
【雑感】
昨日の書き物のあとがきのようなものです。まだ歳火を読んでらっしゃらない方は、先にそちらから読んでいただけると嬉しい限りです。
さて、歳火はおそらく肉欲企画で一番長い書き物になりました。本当は当初は『右に行く』ルートしか書いておらず、アナグラムや千星の原初的不在などを匂わせることで隠された設定を想像してもらおうかな、とも思ったのですが、さすがにそれだと分かりにくいかな、と思いましてルートを増やしました。それともう一つ、以前から一度サウンドノベル的な構成でブログ書いてみたかったんですよね。だから、書いてみて非常に満足です。いや……ぶっちゃけて言うと最初はVIPでスレ立ててこの話を垂れ流してたんですが
「よく分からん」
と言われてしまったので補完してみた、というのが本音かもしれません。ちなみにスレはまだ残ってるみたいです(URLは内緒)。
「それでもまだ分かんない部分あるんだけど!」という感想がもしあれば、そこは色々想像してみて下さい。これ以上の設定に関しては秘するが花、というものでしょう。
【書くに至った経緯】
昨日の昼頃にふっと
「怖い話書いてみたいな」
となぜか思い立ち、それからもやもやと30分くらい色々考えて大枠が出来上がりました(でも『歳火』とは全然違う話)。
あとはどういう仕掛けを施そうか…とちょっと悩んで、アナグラムは使おうと思っていたのでとりあえずメモだ!と思い紙を探したのですが、なく、手近にあったDVD-Rの表面でメモ書き。
(可哀想なDVD-R君)
ちょっと試行錯誤した後が読み取れますね。「no man」とか「dead man」とか。最終的には「shibito」に落ち着きました。ちなみに着想としては「SIREN」の『屍人』がヒントになったように思います。
後はひたすらWORDで殴り書き。1Pを書く頃には大体頭に舞台が思い浮かぶので、そうしたらそこに登場している人たちの声や挙動に耳を傾けつつそれをなるべく正確に文字にして…というと電波みたいなんですが、確かにこんな感じで書いてるんですよね、思い起こしたら。
それで、数時間かかってようやく完成。普段の日記の30倍くらい頭使いました。途中で投げ出したくもなりましたが、とにかくも無事に書き上げられてよかったです。
【裏】
全くのゼロからこの話を思いついたかといえば、やはりそこは「NO」であると言わなければなりません。と言っても実際にY県(山口県ですけど)に歳火なんていう現象や、また発狂した人がいたという事案があったわけではありませんが。ちなみに漠然とN山林のモデルとしていたのは山口県の21世紀の森です。…まあ小さいころ数回いっただけだから完全にイメージでしかないんですが。あ、21世紀の森は怖い場所じゃないですよ笑
この物語の怖さのコアとなる部分は、結局「確定的なこと」が何一つ分からないところではないかと思います。
例えば右に進んだルート、これなんかは一番悲惨で、確かに「僕」たちの最後の描写残された情報からある程度のことは「推測」できるのですが、結局彼らはどうなったのか、なぜ人々は発狂しなければいけなかったのか、そういう部分が全てぼかされています。やはりこういうのは読んでいて不気味ではないかと…思います。
また、左に行った場合、これはどの選択肢よりも多くの情報が与えられ、かなりの段階まで踏み込んだ考察は可能なのですが、結局それというのも起こっている『事象』を分析できるに留まるわけで、そもそも『なぜ』この現象が起きているのか、その原因、それは最後まで分からないのであり、解決したように見せて国道に出ると発狂した人が歩いている。救われたようで全く救いのない結末です。
そして引き返す選択肢、冷静に考えてこれが最も当たり前の行動ではあると思います。普通ああいう状況におかれたら、右にも左にもいかないですよね。そこをいかに引き返させないように持って行くか、この部分はいささか苦慮しました。で、結局家に戻ってみても肝心の千星はおらず、真相はやはり闇の中。調べようにも情報はない。とすると……
彼はおそらくもう一度N山林に足を運ぶのだと思います。もし続きを書くとしたら、そうするように思います。
結局のところ、この選択肢にしたってやはり気休め的な結末でしかなく、突き詰めると最終的に彼は右か左かに行くしかないかな、と思います。好奇心猫を殺す。
霊的な現象の存在を信じるかどうか、と聞かれたら個人的には『どちらでもない』というスタンスです。肯定もしませんし、否定もしません。でも人が体験した話は大抵信じます。虚言癖の人でなければ。
そしてこの話の中には、一つだけ実際に僕が体験したことと極めて酷似した内容を盛り込んでいます。もちろん物語全体ではありません。一部分だけです。数年前のことですが……それがどこか、は教えません。色々想像してみてください。これもまあ、秘するが花でしょう。
霊が存在するのかどうか。にわかに断定することはできませんが、少なくとも論理だけでは証明できない「なにか」がこの世に存在することは確かであるように思います。そして僕の体験したそれは、確かに論理的には説明を付け難いものでありました。
とにかくも『歳火』。長い話にはなりましたが最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。僕自身すごく楽しく書くことができました。またこういう話も書くかと思いますが、多分しばらくは普通の日記に戻りますね。
では。
あ、一つ言い忘れました。
僕の体験したことはここでは伏せますけど、ヒントだけ。
歳火読んだら、しばらくは後ろを振り返らない方がいいかもしれません。
では。
オマケ:カオスな歳火 (18禁)
右、左、戻るの選択肢からのオマケです。
ピンクのしおりってやつ。
完全にお遊びですよw
5年生くらいで行くとこよね。
鮎のつかみ取りとかしちゃうよね。
懐かしいw
パソコンを持っていないので歳火は途中までしか読めませんでした。気になるッ!!
なにはともあれ憎欲サンの文才に脱帽です。
嫉妬!シット!Shiiiit!!!
アナグラムには脱帽でした。
圏外の演出とアナグラム、後日談…真相を想像してヒヤッとするには十分な要素がしっかりありつつ余分な描写がなくて、個人的にはこのルートが一番好きです。
ここでもドッと冷や汗出たw
もんのすっごい恐かったです。
かまいたちよりも怯えた・・・ヒギィ
かまいたちよりも怯えた・・・ヒギィ
その文章力うらやましすぎる!
またこんな話し忘れたころにでも書いてくださいね!
いつもその文章力に驚かされています。
「歳火」怖かったです〜。。
そして私はY県出身、21世紀の森の実際聞いた怖い話も知ってます。
身近な場所がでてきてびっくりしました。
チボシさん?
いじった後のマイケル?
みわ?
みかわ?
ガッツ?
幽霊が迎えに来ている状況で、部屋の中で朝までこらえたらセーフだったんだけど、外が明るくなってきたから外にでたらそれは実は幽霊の罠で朝にはなってなかった・・
うーん、肉欲さんみたいな文章力が欲しいお!
肉欲さんの才能に嫉妬ww
こんな怖い話しもあったんですね。
文章力に脱帽です。すごい!