クリスマスを前に 『24日は彼女とどうやって過ごそう……』 という悩みを抱えるメンズも多いであろう。それが彼女と迎える初めてのクリスマスとなれば、なおのことだ。失敗の許されない戦いが、そこに。
全ての日本人にほぼ共通する基本的な流れとしては 『食事→プレゼント→セックス』 この三段論法である。順番が入れ違うことはあれど、この3つは必ず踏襲されることだろう。
@ 食事をどうするか
意外に迷うものである。折角のクリスマス、やはりシャレオツなメシ屋で決めたい……!全ての男の抱える心のシャウトだ。
だからクリスマスのあの時期、レストラン側はそういう需要の存在を見越し、ご丁寧に『クリスマス価格』で迎え撃ってくる。要するにボッタクリ料金である。コースで8000円、などというのはザラだ。とんでもねえ話である。何でさして美味くもないメシに8000円も払わなければならないのか。およそ正気の沙汰ではない。
よって僕からしてみれば、『シャレオツなメシ屋で決める』 まずこれを却下するだろう。では一軒目から居酒屋に行くのか?といえば、それも論外である。僕は鳥貴族という安居酒屋が大好きだが、さすがの僕でもクリスマスの一軒目に鳥貴族をチョイスすることはない。愛よサヨウナラ、孤独よコンニチハ、となることが目に見えているからだ。
クリスマスに限らないが、こういう場合、デートの全行程に亘って『シャレオツなムード』を保ち続ける必要は、一つもない。個人的な考えだが、スタートとゴールだけキッチリとした雰囲気を演出しておけば、それでオッケーだ。
従ってクリスマスの場合、一軒目は適当に小洒落たバーにでも入り、軽くシャンパンの1杯でも飲んで、サッと退出すれば十分だ。わざわざバーに入って、一杯だけでいいのか?と思う向きもあるかもしれないが、全然大丈夫である。バー側としても、そういう使われ方をされるのは織り込み済みだからだ。これなら意味不明な『クリスマスコース』に余計な出費を割くこともないし、『お洒落な雰囲気でシャンパンを飲んだ』 という既成事実も出来上がる。
そこで浮いた金はゴール、即ちシティホテルにでも回せば良い。
この後は普通に居酒屋でいい。というか、居酒屋に行くべきである。なぜか。シャレオツな雰囲気に包まれたままでは、中々酒も進まないからだ。その点、居酒屋の気安い雰囲気であれば、向こうもこちらも気楽に酒を飲みやすいし、お互いのテンションの上がり方も早い。
当たり前の話であるが、このとき間違っても新橋の赤提灯などをチョイスしてはならない。いくら居酒屋といっても、そこには自ずと限度がある。チェーン店も避けたい。ちょっとしたこだわりの一品がある、客単価4000円程度の居酒屋、このくらいのラインが無難だろう。
女性がブーツを履いている場合は、座敷ではない店にする……といった小技もキリリと利かせておきたい。どうしても仕方がない場合でも「ごめんね、ブーツ脱がなくちゃだね」とか何とか、一言添えるだけでも、心象はグッと異なる。
クリスマスの居酒屋はガラガラである場合が多いので、是非検討されたい。
A プレゼントをどうするか
下手な策を打つより、いっそ何が欲しいかを聞くべきである。男性はとかくサプライズを好むが、女性は大してサプライズ性にこだわらない。優先順位としては、こんな感じだろう。
サプライズ、かつ欲しかったもの>>事前に尋ねられた上で用意された、欲しかったもの>>>>>>>>>>>>>>>>>>サプライズ、かつ大して欲しくなかったもの
如何にサプライズがリスキーであるか、お分かり頂けたと思う。こと恋愛経験に乏しい方ほどサプライズに拘る傾向があるが、それは断りなしにあなたのブツをアナルにぶち込むくらい危険な行いだ。喜ばれる確率は2%を下回る。事前に「挿れていい?」と訊くのが紳士のたしなみであるように、「何が欲しい?」と訊くのもまた、持つべき紳士の心意気であろう。
