肉欲企画。

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2006年11月26日

天下一武道会 4

つづきです

371 名前: 1 投稿日: 02/10/23 23:32 ID:R4Lo/cj5

準決勝  シャアVSラビアンローズ(カミーユ込み)

それぞれの休息が終わり、死者を弔うことのない朝が始まる。戦闘がまた・・始まる
シャアは快晴だな・・と空をみて思いながらパイロット用の控え室に入った.。誰もいない。
今日の準決勝・・第一試合はホワイトベース対エンジェルハイロウのはずだったのだが、
なぜか急遽私とラビアンローズ(カミーユ込み)との戦いが先になったのだ。
まぁ、どちらでもいいがな。シャアはそう思うと、目下最重要のモビルスーツの検討に入った。
ゾゴックでは辛いので係員にたのみ、何種類かピックアップしてもらっていたのだ。
さて、どれにするかな・・・。
シャアはサングラスをかけるとマシンを直に見るためにドッグへと向かった。

ほぉ・・これはこれは・・。
シャアはそう感嘆した。素晴らしい機体がずらっと整備されていた。
「大佐のためにがんばりました!」そう報告するメカニックに感謝の意を伝えつつシャアは機体に目をやった。、
サイコMkU 、百式、ビグザム、アッガイ 、エルメス・・懐かしい機体ばかりだ。ただ、エルメスはあまり見たくなかったが。
更にマシンを見る。GP03D 、キャスバル専用ガンダム ・・
ほう・・連邦系のモビルスーツもあるのか・・。シャアは驚いた。アムロを思い、少し・・哀しかった。
さてどれにしよう・・・カミーユくんが相手だ・・慎重に選ばなければ、な。そう皮肉っぽく自分にいう。
「他にもドッグに入らなかったマシンもありますので」
そういう係員の出したリストを見る。αアジール・・クェス・パラヤか・・。私は父親になれなくてすまなかったな。
様々な思いがシャアを包む。そして、カミーユのセリフを思い出す。歯、食い縛れ!そんな大人、修整してやる!
その台詞を思い出したとき、シャアは自分の機体を決めた。
すこしだけ・・クワトロに戻るのも・・悪くない。


百式をみつめ、そう考えた。

373 名前: 1 投稿日: 02/10/23 23:46 ID:R4Lo/cj5

カミーユ・ビダンもまた、ラビアンローズで自分の機体を選んでいた。
クワトロ大尉・・アムロ・レイの永遠のライバルにして、僕がモビルスーツに乗ってエゥーゴに参加する原因になった男だ。
カミーユはMK-Uに初めて乗ったときを思いだし、自分はあれから何人の人を殺したのか考えた。
「あれは不可抗力だ・・そうだろフォウ?」そう今はいない少女にそう語りかける。

「カミーユ、このマシンなんてどうだ?」アストナージが後ろから突然声をかける。
「この機体はZを改良して作った奴だからお前にピッタシだと思うぞ。・・どうした?」
返事の無いカミーユにアストナージが心配そうに声をかける。
なんでもない、とカミーユは答えアストナージのすすめる機体に決めた。

リガズィ・カスタムだ。確かに自分には扱いやすいだろう。


今日の戦い、エマリーさんたちには手を出さないでもらおう。
あの人は僕が倒さなければいけないんだ。
そう心に誓うとカミーユはアストナージの説明に意識を集中した。

375 名前: 1 投稿日: 02/10/24 00:20 ID:rNAj/PqA

戦いのステージはグリーンノア1だった。
カミーユは苦笑する。大会側も粋なことをやってくれる。
リガズィを ラビアンローズから出撃させる。エマリーさんは何だかボーっとしているからシャアとの戦いの邪魔はしないだろう。
係員がいう。「戦闘は存分にやってください。破壊しても我々がコロニーの修復をしますので。」
もちろん全力でやらせてもらうさ。カミーユはモニターをみつめながら係員に言い返した。


見慣れた金色の機体をはるか上空に発見したカミーユは、一瞬戦いを忘れ見入ってしまった。
俺は・・この機体をみると安心したものだ。敵には金色と恐れられた機体だが、味方からすればこれほど頼りがいのあるMSはなかった。
百式がいきなりメガバズーカランチャーをぶっ放す。
カミーユは慌てて機体をひねり、寸前で避ける。こちらもライフルを撃つ、金色が揺らめきかわす。
「クワトロ大尉!」カミーユは思わずそう叫んでいた。


