肉欲企画。

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2006年03月09日

世界まる見え無修正!

時間の濃度がどんどん薄くなっていく日々。

一月は行く、二月は逃げる、三月は去る。そんな無内容な言葉を無批判に受け入れることに馴れてしまった我々。



本当にそうなのだろうか。

時間は薄くなったのだろうか。

胸に手を当てて考えてみて欲しい。

『変わったのは世界か、自分の方か』―――




果汁100%のような毎日を過ごしていた中学生時代。思えばあの頃は一日一日の一瞬一瞬がストップモーションのように長かった。

未知なることは人生への最高のスパイス。知らないことだらけの拙い人生観は、この目に写る全てのものをエキサイティングに変化させた。知りたい、もっと世界を見たい―――その想いは、その純粋な願望は僕らの中に流れる時間2倍も3倍も濃密なものにしていく。

そんな折である。僕の人生を決定付ける衝撃的な出来事が起きたのは……。

放課後。僕はいつものように部活に参加するべく部室へと向かった。

すると何やら、バレー部の部室の方が騒がしい。一体どうしたのだろう。好奇心に駆られた僕は一路、バレー部の部室に赴いた。

するとそこには、懇意にしていた先輩たちが車座のようになって何かを喋っている。顔にはほとばしるような興奮の色。僕は瞬時に察知した、


(エロ本だ……)


と……。

この頃、我が中学校の部室では各体育会系団体の間にて、様の東西を問わず種々雑多なエロティカルなブックが横行していた。急先鋒としては

『Don't!』

『アクションカメラ』

『SHOW-GAKKO』

などが挙げられる。ヘビーローテーションを繰り返しながら、幾億ものたぎるアナザーカルピスの標的となった第三の保健体育書は、しかしいつまでも最前線で戦っていた。そう、スキージャンプの原田のように。

今回も当然それだと思った。リビドーに狂った中学生が、新たなるエロブックを手に入れた、それを皆で品評しているのだろう……その程度にしか考えていなかった。


しかし事実はいつだってラビリンス。現実は僕の遥か斜め上を浪漫飛行さ。車座の中心にあったのは、そう、VHSのテープだったのだ。


そして中身はおそらく……アダルトBI・DE・O。



慟哭――――


狼狽――――


羨望――――



様々な感情が僕の中で渦巻きながら、しかしたった一つの明確な思いに収斂していく。


見たい。感情はただそこ(サンクチュアリ)に向かって。



僕はたまらず先輩に声を掛けた。気持ちより先に言葉が走る、そんな青春だって『アリ』。そうだろ、みんな―――


「せせせ先輩ーっ!それっ!それはもしかしてっ!!!」


僕は感情を押し殺して極めてKOOLに話しかけた。ここまでは100点、パーフェクツだ。


「あっ、棒太郎!なんだお前、いきなり……」


動揺を隠し切れない先輩。それもそうだろう、いきなり背後を取られたのである。しかしこれでこの場のペースは僕のもの、アドバンテージ・棒太郎。あとはスマートに用件を告げるだけさ。


「先輩!そそそれAVっすよね?ね?貸して!貸せ!貸してけろじゃあ!!!」


決まった。完璧。パーフェクツ。120点だ。僕の流れるようなロジックかつKOOLさに場内の誰もが目が点。先輩は


「あ・ああ・・いいよ」

と、素直にテープを差し出した。僕は極めてKOOLにテープを受け取り、ラベルを確認した。するとそこには!


『米国直輸入!無修正バージョン』


そんな文字が踊っていた。

イージードゥダンス(フォフォー!)
イージードゥダンス(フォフォー!)
踊る君を見てる……。

僕は矢も盾もたまらず家に帰った。あの頃青春をかけたテニス部。でも、今日だけはペニス部にすることを、神に願った。願ったんだ……。


嵐のような絶望が僕を包み込む。家には、家族がいた。それは家族とは名ばかりの、僕の部活動を妨げる障害(エネミー)。


「SHIT!!(ただいま!!)」


一流の兵士は、決して己の感情を顕にしない。この時の僕は身を裂くような激情をその胸に抱きながら、しかし表向きはKOOLにいつもの自分をACTしたというのだから全く自分で自分が恐ろしい。


「今日の晩ご飯は何?」

「グラタンよ」


その言葉を受け、瞬時に回転する棒太郎のマザーボード。白煙を上げる脳内のCPU。


(グラタン……ホワイトソース……ホワイト……精子!!)