もっとも、長きに亘る入念な隠密捜査の末、間違いのない『サプライズ』を演出できるのであれば、それに越したことはない。状況は適宜判断されたい。
なお、僕は経験がないが、世の中には何のためらいもなく10万円単位のプレゼントを請願する、脳味噌アッパーヤードな女性も生息しているらしい。かつての知人の例でいえば、彼が19歳の冬、その付き合う彼女から12万円もするブルガリの時計をねだられておられた。気丈夫な彼は馬車馬のように働き、稼ぎ、無事12万円という未曾有の大金を稼ぎ上げ、更に一泊3万円(×2=6万円)もするホテルも用意し、もちろん食事も全て奢り……と、まるでバブルの申し子が如き献身っぷりを披露した。結果、1ヶ月後にはフラれていた。なんともご無体な話である。
彼に残ったものは非常に苦い思い出と、彼女から貰った安いプレゼントと、稼ぎ過ぎたがため親の扶養から外れてしまったことと、その3つくらいだ。マジでえげつねえ物語である。
要するに、分をわきまえない金額のプレゼントなど用意する必要はない、ということである。定職に就き、きちんとサラリーを得ていて、その上で12万円もの金額の時計を用意する、というのであれば別にいい。しかし親の金で大学に行き、親の金で一人暮らしをしているような身分で、過剰なまでにバイトに精を出し、無理くり12万円を捻出する。これは完全に狂気の沙汰である。また、そういう状況を理解していてなお『でも、12万円の時計が欲しい!』などと抜かす女は、脳味噌の代わりに腐ったシュールストレミングがぶち込まれているに違いないので、真面目に話など聞いてはいけない。
僕の場合、12万円もする時計が欲しい!と請願された瞬間、その女にシャイニングウィザードをお見舞いし、キャメルクラッチで背骨をへし折り、泡を吹いたところでアナルからスピリタスを流し込み、額に『米』と落書きした後で、新宿駅に到着したあずさ2号へとその身体を放り投げることだろう。そんな女を野に放っていてはいけない。新たな被害者が生み出される可能性があるからである。きっちりと地獄に送り届けてあげること、それもまた、優しさなのだ。
ちなみに、僕が女性に対し2万円以上のプレゼントをあげたことは、一度たりともない。まあ、求められたことも一度としてないが。
それでもなお、高額なプレゼントをカマすことにメリットがあるとすれば。それはBの段階において発揮されるべきである。
B セックスをどうするか
メインディッシュの話である。これを踏まえないクリスマスになど何らの意味もないし、セックスがあるからこそクリスマスというイベントは(日本においてのみ)眩い光を放つ。
先に『リア充は毎日セックスをしているし、クリスマスもその1/365に過ぎない』という論をぶった。が、それでもクリスマスにおけるセックスは、特別な意味を持つ。具体的にいえば、『新たな一歩』を踏み出す契機になり得る。
「今日はアナル、って気分じゃない?クリスマスだし……」
「ここはひとつ、クスコを試してみない?クリスマスだし……」
「俺の目の前で脱糞してみない?クリスマスだし……」
「勇気を出して3P、いや、いっそ5Pくらいしてみない?クリスマスだし……」
「俺、死姦がしたいんだけど、いっちょ気軽に死んでみない?クリスマスだし……」
『クリスマスだし…』という言葉の孕む強い訴求力は、異常だ。女性の側からしても「そっか、クリスマスだし、いいか!」と、なる、可能性も、低くはない、ような、気が、しなくもない、と断ずるのに、少しの躊躇いも覚えない、と言えばそれはウソになるが、でも、試してみる価値も、決してゼロでは、ないだろう。僕は断言する。
「てめえ、12万円の時計、やっただろうが!」
