
フグ宮マスオの憂鬱1
フグ宮マスオの憂鬱2
フグ宮マスオの憂鬱3
フグ宮マスオの憂鬱4
チチチ。チチチチ。小鳥の囀る朝、今日も一日が始まる。
アーオ。脇でタマが泣き声を上げた。コイツは知性も持たない動物だ。およそ人間とは比べるべくもない。しかしそんな矮小な存在ではあるけれど、彼は僕にはないものを持っている。
圧倒的な自由、いわゆるフリーダム。
(その点僕は、動物以下か・・・)
会社と家の往復、給料運搬機と揶揄されても苦笑いすることしかできない現実。週末になれば義弟のイガグリにタカられ、何かにつけては「あんた、アタイのパンツ見てたでしょう?!!」と義妹に強請られる。小遣いは月に300円(結局減らされた)、晩酌には水道水。この僕のどこに自由があろうか。
「行って来ます・・・」
力なく呟いて玄関をくぐった。まただ。また同じ日常が始まるんだ。絶望していた、玄関が地獄の門扉に見えた。
そう、昨日までは。

(アナゴくん・・・)
彼のことを考えるだけで僕は幸せになれる強くなれる、何度でも蘇ることができる。ヘドロのような毎日に光明が差した。軽くなる足取り、口をついて出る口笛。春の陽光が優しく僕を包む。今なら詩さえ綴れそうだ。
『アナゴ蝶』 作詞:フグ田魔棲男
ひらりひらりと舞い遊ぶように 姿見せたアナゴ蝶
夏の夜の真ん中 唇(びる)の下
悦びとしてのタラコ 憂いを帯びた睫毛に
世の果てに似ている漆黒の唇(びる)
アナゴに会えた それだけでよかった
オフィスに光が満ちた
夢で会えるだけでよかったのに
愛されたいと願ってしまった 家族が表情を変えた
世の果てでは僕と君が交じる
あなたが望むならこの尻など
いつでも差し出していい
降り注ぐ(ピーッ!)の盾になろう
ただそこに一握り残った僕のふぐりを
すくい上げて茶の間の隅に置いて――
気づくと僕は駅に着いていた。今日も満員電車に揺られるのかと思うと自然とため息がこぼれる。これだけはいつまで経っても慣れることができない。
(ウッ・・すごいキツイ・・すごく締め付けてくる・・)
マスオの心の声は性的なものにも聞こえるが、別段深い意味はない。断りを入れておくと彼はゲイというわけではなく、実際のところはノンケだ。ただ、アナゴだけが好きなのである。だからこそその想いは余計に彼を苛むのである。
「ん…ハァっ……んアっ……!」
(なんだ今の声は?)
どこからとなく声が――そう、あえぎ声が耳に入ってきた。しかしなぜ?マスオは頭を回転させる。
【満員電車+あえぎ声=痴漢】
「( ゚∀゚)キタコレ!」
「うるせえ、ぶち殺すぞ(´・ω・`)」
「……」
どうやら近くで痴漢が行われているようだ。普段ならば黙殺、ないしは加担するところであるが、今日のマスオは何故か義憤を覚えた。痴漢の奴をとっ捕まえる……そんな思いが首をもたげたのである。恋の力というのは、まことに偉大だ。
マスオは何とか体の向きを変えると、痴漢と思しき人間にあたりをつけた。よく見ると不審な動きをしている、というか完全に下半身を露出している。それにも関わらず隣の中年は一向に構うことなく東スポを読んでいる。その向かい側のピーコを2〜3発殴ったような悲惨な顔面をしたOLは意に介することなく化粧を施している。マスオは東京砂漠の無関心っぷりに身震いを覚えた。
(僕が助けなければ!)
マスオは痴漢の魔の手に晒されているその人を助けるべく、満員電車の車内を少しずつ移動した。チッ、んだよこの野郎。舌打ちが飛ぶ。この混雑の中で動いてんじゃねえよ早漏!罵声が飛ぶ。しかしちょっと待って欲しい。僕を早漏と決め付けるのはいささか早計に過ぎないか。実際に早漏なんだけれども。
下らないことを考えているうちに痴漢のすぐ後ろにまで迫っていた。少しだけ躊躇する気持ちが生じたが、マスオは大きく深呼吸をすると、よし、と呟きその手を上げた。何が彼をここまで変えたのか、まことに恋の力というものは偉大である。
「やめなさい。娘さんが嫌がっているじゃないか!」
恫喝。周囲がざわめく。ちょ、ちょっとあの人下半身丸出しじゃない!いやねえ、クールビズのつもりかしら。ちょっと奥さん、その解釈は斬新すぎるわよ。色んな声が車内を伝播する。見る見るうちに青ざめていく痴漢。猫ひろしみたいなITビジネスマンだった。
「新宿ー 新宿ー」
時を同じくして電車はホームに滑り込む。弾かれたようにホームへと飛び出す痴漢。待て、と言おうとしたが次の瞬間に猫ひろしは有象無象の雑踏に溶け込んでいた。仕方ない、か……僕は慰めの声をかけるべく、被害者に声を掛けようとした。
衝撃が走った。
痴漢を受けていたその人は、アナゴくんだったからだ。
「あ、アナゴくん」
「えぐっ、えぐっ、ふ、フグタさぁぁん……」
あとは言葉にならなかった。アナゴくんは僕の胸に飛び込むと、乳飲み子のようにオイオイと泣き始めた。
(泣けばええ、今日だけはワテの胸で泣けばええねや、アナゴ、ワテの胸はそのためにあるんやで……)
マスオは声をかけることはせず、ただそっと優しく、ひたすらに優しくアナゴの背中を撫で続けた。
つづく。
――――――
友人が2ちゃんのレス紹介系サイトを作ったので気が向いたら遊びに行ってあげて下さい。って書けって脅されました。別に行かなくてもいいと思います。今日びレス紹介系ブログなんて山ほどあって流行んねーんだよボケが。
アナゴが痴漢してるって流れだと推測してたから笑ったwwww
棒さんは
棒ちゃん??!!
前のとえらいちがうなぁ。
小説とか書いて出版社に持ち込んでみては?
やるの?ねぇ、こいつらやるのんす?
きゃー。
ぢになっちゃうぜ☆
棒さんの文才素晴らしいです。
某ブログの紹介で来たことがきっかけだったんですが、あの写真はご本人なんですか?
だとしたら、かなりショックです。。
テカテカ
>タスクさん
そうらしいですね、知らなかったww
>ほわ
アッーーーー!!これは創作です><
>BAさん
推測にはつねに斜め上を行く、それが肉欲オリジナル!
>名なしさん
消しマスオ( ^ω^)
>純情さん
(#^ω^)ビキビキ
>ストロボさん
答えは風の中にしかありません。
>我
いや、だから創作だってば!
>itotakさん
創作です創作です。
>メントスさん
この話を?長谷川某にぶち殺されるww
>中島さん
気長に待ってください><
>といちさん
( ^ω^)
>takaさん
いや、この話は某サザエさんとは全く関係ありません。
>ポルノファンさん
創作です創作なんですー;;
>あやさん
答えは風の中にしかありません!
>るどれさん
知りません!答えは風ry