僕たち日本人というのは古来より和の心、謙譲の精神を尊ぶ民族であり、はっきりとした物言いを嫌う傾向にある。
僕は昔、彼女がいない時に女友達に
「どこかにカワイイ子いないかなあ。いたら一つ、よろしくお願いしますよー」
と明け透けな頼みごとをよくしていた時期があります。
「いいよ!カワイイ娘がいるんだ。任せてよ!」
100人にお願いしたら、4人くらいはそんな力強い言葉を与えて下さる方もいるわけで、契約が締結されるが早いか僕はHOT-DOG PRESS誌を購入、『始めてのアナルファック』の項目を熟読しながら当日のシュミレーションを行う。
そして意気揚々と当日指定された現場に向かうわけなんですけれど、悲しいことに多くの場合は『モンスターハンターG』みたいな女性が登場、なかなか奇抜なルックスな方が存外に多かったように思います。
別に紹介されたその女の子の人格を否定するわけではない。みんな違ってみんないい、相田みつをの言葉の意味も、僕は理解しているつもりだ。
けれども問題となるのは紹介する前に友達は「カワイイ」と言っていた点であり、確かに平井さん家の堅くんが言うみたいに瞳を閉じてキミを描けばそこにはCUTEなGIRLが現れるのかもしれないんだけれど、僕は心眼でなく専ら普通の視界を使用するタイプの人なので、一旦目を開けしっかりと目の前の人を眺めてみた。そこには心筋梗塞を促すくらいパンクな面した女がいた。
テレビの世界なら放送事故に類する出来事、いけねーモザイクかかってなかった!しばらくお花畑をご覧下さい!♪〜 ♪〜 とばかりの事態であり、電話回線はパンク、翌日は記者会見で首脳は総退陣、謹んでお詫び申し上げます、てなもんなんですが横にいた僕の友達は涼しい顔をして受け流している。AD、もっと巻いて巻いて!みたいな顔してる。僕は思わず彼女の腕を掴み裏に連れて行った。
「オイ!どこがカワイイんだよ!ジャバザハットみたいじゃないか!俺にジェダイマスターになれと言うのか」
僕は激しく叱責した。それもそのはずで、僕は何も茶飲み友達を求めていたわけではないから。求めていたのはあくまでも肉の関係、挿すか挿されるかデッド・オア・アライブな間柄である。こんな契約違反が許されるはずもない。
しかし彼女はあくまでもシラを切りとおすつもりらしく、平然とした顔でこう言い放つ。
「えーっ、カワイイじゃん。雰囲気とか」
どうなんだ!その基準は!
かつて
「目に見えるものは信じない」
との言葉を残した偉い人がいるらしいけど、やはり平井のアニキの境地に達さなければならないということなのか?
けれど瞳を閉じて君を描く、実際に試してみるとそこにはとんでもないバケモノが登場するばかりであって、だからと言って瞳を開くとジャバザハットで、どう転んでも思わずテロップで
『注:これはCGです』
という文字が躍った。これはイカン。
「貴様!貴様は天地神明に誓ってあの娘がカワイイと思ってるんだな!」
僕は再び問うた。
彼女の目は激しく泳いでいた。
これが本音の壁です。つまり彼女にしたって心の深い部分ではカワイイだなんて思ってはいないだろうし、どちらかと言えば積極的に
「DNAって時に残酷よね」
と思ってるはずなのですが、実際にあの娘を僕に紹介する時に使われた言葉は
「カワイイ」
という鋭利な刃物のような形容詞でした。
とはいえ、どちらかと言えば彼女の『カワイイ』を100%間に受けた僕が悪かったのであり、その後のリサーチによって
『女が言うカワイイ』
『アタシ、優しい人が好きなの』
『今日、安全日だから』
は決して信じてはいけないマジカルワードだ、ということが分かりました。
いやはや言葉の裏を読む作業というのはまことに難しい。
けれども、僕が経験した『雰囲気がカワイイ』というのはまだマシな方で、その娘にしたって実際に話してみたら愛嬌があって確かに雰囲気はカワイイものでした。ただ彼女には僕に対して勃起を促す要素が備わっていなかった、というだけの話で非常に残念。今回はご縁がなかった。
けれども更に外道な犯罪者というのは世の中に存在するもので、それを証明するために別の友達とのやり取り。
「ねえ、その娘ってどんな感じなの?」
「うん、すっごくカワイイよ!」
「ほうほう、具体的にどういうところが…」
「え……………声、とか?」
声。
ハッキリ言ってこの基準は新しすぎた。
