
指宿に行ってきました。
「いぶすき」と読みます。
画像でもお分かりの通り、鹿児島でも南も南。ほぼ九州最南端くらいの場所。
砂風呂が有名な場所であり、今日その砂風呂を求めて行って参りました。
もちろん一人で行きました。何でかって?それは空が青かったからだよ…(曇り空を見上げながら)
それにしてもこちらでJRに乗るのは初めてです。当然のようにワンマンで、思わず山手線とかが懐かしくなった。でもこちらの方が風情があっていいですね。
一時間ほどして指宿に到着。

(どことなくレトロ)
ほとんどの人がここで降ります。土曜日ということもあって観光客で賑わってる。仕事に疲れたOLなどが目につきます。
「ねえ、いつになったら奥さんと離婚してくれるの?」
「そのうちな」
「そのうちっていつよ!あなた、いつもそればっかり!」
「……」
「なんとか言ってン!…ンハッ…!ちょっと…!あっ……!」
その日に限って彼ったら超強引!(以下略)
常時が終えたベッドの上で、空ろな目で横たわるタエ子。
(いつもこう。強引に押し切られて…)
(結論はずっと先送り)
(なんだか、疲れちゃったな…)
そんな風情のOLたちが僕の周りにワンサカいると思ったら、こりゃもう砂風呂どころじゃありませんなー。俺、俄然癒し系だよ?(ピンクローターをチラつかせながら)
そんなゲスそのものの考えが頭を支配する中、改札の前にこんな看板があった。

(日本縦断達成)
「え…マジで……」
北は長野までしか行ったことのない僕ですが、知らず知らずのうちに日本縦断を達成してしまったようです。嬉しい!なんかいつの間にかパパになったとか、それに通じる嬉しさ!あんまり嬉しくない!
伊能忠敬から牙突零式をくらいそうな立て看板を背に僕は駅を外に出る。するとそこで僕の目に飛び込んできたのは…

足湯。さすが観光地、駅を出ていきなり温泉。
鹿児島空港にも足湯があって、何というか旅に疲れた体にこういうケアな施設があると嬉しいですよね。
無論タダです。輪をかけて嬉しい。
手ぶらで来ててタオルもなかったのでここは軽やかにスルーして先を急ぐ。
それにしても…どうもアレですね、やはり駅前には観光地独特のよそよそしさ、というか作られた雰囲気がありますね。人口自体は少ないので、言い方は悪いですが、感じ的には熱海を10分の1にしたような感じ。タクシーがやたら多かったり、「○×荘」とか書いたプラカードを掲げた番頭さんがいたり。観光気分を実感しました。
そちら関係には縁のない僕ですのでそこも軽やかにスルーし、チラリと市内案内図を一瞥してズンドコと歩き始める。どこに砂風呂があるのか、今回の旅の目的のトロの部分である情報はほとんど得ずに先をいそぐ。基本的にせっかちなので、じっくり検討するのは苦手です。まあ何とかなんだろ。

喫茶の部分を「モンスターハウス」に変えても全く違和感ないくらいおどろおどろしいフォントで書かれた看板。こういう大時代的な看板を目撃すると、ああ、遠いところに来てしまったな…と悦に入ります。横の女の子の絵が何ともいえぬ哀愁を漂わせてていいですね。3ポイント。

道端に突如として現れる意味不明のプロパガンダ。何がどうなって「今度こそ!」なのかは、部外者の僕には塵とも分かりません。でも何だか元気が出るではありませんか。2ポイント。
で、10分ほどスタスタと歩いていたのですが、ビタイチ砂風呂的な雰囲気が漂ってこないので、おかしいなあ、どうしたもんかな、と懊悩していたのですが、ここは脳内のカーナビの指示に従うことにした(業界用語でシックスセンス)。
「左や!」
カーナビの指示通り左に進む僕。すると遥か前方に海が見えるじゃないですか。わーい、海だ。僕、海が好きですねん。
いやいや、キミ、砂風呂に入りにきたんじゃないの?アホの人?と思う向きもありましょうが、ご安心ください。砂風呂は大抵海辺にあります。ということは僕のシックスセンスは正しく作動した、ということです。
進んでいくととりあえず海に出ることは出たのですが、道が二つに分かれていた困った。これはどうしようか、と悩む前にやはりカーナビを使わないと…(専門用語で言うところのヤマ勘)。
「右やで!」
鶴の声に僕は右に進み始める。そうまでするなら地元の人に聞けばいいのに、と思う向きもありましょうが、こういう不確定な要素をモンマリと盛り込むのが旅の醍醐味なんですよ。まったく野暮だなあ。
歩くこと15分。じっとりと汗ばんできて、そろそろビールタイムかな…と思った僕の目の前に、きたきた!ついに来ましたよ砂風呂が!それにしてもカーナビの精度、恐るべきかな。

