『汁』の定義は曖昧模糊としております。
僕の古い友人にケンちゃんという人がいるのですが、酒やタバコなどは全て彼から伝授されました。僕の受験偏差値は予備校で培いましたが、人生の偏差値は間違いなく彼が育んでくれたと思う。その偏差値が高いかどうかは、知らない。
そのケンちゃんが16回目のバースデイの時のこと。
当時ケンちゃんには彼女がいた。
「オレ、彼女できたんだ」
ケンちゃんの彼女は、とんでもないオサセだった。
それを知らないのは、ケンちゃんだけだった。
恋というのは、往々にして盲目なものなのだ。
それでも彼が幸せだったらそれでいいと、僕たちはそういう風に思っていた。
「アイツ、あんまり恋愛経験ないからさあ」
そう語るケンちゃん。
けれど僕は知っている。
その話を一緒に聞いている竹野。
彼が中学時代にケンちゃんの彼女と付き合っていたことを。
「恋っていいよねー」
そんな話に花が咲く。
けれど僕は知っている。
そうケンちゃんに語ったジュンが、つい最近までケンちゃんの彼女と付き合っていたことを。
だけど、そんなことは口に出さない。
僕らは子供だけど、大人だ。
『優しい嘘』、その言葉の意味くらい、知っている。
「早くヤリたいよー」
そう語るケンちゃんは思春期真っ最中という風情だった。
このくらいの歳だと、頭の中はセックスで一杯だ。
それは、誰も咎めることのできない摂理。
男はしょうがないのだ、生物学上。
「あいつ、処女って言ってたし」
-----
『ウソにきまってる』
作詞 吉田美和
ありえないよ 彼はそんな人じゃないよ あたしの彼とは違う
変なウワサで落ち込まないで 自虐ネタが思わず出てくる
「あの日あたしは あの日あたしは」
仲良しのみんなも大事にしてる 長年似合いすぎの二人
絶対信じない ウソに決まってる みんながそう言う
そんなの絶対 ウソに決まってる あたしもそう言ってみる
-----
『ウソにきまってる』
作詞 吉田美和
ありえないよ 彼はそんな人じゃないよ あたしの彼とは違う
変なウワサで落ち込まないで 自虐ネタが思わず出てくる
「あの日あたしは あの日あたしは」
仲良しのみんなも大事にしてる 長年似合いすぎの二人
絶対信じない ウソに決まってる みんながそう言う
そんなの絶対 ウソに決まってる あたしもそう言ってみる
-----
思わず脳内にドリカムが駆け巡る衝撃。
恋は盲目、それは分かってる。だけど、だけど!
「しょ、処女かあ……!」
「おう、処女だってよ!グペペペ」
―――絶対信じない ウソに決まってる だって石川先輩がこの前ヤッたって言ってたもの みんながそう言う―――
優しい嘘。
彼女がこの時童貞だったケンちゃんに思わず「処女だ」と偽ったことを、僕は責めることができない。
それでいいと思う。
では、なぜ、こんなにも彼の笑顔が心に沁みるのだろうか……。
僕には何も分からない。
竹野とジュンと、時々、肉欲。
夕日をバックに静かに泣いた。
-----
2 weeks later...
-----
「ケンちゃん!おめでとー」
「おう!ありがと!」
飛び交う祝福の声。
皆笑っている。
その日はケンちゃんの誕生日だった。
「ついに16歳だね」
「早いなあ」
彼はまた一つ大人の階段を昇った。
「おめでと〜☆」
彼女の家で。
そしてなぜか僕らも一緒に。
「……竹野君、やはり僕たちは帰った方がいいんじゃないかと」
「バカ野郎!あいつは今日絶対にセックスをする。いいか、絶対に、だ!」
「させればいいじゃんよ……」
「アカの手先のおフェラ豚め!俺たちが見届けるんだよ!」
竹野は、ハートマン軍曹のように気炎を上げていた。
ケンちゃんのセックスを目撃する、ただそれだけを目標として。
「いや、俺たちがいたらヤらないだろ、常識的に考えて。なあジュン」
「ケンちゃんは絶対ヤる、今日ヤるんだよ……」
「OH MY GOD」
最早彼らの心にはケンちゃんを祝うという気持ちなんて微塵も残されておらず、そこにあるのはただただピュアな下心。
僕はケンちゃんをチラリと見る。彼女と楽しそうに笑っているこの青年が、何時間か後にセックスをするのか?僕には到底考えられなかった。モラル、学校の授業でも倫理という科目がある。
「やっぱ倫理的にまずいと」
「倫理?何それ美味しいの?おちんちんビローン」
しまった、そういえばコイツらFラン高校だった。
英語の授業がABCから始まった彼らにとって倫理なんて冥王星よりムーンライトマイルな距離なのだ。モラル、あまりにも空虚なその言葉。
「いや、でもさー。俺らがいたらできないじゃん。するわけないじゃんか」
「いいか、俺なら友達がいようと絶対ヤる。だからアイツも絶対やる。いいか、絶対に、だ!」
「DNAから狂ってらっしゃる」
ケンちゃん「おーい、そろそろ寝ようぜ」
(^o^)/ハーイ
(^o^)/ハーイ
/^o^\フッジサーン
そして部屋の電気が消えた。
-----
【僕らの位置関係】
☆■○××
☆⇒ケンちゃん
■⇒彼女
○⇒肉欲
-----
竹(肉欲!きさまー)
肉(黙れこれが戦争なんだよ)
このあたりになると、僕自身も夜の興奮が手伝ってか冷静でいられなかった。
『近くにいればうっかりしてセックスできるかもしれない』
いつの間にかそんな風に思っていた。ごくロジカルなことである。
そしてそのためには彼らの隣にいることが必須だった。友情をないがしろにしても、だ。まさに下関の孔明。いけいけ肉欲、夜の論語で天下布武だ!