その時、あなたは叫んでいい。否、叫ぶべきだ。12万円という大金、この世の全てが思い通りになるくらいの富を放出したあなたは、そのくらいのことを主張してもまるで問題がないからである。
傍から見れば、それはゲス野郎の言動としか捉えられないのかもしれない。しかしそれは少々早計である。金銭的価値の高い物品と引き換えに、いつもと違うプレイを強要する……オラオラ!言うてもお前、時計受け取ったんやろがい!と暴力的に迫る……これはホスト業界で言うところの『オラオラ営業』に相当するからだ。ホスト狂いの知人約2名に尋ねたところ、約2名の方が『オラオラ営業?まあアリなんじゃない?』との回答を為された。よってこれは、正解率100%の見解である。
「今夜の強引な彼、嫌いじゃないカモ……★」
こうなる可能性も、確実に0%ではない。あるいは、チャレンジしなければ全ての可能性は0のままなのだ。だからゴーである。あなたは萬田銀次郎の精神で『ほな、身体で払ってもらいまひょかあああああああ!!!』とシャウトしつつ、欲望の全てを大胆にぶちまければ、よろしい。なぜなら、クリスマスだし……。
「それでもセックスを拒まれた場合は?」
テーザーガンで相手の身体の自由を奪ったあと、フランケンシュタイナーで回復不能のダメージをプレゼントしてあげよう。しこうして後、額に『肉』と落書きしてから、池袋発秩父行き特急レッドアロー号にその身を放り上げてやろう。やり過ぎだ!つーか殺人じゃねえか!という向きもあるかもしれないが、安心して欲しい。世界的に読まれている名著に、かかる記述があったからだ。『大丈夫、ドラゴンボールがあれば生き返る』。心強い御言葉である。
以上が、僕からの拙いアドバイスだ。何かの参考になれば幸いである。皆様におかれましては、有事に備え各種プロレス技の習得に勤しんで欲しい。その夜、あずさ並びにレッドアロー号が止まる事態が生じたらば、僕は心の中で皆さんに『イイネ!』を贈ろう。僕たちはこの広い空の下、確かに繋がっているのだから。
ちなみに今年の僕はといえば、24日25日は両日とも完膚なきまでに労働であり、たぶん普通に一人で酒飲んで終わることと思います。もはやクリスマスで一喜一憂する歳でもなく、また、僕の場合女性と過ごすクリスマスであろうと、通常通り酒を鯨飲するため、インザベッドの段階で爆睡するという切ない事例も何度かあったし、一度などは挿入したまま爆睡、というアクロバティックな事件を巻き起こしたことも、ありましたなあ。翌朝、目覚めた僕を修羅よりも修羅の顔をした女が待ち構えていたことは、もはや言うまでもありません。いやー、あれは本当に怖かった。『あ、人ってこんなに怒れるんだ、すげーな』ってしみじみ思ったもの。25日に半裸で土下座してた男って、世界的にも中々レアなんじゃないですかね。だからその反省を活かし、24日はいっそ一人ですごした方が、いくらかマシです。
女性の方におかれましては、もし今年のクリスマスに同様の事例に遭遇したとあれば、さすがにそれはコルトパイソンで後頭部を撃ち抜いても許されるかと思います。大丈夫、ドラゴンボールがあれば生き返る。
■おしらせ■
来る22日にバンコク在住の友人が東京に来るので、豪快に酒を飲もうと思います。つきましては『一緒に何もかも忘れるくらい酒を飲みたい!』という方がいれば、気軽に連絡下さい。池袋で飲みます。メール oppai8383@yahoo.co.jp マデ。件名は『池袋のアレ』にでもしといてくれ。
死姦とかふつうに狂気の沙汰じゃないですか。
楽しまさせていただきました!ありがとう肉さん!
わかります。
すまない、そのあずさ2号は、東京行きなんだ………。
JKの頃からファンでした!
今ではしがないOLになってしまいましたがまた通わせて頂きます。
素で、甲府行きあずさと勘違いしてました。
信州は好きです☆