エロ、それはすなわちスリル。
スリルのないところにエロはないし、エロのあるところには必ずスリルがある。
僕たち男ってのは因果な生き物で、「フヒヒヒ、夏は露出が多くてたまりませんなあ」なんて言いながら1年365日エロを求めている。女性の皆さんなどはそんな男たちを見て「ホント男ってのはどうしようもない生き物よね」とか思ったりするんだろうけれど、しかしちょっと待って欲しい。僕たち男は本当にただエロのみを求めているのだろうか?否、答えはそうではない。僕たち男、オスたちはエロを求めているように見えて、実はその向こう側にあるスリルを求めているものだ。スリル、それもひりつくような焼けるような、この身を燃やしつくくらい灼熱のスリルを。
男たちは常にスリルを追い求める。危険だと思ってもやらなければならない場合だってある。はたから見れば
「なんでそんな危険なことをするの?」
「行かないでボブ!お腹に・・・あなたの子がいるの!だからお願い!」
みたいな状況、100人いたら99人はチャレンジしないような状況であってたとしても、あえて危険を顧みず特攻してしまう場合がある。無謀、その言葉で片付けるのは簡単だろう。クレイジーと揶揄されるかもしれない。
しかし、スペインの闘牛を考えてみて欲しい。人間が普通に生きていればわざわざ牛を赤い布で挑発して死と隣り合わせのショウなんてする必要はないはずだ。見る人が見れば「バカげている」と鼻で笑う程度の代物だろう。しかしマタドールはそのスリルを楽しむ。死と隣り合わせのスリル、ヒリつくような命のやり取りの後に待ち受ける恍惚、声援が彼らをクレイジーとも言える蛮行に駆り立てるのである。彼らの呆れるくらいの潔さを、誰が笑うことができようか。
エロもまたしかり。究極のエロを求めるにはやはりギリギリのスリルを追わずにはいられない。スリルの向こう側にあるエロス。男は死ぬまでそれを追いかけ続ける。そして、時にスリルをギリギリまで追いかけてしまったがためにその身を滅ぼすこともある。しかしそれも男の性(サガ)なのだ。スリルを追い続けて散っていった漢(おとこ)たち――そんな逮捕者(セイント)たちを、僕は笑うことはできないし誰も軽蔑することはできない。彼らは生きながらにして性犯罪者(ブッダ)になっただけのことなのだ。

(スリルを求めすぎてしまった人)
最近では僕もすっかり大人しくなってしまったが、昔はギリギリのスリルを求めて随分と無茶をやっていたものだ。最近の若い人は知らないだろうが、今から8年前、まだインターネットがそれほど普及していない時代。今でこそマリオンやらCPZオンラインやらで簡単にサンプルエロ動画が手に入るようになったが、当時はAVを見るのも一苦労だった。しかし中学生というのは全身生殖器みたいなものなのでとにかくAVを見たがる。AVが見たくてしょうがない。
そんなある日、この話は以前にも書いたのだが、僕は溢れる性欲を抑えきれず単身レンタルビデオ屋のAVコーナーに乗り込んだ。14歳の頃だった。
18歳未満立ち入り禁止、そんなエデンに入り込むスリル。僕はそのスリルに身震いした。
冷静に考えたら14歳の僕にAVが借りれるはずもない。しかし僕は考えた、18歳未満貸出し禁止、それは分かる。でも、もしかしたらあるいは――借りれるのでは?そう思った僕は身もだえするようなスリルに身を任せながら、次々とAVを手に取った。5本以上手に取った。何回抜く気だこのバカ。成人した今であってもそんなに大量に借りたら恥ずかしい。しかし、それもまたスリル。
僕はスリルに打ち震えつつ恍惚とした表情でカウンターにAVをドパンと置いた。そしてそのまま音速の勢いでオフィスに連れて行かれた。僕はボロボロになるまで説教された。そう、これはスリルの代償、人生は晴れの日ばかりではない――ということだ。大事なのは、確かに僕は説教されはしたものの、説教、これもまたスリルだということだ。僕は叱られながら己のオチンコがギンギンになるのを感じた。
その後、僕は悪魔じみた頭脳をフル回転させる。そう、祖母をレンタルビデオ屋の会員にしたのだ。18歳未満でなければ良いのであれば、18歳以上の会員証を手にすれば良い。まさにコペルニクス的発想。そうして僕は上手いこと76歳(女性)の会員証をこの手にしたのである。
それからというもの僕はAVを借りた。借りた。狂ったように借りまくった。友達を引き連れ、お前ら好きなモン選べよ、魔法のカードがあるかんよー!と声高に叫んで僕は何本ものAVをこの手にした。今考えても、あの頃は人生で一番輝いていた。我が世の春だった。向かうところ敵なしだった。地元じゃ負け知らずだった。
しかし。ある時僕は空しくなる。
たしかにおばあちゃんの会員証を使えばAVはいくらでも借りることができる。でもそれでいいんだろうか。何かもの足りなくないだろうか。大体76歳の老婆の貸出し履歴がAVだけで埋め尽くされてるってどうなんだよ。倫理的にマズいかもしれない。そして、そしてなによりも――