砂からニョッキリと盛り出す顔・顔・顔。ちなみにみんなこんな顔⇒('A`)。まあ、熱いからね。それにしても異様な光景。心臓の弱い人ならこのショッキングな光景にポックリ逝っちまうんじゃねーのかい。
で、どうも脱衣所も料金所もないので、おや、セルフの形式なのかしら?と思ってつぶさに観察していると、どうも右手の方から続々と同じ柄の浴衣タイプのユニフォームを着た棺桶に片足を突っ込んだ方々、失礼、年配の方々がやってくるやってくる。どうやら関所は別の場所にあるらしい。
探しました。見つかりました。

でかい。そしてキレイ。砂をほじくりかえして寝ている客にぶっかけるだけでこんなにボロ儲けできるのか…と、スキマ産業の偉大さに僕はただただ関心するばかりでしたが、真似ようにも時すでに遅しなのでおとなしく砂風呂に入ることに。
「900円です」
「貴様!独占商売だからって何やってもいいってワケじゃねえんだぞ!」
と怒りをそのままにぶつけようかと思ったのですが、旅先で警察の方々のご厄介になるのも粋じゃないですので大人しく野口を取り出して渡すことに。
「タオル、持ってます?」
「持ってないです」
「じゃあ併せて1000円丁度です」
「貴様!独占(ry」
そしてタオルと浴衣を手渡される僕。
「あ、浴衣の下は何も着けないで下さいね」
人権、そんな言葉が頭を過ぎったが、ここ砂風呂の前ではそんな概念は場末のウンコよりもぞんざいに扱われるらしい。僕は襲い来る羞恥心と戦いながら、ブラブラするスペニを包み隠さんとばかりに浴衣を身にまとった。スースーして意外とオツなもんでした。ていうことはもしかして女性も…?女性もそうなんですか…?と、やおら鼻息を荒くして砂風呂場に向かったのですが、そこにいらっしゃったのは
「晩年」「墓地」「遺産分与」「散骨」
などの言葉たちと非常に仲の良さそうな淑女ばかりでしたので、そういう興奮とかは俄然抱くことはありませんでしたよ。ここで抱くようになったら、人間もうおしまいなのかも分からんね。
「はい、じゃーここに寝てね」
この道38年、といった風情のおばちゃん(あき竹城似)の指導の下、僕は砂の上にゴロンと寝転がる。途中、自己主張の激しい我がブツがペロリと外に出るというハプニングもあった。思わず「湯煙肉欲紀行〜芸能人のポロリもあるヨ!〜」というコピーが頭に浮かんだのだけれど、おばちゃんはそういった事態には慣れているらしく
「あら、活きが良さそうなサマンサタバサね…」
と言う目つきで下をペロリと這わせる、ということもなく僕はそのままザバザバと砂を掛けられていく。
人生何年あるかは分かりませんが、よく考えると
「他人がスコップで自分の体に砂をぶっ掛ける」
という出来事に遭遇するのって、こういう砂風呂に入る場合か、もしくは893な方々とトラブルサムな事件を起こした時にしかあり得ないような気がして、そう考えると何だか特別な存在になったような気がするのだから人間って不思議。
「じゃ、10分くらいで出て下さいねー」
そう言ってあき竹城は去っていく。コンモリと盛られた土から、じわりじわりと熱が放出され、僕の体を温めていく。ていうか、熱い。暑い。なんでも50℃もあるそうだ。そりゃ暑いわ。
僕はなんだかウキウキしてしまい、他の人はのきなみ目を閉じて砂風呂を楽しんでいるんだけれど、一人だけ( ゚∀゚)←こんな顔になって砂に埋まってた。さぞ気持ち悪かったろうと思う。
すると、僕の上方にいたおばさんたちが
「ヤエさん!今何時か?!」
「32分ばい!」
「アタシのとこからは35分に見えるばい!」
「やったら間とって33分30秒にするたい!」
「よかよ、よかよ!」
と、コントのようなやり取りが行われていた。いいっすね、こういうの。
政治・経済・堀北真希など、様々なことを考えていると10分はあっという間に過ぎた。僕はノソノソと砂を振り払って立ち上がる。そのまま歩いて温泉に向かうのだ。
温泉で砂を洗い流し、ちょこっと湯船に浸かってから元通りに着替える。心から温まったらしく、やたらと汗をかくもんだからTシャツが体に張り付いてしょうがない。暑い。暑い。ホントに暑い。こりゃたまらんばい…。