しかし……。
(スー スー)
(グーグー)
(リーリーリー スイッチョスイッチョ)
季節は秋、外では虫が鳴いていた。
僕らはしっかりと寝たフリをキメ込んでいた。
けれどもただ漫然と流れる、時間。
そして始まらない、セックス。
(最初からムリだったんだよ……セックスなんて……)
誰もが諦めかけた午前3時。
その時歴史は動いた。
「……んッ……んん……」
「ハアハア」
-----
『はたらくくるMA』
××××(自主規制)作曲
のりもの あつまれ いろんな まんこ
どんどん でてこい はたらく ちんこ
えろほんとうこう あつめる ゆうびん射!
こかんをきれいに おそうじ せいそう射!
ふぇらちおすまただ いそいで きゅうきゅう射!
さおのかじには ばきゅーむしょうぼう射!
いろんな ぺにすが あるんだなあ
いろんな おまんこ あるんだなあ
なめる! しごく! はたらくめおと!
-----
『はたらくくるMA』
××××(自主規制)作曲
のりもの あつまれ いろんな まんこ
どんどん でてこい はたらく ちんこ
えろほんとうこう あつめる ゆうびん射!
こかんをきれいに おそうじ せいそう射!
ふぇらちおすまただ いそいで きゅうきゅう射!
さおのかじには ばきゅーむしょうぼう射!
いろんな ぺにすが あるんだなあ
いろんな おまんこ あるんだなあ
なめる! しごく! はたらくめおと!
-----
肉館「さあ始まりました肉と肉との攻防戦、ここは戦いのオリンピア。
ふたり初めての共同作業 先に待つのは神の未来か悪魔の過去か?
早漏中折れ短小包茎 かつて幾多もの勇者が挑んでは散った悪魔の肉壁。
その要塞を突き崩すのは最強の矛か?
あるいは夢を打ち崩す最強の盾が立ちはだかるのか?
古代中国 遥か悠久の時を経て今ここに蘇る矛盾の戦い!
負けて散るのが花なのか?勝って描くが虹なのか?
願いよ叶えいつの日か 僕は彷徨う蒼い弾丸。
解き放て、ミリオンセラーの精液!今、戦いのゴングです!」
「ハアハア」
「……んっ……んっ!」
かすかに響く吐息と吐息。
引かれるの覚悟で言いますが、率直に言って超興奮したよ。しょうがないじゃん。けだものだもの。いやいや、同級生が横でおっぱじめてるんですよ。童貞には刺激が強すぎるよ!
「んっ…!んっ……!」
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか更にヒートアップしていくお二方。まずいこれはじつにまずいもっとやれ。
「ん…?!ちょ、ちょっと待って……!」
突如手を止めてこちらの方に向き直る彼女。
ドキッ!ブルマだらけの空戦大会!
じゃなくて、ドキッ!もしかして起きてるのバレたか……?!どさくさにまぎれて彼女のケツの下に手を入れたのがあるいはバレた?!バカな!こんなことで終わるなんて。「俺たちの戦いはこれからだ!」状態で終わるなんて、そんなのって……そんなのって、ないよ。
「ケンちゃん、起きてるよ……」
(^o^)oh my god.
