僕はやおら兜の緒を締めなおした。
祖父の期待を裏切らないために。
日本国男子として、強く正しく生きるために。
おじいちゃん、僕のことをしっかり見ていてね。
どうもこんにちは。マンコです。好きなものはチョコレートとハンバーガーとモンロー。嫌いなものは竹ヤリです。打ち込みてぇー。我が国に核などを打ち込みてぇー。
さて、そのようにアメリカナイズされた若者の急先鋒こと僕ですが、ヤバイヤバイ。何がヤバイって下関のカオスっぷりがヤバイ。僕の中学の同級生、バツ2で堕胎3回。消費者金融の超常連。趣味はパチスロとシンナー。気に入らなければ幼児も平気で殴る。グーで。そんなキラリと光る麒麟児たちがゴロゴロしている街、それが下関でした。
そんなある日のこと。うどん屋にて62万円もの売り上げを計上しフラフラになりながら帰宅しようとしていた僕の目にとんでもない光景が飛び込んできた。若い女性が路上で下着を履き替えていたのです…!これにはさすがの肉欲さんも精子がホッサマグナに…!
と、思ったらメスの赤ちゃんが母親の手でオムツを替えられているところでした。言い換えれば深夜の路上、大胆にも赤ちゃんはアスファルトの上にゴロリと転がされて糞尿を処理されていた、ということになります。このあまりにも荒唐無稽すぎる光景に僕は興奮しきり。
スカトロ+幼女+野外
というキワキワの変態さんのツボをキリリと押さえたシチュエーションには思わずペロリと舌なめずり。
…という旨のことを後輩の佐野くんが飢えた野良犬のような目付きで僕に語ってきた時には真剣に日本の終焉を感じました。胸に迫るものがありました。
それはともかく、この母親が酷かった。泣き叫ぶ幼女、もとい赤ちゃんをパワフルに押さえ付けながら
「うるせえんだよ!泣いてんじゃねえよ!」
との暖かすぎる言葉を何度もシャウト。とらじろうが2秒で自殺しかねないほどスキルフルな教育方針には僕も感心しきりでした。
しかし善悪の判断どころか言葉すらも解していないロリータ、もとい赤子を掴まえて「泣くなこのバカ!」とは少々いただけない。『日本最後の良心』と名高い僕は、そのダメな母親を諭すために優しく近付いたのであった。
「もしもし、奥さん」
「なんだコラ」
「ウラッ!これでもくらいなー!」
「ギャアー!目がつぶれた!喉にからみつくこの味はザーメン!」
「このエログルメめ!修正してやる!」
「ヒギィ!この大胆すぎる動きはまさかロトのバイブ!」
「ところで奥さん、こいつを見てくれ。これをどう思う?」
「わあ……肉欲さんの玉袋……すごくおいなり……」
赤ちゃん「ここから俺が出て来たのか」
……というようなプランを練り実行を前にして僕の友人であるオマンコ・チッチョリーナ君(下関では非常にありふれた名前です)に相談すると
「そんなことより飲みに行こうぜ」
と言われたので割とあっさり赤ちゃんを見捨てて僕は安酒を煽りに行った。
縄のれんをくぐる我々。するとそこには中学の時の大不良、スカトロ・スバラシーナ先輩(下関では3人に1人はこの名前)が安酒を煽っていた。この先輩、タイムマシーンにでも乗ったのでしょうか、ツーブロックな髪型にKANIのスウェット、ハローキティのサンダルというハイセンスすぎるいでたちを惜しげもなく披露。あまりにも堂々としたたたずまいには流石のドン小西も満点を付けざるを得ない、といった風情でした。
「おう、望月やないか」
望月、とは僕の本名で流石にリアルで肉欲くん、とか言われたら僕も腹をかっ捌きます。ニッコリと笑うスカトロ・ダイスキーナ先輩。シンナーでガタガタになったアールヌーヴォーな歯並びには全パリっ子が嫉妬。
「俺、離婚してさあ」
よう望月、という挨拶から2秒後。息付く暇もなく繰り出された話題はいきなり戸籍関係。あまりにもダイナマイトすぎるパンチですが、下関ではこれがジャブ。僕は早くも11Rの亀田みたいになっていた。
「つか、結婚してたんすか?」
「おー、俺150人くらいとヤッたからよお。ゲハゲハ」
僕のカウンターをスルリとかわすスカトロ・タベチャイナヨ先輩。やはり世界はレベルが違う。畳み掛けるように肉関係のヘビーブロウを繰り出すのは流石の一言。つか150人て。何人レイプしたのかな、そんな不安が頭をよぎる。
「うう、息子と会いてえな」
突如沈痛な面持ちで語るスカトロ・デ・イイトモ先輩。この飛びすぎる会話、あまりにもトリッキーなパンチワークはまさにメキシカンのそれ。とにかくもこの男に親権を与えなかった部分には家裁の調停委員に称賛を送りたいところ。
「あームシャクシャする。女犯してえ!」
出た!大胆すぎる本音がポロリ。日本人はハッキリものを言わない、と揶揄されたのは遠い昔。これほど明確さに富んだ犯行声明もないでしょう。それにしてもムシャクシャしてやっちゃう人って、本当にいるんですね。
「じゃあ、俺帰るわ」
始まりと同様、終わりも唐突に訪れた。先輩は何を狂ったか自動車のキーをムンズと掴むと突然失踪、止める間もなく車高がゼロに等しい珍走車に乗り込み暁のヘブンズドライブ。危険運転罪の存在の必要性を強く感じました。
と、読み返してみると本当にとんでもない先輩だったのですが下関ではむしろ普通。こんな横綱クラスの逸材がゴロゴロしている終焉の地。下関駅に至っては玄関が車に突っ込まれた挙句中から通り魔がセイハロー、その何年か後にはホームレスな人が「腹が減って」という近未来すぎる理由で駅に放火→全焼というゴールデンパターン。確信しています、あの土地は絶対に呪われている、と…。
そんな呪われた土地・下関ですがいいところもたくさんあるんですよ。たとえば九州が近いんですよ。後は何も思い付きませんでした。

今日もおもしろかったお
イイとこじゃん!^^
早くも4段落目で我慢の限界でした。
ところで、
×ホッサマグナ
○フォッサマグナ
・・だと思います。
お連れさん結構イケイケなんやね。
肉欲さんの本名フルネームでわかっちゃったかも^^^^
いいすぎwww
下関は老人の町だろ?そうだろ?
若者は知らねえ。
本名モロリてどうなんすかw
望月先輩!!!!
ちわ〜〜〜〜す
下関という後天的特殊環境がカオス才能を芽生えさせたのか、
あるいは偶然が幾つか重なってカオス嗜好を産み出したのか、
万能ならざる名無しには知るすべもなかった。ただ、ひどく偏った見方をすれば、
『生まれは良いが、育ちは悪い』by某外務大臣
と言う事だろうか、まぁぶっちゃければ太郎つながりで思い付いた戯言である。
しかしながら、彼が高い文才を持っているのは誰もが認める所ですね。
wwwwwwwwwwwwwwwwwww
さすがの俺でもそれは引くわ(^ω^;)
てか、あー、そういや肉棒さんは下関の方でしたね
ところで、「やいと」って、マッチをフッと消して、ジュッ!ってやりますよね。
下関では。
小倉も結構危ないんで気をつけて…
とらじろうは寅さんだから!