肉欲企画。

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2006年07月05日

side story

 

「オラッ!さっさとオマンコ見せろよ!」

ハイハイより先に息子が覚えた言葉は、これだった。

それはある休日の昼下がり。
僕がガラガラで息子をあやしている時の出来事だ。

僕は赤ちゃん用のベッドですやすやと眠る息子の上で、かわいいな、かしこいな、と声を掛けながらガラガラを振っていた。妻はその傍らでニットを編んでいる。何もない時間、だけど、何もないからこそいい、そんな時間。

僕は幸せだった―――

差し込む陽光、コンポから流れるイージーミュージック。
何も足さない、何も引かない。
こんな時間が、いつまでも続けばいい。

そんな風に思っている時だった。
すやすやと眠っていた息子は急にカッと目を開くと、妻が持っていた編み物をムンズと掴むと、こう言ったのだ。

「オラッ!さっさとオマンコ見せろよ!女はオマンコでなんぼや!」

そう言い放つ息子――その目つきは、数億のライバルとの戦いを勝ち抜いた、チャンピオンのそれだった。

僕は呆然としながら息子を見下ろした。
事態が把握できない。
これはどういうことだ?まだ首も据わっていない息子が、ハイハイもできない息子がもう喋った?いや、問題はそこじゃない。どうして息子はいきなりオマン……

「奥さん、言うてもあれや、心なんて関係あらへん、所詮硬さと太さやでぇ、正味の話!」

そう言うと息子は僕が持っていたガラガラを乱暴にひったくった。これか?これなんか?そう呟きながら妖しい手つきでガラガラを操る息子。そこには老獪なテクニックすら備わっていたというのだから驚きだ。

「まあそれはええ。それはええねや。でもな、ワシとしてもキチンとした性教育を受けたい、正味の話。だからアレや、ホレ、奥さん、コウノトリとかなんとか眠たいこと言う前にオマンコ見せなはれ、ホレホレ」

そう言って妻の肉壷の方向をガラガラで妖しく弄り始める息子。一体どこでこんな――僕は戦慄を覚えた。

「やめろ!何をしてるんだ!」
「黙れこの低所得!」

バシーン。息子の放つ崩拳が鮮やかに僕の鳩尾(みぞおち)にきまる。どうやら、胎教にと聞かせた「通信中国拳法講座」がここに来て役立ったようだ。僕は「ぐぐ…」と苦しげな声を上げながら妻の方を窺った。

「アタシ、強い男が好きなの」

とでも言わんとするような妻の目つきは、まさに飢えた獣のそれ。淫獣…!僕は妻の深い心の闇を垣間見た気持ちになり、心底震えたのだった。

「奥さん、なんやかやと言いながらアレやで、体は正直なもんやで」

そう言いながら懐からおもむろにローションを取り出す息子。左手にはタイガーバーム。この組み合わせは、大戦中にナチスが用いたそれ!僕は妻を見た。しかし妻は僕の心配をよそに、これからの展開に期待し、瞳は熱く濡れている。

(このままでは……!)

僕は最期の力を振り絞り立ち上がった。

「ウオオ、ウアアアアア!!!」

咆哮を上げながら息子の方へと駆け出した。

「なんやオッサン!まだ死に足らんのか!!」

ゆっくりと蜻蛉の構えを取り始める息子。ヤツの必勝パターンだ。

「死にさらせ!」

しかし僕はその動きを読んでいた。彼の稲妻のような初太刀をかわし、背後に回りこんだ。

(お師さん……僕に力を……!!)

僕は息子の背中、ある一点に向かって強烈な一突きを繰り出す。

ズドン。

(決まった…)

息子はストップモーションのようにゆっくりとリングに沈んでいく。
これは…この技は……

「ぐ……まさかこの秘孔を伝承している者がいようとはな……」

かはっ、口から血を吐く。こうなってはもう長くないだろう。

「勝負は付いた!さあ、肩を貸せ!行くぞ!」

「いらぬ!うぬの情けなど必要ないわ!」

プッ!派手な音を立て、彼は口に溜まった血を吐き捨てた。

「……天に帰るのに、誰の手も借りぬ」

彼はそう言うと、遥か天空に向かいて金色に光るガラガラを伸ばした。

「我が生涯に一片の悔い無し!」

激しい光が辺りを包む……。

「待て、息子よ!」

「オレは、お前になりたかったのかもな……」

最期の瞬間、彼は、笑った―――そう思うのは、感傷に過ぎるというものだろうか?



幾つもの時が流れ――

あの出来事から、二年。
息子は、天に帰った。
いや、『あの時の』息子は、確かに天に。

「ハーイ」

けれども、こうして息子は生きている。健やかに、成長している。

ただ――確かにもう戻らないものも、本当に天に帰ってしまったものもある。確かに、あるのだ。

「バブー」

息子はあれ以来、言葉を覚えないのだから――



【フグ宮マスオの憂鬱番外編 『北斗のノリスケ』 完】
posted by 肉欲さん at 22:53 | Comment(14) | TrackBack(0) | マスオ このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
2げっと
Posted by けーやん at 2006年07月05日 23:04
2げ〜
Posted by やん at 2006年07月05日 23:06
2げっと!
21時頃にアップされた記事は消してしまわれたのでしょうか‥?面白かったので残念です(´・ω・`)
Posted by at 2006年07月05日 23:10
グッド。
Posted by オサセ at 2006年07月05日 23:16
そう来たかww

棒ちゃんの書いたブラックな記事を読んでへこむおれって、やっぱかなり病んでる??

“ヌレえもん”とか“フグ宮”を素直に楽しめないつまらんおれ。。orz
Posted by さかな at 2006年07月06日 00:21
記事が変わってる…?
ノリスケさんも大変なんですね(・ω・`)
Posted by タクト3 at 2006年07月06日 00:26
試験勉強は?www
Posted by サボテン at 2006年07月06日 01:16
いきヌキなんじゃ?w
Posted by drtn at 2006年07月06日 04:49
いきヌキなんじゃ?w

おもしろかったっす
Posted by drtn at 2006年07月06日 04:49
幻の記事プリーズσσσ
Posted by 2ゲット at 2006年07月06日 05:47
たらちゃん!フハハハハハハハハ
Posted by クーデター at 2006年07月06日 06:06
悲しみもある。しかし感動もまた、そこにはある。
Posted by ナッパ at 2006年07月06日 08:44
背中の?
おぃおぃ、明らかにアナルを刺したんだろ。
あぇて語らず、誰かに突っ込んでほしかったんだろ。
突っ込み屋のオレが来ましたよ。
Posted by at 2006年07月06日 17:39
そう来たかっ
Posted by 銀色の翼 at 2006年07月07日 01:24
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