
その1
その2
その3
その4
うららかな日曜の昼下がり。神木キュンは同級生のルコと一緒に近所の公園にやって来ていた。
キュン「空気は寒いけど、いい天気で気持ちいいなあ」
頭上をいっぱいに取り囲むのは銀杏の木々で、枝に付いた葉はすっかりその身を黄色に染めていた。神木キュンは「綺麗な色だな」と思いながら高く植わった銀杏を見上げる。木々の隙間からこぼれ落ちる陽光に思わず目を細めた。
ルコ「あたし、秋って好きよ」
足元に広がった落葉を手に取りながらルコは微笑んでいる。上目遣いに笑うルコはとても可憐で、神木キュンは心ならずも胸が高まるのを感じた。柔らかな太陽の光にきらきらと照らされたルコの笑顔は、芸術家の撮った一葉の写真のようでもあった。神木キュンは思わず頬を赤らめそっぽを向く。ルコはそんな彼の心を知ってか知らずかクスクスと可笑しそうに笑った。
キュン「あ、ブランコだ!」
歩いて行くと、公園の奥まったところに古びたブランコが設えられている。神木キュンはその姿を見るや突然小走りに駆け始めた。ルコはいきなり足を早めた神木キュンに少し戸惑いを覚えたが、黙ってその後に着いていった。
ルコ「もう、急に走り出さないでよ」
ブランコの近くまで来てルコはようやく神木キュンの背中に追い付き、文句を言いながら頬を膨らませる。
神木キュンは、ルコの姿を認めても黙って突っ立っているばかりで何も言わなかった。せっかく走ってここまで来たというのに、ブランコに乗ろうとする様子もない。どうしたのだろう?訝しがったルコは、横に並んで神木キュンの表情を窺ってみた。
キュン「……」
神木キュンは黙り込んで眉をひそめていた。普段は滅多に怒ることのない神木キュンが明らかに憮然としている。さっきまであれほど嬉しそうだったのに、一体どうしたのだろうか。
ルコ「ブランコ乗らないの?好きでしょ、ブランコ」
ルコの言うとおり神木キュンはブランコの好きな少年で、公園に来ると決まってブランコで遊んでいる。宙に浮かんで、戻って上がる。そんな他愛ない動作を繰り返すだけの遊具だけれど、単純な遊びだからこそ彼は惹かれているのかもしれない。それなのに今日はどうして乗らないのだろう。ルコはそのまま神木キュンの言葉を待った。
キュン「誰か乗ってるんだよ」
神木キュンはようやくポツリと呟いた。よく見ると、2つあるブランコのうちの1つに冴えない中年が座っていた。休日の昼間から何をしているのだろう?ルコは思った。つぶさに見てみると中年の乗ったブランコは微かに、本当に少しだけ前後に動いている。が、どうもブランコで遊んでいるという感じではない。男はただぽつねんとブランコに腰を収めているだけだった。
この公園にはブランコで遊ぶ人間など滅多にいない。今日みたいにブランコに誰かがいるというだけで随分珍しい絵なのだ。しかも中年の一人男である。
目の前の全てのものは、あまりにも「らしくない」光景だった。
神木キュンの足元では、スズメが木の実を啄ばんでいた。辺りでは穏やかにそよぐ風に、木々の枝がざわざわと軽やかな音を立てる。ざざざざ。二人の目の前で、色づいた枯葉がはしゃぐように舞い散った。眼前に広がっているのは爽やかな秋の昼下がりそのものである。
ただ、ブランコの辺りだけがすっかり灰色に塗りつぶされていた。
キュン「……帰ろうか」
ルコ「え、いいの?神木くん、ブランコに乗りたかったんでしょう」
キュン「ううん、いいんだ。どうせ一人で乗ってもつまんないしさ」
つまらなそうに言って神木キュンは踵を返した。
と、顔を上げるとそこに。
肉「お盛んですなあ、お二人さん!」
二人の行く手を阻むように立ち塞がった男、それは肉欲。この男、いつも神出鬼没。肉欲の手にはなぜか荒縄が握られていた。
キュン「わ、わわっ!に、肉欲さん!何してるんですかこんなところで!」
神木キュンが驚いた声を上げる。流石に慣れてきたとはいえ、突然現れられたら嬌声の一つでも上げようというものだ。しかし肉欲は狼狽する神木キュンを少しも意に介する様子はなく、ルコの方をキッと睨みつけている。
肉「どうも神木キュンの方からバルトリン腺液の臭いがプンプンすると思ったら、やっぱりお前か!この女豹が!」
【説明しよう。バルトリン腺とは大前庭腺とも呼ばれ、女性の膣口からわずかに入ったところの左右に位置している2つの分泌腺である。それらは、粘液(バルトリン腺液)を分泌して、膣分泌液と混ざり潤滑さを促進する。とりわけ、女性が性的覚醒状態にある時に分泌されるので、性交渉を促進することになる。 このことが最初に記述されたのは17世紀で、デンマークの解剖学者キャスパー・バルトリン(孫)(1655 - 1738)による。いくつかの情報源において彼の祖父であり神学者で解剖学者のキャスパー・バルトリン(祖父)(1585 - 1629)が発見したと誤って記述されている(以上、wikipediaより)。つまりマン汁のことであり、対義語はカウパー腺である。カウパーさんが発見したからカウパー腺。バルトリンさんが発見したからバルトリン腺液。
