チンポは美味しくありません。
『肉欲のやつ、とうとう……』
とお思いになられた方々、正解です。というか、もっと率直に 『ついにイカれやがった』 と思って下さっても構いません。そういうシャープな角度から放たれる強烈な一撃は、いつだって僕の襟元を正してくれるからです。慣れ合うばかりが友情、という訳ではないでしょう。殴るか殴られるか、殺すか殺されるか、僕たちは常に抜き差しならない空気感を保ち続けていきたいところです。
冒頭に掲げた主題には後に触れることとして。若い男性を10人集めて議論をさせた場合、30分後にはおよそ8割程度の確率で 『なぜメスどもは選択肢を許さない問いかけをカマしてきやがるのか』 というテーマに熱いソウルを傾けることだろう。
「ねえねえ、この服似合ってる?可愛い?」
つまりはその手のアレだ。もしあなたがこのようなことを女性から問いかけられた場合、そこにおける返答は『似合っているよ』 もしくは 『すごく似合っているよ』 、それ以外は決して口にしてはならぬ。
「中々斬新な色合いだね!志茂田景樹をインスパイアしちゃった系?もしくは横尾忠則リスペクト?」
目の前のメスに嫌われたい、と強く願う人のみに許された言辞である。そうでないのであれば、この文脈において "論評" は求められていない、という事実に気づくべきだ。女性を捕まえて 『志茂田景樹』 『横尾忠則』 というエッジの利いた側面から評価を下すその視線は中々にエポックではあるし、少なくとも僕は高評価する。だが意中の女性に向かってそのような単語を吐いた瞬間に恋よサヨウナラ、着拒よコンニチハ、となること受け合いであろう。
「おう、とっても似合っているよ!!」
求められているタームはこれのみである。たとえ眼前のメスがムートンブーツの中にコンニャクをねじ込んでいたとしても、一切の疑義を抱いてはならない。あなたがすべきことはそれほど多くない。積極的に脳味噌を麻痺させ、優秀なイエスマンと化すこと。鳥取砂丘を見つめる目つきで 『似合っている』 と呟くこと。それのみだ。例外はない。
なんてバカげているんだ!否定を恐れるなら、最初からこちらの意見など聞こうとするなよ!古今東西の男たちはそう叫んだし、かつての僕もそう叫んだ。こちらに何かを問うのなら、色々な声の飛んでくることくらい覚悟しておけよ!もちろん、その論理には一点の曇りもない。
『どうして女っていうのは、こちらに "イエス" しか期待してない問いかけをしやがるんだ……女って……』
全ての男の心のシャウトである。『女っていうのは!』 と性別論で女性の特質をあげつらい、貶め、男サイドの優越性を確認し、ほくそ笑む。野郎が3人以上集まって酒を飲む場が設けられれば、概ねそういった流れとなることだろう。
だが、僕は気が付いてしまったのである。男だって同じ穴のムジナのケツなのではないか、と。イエスのみを期待した問い掛けをするのは、何も女性のみに顕著な事例ではなく、等しく男どもも行なっているのではないかーーその真実に。
迅速に要点へと踏み込みたい。一体何が僕をして 『男だって同じなのだ』 という結論へと至らしめたのか。つまりそれはフェラチオシーンを想定してのことである。
女性「チュパチュパ」
男「ハァハァ……ねえ、美味しい?」
野郎ども、総懺悔の時間だ。訊いたことあると思う、あったんじゃないかな、多分ある、あっただろ、あったに違いない!もしくはこれから、あるに決まっている!!それがAV、エロ動画という海原の中で育て上げられた僕たちの迎える帰結だし、また太古より紡がれた遺伝子から弾き出される切ない帰結でもある。
男「(チンポ)美味しい?」
美味しいわけ、ねえだろ……。フォントの大きさは僕の抱える絶望の深さ、と受け取って頂いて構わない。美味しいわけねえだろ!何度だって繰り返すさ。分かっている、分かってた。おそらくこれを読んでいる99.9%の男性は 『チンポは別に美味しくない』 という結論に至っているはずだ。
