肉欲企画。

twitterやってます。

2012年02月11日

時間を止めて ぼくと話そう

本日はお便りを紹介しよう。

・・・

差出人 ゲソイカ
件名 相談です

本文 

肉欲さん!ネトラレ属性の肉欲さんには分からないかもしれませんが、彼女の昔の男達が気になって眠れない28歳男です!

アナルを舐めてあげようか?と言われる度に嫉妬でイチモツが萎えてしまう病にかかってしまいました。こいつ、俺と付き合うまでに、何人とどんなPlayをしていたのだろう?と思うとジェラシーでたちません。眠れません。

セフレが3人いる僕ですが、この言いがかり的なジェラシーのため、欝になりつつあります。

この、男の子の処女信仰感情を捨てされる勇気のある言葉をくださいませませ!

かしこ


 
好きな人に漂う過去の幻影、男の足跡。それはしばしば、ウブでピュアなメンズ・ハートをエイトビートで掻きむしる。並べて人は過去に戻ることなどできないからだ。

「そういえば、昔付き合っていた人がね……

突然、訊いてもないのに語られる虐殺のバラード、思い出の押込み強盗。彼女にとっては何でもない昔話だろうし、既に終わりきった話なのであろう。だがそれは、こちらからしてみれば極めてノーサンキューなリリックだ。経験浅い時分にあって、『昔の男』この三文字はあまりにもパンチ力が強すぎる。

人は時計の針を今にしか合わせることができない。
誰も未来を、過去を生きることはできない。

だけどそれは、あくまで事実、現象面としての話だ。気ぜわしい現代人は常に時計の針を未来に合わせて生きているし、終わらない青春ノイローゼを患った人間は、いつでも過去に針を合わせて生きている。

僕たちは今を生きながらにして、過去を未来を、生きることの出来る存在なのだ。

「昔の彼がね……」

聞いた瞬間、僕らは心のタイムマシーンにライドオン。妄想タイムトラベルを瞬時に敢行。彼女の口から止めどなく溢れる無慈悲な証言を組み合わせ、イメージの中にだけ存在する "彼女の過去の世界" を身勝手に構築するだろう。

その世界に、当然ながら、彼の姿は存在しない。現実の人間は、"現在という一時点" にしか存在を許されないからである。

だからこそ、余計に苦しい。
切なくて辛くなる。

いまのあなたが好きだから、未来も過去も丸ごと愛したい、丸ごと自分のものにしたい!ーー程度の差こそあれ、こういう想いを抱いた瞬間、彼女の語る 『かつての話』 は鋭利な刃物と化してしまうだろう。お前は、俺以外にも、心を浮つかせていたのか……と。

「過去に嫉妬するなんてみっともない、やめて欲しい!」

痺れるほどに正論だ。
だが、これまで正論が役に立った試しを、僕は知らない。

結局、ほとんどのケースにおいて 『かつての話』 なんて語るべきではないのだ。それは既に終わったエピソードであり、その時々がどれだけ輝きやドドメ色に満ちたものであったとて、第三者からすれば桜島の降灰予報よりも無意味なトークであろう。思い出が意味を持つのは、いつでも当人に対してのみである。


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(その有効効果範囲は常に限定される)


だが、どれだけあなたが口を噤んでも。
思わぬ場所から過去の刺客が乗り込んでくるケースもある。

その悲惨な事件は、動作や振る舞い、あるいは肉体言語など "ノンバーバル・コミュニケーション" の舞台において発生しがちだ。

「あ、ここのラブホ来たことがある!

事例としては微妙だが、分かりやすいので採用する。要するにこういったケースのことだ。直接的に過去の男のことは語らずとも、ちょっとした仕草、軽口、目線の動きーー等など。それらにも膨大な過去記憶が潜んでいる場合が多い。

そこで相談内容に立ち戻りたい。


アナルを舐めてあげようか?


