていいのか?!Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)は、決して止まらないのか?!
「ああ、そうだ……」
「マスオ!マスオぉぉ!」
「『幸せにおなり』……だ……」
「マスオぉぉぉぉぉぉ!!」
ズドドドドド、東の方角の空が赤く燃える。
火山が爆発したのだ。
溶岩すらも暴走させる、Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)!どうして神はHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)を作りたもうたのか?!所詮人間には自然に、宇宙に、神に抗う術は無いというのか?!
「ようやくマスオも死んだか」
突然アナゴの背後から忍び寄る影。
「……誰だ!」
振り返ったそこには、妖しく笑う魔王・サ=ブが立っていた。
「そうか……アンタがこのHyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)を操っていたのか……!」
「貴様らにミカワ=ヤの地は奪えんよ!」
両手を高く掲げる魔王・サ。次の瞬間交響曲を指揮するように両手を振りつけると、割れた大地が再び激しく鳴動し始める!何たること、Hyper Ochinchin Time(ハイパーオチンチンタイム)は未だ終わらない!
「ぐあああ!!HOT(ハイパーオチンチンタイム)に脳まで支配されていく!」
「ガハハハハ!HOT(ハイパーオチンチンタイム)からは誰も逃れられんわ!そう、それは神すらも、だ!」
魔王は笑う。
その嘲笑に呼応するかのようにまた天地が砕け、ケツが割れた。
「もうダメだ……何もかもおしまいだ……!」
アナゴは前のめりに倒れこみ、全てを諦めかけた。
轟く雷鳴、降り注ぐ火山灰。
世界の終焉とは、かくも恐ろしき光景なのか。
「ふふ、これでワシの地位も安泰じゃわい」
魔王が勝鬨を上げようとした、その時!
「くまのこ見ていた……かくれんぼ……」
「!!き、貴様!その歌をなぜ!!」
アナゴの口から零れた今にも消えそうなメロディ。
しかしその儚い歌こそが、HOT(ハイパーオチンチンタイム)を止め世界に原初の和平をもたらす唯一の方法だったのである。
「オレの師匠が教えてくれた詠唱を忘れてたなんて……全く情けないったらねえぜ……」
「やめろ、歌うな!その歌を止めろぉぉぉ!」
魔王サ=ブが熱海で買った木刀を振りかざしてアナゴに襲い掛かる。
「遅いぜ……」
しかしその凶刃より一瞬早く、アナゴは伝説の魔法を詠唱し始めた。
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『STOP!!HOT(ハイパーオチンチンタイム)』
(『にんげんっていいな』のメロディに合わせてお聞き下さい)
くまのこみていたかくれんぼ
おしりをだしたこいっとうしょう
ララライラライラライ ヤーマンヤーマン
一皮剥けば仮性だよ (ヨイサヨイサ)
二皮剥ければズルムケだよ (ハードッコイショ)
三皮剥けたら病院かな?きっと病院だね 痛そうだもの (チョイナチョイナ)
(everyday everytime hyper ochinchin time!)
クリトリスを肉芽って呼んでもいいかな?そんな夕闇、切ないよ (ヨイサヨイサ)
でも君は知っているかい クリトリスって発達できなかったチンコなんだよ (アラヨット)
だから僕にもチンコがあるし、きみにもチンコはあるんだよ 素敵な秘め事 (チョイナチョイナ)
(everynight everymorning hyper ochinchin time!)
そういう風に考えてみたら、ほら 人間って素敵 (エイヤー エイヤー)
だって僕はいつもクリトリスを触ってることになるのだから そんな新感覚 (ソーラン ソーラン)
おかしいよね、僕童貞なのに こんなにも心は肉芽でいっぱい (imagine there's no country)
(everymoment everyone hyper ochinchin time!)