男「(フェラチオの最中に)(チンポって)美味しい?」
それでも聞いてしまったあの日、あの夜、あのベッド、である。もちろん、性交渉の経験のある全ての男性が上述したような質問を投げかけたことがある、とは言わない。100人いれば1人くらいは 『そんな、思いもよらなかったです!』 かようなピュアさを叫ぶことだろう。だが着目すべきは "残りの99人は、チンポ美味原理主義者である" その事実だ。従って今日の日記のコメント欄ではマイノリティである 1/100 の男性どもが 『いやいや、チンポ美味しい?とか訊きませんって!バカじゃねえの』 との意見を書き込むことが予想されるが、それは声の大きい少数派、もしくはどこぞの陣営の放った工作員でしかないので、絶対に流されるなよ。
話を戻す。憐れにも悲しいことに『(俺のチンポって)美味しい?』 と女性に対して訊いてしまった殿方が有史以来20兆人を超える、という前提のもとに。先の女性に対するdis (女ってイエスを期待した質問しかしねえよなあ!というアレ) と比較して、男性どもが女性に対しクレバーな論評を求めていたか、といえば、それは確実に否である。
男「美味しい?」
女「お、おいひい」
おいしい、でも、うまい、でもなく、おいひい。有史以来30兆人を超えるバカどもが聞きたかった言の葉は、その四文字でしかあり得ない。おいひい。なんと甘美なる響きであることよ。おいひい。国を挙げて掲揚すべきプロパガンダではなかろうか。おいひい。よし、今夜は二回戦目だって、厭わないぜ。
女「ウッ……」(ドクン ドクン)
男「(精子)美味しい?」
高確率で同時上映される光景である。チンポは美味いか!精子は美味いか!!字面だけ追えば完全にキチガイの言動であるし、これを書いている現在は午前3時半なのであるが、率直に言って今の僕は死にたい気持ちで一杯だ。チンポ、ないし精子、という単語と "美味しい" という形容詞を繋げる作業が、ここまで人の心を壊すものだとは、およそ想像だにしていなかった次第である。辛い。だが耐えて正視しなくてはならない。連綿と紡ぎあげられた数々の罪を贖うためにも。
悪し様に語ってきたが、それでも真実真正なる意味で女性の側から 『美味しい……』 との評価を下す場面も、あるだろう。それは当人同士に "愛" というファクターが存在する場合において生じうる。ただそのケースにおいては、彼女は味覚として 『美味しい』 と言っているのではなく、あくまで 『愛おしい』 、その隠語として 『美味しい』 なる修辞をチンポに施しているのだ、そこのところは看過してはならない。
男「(俺のチンポは)愛おしい?」
女「愛おしい……」
スッと胸に落ちてくるロジックだ。どこか詩的ですらある。ただ状況を客観的に分析すれば、それはセックスに際して女性に性器を咥えさせておきながら、あまつさえ 『ワイのチンポは愛おしいのんか?』 と訊いているだけのことであり、そんなことを厚顔にも訊ける男は大抵の場合アナルからシャブをぶっ込んでいるに決まっているので、やはり猛省を強いるべきであろう。
男だって無意味な確認作業に打って出るイキモノなのである。その際にはイエス以外の言葉は不要なはずなのだ。『チンポは美味しい?』 と水を向けた結果 『ハァ?美味しい訳ねえでしょ?あんた、脳味噌に深刻なダメージでも負ってんじゃあねえの?』 と返されれば、回復不能なレベルのEDに陥るか、凄惨な刃傷沙汰に発展するか、そのいずれかであろう。その意味からすれば高度にリスキーな問いかけではある。
「そんな別に、チンポが美味しいかどうかなんて、本気で問いかけているわけじゃないのに!もっとこう、本音はどうであれ、少しばかりでも愛をエッセンスした言葉を……」