(スリルが足りない……)
安定とは精神的な死である。安息を求めてしまった人間はもう終わりだ。そこから先はない。オールオアナッシング、お前は常にそんな世界で生きてきた、そうだろう?それなのに、失敗知らずのカードを振りかざしてAVを借りる人生で満足かい?違う、僕はそんなことで満足はできない。ギリギリじゃないと僕ダメなんだよ。気づいたら僕はビーズみたいな心境になっていた。
(行こう、次のステップへ)
そう決意したのだった。
折りしもその頃、父がパソコンを買った。まだウィンドウズ95の時代である。今よりも二回りほど大きいノートパソコン、シャープのメビウス。それでも当時にしては随分小さい型だった。
父は「これからは情報化社会だからな」と言って僕ら兄弟にも触らせてくれた。ただ、インターネットだけはまだまだ料金が高かったので「テレホタイム」と言われる23時以降にのみ使用が許されていた。そう、この頃初めて僕はインターネットに触れたのである。
僕は思った。インターネット。これしかない、と。おそらくその時の僕の目は、スリルを追い求めるあまりシャブ中のようになっていたに違いない。ハアハアと荒い息をたてながら、僕は綿密に計画を練った。
そして夜、家族が寝静まった頃。僕は「テストが近いから」という理由で一人起きていた。もちろん計画を完璧に遂行するためだ。邪魔が入っては困る。しかし、邪魔が入るのもまたスリル。計画はあえて杜撰にしておいた。僕は両親が眠っている隣の部屋に足を運ぶと、慎重にインターネットに接続した。最近の若い人は知らないと思うが、ダイアルアップ接続というのは接続に際して結構な音がなる。ピーーーヒョロロロロロガガガガガ、こんな感じで。それはまさに眠れる両親を叩き起こさんとする悪魔の咆哮。心が動揺する、しかしこれこそが俺の追い求めたスリル!
しばらくして無事にヤフーに接続される。さあここから、ここから始まるロードオブエロス。僕はキーボードに向かうと、ヤフーの検索窓に向かってやおら熱いパッションを叩き付けた。
【マンコ】
ごめん、今までシリアスの口調で書いてたけどもう限界だわ。マンコて。最先端の技術を駆使していきなり打ち込んだ言語がマンコて。泣くわ。両親とか日本語とかビルゲイツだとかすべからく泣くわ。まず真っ先に検索したものがまさか女性器そのものだとは、極東の島国にとんだ豪腕投手がいたもんだよ。ジャイロボーラーもビックリだよ。
しかし、自分のリビドーを正直に打ち込んだのが功を奏したのかもう次から次に出るわ出るわ。見渡す限りのエロサイト。僕の興奮が最高潮に達した瞬間でした。俺こそがマックスマラだ!と言わんばかりのテンションだった。上手く表現できないけど、たぶんそんな感じだった。
そして僕はヒリつくようなスリルと興奮を味わいながらひとしきりエロサイトを堪能し、大満足でその日を終えた。知識に乏しい僕は当然履歴の消去などというスキルは知る由もなかった。だから即日オヤジにバレた。けれど、エロに対しては寛容なオヤジ、別段怒ることもなく
「まあ、ほどほどにしておけよ」
と言うにとどまるばかりだった。この時僕は
ほどほどにしておけ⇒YOU、やっちゃいなよ!
とすかさず脳内変換したのは言うまでもない。それから一ヶ月くらいはエロサイトに足しげく通ったと思う。
ヒリつくようなスリル、それは行き過ぎると過度なスリルとなる。そして過度なスリルは時として身を滅ぼすものだ。僕の求めたスリルは、一ヵ月後にデーモンとなって僕の元にやってきた。
NTTからのお知らせ
ダイヤルQ2利用料 85000円
これを目撃した瞬間、僕が社会の時間に使っていた日本地図帳で青木ヶ原樹海の位置を入念に調べ始めたのは想像に難くないと思う。冗談じゃなくあの時は「死のう、死ぬしかない」と思ったことは克明に覚えている。
しかし僕に死を運んできたのは樹海などではなく、僕のパパンその人。帰ってくるなり血走った目で僕に詰め寄ってきた父は亀田兄弟の4番目なんかよりは間違いなく強いであろうパンチを僕に繰り出した。ああ、ララァ…時が……見える……。
オヤジは愕然としたようすで請求書を眺めながら
「おまえ、これ、どうすんねん・・・」
と呟いた。
「さあ・・・」
それから一年間、僕の小遣いがエンプティになったことは言うまでもない。
スリル、それは男にとって必要欠くべからざるマテリア。
男は死ぬまで、いやむしろ、死んでもスリルを追い続ける。
これまでも、そしてこれからも。
『スリル』 布袋寅泰
見つめ合うたびにハートから切なさが
セミヌードに透けてゆくスリル
テーブルの下は暗闇のステージさ
絡め合う指が狂おしい
キスをして3つ数えろ
時計仕掛けの夜が始まる
情熱が眠るピストルを愛撫して
人生が弾け飛ぶスリル

『人生が弾け飛ぶスリル』

ブログランキング
↑( ゚∀゚ )アーオ!!