独白「あの頃の僕は近所の本屋でエロ本を立ち読みするのが大好きな少年でした。お気に入りはDon't。ある日のことです、僕はいつものように友達の誘いを断って本屋でエロ本を立ち読みしながら『大人ってすごいな。僕のオチンチンとは大違いだよ!』と知的興奮を覚えていると、いきなりエロ本がビリリと破れました。僕は本当に狼狽しちゃって、でも財布の中には53円しかなくて、破ったから怒られると思って。エロ本を読んでるなんてとんでもないエロガキだ!と怒られるのが怖くって。だから僕は咄嗟に『はじめの一歩』の下にエロ本を隠してそのまま店を出ようとしたんだ。すぐバレたよ。とっても怒られながら、僕の青い春、散った。これ、全部肉欲の実話です。小3くらいだったかなァ。あの本屋は、とっくに潰れました」
♪〜 ♪〜
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「グ……グ……」
魔王が断末魔の声を上げる。
アナゴが歌い終わるとHOT(ハイパーオチンチンタイム)はピタリと収まり、雲の切れ間から太陽が顔を出した。永久凍土と呼ばれ誰も住むことのできなかったホロウバスティオンに始めて差し込む陽光。それはまさに『奇跡』という言葉を具現化したような光景だったのかもしれない。
「失ったものも沢山ある……」
粉々に砕け散った魔王の姿を見下ろしながら、アナゴはそっとマスオと、そして散っていった仲間のことを、思った。
(命はひとつじゃない。
繋がっていくんだよ、アナゴ――)
「…マスオ?」
その時、アナゴの中にマスオの声が響いた――と言ってしまえば、それは感傷になるのだろうか。けれどもマスオのその身は朽ちようとも、その精神と意思はきっとアナゴの中に残る。いや、それはアナゴに止まらずおそらく世界――この世の理の中に、ずっと。永遠に。
『今日からこの部署に配属された、アナゴです!』
『よろしく、アナゴ君!』
アナゴの耳朶に、遠く遠く、遥か彼方に霞んでしまった情景が蘇る。
全てはあの日に始まって、そしてまた新しい何かが、始まっていくのだ。
この物語は誰も知ることのなかったある男たちの壮絶な人生の記録である。
【完】(the end)
参照
追伸 ブログを見ている兄へ
実弟が嬉々とした様子でハイパーオチンチンタイム!とかブログに書いてるのを見てどう思った?
人気ブログランキング
中々分不相応な順位で。
壮絶ですねb
良い意味でお頭が狂っていらっしゃるお(^ω^)
カオスおちんちんwwww
そりゃねーよwww
/(^o^)\ナンテコッタイ
つかにんげんっていいなを歌いながらページをスクロールした俺に謝れ!!
だがそれがいい(*´Д`)
性狂の白い子さんを抜けー!!!
先生、私を好きになりなよ。m9(^Д^)9mプギャー
kitaaaaaaaaa!!!!
wwwwwww
このコメント見てここ来ました!
お気に入り登録しました♪
あそこは面白い面白くない以前にランキング上げのやり口が卑怯だから嫌い(笑)
頑張ってください☆
この勢いで白石ぬいちゃいなよ
吹いたwwwwwwwwwwwwwww
つーか 先生私を好きになりなよバロスwww
この流れに乗ってきた新人っす。
っうぇwwwうぇwwww
肉欲、私を好きになりなよ☆
あ、そうだ。探しても分からなかったので、どなたかご存じの方がいましたらお教え下さい。
以前、怒濤の2ゲッター事案のネ申更新があったかと思うのですが、あれはいつの頃でしたかしら。それと、あの記事って削除されてしまったのでしたでしょうか。また読みたいな、とふと思ったので…
夜中に十数個連続更新があったのは、6月16-17日だと存じますが、
貴方のお探しの日記はそれで合ってますでしょうか?
さて、ランキングが上がるのも一長一短だよねぇ。
もし肉欲企画が生協の白石さんを押さえて
大学生部門のトップになって良いのだろうか?
(性的な意味で…は有りなんですけど。)
某学生ブ〇グランキングみたいに、突然IDアボン
とかにならなきゃいいと、余計な心配をしてます。
タイ子をコマしノリスケを廃人同然に陥れ、ハイパーオチンチンを操る魔王…
サ=ブ 恐るべしっ!
やはり魔王のアソコには『イクラの義弟』とハイセンスなタトゥーが彫ってあったのだろうか? f^_^; 今となっては謎が深まるばかり(^_^;)
てか二位ーーー?!
まさか・・・無理やり終わらせたとか・・・!!
マスオさんありがとうございました!
なんかもう肉欲さん大好きwwwww
無理矢理な展開にwwwwwサ=ブwww
そして二位wwwwww
白石超えwwwwwwwwww
弐九四九バンザイ
肉タソのことを考えたら僕のマラもイレクチしちゃう(*´д`)=эハァハァ
ありがとうございますー☆
オカルトものを読み漁ってるウチに『歳火』に辿りついて、こちらのブログを知りました。
秀逸です。あの話大好きです。
何回も読み直してます。
でも結構シモネタも、私好きです(^^)
最近、会社の朝礼で流れる『販売訓』のテープでマスオさん(の声優さん)が様々な訓示を述べてくれてるのですが。
どうしても、こちらの『マスオの憂鬱』の台詞を思い出して、頭の中で吹き替えしてしまっております。
メーテルの声優さんとランダムで交代なのですが。
マスオさんの時は、かなり朝から複雑な気持ちに(笑)
この気持ちを、社内の誰とも共有できないもどかしさも。
今朝は、マスオさんの声でした。
お気に入りの受付嬢についての訓示でした。
今、楽しく過去ログをチマチマと読んでます。
更新なされてるのも、楽しく読んでます。
初めてのコメントに、長文ですみません。