「カミーユくん・・」シャアの声が聞こえてくる。
「君は・・何故戦場に戻ってきたんだ?この大会に出てきたのは何故だ?」
そんなの、カミーユは応える。強制されたんだよ!と。誰かに出場しろ、と。
リガズイで百式が出したクレイバズーカをビームライフルで撃ちぬきながらカミーユは叫ぶ。
「君の精神はまだ完治したわけではあるまい・・いや完治などするのか?一度壊れた男が?」
シャアの冷たい声が響く。
「私はかつてアムロと戦ったとき、君の話をしたことがある。」
うるさい、聞きたくないと叫びライフルを連射するカミーユのリガズィを見ながらシャアはそのときのアムロとの会話を思い出した。



アムロ:「カミーユ・ビダンと言う少年を狂わしたことを知らないわけがあるまい!」
シャア:「脆弱は美徳ではないよ!アムロ!大衆を見ろ!官僚を見ろ!連中は狂うか!?
何が起こっても平然として、生き長らえている!才能があることで脆弱なのは美徳だと思っている連中は、その大衆に呑み込まれて行く。それが現実だ!」


カミーユ、君は脆弱なのだよ。シャアは哀しげに呟いた。

381 名前: 1 投稿日: 02/10/24 01:07 ID:rNAj/PqA

カミーユはいつのまにか百式が目の前に来ていることに気付かなかった。
百式がビームサーベルを振るう。
やられる!
カミーユもあわててビームサーベルを抜き斬りかかる。
百式のサーベルをぶつかり激しい干渉波が生じる。
その最中にシャアは更に言った。
「グリプス戦争時、私は君に期待していた。アムロや私のようではないニュータイプの存在を。そこに次世代の希望をみていた。」
シャアのサーベルの出力が上がる。リガズィは少し後退した。
「だが・・精神崩壊した君を見たとき私は悟ったのだ。このままではアムロ・レイやカミーユ!君のような存在が生まれ消えていくだけだと!
ならばこそ元凶を断たなければならないと!愚昧なる大衆をだ!だから!」
やめろやめろやめろ!カミーユの脳裏にハマーン、シロッコなどが蘇る。シロッコの叫ぶ声が聞こえる。
「動け!ジ・オ!何故動かん!」
動くわけがない!お前はおれが殺したんだ。お前も。俺を殺したはずだ!
カミーユはそう叫ぶとコクピットの中にいるシロッコの亡霊を殴った。拳に感触はない。シャアは更に問い詰める。
「君は途中で船を降りたのだ。・・・もう再乗車はできない。ロザミアのようになりたいのか?カミーユ、もうやめるんだ!」

黙れぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!そうカミーユが絶叫する!リ・ガズィの機体が発光しだす。
な、なんだと?シャアは狼狽した。なんだあれは?下がりながらビームライフルを撃つ。はじかれる。
効いてない?なんなのだ、あの光は?シャアは舌打ちしつつもそこにアクシズの光と同じものを考えずにはいられなかった。危険だ、この光は。


変形した機体で突っ込んでくるリガズィをみてシャアは間一髪でコクピットから逃げ出した。
百式を貫く。そのままリ・ガズィは動かなくなった。二つの機体が交錯している。全く動かない。レガズィの先端が百式の背中から見える。

382 名前: 1 投稿日: 02/10/24 01:14 ID:rNAj/PqA

バーニアを吹かして危険範囲から離脱しながらシャアはカミ-ユの喋り声をヘルメットを通して傍受した。
カミーユの声はやけにクリアーに聞こえた。
「ここ・・なんでこんなに狭いんだろ・・やけに熱いし・・・嫌いだなココ・・おーい誰かあけてくださいよ・・」
完全に壊れたか・・シャアは意識してそういう手段を取った自分に反吐が出そうなほどの嫌悪を感じた。壊したのは私だ。
しかしあのままでは、カミーユの命が危ない。2人の機体はいつ爆発してもおかしくないほどの損傷をうけていた。
シャアはリガズィのコクピットに近づこうとバー二アを調整しようとしたそのとき。
突然マシンが光ったかと思うと、二つの機体が連鎖的に爆発した。凄まじい爆風でシャアは吹き飛ばされる。
「うぉぉぉぉおおおおお!!!!」
シャアは岩場に叩きつけられながら、人のために涙を流すのはいつ以来だろうと思った。
テレビのモニターを見つめ、カミーユのリガズィの爆発の瞬間を見たファは顔を覆いその場に泣き崩れた。
アストナージの呆然とした顔がひどく印象に残った。
観客達は楽しそうにモニターを見つめていた。彼等は言った。とても面白かった、と。
アナウンサーがシャアの勝利を高らかに告げていた。