おごれる平家久しからず。
『セックスしてる最中だったら何をしても大丈夫』
そういう風に考えてる時期が僕にもありました。
それがまさかこんなになるなんて。こんなんなっちゃってるなんて。
(自首しよう)
そう思って僕は覚悟を決めた。
その時。
「竹野が起きてるよ……」
\(^o^)/セーフ!いや、それでも事態は変わってないか?それにしてもどうして竹野が起きてるのがバレたんだろう。僕を挟んでいるから位置的には完全に死角なはずなのに。まさか邪気眼?そう思ってそれとなく竹野の方を確認した。

わー男らしい仁王立ち^^やかましいわ!
それはバレるだろ……どう考えても……。
(終わった)
誰もがそう思った。
ケンちゃん「いや、多分あれ、寝てるよ。ゴソゴソ」
「アアン」
-----
「やれば出来る」なんて嘘っぱちだ。
そうじゃねえだろ!?
「やってみなきゃア わかんねえ」
そうだろ!若者よ、童貞を誇れ!!!
!!!!童 貞 万 歳!!!!
-----
「やれば出来る」なんて嘘っぱちだ。
そうじゃねえだろ!?
「やってみなきゃア わかんねえ」
そうだろ!若者よ、童貞を誇れ!!!
!!!!童 貞 万 歳!!!!
『童貞ソーヤング』
-----
童貞が白と言えば、黒いカラスも白くなる。
起きてる竹野も熟睡してる。
ケンちゃん、童貞で、ありがとう――。
その後、ケンちゃんがゴムを取り出す際に誤って部屋の電気を点ける、夜中の4時に彼女の電話に石川先輩からの着信がくる、処女のはずの彼女が「違う、挿れるところはもっと下」と力強い指示を飛ばす(真横だから聞こえた)、などのハプニングも盛りだくさんでしたが、ケンちゃんの初めてのセックスは無事に済んだのでした。オメでとう!オメでとう!
(チュンチュン……チュンチュン……)
そして、朝がきて……。
「……おはよ」
「あー、おはよ……」
「はよ……」
「ん……」
「………」
なんだこの重い空気。あからさまなタブーを前に皆すくんでる感じ。誰も動けない。動いたら殺される。そんな雰囲気。
「よう!どうだった?締まった?マンコ」
聞きてぇー。
有無を言わさずそのようなことを問い詰めてぇー。
「肉ちゃん、風呂入ろうよ」
突然繰り出されるケンちゃんからの急角度のオファー。アラヤダ!あんたアタシにも心の準備ってものが。
断るのもアレだったので一緒に風呂に入る。
どうして僕は友達の彼女の家で風呂に入っているのだろう。人生って何だろう。
ザバー
ザバー
「ふう…気持ちいいね」
「うん、そうだね」
「……」
「……」
「ヤッてたよな?」
「うん、ヤッてた」
女性の皆さん、これが正しい男子の生き様です。
口数の多い言葉など全く不要。
つーか裸になった時、ケンちゃんキスマーク見せ付けすぎ。比喩とかじゃなくて背中で語ってたよ、アレは。
「で、ど、どうだったの?」
「……指がね」
「ん?」
「指がね、三本入ったんだ」
衝撃のカミングアウト。王大人、非処女確認!
「まあ……大は小を兼ねるしなあ……」
フォローをしようとして頓珍漢なことを口走る僕。
泣ける。
とにかくも、こうしてケンちゃんは無事に童貞を捨てることができたのでしたとさ――。
(余った彼女オッパイはその日、肉欲がケンちゃんに頼み込んでちょろっと揉ませてもらいました。いや、結構揉んだ。そんなケンちゃんとは今でも仲良しです。色んな意味でやっぱりダメだ俺、昔っから)

揉んだってwww
なかなか壮絶な人生を歩んでますよね^^
てか女の家に男:女=4:1っておかしくね?5Pフラグ?
女の方もDNAから狂ってらっしゃる…。
・・・今もその頃とあまり変わってないようなw
…てか肉欲さんが書くのは全部好きなんすけどね^^
さすがですな^^
鎮火どころか逆にボルケーノ…!!
@ A 外伝
ときてたので、今回がBになります。
さすが肉さんw
しかしサセコなのに処女って嘘は…orz
せめて「あたし経験少ないの…」くらいが妥当かとw
名言だ!!!!
一つ、高校時代。よく押し入れを皆で覗いた。10人位たまってた友達宅。いつもシテタSとAちゃん。
二つ、猛毒。
ダラダラ涎垂らして走るよ身体障害●。
壊れた体運ぶよ霊柩●。
深夜の公園で酔った友達に、友達の彼氏の友達と二人で悪戯しました。その後マンションの非常階段で…子供は寝てなさい、と私は眠らされました。同級生なのに(笑)
ノスタルジーです。
てかオサセなのに処女って。てか揉んだって笑。