女性を見る際に挙げられるポイントとしては大きく分けて顔、胸、尻、脚などが考えられる。
女性にしても、男性を選ぶ基準で顔、身長、筋肉、体毛などを基準に挙げる人が大勢だと思う。
オプションが付くのはその後だ。
タケシくんって顔がいいから、ちょっと骨ばった手もキラリと光るのよねー、そんな会話が聞こえるねスタバ。
あの娘、あんなエロい顔してちょうロリ声だからたまんねーよ、そんな心温まるコミュニケーションを行うつぼ八。
声や骨ばった手つき。
素晴らしい本体が先にあるから、これらオプションは光を発する。
家にしてもそうだろう。
まず大きな家ありきで、その後にミロのヴィーナスのレプリカを買う。
六本木ヒルズだからこそオプションとしてのヴィーナスが光るのである。
逆に言えば下北の4畳半ボロアパートにミロのヴィーナスがあっても仕方ないでしょう。いや、むしろ困る。
「俺、部屋は狭くても調度品にはこだわってるんだ」
心の中でそう語っているようでもあり、その精神性がむしろイラつく。
その前に引っ越すか改築しろよ!と叫びたくなる。顔面にサブマシンガンを乱射したくなる。
だから、その類の怒りを抱きかねないわけです。声がカワイイというのは。
オプションがやけにハイスペック。
例えるならあばら屋に佇むヴィーナス。ミロも泣く。
多少話が脱線しましたが、いきなりオプションの部分を強調するということは結局本体の部分、つまり
『声以外あんまりプッシュするとこないんだよね、ぶっちゃけ』
と言ってるに他ならない。だったら最初からカワイイとか、言わない方が優しさなんじゃないでしょうか。谷川俊太郎も『優しさは愛ではない』と仰ってます。
それはさておき、このまま行けばおそらく戦地はかなり壮絶になるだろう。あるいは死人が出るかもしれない。
「あ、ゴメン、その日はちょっと……あの日だから……」
僕はそんな精神鑑定モノの言い訳を駆使して戦いを回避した。
逃げることも、時には勇気。
本音、本音。
一つ読み違えると本当に大変な目に遭う。
皆さんも是非お気をつけ下さい。
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参考資料
『カワイイよ、●子は!』⇒『細胞とか、そういうのが』
『ゴメン、圏外だった』⇒『浮気相手とファックしてました』
『いつか行こうね!』⇒『今世紀中はムリ』
『酔ったかもー…』⇒『さっさとファックしようぜ』
『ゴメン、交換したいけど番号覚えてないのー』⇒『論外だよ、アンタ』
『い…イクッー!』⇒『あーぷっすま見てー』
その人と友人として長く付き合っていくうち、会話の内容や、仕草なんかが、なぜか自分の心に残っていくってことが。
第一印象で
「あー、この人とはないわー」
って思ってた相手が、いつしか自分の中のかわいいランキングぶっちぎりに躍り出てしまうこと。そんなこともあるから、一概にバッサリいくのはもったいないかもですよ。
ま、男性は顔を見ながら、女性は目をつぶりながらすることを考えると、男にとって第一印象(見た目)ってのはこれからの生活かかってるんだよこっちは、って感じでしょうかね。
・・・天才!?
元々L・O・V・E(ラブ)!!だったけど、
惚れ直しましたヽ(*´∀`)ノ
テキトーにがんばって!!♪
すごく嬉しいです
このネタ好きですお。
言い回しやネタ使いの一つ一つが笑いと憂いを誘う訳で。。
特に、
平井のアニキwww
まさにwwww
雰囲気だけだったぜ(・∀・)!
ちなみに俺もう少ししたら多分mixiで知り合った女の子と会うんだけどこれなんて死亡フラグ?
私もスレンダー以外ありえないと思っていましたが
ぽっちゃりもよかった。
あの人たちのおもしろかったのにな……
逆に不細工を紹介し返せばいいんでね?
あ、肉棒太郎の周りはモコ道しかいないんだっけ
これってみつをじゃなくて……みすずじゃないですか?
小鳥と鈴とそれから私。みんな違ってみんないい。
島か何か。
女の子の中には自分も可愛いと言ってもらいたいが為に嘘でも平気で可愛いと言う人もいれば、そうでない人もいます。
そもそも男の人とは観点が違うのですから、男の人にしてみれば可愛くない娘でも、決して悪気がある訳ではないと思いますよっ!
確かに。
色黒でマッチョみたいな
男は誰しもが必ず踏みしめてゆく道・・・・それがブス