403 名前: 1 投稿日: 02/10/24 14:03 ID:YRPVzD0e

ミライはモニターでカミーユの最後を見届けると、軽いため息をついた。
シャアは確かに勝った。しかし彼は自分を責めるだろう。
こうしなければカミーユに勝つのは無理だったとしてもだ、シャアは自分の行為を正当化することは無い。
一度は人類の革新を期待し、目をかけた少年の精神をみずから再び崩壊させるのは・・・
この行為によってシャア自身もひどくなにかを損なったのかもしれない・・彼は純粋だから。
みんな・・少しずつ失なっていくのね・・ミライにはそれがひどく哀しかった。
シャアの純粋さは近いうちに自分自身を滅ぼすであろう。
岩場にうずくまっているシャアを映すモニターみながら、ミライは確信に近いものを感じていた。


もうそろそろいいかしら。
そうミライは思い、ホワイトベースの仕官部屋をでる。
そろそろ戦闘が始まる。今日の戦いは激戦になりそうだ。
エンジェルハイロウには・・・・ハサウェイもいるのよね・・。
ミライはそれを考えると、胸が詰まったが負けるつもりは無かった。自分のも譲れないものがある。
廊下を歩き「懲罰房」へと急ぐ。
警備兵に促すと、頑丈なドアのロックを解除する。
中に入ると、わずかに人の気配がした。

「ムニャムニャ・・グーグー」
そこには昨夜麻酔銃で眠らせたブライトの姿があった。


404 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 14:31
スレタイからは想像できない良スレだ。

405 名前: 1 投稿日: 02/10/24 14:50 ID:YRPVzD0e

私には・・この人を殺せないのよね・・。
ミライはブライトの寝顔を見ながら昨夜のことを思い出し深いため息をついた。
ハサウェイは実弾をこめたピストルだったが、ミライは麻酔銃をもっていったのだ。
麻酔銃で撃たれて、ぐったりとしたブライトを担いでロランとやらの部屋を後にした。
そしてホワイトベースに戻るとブライトをこの部屋に叩き込んだのだ。
ブライトの顔をみながらミライはこの人はいつから浮気していたんだろう・・・と、ふと思った。
遠くで戦闘五分前のブザーがなった。ミライはブライトの横面を思い切りはたいた。
「いて!」
ブライトは目をさました。というか実はミライが入ってきたときから起きていたのだけれど。



ガトー達4人はエンジェルハイロウの控え室でお茶を飲んでいた。
「だからヒトラーは日本の参戦を聞いたとき、そこでなんと言ったと思う?諸君?」
ガトーは熱心にナチスについて話していた。目がイキイキしている。
「わかんねーし、どーでもいいけどヒトラーって美少年?」
そう応えたのはバーニィだ。もう自分をさらけだしている。
ヒトラーは髭をはやした中年だとガトーが応えると嘘だといってよ、と泣き出した。
「イヤイヤ、そんなことはどうでもいい。それよりヒトラーはロリコンだったって本当か?」
ハサウェイもそう会話に参加する。ロリコンの会話の気配がすると彼は閃光の速さで寄ってくる。
(こいつら・・もうスグ戦闘開始だってのに何をのん気に話しているんだよ・・)
と、一人呟くアンディだった。ザクFZ・・・厳しいな・・彼は自分のMSを考えひどく憂鬱だった。
そのとき戦闘五分前のブザーが鳴った。