ステキな響きである。僕はこれほど美しい日本語の調べを他に知らない。金銭の介在するアナル舐めには商業の香りしかしないが、無料のアナル舐めには真実の愛の香りがするからだ。だが、悲しいかな、今日の論点はそこではない。

アナルを舐める。確かにそれは浅からぬ愛情の現れだ。睦言を交わすばかりが愛情表現ではない。見つめ合い、触れ合い、重なりあうことで示される愛情……そういうものは絶対に存在するし、仮にセックスがオパールだとすれば、アナル舐めはダイヤモンド。愛情表現界の金剛石、と称しても差し支えないだろう。ロハのアナル舐め、そいつは最上級のアイ・ラブ・ユー。

だからこそ、その扱いは慎重になるべきである。軽々にそのウェポンは放ってはならない。

付き合ったその日、即日!アナル舐め。
シビレを超えて、いっそ恐怖の対象である。

「こいつ、前の男にどんな調教されとったんや……」

誰もが抱く心のシャウトだ。
もちろん、彼女の口から "かつての話" は一切語られていない。だがその努力も、甲斐甲斐しさも、ひとつのアナル舐めで軒並み灰燼に帰すだろう。なぜなら、シャバで普通に生きてきた場合

『セックスをしよう→アナルも舐めてあげよう

この因果関係を構築する機会がないからだ。どこかの段階でイカ臭い特異点が介在していた筈なのである。

そして漕ぎ出す心のタイムトラベル。アナル舐めから始まるイッツ・オートマチック。空想の世界でタケシ(仮名)のアナルを舐めまくるあなたの姿を網膜にリプレイし、こう叫ぶだろう。

「とりあえず、舐め、ヨロシク」

いや、違う。これは俺の個人的な感慨だ。聞き流して欲しい。実際はこうである。

「お前、そんな……一体どこでそんなプレイを覚えたんだ……」

切なくて哀しい訊問だ。知らないフリができるなら、それでも良かった。だが僕たちは触れてしまったのである。他ならぬあなたから発せられた、アナルの調べに。知ってしまった以上、認識しまった以上ーー見てみぬフリなどは出来ない。僕たちは、心に刑事(デカ)を飼っている。

「え?みんな、普通に、してきたけど……」

みんな。英語にすればeverybody。何ダースなんだ!それは。事態は秒単位で悪化していくが、転がり始めた石を止める手立ては、もうどこにもない。

「だ、誰に教えられたの?!」

「えっと……17のときに付き合ってた大学生の」

17。なるほど、素数だ。ノー、そうじゃない。俺が17の時、高校2年生の時、友達に借りたAVで磨製石器を磨いていた時、模試の成績で一喜一憂していた時、こいつは既にアナルの扉をノックしていた。実にスピード感溢れる生き様である。このままいけば、30を迎える頃にはアナルに乗って月面着陸くらいするんじゃないか。分からないが。何かそんな気がする。ハロー、地球は青いですか?

過去に嫉妬するのは美しくない。
また、理不尽ですらある。
過去があって今がある以上、愛した女の過去までも愛してやれーーそんな言葉もある程度は納得できる。だが、理屈ではない部分が納得できなかったら場合は?相談者のように、ペニスがエレクトしなくなったりしたら、どうするべきなのか……?

まさしく限界事例だ。過ぎた時間は戻らない。僕たちは過去を生きることはできない。時計の針は、常に今しか示さない。だからこそ、目の前のありのままを受け止めてあげるべきなのであろう。

「それでも俺は、あいつの "初めて" になりたかった!」

エゴだが、それもまた彼における 『ありのままの心』 だ。その在り方の是非はともかく、ひとまずそれも尊重されなくてはならない。彼もまた、彼なりの過去を生きたうえで、今の自分の心を体を、形成しているのだから。


アナルを舐めようとしたあなた。
それに驚愕した彼。

かつて、その時々の恋を懸命に生きたあなた。
理解してなお、あなたの初めてを請い願う彼。


思うに、これから二人がするべきは、未来に目を向けることだ。明日が今日になり、今日が昨日になり、昨日はいずれ昔になる。僕らは過去に戻れない。だが、流れ行く時間の中において、過去を積み上げることは可能である。

今、この瞬間こそが、過去の始まりだからだ。

よって、あなたは。
あなたなりの "初めて" を探して。
彼女に "過去" を刻むことができれば。

それはとってもステキな話だ。


「なあ……」

「うん……」

尿道に挿れてもいいかな?


