肉欲企画。

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2012年05月31日

真実はある、現実はない、ここはバビロン

 
たとえば皆さんが『ヤリマン』という四文字を聞いて、目にして、何を思うかである。色々あるかもしれないが、おそらくプラスのイメージを抱く人は皆無、あるいは絶無、といって良いだろう。所詮、我々における『ヤリマン』に対しての心象は、そんなものだ。

 
だが、ここで考えなくてはならない。果たして、僕たちは何を以て、いかなる基準を振りかざしたうえで、とある誰かを『ヤリマン』と定義するのか。優しさが見えないように、愛が目に見えないように、ヤリマンもまた、見てはとれない。主観は常に揺れ動き、物差しはいつだって相対的なものだ。ヤリマンという言葉自体は観念できても、それを具現化する人間そのもの、女性そのものを、一体僕たちは、どのようにして規定するというのか。

しかしながら、残念なことに、この話は眠たい。あまりにも哲学の分野に踏み込みすぎているからだ。自分でぶちあげておきながら何だが、世の中には 『察しろよ!そのくらい!』 としか言えないテーマが数多く存在している。

愛、優しさ、あるいは、ヤリマン。

それらの定義は、並べて 『説明させんな!そんくらい察しろよ!知能があるなら!』 という叫びへと帰納してゆく。

いると思う。あなた方の周りにも現在、あるいは過去、確かに 『有史以来稀に見るヤリマン』 と呼称された女性の1人や10ダース、確実に存在するはずなのだ。だから便宜上、この話はここで終える。一般的な意味における 『ヤリマン』 は、現実に生息している!ここを明らかにしておきたかっただけの話だ。

ヤリマン。その四文字。先程僕は "その言葉にはマイナスイメージしかつきまとわない" と記したが、それには少々語弊がある。なぜといえば、ヤリマン、思春期の猿たちがこのフォー・レター・ワードを目にしたとき、真っ先に思考の足先が向かうのは

「じゃあ俺ともセックスしてくれるのだろうか?」

かかるヴァルハラだからである。

ことここに至って、最前まで抱くべきであったマイナスイメージは、刹那のうちに霧散する。『誰にでも股を開く腐敗のラフレシア』 という認識は 『俺とロハでヤラせてくれる聖なるアヴェマリア』 へと転ずる。客観的な現実は如何ようにも変え難いが、主観的に抱いた安い認識など、いくらでも騙すことができるからだ。

【居酒屋 ヤリマンとサシ飲みの場面】

(ヤリマンというのはいただけないけれど……それでもこの若さ、この容姿で!セックスさせてくれるのなら、アリかも?!)

思考の無限回廊をマッハ7で疾走する比類なき俺達。口頭では安い言葉をベラベラと爆誕させつつ、シナプスは夜の論理圧へとフルスロットル。酒はまだある、財布もオッケー、ここは繁華街、諸々の手抜かりは、ない。おもむろに時計を見る。終電までは……後5分!見えた、見つけた!俺だけの関ヶ原ァ!!

男「ちょっと、雉を撃ちに……」(※雉を撃つ→小用の隠語)

膀胱は空であるにも関わらず、終電という選択肢を消すべく打って出た、あまりにもショボいやり口。だが、それこそがヤツの合戦、戦場、関ヶ原。何かを犠牲にすることでしか拾えない勝ち、そういうものも確かに存する。

女「おかえり〜。てか、いつの間にかこんな時間だね!ビックリしちゃった。電車ないよぉ」

男「ひ、ひゅぅ……ホンマやで……こいつは困った……」

あまりにも雑な三味線であるが、彼の中ではこれも高度な詰将棋だ。何せ彼の中では、もはや

『ヤリマン=今夜俺にヤラせてくれるマリア』

という図式が建立され尽くしているのだから。その意味からすれば、終電という選択肢を爆散させること、それは初手であり王手である。この時点で彼の脳内にあるのは

『もし脱がせた時にマキシシングルみたいな乳輪と対面したらどうしよう?』

現代の貨幣価値にして1円未満の煩悶くらいのものであろう。

さて、では、ここからの展開がどうなるのか?といえば、僕はその答を知らない。というか、答などない。確実に言えることがあるとすれば、答は風の中にしかない。

なぜなら、この時点で決まっていること、確定していることなど、まるでないからだ。目の前にあるのは『ヤリマン』『酒』『終電を逃した』という、それぞれ無関係なパーツが3つ、それぞれ好き勝手に転がっている……という現実、ただそれだけだ。