407 名前: 1 投稿日: 02/10/24 16:21 ID:YRPVzD0e

ブライトがブリッジの艦長の席についたとき、他のクルーは既に忙しそうに働いていた。
「艦長!今までどこに行ってたんです!」
ブライトの姿を認めるとマーカー=クランがそう咎めた。
「う・・む・・ちょっとな・。」ブライトが歯切れ悪く応える。
オスカ=ダブリンがマーカーに「バカ、ミライさんの態度見たらわかるだろ」と耳うちした。
ブライトがエホンっと大きな咳をするとモビルスーツの方はどうなの、とマーカーに尋ねた。
マーカーはオムル=ハングが機体の整備が完了した、といいにきましたと応える。
そうか、ブライトはそう応えると左の頬をおさえながら、準備完了だな、と思った。
エンジェルハイロウにいるハサウェイのことは極力考えないことにした。
ミライがこちらを振り返り、なにかを訴えていたがブライトは無視した。
  

舞台は宇宙だった。月が遠くにみえる。
永遠の暗闇がホワイトベースを包み込む。エンジェルハイロウとは多少距離があった。静かに前進させる。
薄く光を放つエンジェルハイロウの巨大なリングを見つめるミライにはなにやらあれが神々しいものに見えた。
それにしても、ミライは思う。あの物体の動力源はなんなのだろうか、と。

エンジェルハイロウそれ自体に攻撃能力は無い。四機のマシンがエンジェルハイロウの戦力とみて間違いないだろう。
その四機を落としつつコアをピンポイントで叩く。それがホワイトベースの作戦だった。
エンジェルハイロウにホワイトベースが近づく。でかい。圧倒的なでかさにブライトはなにか嫌なものを感じた。
そのとき突然ハイゴッグとザクFZがエンジェルハイロウのリングの影から現れた。
即座にミサイルを発射するが・・・当たらない。
二つの機体は左方向に動きながらこちらを観察している。まずい。
「左舷弾幕薄いぞ!なにやってんの!」
そうクルーに命令しながらブライトはアムロがいればな、とふと思った。
ハッチからハヤト=コバヤシとカイ=シデンの機体がでてくる。が、まにあわない。
その間にザクから発射されたミサイルがホワイトベースを襲う。
避けられない。ミライは瞬時にさとった。
「総員!ショックに備えろ!」ブライトがそう叫んだ。

409 名前: 1 投稿日: 02/10/24 16:48 ID:YRPVzD0e

激しい爆発音が響く。ブリッジに衝撃が伝わる。
損傷は軽い、ブライトはそう思いながらハヤトとカイに早く出撃するように命令をだした。


エンジェルハイロウのリングの上でハイゴックを操縦しながらバーニィはこの機体多少は宇宙用?に機能が調整されてるが、全然つかえねぇー、と叫んだ。
もともと宇宙の戦闘は無理な機体なのだ。だいいち利点が無い。
やっぱりハイゴックは失敗だったな、そう思いながら新しいモビルスーツをメカニックに頼まなかった自分に腹が立った。
キラたんハァハァと興奮して発売したCDを買っている暇があれば、機体をせめてゲルググにでもすればよかった。
そう悔やみながら目前の戦いを眺める。アンディが頑張っている。
ジオン軍潜入工作部隊サイクロプス隊の一員のアンディ=ストロースはザクFZを使っていた。
ザクFZは従来のザクの120mmマシンガンから90mmマシンガンに変更されている。口径は小さくなっているものの、高初速で高い貫通力を持ち、連邦のジム・シリーズにも劣らない火力を有している。
また通常のザクバズーカ、ヒートホークなどのほかに、シュツルムファウストと呼ばれる大口径の使い捨て式ロケットランチャーも装備している。
だからガンキャノンとガンタンクが出てきたときもアンディは充分に戦うことができる・・けど自分は・・。
アンディはガンタンクがこちらに向かってくるのをみながらそう思っていた。
アルフレッド=イズルハの顔を思い出しながらバーニィは、キャノンの直撃をくらい宇宙の闇の中に沈み込んでいった。

410 名前: 1 投稿日: 02/10/24 17:06 ID:YRPVzD0e

バーニィ、アンディが焦った声をだす。
バーニィの機体は爆発した。リングの一部がえぐれる。
ハヤトは爆発に巻き込まれないように後退しながら、壊れたリングの中からでてきた物体をみて息を呑んだ。
これは・・・・人間じゃないか!
ブライトもその光景を見て、呆然とした。
このエンジェルハイロウの動力は人間なの?精神力が動力源だというのか、そんなバカな!
ホワイトベースのクルーたちに戦慄がはしる。このリング全部に人間が眠ってというのか?
これは・・・このエンジェルハイロウを落とすということは大量虐殺なのではないのか?
そう思ったのだ。誰もが。