ビギン・フロム・ジ・アナザーエントランス。尿道から始まる創世記。歴史の語り部。その行いは、たぶん、絶対、確実に!彼女史の中に刻み込まれるだろう。ともすれば人類レベルの偉業ですらあるかもしれない。中々にハードルの高いプレイではあるが、だからこそ刻まれる "はじめて" の烙印も深い。あなたは未曾有のエポックメイキング野郎だ。

過去の幻影、モトカレ・ファントムに。
100馬身をつけての勝利を得るには、前人未到の境地、心と体の亜空間にエクストリーム着地をカマす他ないのである。

「にょ、尿道は入り口じゃないよ……?」

「大丈夫、みんなやってる

全体、若人はこの惹句に弱い。みんながやっているのなら、いいかも?他者との同一性を保たんとする現代人特有の心の脆さ、そいつに狙いを定めた匠の一撃だ。

「でも、さすがに尿道は……」

「じゃあアナルでいいよ」

ド高いハードルを設定したあと、少しその垣根を下げてやる。すると不思議と、相対的にアナル・ファック・ハードルは下がることだろう。性のヒットアンドアウェイ、ベット上の魔術師、セックス界の催眠商法野郎。

「一回だけ!」

限定感、"今だけ!" 感を打ち出すことも心がけたい。

繰り返すが、これは全てあなたが願う 『はじめて』 を得るための、涙ぐましい努力だ。決して薄汚い欲望のゆえのことではないし、放たれる言霊は押し並べて "愛" に担保されている。どうか誇り高い気持ちで臨んで欲しい。


ーーかかるやり取りの結果、果たしてあなたが 『はじめて』 の原野に至れるのか否か。それはあなた自身の資質にかかっている。イケるかもしれないし、ダメかもしれない。

誰も未来のことは分からない。
泥臭く懸命に、『この今』 を生きるしか選択肢はない。


「こいつ、過去にいったいどんな……」

そんなところに嫉妬や執着を燃やすのと

「だったら俺は耳をファックしてやる!

どちらが前向きで、エネルギッシュか。
生命の鼓動に満ち溢れているか。
もはや比べるまでもないところだろう。


これらを以て、僕の返答とさせて頂く。

今回の日記が相談者に、あるいはこれを読んで下さった方に対しーー何らかの励みとなるのであれば、僕は嬉しい。


頑張って下さい。


恐惶謹厳 肉欲拝
posted by 肉欲さん at 17:54 | Comment(11) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
「尿道は入り口じゃないにょ!」

って言われたら俺の平静は危ない。

肉さんが生き生きしててらっしゃる!文章のリズムもたまりません。
Posted by ヒヅキキイチ at 2012年02月11日 18:23
彼女の昔の男と寝てくればいいじゃないか
Posted by 鳥 at 2012年02月11日 18:59
めっちゃ面白かったです^^
Posted by まくら at 2012年02月11日 20:28
初めて※します!
僕も処女信仰的に色々と病んでいる童貞高校三年生ですが肉さんの言葉でいつかこの鬱々が消える気がしました!ありがとうございます!!
Posted by at 2012年02月11日 22:32
恐惶謹言?
Posted by at 2012年02月12日 00:10
おそれつつしんで申しあげる
Posted by at 2012年02月12日 03:26
昔の男とのプレイの一部始終?
ははっ、最高のオカズじゃないですか。
(とあるNTR属性の男)

【肉欲より】

イエス イット イズ
Posted by at 2012年02月12日 09:52
永遠の課題ですな。
僕はいちいち過去のプレイを聞き出し、そこから未来を掴んだと思ったら生理が止まって冷や汗でした。
Posted by at 2012年02月13日 11:57
女ですが、女同士で確かに話のネタとかで、元彼話は割と主流なので、そのノリのまま男性に話すと駄目だということが勉強になりましたァ!!
Posted by at 2012年02月14日 16:51
耳ファックはありかも
Posted by at 2012年02月15日 12:37
桜島の降灰予報は、生きるために無くてはならないものですね〜
Posted by at 2012年02月19日 19:37
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