
その1
その2
その3
「問題です。どうして象の体はあんなにも大きいのでしょう?」
小学生らしき女の子が、にこにこと笑いながら神木キュンに質問した。
神木キュンは腕を組んで難しい顔をしていたが、しばらくするとその子に対して神木キュンの答を返した。
キュン「あんまり体が小さいと皆から忘れられちゃうから」
「体が大きくなれば、その分地球も大きくなると思ったから」
これは、彼らの中で流行っているひとつの遊びだった。
答のないような質問を作り、それを出し合っていかにスマートな解答をできるかを競う遊びだ。真実に即して正答する必要はない。考え出した答が可笑しいとか、綺麗であるとか、つまりはそういう部分が評価されるのである。
「うーん、今のは神木君の答の方が素敵ね」
キュン「でも、ルコちゃんの答も悪くなかったよ」
神木キュンがこの小学校に転校してきてから早一ヶ月。元々社交的な少年である神木キュンは、クラスの仲間の輪に素早く溶け込んだ。特に今こうしてなぞなぞ遊びをしている少女――ルコという名前のこの女の子とはなかんずく親しくしている。
「じゃあ、次は神木キュンの番だね」
キュン「そうだなあ……ううん」
世の中には「訳もなくそうあるもの」というのが沢山ある。どうして人間は空気を吸わないと生きていけない体なのか?朝は太陽が昇り、夜は月が浮かぶのはどうしてなのか?イルカはどうして立って泳がないのか?……といった風に。そして神木キュンとルコは、そうした「答のない問いに答を与えること」を、ひどく気に入っていた。ルコとこのやり取りをしている時、神木キュンはいつも世界に新しい意味が作られていく感覚を覚えた。リンゴの絵に紫の絵の具を塗りつけて、しかもそれが存外に美しかったような、そんな感覚。
「ね、早く早く。何か質問してよ」
キュン「そうだな、ええっと……」
「お尻はどうして二つに割れているのか?」
「えっ……」
キュン「な、なに今の?一体誰が……」
「神木君じゃないの?いまの質問。お尻がどうだとか……」
キュン「ぼ、僕じゃないよ!突然どこかから……」
二人は少なからず狼狽した。確かに教室には他にも沢山の生徒がいる。けれど、僕ら以外のクラスメイトはモップを振って野球をしたり、あるいはぺちゃくちゃとお喋りに興じている。だから、先ほどの声がクラスメイトからのものだったとは考えにくいのである。
「なんだったんだろうね……」
キュン「さあ……気味が悪いね。もう止めよっか」
「ううん、でも折角だし考えてみましょうよ。ちょっと下品だけどさ、面白いじゃない」
キュン「そう?まあ別にいいか……ん、お尻はどうして二つに割れているのか……」
再び難しい顔をして考え込む神木キュン。ルコも黙って考え込んでいる。
キュン「……よし、いいよ。考えた」
「あたしもいいよ」
キュン「じゃあ僕から言うね。割れてなかったらカバと見分けがつかなくなっちゃうから」
「うーんと、ズボンを履いた時、一番きれいに見える形だから」
肉欲「3つに割れてたら挿れる穴を迷うから。当たり前だろうがジャリ坊!」
馴染み深い叫び声が教室に響き渡る。
「ちょ、ちょっとなんなんですかアナタ!」
肉欲「頭脳は子供、体は大人!肉欲コナン……変態さ」
キュン「もうおしまいだ もうおしまいだ」
家にいるはずの肉欲が、どうして神木キュンのいる学校に?
混乱が神木キュンを、クラス全体を包んでいく。
誰だあの大人?ていうか神木キュン虚ろな目で何かブツブツ呟いてるよ?誰か男の人呼んで!
現場は騒然としていた。
「ちょっと神木君!神木君大丈夫?!」
肉欲「このメス猫ね……神木キュンを体に任せて誘惑しているのは……」
「は?」
肉欲「まだ小学生だというのになんといういやらしい目つき
思わずロリショタの道を踏み外しそうになった
この娘は間違いなくオサセ」
「ちょっと!いい加減にして下さい!神木君が脅えてるじゃないですか!」
肉欲「悪魔!あんたなんて悪魔よ!神木キュンを思うさまに誘惑しおってからに……許さない絶対に……!いいか絶対に、だ!」
「別にあなたに許してもらおうとも思っていません」
肉欲「うるさい鬼畜!達者なのは下の口だけで十分なのよ。目障りなのよこのクリトリス娘!」
「クリ……!あなたって人は……!」
ルコの瞳に憎悪の焔がたぎる。
いくら相手が大人とはいえ、初対面の人間にこうも罵倒されては怒るのもやむなしだろう。しかし当の肉欲は余裕の体だ。
肉欲「これだから本能だけで生きている人間は。もう怒っちゃったの?ヌンコもマれてんだろ?どうせ。濡れた野良犬みたいな目つきしちゃって。おお怖い。いやらしい。バキュームフェラ」
「いい加減にして下さい!」
刹那、ルコのたどたどしいキックが肉欲に向かって放たれた。
小学3年生という肉体、筋力。
それはあまりにも無力。
肉欲「ギャー痛え!折れた足が折れたよー」
「死ね!悪魔はあんたよ!死ね!死んで!」
「ギャアア!ギャアアア!」