カイもそう考えていた。これは・・馬鹿げている。ふとドモンの死にぎわを思い出す。
そのときガンタンクの背中にビームサーベルが刺さる。
ガトーのジムだった。ガトーは深くサーベルを差し込みながらいった。
「何を動揺してる?あれだけ多くの人間を殺したお前たちだ、今更無抵抗の人間をころそうが心は痛むまい?」

411 名前: 1 投稿日: 02/10/24 17:30 ID:YRPVzD0e

シャアは一人ドーム会場の奥に設置された控え室にいた。観客とアナウンサーの声が聞こえる。
設置されたテレビにはエンジェルハイロウの姿が映っている。
テレビを眺めながらシャアはカミーユとの戦いを思い出していた。テレビのなかでガンタンクが爆発する。
ふと、ドアが開いた音がした。シャアは顔をあげ音のした方をみる。

fa.jpg
ファが拳銃をこちらに構えていた。


「ファ・・・カミーユの復讐か?私を殺しにきたのか。」
シャアは冷静に言った。
「大尉・・あなたは・・あなたって人は・・どうして・・あんな」
ファの目にはまだ涙が流れている。拳銃を持つ手が震えている。
「私が憎いか。ならば殺すがいい。引き金を引くだけでいいのだ・・それで私は死ぬ」
そういうとシャアはファに近づく。ファは慌てて少し下がる。
「どうした?早く撃つがいい。」
ファは唇を噛み締めながらいった。
「大尉・・あなたは・・あなたは・・・」
シャアはいう。
「確かに私は精神的に彼を殺した。しかしいずれ彼は崩壊しただろう。それが早いか遅いかの違いだ・・。」
そんなことない、とファは首をふる。そんなことはない。
「ファ・ユイリィ・・私を殺す前に見てもらいたいものがある。ついて来い。そのあとまだ私を殺したければすきにするがいい。」
そういうとシャアは控え室をでる。慌ててファが後を追いかける。


テレビの中ではホワイトベースがミサイルをリングに発射していた。
ガトーのジムがアンディのザクを倒したが、そのせいで体勢を崩したガンタンクを撃ち抜いていた。
ハサウェイのジムは動かず、宇宙に散らばる一般人の姿を見つめていた。
エンジェルハイロウのシャクティの祈りの声はブライトにはただの子供の戯言に聞こえた。

412 名前: 1 投稿日: 02/10/24 17:55 ID:YRPVzD0e

戦場はまさに地獄だった。
ホワイトベースがガトーに向けて撃ったミサイルはことごとく避けられ、そのミサイルはリングにあたっていた。
リングからまた人がこぼれ出る。腕や足が吹き飛ばされている。苦悶の顔がみえる。
怪我を運良くしなかった幸運な人間も宇宙空間に投げ出されてすぐに死んだ。空気がないのだから当然なのだが。
ハサウェイはそんな人々の死体をみて、こみ上げてくる吐き気を抑えきれなかった。

ガトーはモニターについた血をみて、ハイル・ジオンと叫んだ!
もはや彼は0083のときの崇高な理想をもった彼ではなかった。ただ目の前の敵を殲滅し破壊する。
それが全てであった。
ホワイトベースの攻撃をまた避ける。ガトーはそのミサイルがリングに当たるのをみて笑った。
そうだ、連邦どもよ!もっと殺せ!人々を!大衆を!私は死者を背負って更に強くなる!
ガトーはライフルをホワイトベースに撃ちつつ愉快でしかたがなかった。



ブライトは、宇宙空間に広がる人々の死骸をみながらこの大会は一体なんなのだろうか、自問していた。
こんなことをさせて一体なんになるのだ?主催者はなにをしたいのだ!目的はなんだ!
そんなに一般人を我々に殺させたいのか!その意味は!
「争いを止めなさい・・」シャクティの声が聞こえる。五月蝿い!そんな理想でかたずくのなら人は苦労をしない!
一年戦争、グリプス、ネオジオン、アクシズでの戦役、皆理想のためにたたかったのだ。ある者は銃を取って!ある者はボタンを押すことで!
艦長!もう残弾数がありません!そう叫ぶマーカー=クランの声を聞きつつブライトは迫りくるジムの姿をみた。
ホワイトベースのブリッジをジムのライフルが撃ちぬいたとき、ブライトは自分の戦いがここで終わることを喜んでいた。