「お前の父ちゃんバルトリンー!」
博士の息子が友人からそんな風に誹られたのかと思うと、私は涙を禁じえない。それにしても、男と生まれたからにはカウパー腺を研究するよりも俄然バルトリン腺を研究したいと言ってしまえば、それは感傷に過ぎるのだろうか?夢と言ってもいいかもしれない。秋の風に吹かれながら、著者は漠然とそんなことを思った】
肉欲は言葉と共にルコに向かって唾を吐きかけると、憎憎しげに中指を立てた。相当ルコのことが嫌いらしい。ルコは怒りも通り越した様子で、ふう、と溜め息を付くと憐れみの目を以て肉欲を見つめる。
ルコ「……あなた、23歳にもなってそんなことばかりして楽しいんですか?恥ずかしくないんですか?ていうか……どうして生きてるんですか?」
子供は怖い。言葉をオブラートに包む術を知らない。人によってはこの言葉、自殺モノのそれだろう。
肉「楽しいでーす!恥ずかしくないでーす!バカって言う人がバカなんでーす!おちんちんびろーん」
肉欲はそんな言葉に怯まない、引かない媚びない省みない。性帝と呼ばれる所以である。さすが肉欲ッ!俺たちにできないことを平気でやってのけるッッ!!そこに痺れないし憧れもしない。
ルコ「ダメだこいつ。いきましょ、神木キュン」
肉「おや、あれは野比さんじゃないか。ブランコに乗ってどうしたんだろう」
キュン「え、あのブランコの人、知り合いなんですか?」
肉「ああ、野比さんは結構うちの近所に住んでるんだ。ていうかあの人の息子さん、神木キュンの小学校にいるはずだぜ?確かいま5年生だったかな」
「奇妙」の一言で片付けられた中年と神木キュンとは、どうやら意外なところで接点があったようだ。随分老けて見えるけれど、僕と同じ歳くらいの子供がいるなんて……人は見かけでは分からないものだ。神木キュンとルコは変に関心した気分になった。
肉「何してんだろ、あの中年。ま、近所のよしみだ。どうせ暇だしちょっと話し掛けてみよう。おおい、野比さん!」
キュン「あ、肉欲さ……」
肉欲はルコと神木キュンを待たずにスタスタと野比のところに歩いて行く。本当にマイペースなのだ、この男は。
野比「ああ、肉欲くん……」
野比は声を掛けられる直前まで解脱したようにブランコに乗っていたが、肉欲の姿に気付くと曖昧に笑って挨拶を返した。
肉「何やってんるんですか?リストラですか?」
やはりこの男、どこか線が切れている。いきなりリストラとか聞くか?常識的に考えて……。神木キュンはいつまでも肉欲のことが理解できない。あまり近くには寄らないようにしながら、遠巻きに肉欲と野比のやり取りを眺めた。
―10分後―
キュン「ちょ、肉欲さん!」
肉「ん?どうしたんだい」
キュン「なんで僕たちが野比さんの家にいるんですか」
ルコ「そうですよ、どうしてあたしまで……」
肉「まあまあ、これも人助けだと思って。あ、このお茶安いな。出がらしですな」
3人は公園から野比の家にやって来ていた。状況を説明すると、こうだ。
どうも野比の家には数ヶ月前から居候が住み着いているらしい。しかも、その居候と野比の妻がデキているのだそうだ。ことの顛末は野比の見せてくれた手記に全て書かれていた。どうも、息子もグルらしい。というか記述を見る限り、息子は最早手遅れなレベルで痴呆が進行しているようでもあった。とにかく、野比家には各種問題が氾濫していた。
キュン「それで、どうして僕たちが首突っ込むんですか!」
肉「まあまあ、アレだよ。人付き合いってのは大切なんだよ。それに何も考えずに神木キュンを連れてきたわけじゃない。ほら、野比さんの息子さんは神木キュンとも年が近い。話も合うんじゃないかと思ってね」
野比「やあ肉欲君、待たせて済まない。今息子と居候が来ると思うんだけど……」
ガラリ。野比の言葉の終わりと同時に襖が開いた。
ドラ「パパさんwwwwwwww自分今からカモメ第3小学校で乱交パーティーなんっスよwwwwwwwサーセンwwwwwww手短にwwwwwwwよwwwwろwwwwしwwwwくwwwwwwww」
のび太「あばぁーーーー!!!あばばばバババばばばばばばばっばばばっばばばばーーーー」
入ってきたのは手足の生えた真っ青なコケシと、鼻から脳味噌の飛び出た少年だった。確かにこんなのが家にいたら昼間からブランコに乗りたくなるのもよく分かる。というか、ある意味必然だ。
野比「ああ、いや、今日はうん、ドラえもんに僕の友人を紹介しようと思ってね。ンンッ、こちら、角のマンションに住む肉欲くんだ。仲良くしてあげてくれ」