まあ、こうなりますわな。
こうなることには、誰の異論もないと思う。
砂風呂⇒ビールの訴求力は、ものすごいものがあると思う。
日本三大訴求力に
「うなぎ屋の換気扇から香る匂い」
「ラーメン屋の通気口から漂う香り」
「宮崎あおいの笑顔」
がセレクトされることは特に有名ですが、そこにこの「砂風呂後の生」も加えて四大にしてしまってもこの際問題ないと思う。
で、このビールがやたらと旨い。
10分でこれだけ旨いんだから、20分だと天国のように旨いんじゃないかと予想される。
そして30分入ったら、たぶん実際に天国に逝く。(砂風呂に長く入るのは危険らしいです)
ビールを飲んで、来た道を少し外れて駅に向かう。こういう観光地というか田舎では、信じられないくらい面白いマテリアルに出会えるから色んな道を歩くのが旅を楽しむ上での正道だ。

早速出たよ、大ボスが。ソープランド『チャイナ』。一体中からはどんなクリーチャーが出てくることやら。中をチラリと覗くと、そこにはヌコが一匹「ナーゴ」と鳴いておりました。どうやらそういう方向性みたいです。恐ろしい。
その他はこれといった収穫はなかったので、適当に撮った写真をアップしておきます。




あ、この写真には少し興味を引かれた↓

なかなか殺意を促す絵画だと思います。7ポイント。
ということで、非常にジョイフルな小旅行となりました。
すごくいいところですよ、指宿。
観光客にはかなり人気があるみたいで、砂風呂もすごい人だかりでした。
GWとかは相当混むらしい。
機会があれば、是非どうぞ。レンタサイクルとかもありましたしね。タクシーもたくさん走っており、割と小回りは効くと思います。
最後に一枚。

これはもしかして例の事件を解く鍵になるのかも…?ん、ちょっと待ってチャイムが鳴った。こんな時間に誰かな。
サマンサタバサキタ━(゚∀゚)━!!
一人旅、いいですね
旅好きっすね〜。僕も行きたくなってきた。居酒屋に。
桜島行った後グリンピア指宿に行きました。
そこのプールでスライダーにボートに乗って滑って係員に怒られたことしか覚えてません。
おれは今まで一人旅したことないんだけど、都内から日帰り出来るビギナー向け一人旅スポットとかありますかね??
予算低めでそこそこ旅行気分みたいな。
もしよろしければどなたかオススメくらさい。
ん?こんな遅くに誰だ…?ちょっと待っててくれ
昨年ちょー美人なスイス人の友達と行きましたよ、指宿。
砂かけてくれたのは、バイトっぽい若いにーちゃんたちで、めっちゃ照れてました。ブロンド美人見てにやけてたよ、やつらは。気持ちは分からなくもないけど。
砂から出た後って、浴衣がぴったりくっつくから、何気にエロィっすよね。
ちなみに、あたしは指輪云々より、肉さまの手の感じに萌えた。めっちゃ綺麗な手ですね。血管萌ぇ。
肉様の事だから伏線なのでしょーか?
俺の手の方が綺麗じゃい(゜д゜)
地方の風俗店にゃどんな人が足を運ぶんでしょうかね?
地元のおっさんだけって訳ではないですよね。
不思議。
肉欲さん、信じていたのに('A`)
小窓を覗くと、赤毛アフロなオバちゃんがいたのを思い出す。
あれはもう8年も前の秋の出来事‥。