413 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 18:24
ブライトさん死んじゃった…ウワァァン。゚(´Д`)゚。

414 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 18:26
ヘビーな展開だ・・・

415 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 18:39
なんか切ないよ・・・(´Д`)

416 名前: 1 投稿日: 02/10/24 18:58 ID:YRPVzD0e

ファはシャアの後について廊下を歩いていた。
観客席のほうに向かっているらしい。そう考えながらファは観客席から激しい音がすることに気が付いた。
一体どうしたのだろう。そんなに試合が盛り上がっているのだろうか?いや違う。これは・・争っている音?
そう考えながらあるいていると、突然シャアが立ち止まった。ロビーだ。
ここはビルの二階で、壁のところに巨大なガラスがあり観客席を見下ろすことができた。
「やはりな・・・・見てみたまえ。」
シャアが観客席を指差していった。
ファは観客席をみて息を呑んだ。


観客席の中央の広場で十万人あまりの観客たちは入り乱れて乱闘をしていた。倒れて動かないものも多数いる。
となりの男を殴る者。蹴り上げる者。叫び声をあげる者。噛み付く者。
ナイフを取り出す者。うずくまって動かない者。ピストルを取り出す者。
誰かが泣き声を挙げている。血だらけの人もいる。しかし争いは一向にやむ様子はない。憎しみの輪が広がっている。
むしろ加速的にひどくなっているようだ。

ひどい光景だ。ファは気分が悪くなった。これはなに?


な  に  を  し  て  い  る  の ?

417 名前: 1 投稿日: 02/10/24 19:05 ID:YRPVzD0e

シャアは言った。「この大衆たちを見たまえ。ひどい有様だ。彼らが何故争っているかわかるか?」
ファ・ユイリィはわからない、と呟いた。わかるわけがない。
「彼らは揉めているのだよ。この大会を続けるかどうかを。」
そういうとシャアの顔が怒りに染まる。
「愚昧なる大衆たちはガンダムの最強は誰か知りたがっていた!そこでこの大会を企画した者がいた!狙いは見事にあたり、この大会は全宇宙の人びとの興味の対象となった!
大会は進み、観客の熱狂は私とカミーユの時に最高潮になっていた!そこまでに多数の人物が死んでいたがそのことを嘆く大衆はいなかった!何故か!」
それは、とシャアはガラス越しに観客を見ながら続けた。
「それはこいつらはこう考えていたからだ!これは我々には関係ない!誰が死のうが!誰が勝とうが!泣こうが叫ぼうが!恐怖に震えようが!
しかしそんな彼らの考えはエンジェルハイロウのリング内の人々を見て恐怖に変わった!自分と同じ普通の人間がモニター越しに死んでいく!宇宙空間に投げ出される!
その姿をみて彼等は初めて恐怖したのだ!この大会に!残虐性に!喜んできた自分自身に!」
シャアはここまで一息でいうとファ・ユイリィの方を見た。彼女は既に拳銃を床に落とし、呆然と立ち尽くしていた。
シャアは更に続ける。外の喧騒が更に大きくなる。

418 名前: 1 投稿日: 02/10/24 19:06 ID:YRPVzD0e

「大衆の一部はこの戦いを止めろと壇上のアナウンサーに詰め寄った!続きが見たかった他の大衆はそれを止めようと彼らも壇上にあがった!
誰かが誰かを殴った!それが引き金になった!怒りは怒りを呼び、戸惑いの声は恐怖を誘発した!血の匂いが暴力性を高めた!
誰かが拳銃をだした!ナイフをだした!その結果がこれだ!愚昧な大衆達の本性だ!」
ファは頭をおさえた。そんな・・そんな。
「そこで私は悟った!このような茶番を引き起こし大衆を扇動させる人物!この大会の主催者!それは一人しかいない!エンジェルハイロウにいる人物!
シャクティはそいつの人形だ!そいつはエンジェルハイロウの中でこの光景を眺めほくそえんでいるだろう!これが人間の本質だと!所詮革新など戯言だと!」
シャアはそういうと窓ガラスから離れ、ファを見つめた。
「だから私は今からそいつに会わなければならない!そして奴を殺し、エンジェルハイロウをこの手で破壊する!」
ファはもう何もいえなかった。
「だから、スマンが私を殺すのはそのあとにしてくれんか。もう行かなければならないのでな・・・アイツが待っている・・」
そういうとシャアはその場を去った。
ドッグへと歩くシャアの後姿を見ながらファは、彼の姿を見るのはこれが最後だと思った。