ルコが肉欲に蹴りを入れる度にぺち、ぺち、と情けない音が教室中に響き渡る。けれど恐ろしいことに、そんな脆弱な蹴りを受けて肉欲の足はグニャグニャと折れ曲がっていった。そう、複雑骨折である。オナニーのしすぎによるタンパク質の欠乏、その結果として引き起こされる骨粗しょう症……突飛過ぎる論理だが、ルコの蹴りで骨が折れまくっている肉欲の姿を見るにつけ、その仮説もあながち妄言とは言い難いのではないか?事実、この光景を目にしていたC組のタケシは晩年、その研究の集大成とも言える論文『マスターベーションが引き起こす現代人の骨粗しょう症 〜未知なる病理に備えて〜』という書誌を発表し、学会から永遠に叩き出された。
肉欲「堪忍して 後生だから」
小学生に涙を流して土下座するこの男、肉欲。
どこか人としての尊厳はないものか?と頑張って探してみるのだけれど、そんなものはどこにもなかった。カスである。
「一体何なのよ、あなたは。突然学校に現れて……いま流行りの変態かしら」
肉欲「ところがどっこい、私は神木キュンのANIKIなんです」
「え?」
ルコはその言葉を聞いてウソでしょ?という顔で神木キュンの方を見る。神木キュンは口を横一文字に結んでジッと押し黙っていた。沈黙は、いつでも何より雄弁だ。状況が全てを物語っていた。
「そんな……こんな変態が神木キュンのお兄さんだなんて……」
肉欲「娘さん、お兄さんじゃなくてANIKIですよ」
「やかましい!さっきのにしても家族だから許されるってレベルじゃねぇぞ!」
「痛い 顔はやめて 顔はやめて」
キュン「……ルコちゃん、やめてあげて」
その時。
これまでずっと押し黙っていた神木キュンが、遂に口を開いた。
キュン「その人は、確かにどうしようもない変態で、クズで、頭のおかしい人だけれど、でも、それでも今僕が肉欲さんにお世話になっていることは、確かなんだ……」
「神木君……」
神木キュンは一言一言、確かめるように言葉を発した。
先ほどまでの怯えていた様子とは打って変わって穏やかな口調の神木キュン。
その顔には、微笑みさえ浮かんでいて。
キュン「さ、肉欲さん。僕とルコちゃんはただの友達ですよ。そんなに心配しないで下さい、ね?」
肉欲「うう、おで、おで……!」
キュン「まったく、そんなに泣かないで下さいよ。ほら、ハンカチ使って下さい」
肉欲「うぶ、ふべべべべ。ごめんね、ごめんね」
キュン「もういいですって。早く家に帰っててくださ……い?!」
「ちょっと!ちょっとちょっと!あんた何で神木君のおちんちん触ってるのよ!」
肉欲「こわっぱめが!これが忍法手コキやでぇ!骨を折らせて肉を揉む、っちゅう戦法や。兵法の基本なんや」
「うるさい しね」
肉欲「な、なにをするきさまらー!」
K察「新潟県警の者ですが。変態がいるとの通報を受けてやって来ました。変態はどこですか?そこの大きなお友達ですか?」
肉欲「違う 無罪だ 冤罪だ」
K察「黙れこのバカ!チンコ丸出しの状態で無罪も何もあるか!ちょっと署まで来いや!」
肉欲「横暴だ 国家権力の乱用だ 令状を 見せろ」
K察「うるせえ現行犯だ!」
肉欲「頼む 弁護士を 呼べ」
K察「テメーに人権などねえーー!祈りな!」
肉欲「痛い!やめて手錠はやめて!でも不思議と嫌じゃない……?まさかこれが、恋?ねえそうなのこれが恋なの」
K察「変だバカ死ね」
こうして肉欲は、人生三度目となる現行犯逮捕を喰らった。
パトカーに押し込まれる間際まで「何度でも蘇るさ!ショタは人類の夢だからだ!」と喚いていたらしいが、真相は定かではない。
それから神木キュンは3日寝込んだ。
人気ブログランキング
神木キュン!!
1ゲト?
K察クールすぎwwwwww
尻が2つに割れてる理由がよくわかった。
wwクソワロタwwww
これ続くの!?
耐えてたのに…忍法はズルイです。
チンは自分にもついてるので気持ち悪くてどうにも…
さすが肉欲、変態としての器の違いを実感したぜ…
だったら懐かしい、違ったら大人しく封神されときます。
まさか…新潟出身?
[肉欲より]
MISSINGですね。
あの中に『瑠璃』という短編がありまして、それにあやかり今回のサブタイトルとなった次第です。
すなわち貴殿の妖刀に我が菊門を差し出す心構えが出来、此処をさらなる発展へと導く為の助力をいたす事を此処に誓う次第でござりまする。
今後の貴殿の「HATTEN」を心待ちにしております。
燃えたぎるカオス!!!
シリーズで一番ワロタwwwwwwww
この内容ブログってレベルじゃねえぞ!!
読者の期待を裏切らないこのクオリティ、最高です><
I love you
襲
今日も下痢です。
かわいい(ハ*)
一点気になるところが…ルコちゃん、一度だけ「神木キュン」って呼んでますが、仕様でしょうか?
バロスwwwwwwwwww
さすが肉欲さんのブログ。面白いw
これって続くんですか?
コナンで吹いた。
みそじは勝手にしんぼくキュンと読んでるけど…
どっちーーーー?(;>_<;)
じゃね〜よww コンビニでニマニマして怪しまれたジャマイカwwwwwww
これどこかで……思い出せないorz
ピカデリー(ガキ使)ネタ
にふきました。