尿結石の具合はその後いかがですか?★
いつもよりわろたー。
パパンのお言葉そりゃそうだw
それにしても・・祖母を店員にするとは・・またまた大胆。
14歳で18禁コーナーに入る(そのうえ、AVをカウンターに持っていく・・・・)とは・・凄い度胸です。
決して、いいことではありませんが、相変わらず面白いです^^自分にも少し重なった姿があったので
あの時はオヤジが鬼に見えました。
>STさん
怖い、ホント怖い。知識がないと使ってはならないとあのときに感じました。ダイアルアップは特に怖い。
案外バレないものですよ>レンタル 所詮機械しか見てないですしね。
というか実際ニアミスしてるかもしれない。
大学よく行くし。
しかしyoutube。にちゃんねるでの有料スレにはびびったな〜
嘘だとわかってても。
また関係ない話スマソ
ところでその後尿結石の具合はいかがですか?
Q2ってたしか1秒6円とかでしたっけ?
読んで笑ってるうちに懐かしさで目から汁がでました
…そうだよね…?
もちろんネットやり放題だったので阿呆のようにネットサーフィンに明け暮れる。
だが、『履歴』というものを発見したときにワスの目に映ったのは・・・
『カリビ×××』
(´・ω・`)兄貴・・・。
[オナニー] の検索結果 約 4,690,000 件中 1 - 10 件目 (0.04 秒)
[アナル教クンニ派]に該当するページが見つかりませんでした。
世の中狂っとる。
そう何回も通用せんけどね。
1日朝昼晩、3クリックはしておきますw
ネットは広大…故に幾人もの屍が塁塁と…。
エロ規制があるYahooからエロスなサイトを発見してしまう肉欲さんに感嘆しました。
久しぶりに笑いました。
中学生の頃やってくれましたよ(笑;)
請求金額\98,000なり〜(T_T)
しかし社会人になって分割にて回収成功〜!(^^)!
でも、女もスリルを求める生き物ですよ(笑)
むしろ小学生の頃からインターネットをしていることに驚き。
>純情さん
mjsk?!じゃあ本当にニアミスしてるかもしれませんね。世の中狭いなあ。
>しんしんさん
今はスリルを求めることもなく、平穏な毎日です。
>ヒカルさん
どうせまたすぐ落ちてしまうんですよ・・ヘヘ・・!
>まずいよさん
( ^ω^)・・・
>きよさん
確か一分100円とかですよね。
ホントあれは怖い。あの恐怖ったらない。
>といちさん
間違いなく通る道です。
通らないヤツは男じゃありません。
>BAさん
そう、これは聖戦。
>我
カリビアンか!カリビアンなのか!
>アナル教
アンタが狂ってる。狂ってるよ。
>no-nameさん
そういう判例がありましたね。
まあ考えたらそうですわな。
広義での錯誤なわけですし。
>オナニストさん
( ゚∀゚ )タシーロ!
>エロサイトさん
ダイアルアップがなくなってからはなくなりました。
>ぴぽさん
昔は規制がなかったんじゃないですかね?
googleだったかもしれない。
勘違いだったら申し訳ない。
>名なしさん
(ノ∀`)
>蛍さん
社会人の息子って・・・
蛍さんは一体おいくつなんでしょうか。
もしかしたら息子さんより年下かもしれませんね、僕・・。
>みっちーさん
ビニ本のスリルを知らない奴らは可哀想だぜ、とか言われてるんですかね、僕らも。
>…さん
そう、どうしようもない生き物です。
だからいいんじゃないか!
私も初パソコンデビューでいきなり「マ○コ」をたたき付け、検索履歴で彼氏にどん引きさた過去もちです!あなたは私かWWW
最後の「人生が弾け飛ぶ」が効いてますねw
ヤバイっすね。
泪がちょちょ切れるわ。
肉欲さんの魂がこもった素晴らしいページをいくつも
ブックマークしてる私の末路も似たようなものね。