外はいつのまにか雨が降り出していた。


420 名前: 1 投稿日: 02/10/24 19:18 ID:YRPVzD0e
ここまで読んでくださりホントに有り難うございました。やっと次で最終回です。
行き当たりばったりで書いていたのでここまでこれたのは本当に皆さんのおかげです。
次回 天下一武道会決勝戦は おそらく明日になると思いますが、最後まで読んでくださると嬉しいです。
あ、シャアに乗せる最後の機体いいのがあったらどうか御願いします。それでは。


425 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 19:53
パーフェクトジオング!!

433 名前: 通常の名無しさんの3倍 投稿日: 02/10/24 20:11
シャア専用ジオング・・・いい!

473 名前: 1 投稿日: 02/10/25 17:34 ID:???

天下一武道会決勝戦「シャア・アズナブル VS エンジェルハイロウ」


月にあるアナハイムのドックでシャアはメカニックが用意した機体の山を選んでいた。
ここにシャアのための機体が集められている。凄い種類の数だ。ターンX、リックドム、RFザク 、エルメス、νガンダム、ナイチンゲール・・
特にナイチンゲールをシャアは特別な感情で見つめた。
だが、それ以上にひときわ目を引くのは「MSN-02」ジオングだ。なんせ足がついている。
やはり・・・最後はこれが私にはふさわしいだろう・・。
そういってジオングに乗り込む。頭部のコクピットにだ。
コクピットに入ると懐かしい感覚に包まれる・・それは一度生死を共にした機体だから持てる感覚だった。
ア・バオア・クー戦役を思い出した。
あの時は足が無かったのにな・・そう思うと、とても可笑しかった。
シャアはあの時の工作兵との会話を思い出した。


工作兵 「…ジオングの性能は100%出せますっ!」
シャア 「足はついていない…」
工作兵 「あんなの飾りです!偉い人にはそれがわからんのですよ!」


偉い人にはわからない、か・・真理だな・・そう呟く。
メカニック達がシャアの機体の足元に集まってくる。その中の一人が歩み出て大声で言った。
「大佐・・・御武運を!我々はあなたの帰還をここでお待ちしています!」
そういい敬礼する彼らに返礼を返すと、ジオングのモノアイが光った。
「シャア・アズナブル出る!」と力強く言うと、ジオングは出撃した。
後に残ったメカニック達はシャアの機体がエンジェル・ハイロウに向かう姿を見て無事を祈らずにはいられなかった。

474 名前: 1 投稿日: 02/10/25 17:41 ID:???

エンジェル・ハイロウは静寂が支配していた。
ホワイトベースの瓦礫がそこら中に散らばっている。
ガトーはホワイトベースを撃ちぬいた満足感に浸っていた。笑みがこぼれる。
俺は・・木馬といわれた連邦の象徴ともいえる存在を破壊したのだ。彼は誇らしげだった。


ハサウェイは父と母の乗ったホワイトベースが爆発したのを見て、今まで自分は何をしていたのだ、と思った。
確かに自分はこの大会に優勝したかった。けれどそれは両親(正確にはブライト)への屈折したコンプレックスからの思いだった。一体誰が肉親の死を望むだろう?
ハサウェイはガトーにこれ以上ない怒りを感じた。
もっともそれは自分の責任を棚に上げたハサウェイの自分勝手なエゴにすぎないのだが。
ハサウェイはジムのライフルを静かにガトーの機体に向けた。
多少距離はあるが、油断している今ならばなんなく当たるだろう。
殺してやる・・彼は迷わずライフルを撃った。しかし、ガトーの機体はそれを難なくかわす。
「なにぃ!」ハサウェイは叫んだ。ガトーは自分の攻撃を予測していたのだ。
「やはりな・・所詮は子供か。親子仲良く宇宙の塵になるがよい!」
ガトーがそう勝ち誇った様にいった。ライフルをハサウェイに向ける。
しかし、そのガトーのジムの機体の右足は次の瞬間吹き飛んだ。



つづく
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