二人が目を合わせた刹那、居間に刺すような緊迫感が走る。
強者は強者を知る。ドラえもんと肉欲。二人は言葉を交わさずとも、目を見た瞬間互いの実力を認め合ったのである。
ドラ「山」
肉「川純一」
ふたりはガッチリと固い握手を交わした。
野比「ンンッ、仲良くなってくれたみたいで嬉しいよ。それで、妻のことなんだけれど……」
野比は居心地の悪そうに腰を揺らす。どうやら本題を切り出したいらしい。
ドラ「たま子wwwwwwあ、ママさんでしたwwwっスwwwwwサーセンwwwww何かwwwwさっき股間にwwwタケwwwwタケコプターwwww突っ込んだと思ったら『まさに新感覚よー!』って叫びながら裏山にwwww浪漫飛行して行っちゃいましたwwwwwインザスカイwwwwwwww」
野比「たま子ーーーーーーー!」
野比はそのまま部屋を飛び出した。ひたすら愚直な男なのである。これは愛なのだろうか?きっと、愛なのだろう。こういう愛も、ある。
一方神木キュンは、どうにかしてのび太とコンタクトを取ろうと躍起になっていた。
キュン「あの、のび太さん」
のび太「ミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミミ」
ドガン!ズドン!
のび太は激しくヘッドバンキングしながら畳を転げまわっていた。
ドラ「ああ、それ、久しぶりに友達ができて喜んでんだよ。良かったな、のび太」
肉「神木キュン、そういう訳だから仲良くしてあげるんだよ」
え?俺いつの間に友達認定されちゃってんの?
ていうかコレと友達になんの?オレ?
ルコ「あ、か、神木キュン!あたしピアノあるからこれで帰るね!」
キュン「え、ちょ!ルコちゃん!」
ルコちゃんは風のように走り去った。
のび太「エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!エンッ!」
のび太はペンチで一本ずつ奥歯を抜きながら木更津に伝わる「やっさいもっさい」を踊り狂っている。頼む、ウソだと言ってくれ。神木キュンは思わず目眩がした。チラリとのび太の方を見る。彼はメガネをもてあそびながら「ケントダヨ!ケントダヨ!」とモノマネしながら叫んでいた。殺意がみなぎった。
ドラ「はは、嬉しそうだな、のび太!」
肉「ところでドラえもん君、さっきの話の続きだけれど」
ドラ「そうそう、これを飲ませ……うん……これ……アナルにぶっ込めば……一瞬……も……神木……イチコロっス…………22世紀的に考えて……」
肉「フヒヒ……フヒヒヒ………」
キュン「おいコラちょっと待てお前らそこで何話してやがんだよ、おい、オイ!!1!」
肉「いやー、今日はまたとない友人ができたよ!ドラえもん、これからもよろしくな!」
ドラ「お安い御用っすよwwwwwサーセンwwww」
キュン「おい!おいってば!!11!」
のび太「ギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーン」
神木キュンの受難は、まだまだ終わらない。
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( ´・ω・`)カワイソス
夢のコラボwwwww
バロスwwwww
人少ないから良いものの、電車内で女子高生が吹きましたおwwww
咳ゴホゴホしながら吹いたww
するめ吹いたwwww
電車でめっちゃ吹いたwww
これはマスオさん出現フラグ?
ィンザスカイWWWWWW
ルコちゃんも『キュン』言ってるしww
これだけこんな頻繁に更新するなんて...
あんたやっぱショタ欲の上にホモ欲なのね
だったと思う
それはともかく
今日も棒さんが無事に更新していることをとても嬉しく思います。
つかやべぇww
腹筋壊れるwwwwww
本当にどうもありがとうございました。
肉欲ワールド全開っすねWWWWWサーセン
“神木キュンとルコは変に関心した気分になった。”
「関心」で大丈夫なんですかね?一応ご報告を。
よりによって手記と交わるんてw
肉+銅鑼、これはいよいよキュンの貞操も危ういですなwww
相変わらず狂っていらっしゃるwwww
無理か?無理かも。無理だ…絶対無理……
のび太のケントダヨがヤバい!
あー 楽しい 素敵だ 流石肉欲サンだ
ちょwのび太wwwミミミミミミミミってwwwwww
ガンツきたwwww
いつも楽しく拝見させていただいてます
性帝wwww
自分もgunzで性帝サウザー様なんてキャラを作ったことがあるのは秘密
ラジオで言ってて爆笑して腹筋がホントに割れるんじゃないのかってくらい笑ったあの名作が帰ってきた。アンタやっぱ男だよ。
肉欲s最強だな。ここで更にホモではなくショタということが証明された。
あぁ肉欲sアンタ今すっげぇ輝いてみえるよ。