「SHITTTTTTT!!!!!!」

「えっ?なに?」

「な、なんでもない」


どうやら敵(かーちゃん)の陽動にまんまと引っ掛かってしまったようだ。さすがかつてママさんバレー界においてデザートフォックス(砂漠の狐)と恐れられた女だ。油断の代償は、天国へのパスポート。これが……戦場!!(=実家)


しかし僕とて何も分からなかった新兵卒の頃とは違う。数々の戦火(≒オナニー)をくぐり抜けたのは伊達じゃない。今ではベテランの一人に数えられるほどだ。


(ここはとりあえず平静を装い、飯を食べ風呂に入り家族が寝静まった後に観賞するのがモアベター)


瞬時に作戦を打ち出す。これがベテランのベテランたる所以だ。あとは心静かに夜を待つだけさ。






30分後―――








「通信兵、補給はまだかー!!」

「指令室より伝令!
『カゾクガネシズマルマデマテ』
とのことです!」

「fuckkkkkk!!!それまで持つものかよ!見ろ!敵の銃器は既にシャウエッセンになってボルケーノ寸前なんだぞ!!!」

「そうは言っても大佐……ギャッ!!」

「メディック?!メディッーーーク!!!」


この時点で我が軍は疲弊しきっていた。僕は忘れていた、戦いの鉄則を―――戦局は常に予測不可能という絶対の真理を!パーフェクツな作戦も、一秒あとには最悪の愚策に変わりかねないという事実を!

この時、既に我が陣営(=股間)からはイカ臭い噴煙が立ち上ぼり始めていた。目に見えた限界、終わりの始まり、ラスト・ダンス―――


食卓に目をやる。僕を覗いた家族は、一心不乱に『世界まる見え!テレビ特捜部』を見ている。チャンスは、一度しかない―――


「あ、あー…勉強でもしよっかな!!」


刹那、居間を白い閃光が走り抜ける。僕がもう一つのテレビがある部屋へとアタックしたのであった。僕は走った、走った、生まれて初めての優しさが温もりがまだ信じられなくて……。


そしてたどり着いたパールハーバー。何も知らない、知らされていないビデオデッキが平和そうに佇んでいる。彼はまだ知らない。これからアメリカの核兵器が己の体内にインサートされることを。


(ゴクリ……)


僕は生唾を飲み込んで、ファイナルミッションに取り掛かった。後ろに人影は……ない!


(レディセット………)

(…ゴー!ゴー!ゴー!ゴー!)


ウィーンガチャガチャ


♪〜 ♪〜 ♪〜




『……オーィエスィエス!!マイガッ!!!マイガーッ!!!』


『フーィエス!!フーィエス!!アンビリーバボッ!!カモッ!!!カモナッ!!!』


『アイムカミング!!アイムカミング!!ジーーザス!!!ィエーーース!!!』



「…………」

居間で流れる『世界まる見え』。
僕の目の前で流れるもう一つの『世界まる見え』。

初めて見る女性器と、アメリカ人のスポーティブすぎるセックスの衝撃に、僕はなすすべもなく画面を見つめるだけだった。僕のシャウエッセンは既にポークヴィッツになっていた。こんなビデオで、オナニーなんかできひん。できひんよ……。


しかしこの僅か数分の出来事は、僕にとっては何時間、いや、あの瞬間はまさに永遠、すなわちエターナルに感じられた。感じられたんだよ。


なんでもないことにワクワクできたあの頃。
時間の経過は、いつだって永遠だったよ……。

何にもワクワクできない今。
時間は恐ろしく早く過ぎていくよ……。


でもそれでも、一生懸命生きていかなくちゃね……


posted by 肉欲さん at 10:08 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
おれはこっちのほうが好みですわ。
Posted by なっぱ at 2006年03月11日 07:30
きついねぇ。
いいのもらっちゃったよ。
あんたいいものもってるよ。

アディオス。
Posted by 肉兵器 at 2006年03月11日 12:05
最近発見してからというもの
足繁く通いつつ(クリッこ!)毎回楽しく拝見させていただいてます!
下ネタが多いけどいやらしい画像や広告もないから好感をもてるというか、
安心?して笑えるヲ☆
この記事でcoolをKOOLにしたり、
videoをBIDEOと打っていらっしゃるのは、
英語に不慣れでヘボンヌ式ろーま字表記をしがちという
中坊らしさの演出なのでしょうか??
だとしたらかなりのヤリ手ですね!

こーのヤリチンがぁ!!
なーんてぼくの勘違いかなあ。
失敬。



Posted by 内谷欠 at 2006年06月02日 21:12
やっぱ昔の素朴な肉さんが好きでしたね。
今はなんというか技巧的になりすぎな気がします。
なんていつもえらそうなこといっちゃってすみません><、
Posted by ♂ at 2008年06月17日 00:03
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