それらの要素を乱暴に加減乗除し、更にそこへ

『酒も奢った』

という要素まで加味し、即座に

『セックスできるに違いない!』

とシャウトするのは、その人の自由だ。誰も人の内心を止めることはできない。字面だけを追えば、なるほど確かに、愛の無いセックスの1つや1000個、爆誕しそうなケースではある。

だが、出来れば、そこで一度立ち止まって欲しい。落ち着いて、もう一度あなたの手の中にあるパーツを、じっくりと見つめなおして貰いたい。

『ヤリマン』『酒』『終電を逃した』『酒を奢った』

もし、ここで 『ヤリマン』 という代数を 『田嶋陽子』 という代数へとチェンジした場合、事態はどうなるか。容姿の如何ではなく、メンタルの問題として、である。田嶋陽子的なメンタルを具備した、ちょいモテゆるふわガール。そいつが代入されたとしたら。

あなたは果たして、彼女を安いセックスへと誘うのか?たちまち、そういう議論になるだろう。

「肉さん、それは詭弁だ。だって、これまでずっと『ヤリマン』という前提で話を進めてきたんじゃないか。そこでいきなり田嶋陽子的な女がどうだとか……論理の誤謬も甚だしね」

ご指摘、ごもっともである。だが、残念なことに、僕は詭弁など弄してはいない。先に僕はヤリマンという言葉、概念を引き合いに出し、挙句、その定義を諦めた。なぜなら、ヤリマンに実態はないからだ。世の中には様々な生態系のヤリマンがいるからである。

田嶋陽子的なマインドのヤリマンがいたら?

今日の議論の核がこれだ。寿司でいえば大トロである。短いうちにこれほどの矛盾を孕んだフレーズもそう無いが、では皆さんは、そんな人外魔境の輩が絶対にいない!と、言い切れるのであろうか。

男「終電もなくなったし……そろそろ行こうか、ホテル」

陽子「ハァ?!ちょっとアンタ、ふざけるんじゃないよォ!そんな簡単にねぇ、電車がなくなったからって、女がホイホイ股を開くと思ったら、大間違いだよ!そんな認識が未だに根付いてるからさぁ、女性の社会進出は阻まれてんのよ!あーやだやだ、久しぶりに電車も忘れて酒が飲めると思ったら、すーぐコレだ!女舐めてんじゃないよォ!」

男「え、っと。経験人数は……?」

陽子「100から先は数えてない

どうだろう?!この味わい。でも、決していないとは言い切れない。否!むしろ積極的に存在しそうな案件だ。繰り返しになるが、個人的な意見として、経験人数の多少がヤリマンを定義する、とは思っていない。だが、世間的に見れば、リアルペニス100人+というのは、立派なヤリーマンチェスターである。口を開いたときの主義主張が少々強いだけで、一般人からすればどこに出しても恥ずかしくないヤリマンだ。

僕が何を言いたいのか?要するに、ヤリマンにもヤリマンの矜持がある、という話だ。何でわざわざそんなことを語るのか?それは先日、ウェブ上で以下のようなことを相談されたからである。


「先日、大学でヤリマンと噂される女と飲んだんですよ。で、飲みに行って、普通に遅くなって、その女の家に行ったんですよ。普通セックスできると思うじゃないですか?でも、色々理由つけて断るんですよ!家まで行ったのに!ヤリマンなんですよ?!家まで上げておきながら!どうなんですか!!肉欲さん!!」


これはStickamというウェブ動画配信サービス上での相談であり、この時点皆様としても既にお腹いっぱいであろうが、彼の弁はtwitter上でも続いた。


『@b2949 昨日お伝えしそこねてしまいましたが、家を出る際「私、彼氏じゃない人とヤルことはあっても、彼女がいる人とはヤリませんから!」と言われ僕は本当に傷付きました。「殺しはするけど盗みはしない」みたいな訳のわからない倫理観だと思います。僕は1万円も奢ったんですよ?!