そこまで至ったあなたは、ハタと気がつくことだろう。取りも直さず、それは女性サイドからも放たれる心のシャウトなのではなかろうか、と。
ーーねえ、これ、似合ってる?ーー
もう思い出の中にしか存在しない、追憶の彼女。あの日、彼女の服装に対し、思うがまま冷静で残酷な論評を下してしまった俺。彼女は何を聞きたかったのか、否、どんな言葉を求めていたのか……その答えは、既に、お察しの通りであろう。その心の機微までも、含めて。
試行錯誤して選んだ末の、服飾と。
長い時間手塩にかけて育て上げた、愚息と。
それぞれに対する客観的な評価はさておき、主観における対象への愛着は、浅くあるはずがない。苦労や自負、認知欲求や承認欲求、ないし中傷を恐れる臆病な気持ち。複雑怪奇な心の動きの果て、男女の別など関係なく、誰しもこう思うに相違ない。認めておくれよ、と。可愛いと、美味しいと、言ってくれよ……と。
慣れ合うばかりが友情ではない。
奇しくも僕が冒頭に綴った言葉である。
もちろん、その言を引っ込めるつもりはない。
だが、いついかなる時でも抜き身の真剣で切り結べ、とまで言うつもりもない。
人間関係とは、本来、ファジーでいい加減なものだからだ。いつかは全て0か1かで確定する世界が訪れるのかもしれないが、取り敢えず現状そうはなっていない。心の動きがシステマティックに確定出来ない以上、曖昧であることを許す寛容さは、ある程度持っておきたいところである。
男「(チンポ)美味しい?」
全知全能を司る情報統合思念体のような鉄面皮の女「(味蕾に全ての神経を集中させたとき、この感覚は過去経験した "美味" という概念とは一切親和性を持たないけれども)……おいひい」
こういう状況を真剣に考えることこそが、 "愛" という摩訶不思議な感情を紐解く、ひとつの端緒になるのではないか。これを書いている午前4時、僕は、何となくそう思う次第だ。
でもまあ、チンポは絶対美味しくないけれども。あと、もしもフェラチオの最中に 『あれ、このチンポ、ちょっと甘くねえ?なんかこう、どことなくアリの行列とか彷彿させるタイプっていうか』 みたいなことを感じたら、その際は率直に告げて下さい。お前のチンポの先っちょから、僅かばかしシュガーの味がしたぞ、と。割と生き死にに関わる可能性があるので、その辺りのところは、何卒淑女諸君、よろしく頼むよな。
まぁ昨日別れちゃったんだけどね!!!ハハッ
で、全てまかり通りますよ
「お、美味しい・・?あ、あ」
「う、うん・・・(味のことか?)」
よくあります。
『おいしいよ』
と言われて浮かれてたけど、
それはいわゆる愛のエッセンスにすぎなかったわけですよね…
そういうことなのね。
今度不味いかどうか聞いてみよう。
とっても不思議に思ってました。
おいしいわけねーだろ!と心の中では突っ込んでますね。
男性は絶対に、ラブジュース?ハハッ、酸性だなぁ><とか言ってはいけないと思いますね〜
卵掛けご飯の白身部分思い出しますよね。
白身より苦いですが。。。
美味ではないけど不味くもないですよー。最後に出るのはそれまでに出るのとは味が違うので余計に愛おしくなります。。ちなみにどちらも嫌いではないです^^
女性の方のが不味そうですが・・・
…白いの飲んですぐに炭酸水(味ないやつ)飲むと、口内がシブくなって気持ち悪いです。試してください。
女性の汁→糖分→甘い
あの時の自分を殺してほしい。
「おいしいからお裾分けしてあげる」
そう微笑むあの子から拒絶してしまいました。
僕には無理でした。
ていうより苦しそうにほいふぃいって感じになりますよ
男共、ごめんよぅ
本当に美味しいのかな?
マズイ思いをさせたくなくて、そういう行為させたくないのに(T_T)…したがるのが悩みです
あとオーガズムに達すると甘くなるとか。