今回の更新に関する詳細は下の日記を読んでください。
先の日記に関して、更新してものの3分で2ゲットという未曾有の事態にまさに身震いするほかないな、との想いを抱いた。
どちらにしても己で設けた縛り、ファーストコメントに2ゲットが続く限りこのヘドロのような更新は続けざるを得ないのですが、往々にして人というものは自分で自分自身に対するハードルを上げすぎて自滅することが多いように思います。
例えば僕が中学生の時。同じ部活で懇意にしていた田崎くんは、誰に何を求められた訳でもないのにある日決然とした様子で
「俺、明日からオナニーやめる!」
と、マジックマッシュルームを10パケ食った細木数子みたいな目つきで暮れなずむ部室の中、いきなり宣言したというのだから、その言葉を受けた僕らの驚きたるや想像に難くないと思う。
中学生にとってのオナニーというのは呼吸よりもナチュラルな行為であり、気付けばお手手はすぐチンポ。詳しい統計は分からないけれども、中学生の摩擦熱を全て発電に回せば日本人が使う総電力は簡単にまかなえるはずである。
そんな血気盛んな中学生である田崎くんが、どう狂ったのかは分からないけれどもいきなりオナ禁を叫んだのだから僕らは色めきたった。回遊魚は泳ぐのをやめると死ぬという。そう、中学生はまさに回遊魚。オナニーをやめると、あるいは死ぬ。それなのに、ああ、田崎ときたら。
決然とした決意を聞いた日から、土日を挟んで明けて月曜日。
田崎の目は心なしか充血しており、呼吸は麻薬中毒者のようにハアハアと荒い。これが禁断症状である。これを見ている中学生諸兄も、軽い気持ちでオナ禁には着手して欲しくない。哀れな中毒者(ジャンキー)の末路が、これだ。
僕はテニス部だったのだけれど、エースである田崎のプレイは週明けから一気に精彩を欠いた。なにせオナ禁3日目である。飛び交うボールはパイオツに見えて、隣でプレイする女子の姿などそれこそ核爆弾クラスの破壊力だった、後に田崎はそう語る。
僕はあんまりにも心配になったので、田崎に近寄り
「おい、あんまりムチャはするなよ」
と声を掛けた。
すると田崎は
「もうダメだ。オレは早退する!」
と叫んでコートを後にした。
ウチの部活というのは中々のスパルタで、顧問が気に入らないことがあるとキックやパンチは割と平気で繰り出すという今考えたらヤフーニュースのトップを飾りかねないくらいリベラルな環境だった。だからこそ、田崎のこの早退はまさに暴挙としか言えず、僕はオナ禁の孕む恐ろしさに心底震えたものだ。
「おい田崎、どこに行く!」
当然起こる顧問。それもそうで、早退など許されるはずもないのが普通だ。
しかし僕は、いや僕らは一丸となって
「あれは仕方ないんです、先生」
「人は男にならなきゃいけないときもあるんです」
そんなようなことを言って全力で先生をなだめた。
そんな田崎、なぜオナ禁に着手したかというと、実家であまりにも大量にティッシュを使うもので、折りしも彼の親が営む魚屋が未曾有のピンチを迎えており、割と真剣に親から
「オナニーで家計を圧迫するな」
ということを言われたらしく、その上でのオナ禁だった、と後々になって聞いた。
そんな田崎も、今は魚屋の二代目である。
いや3ゲト?
あっ、4様〜!
心温まるお話しです^^