世にはびこる似非詩人に言いたいが、真実のソウルが込められたリリックとはこうでなくてはいけない。『1万円も奢ったんですよ?!』、理屈に頭を悩ませていてはこの一文のキレは絶対に出せない。希望と絶望の狭間に産まれたラピスラズリよりも眩い輝き、そいつがこれだ。

実体験からの訓示となることをご容赦いただきたいが、やはりそういうことなのだ。ヤリマンは実存する、だけど同じヤリマンは一人として存在せず、故に、ヤリマンは定義できない。そして、僕は思う。いみじくも過去に

『ヤリチンはモテるからヤリチンなんじゃない。セックスをさせてくれる人を見つけるのが上手いから、ヤリチンなのだ』

という趣旨のことを書いたことがある。
そして今日の日記も、それと同じことなのだ。

ヤリマンは、いつ如何なる時にも股が緩いわけではない。ただ経験人数が多いだけ、ただヤリチンに見つかるのが上手だっただけ、それだけなのである……と。


男「君との議論は非常にエキサイティングだった。続きはしとねの上で朝までナマ討論しよう」

陽子「ふふ、そのマニフェスト、虚仮威しだったら、しょ、承知しないんだからねっ!(クパァ!)」


経験100人、ただ100人、だが、100人。その100という数字に、余人からは計り知れない意味と矜持があったとすれば。弛まぬ迷妄と後悔と決断と希望とが無い混ぜになった100人、そんな100人だったと、そう仮定することができるとすれば?

バビロン。ここはバビロン。通りのよい現実など何処にもない、退廃と虚妄の局地、シュレディンガーのヤリマン。ピュクシスの底にエピオンを掴めるかは、果たして、あなた次第である。



以下余談
行きつけの居酒屋にて

僕「……というような話が最近あったんですけど、いかに遊んでいる子といえども、きっちりきっちり、口説いてあげないとダメですよね」

店長「そりゃそうだよ。遊んでいるから雑でいい、ってことじゃないし。見せる誠意は見せて、その上で適度に力抜いて接する、という息遣いだよね」

友人「こう、ヤリマン心をウマく転がす……みたいな感じだよね」

店長「まあそれもあるけどさあ、もう俺くらいの歳になると面倒だからさー、先に聞くよね」

僕「あー」

友人「え、何を?」

店長「『今日セックスするために行くけど、それでいいよね?』って。で、速攻ホテル行くかな」

僕「初対面でも?」

店長「初対面でも。だってしゃらくさいじゃん。したいことは一つだし、嫌なら嫌でそれでいいし。『セックスしかしないけど、別にいいだろ?』ってとこで言質とらないと、会う気が起きないわぁ」

友人「つえー」

店長「ヤッたらすぐ帰るしね。ガハハ」

僕「マジつえーわ」


バビロン、ここはバビロン。

posted by 肉欲さん at 22:37 | Comment(13) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
店長と指マンの違いはどこに?
Posted by 視聴者A at 2012年05月31日 22:53
更新だるいとか言わないで下さいね〜。w
Posted by at 2012年05月31日 23:41
肉さんが珍しく負けている・・・っ!

店長つえー
Posted by at 2012年05月31日 23:41
ヤリーマンチェスターwww
Posted by at 2012年06月01日 00:58
偏食系ビッチとして、酒・終電に続くステルスキーの存在には同意せざるを得ない。
Posted by at 2012年06月01日 02:59
マキシシングル乳首。いつか使ってみたいワードです。
Posted by at 2012年06月02日 01:29
例え相手が終電のがしてもホテル行こうとか言えないチキンです
Posted by ぱぴ at 2012年06月03日 05:55
店長がホントに雑ww
Posted by at 2012年06月04日 07:22
マキシシングルって
要はアルバムサイズじゃね「!?」

Posted by おはつです at 2012年06月04日 12:56
おっさんが酒席でエロ話を若い娘にするのは勃たないまでも、せめてせめての辱しめ

Posted by けンた at 2012年06月04日 23:32
田嶋の「100から先の…」件ワロタ
Posted by at 2012年06月13日 10:10
つえーww
Posted by at 2012年10月09日 17:55
店長強いw
Posted by at 2013年03月29日 00:33
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