肉欲企画。

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2009年08月25日

変態と純愛の違い

人が誰かを好きになったときに、恋に落てしまったときに、その人は一体どういう行動に出るのだろうか。それに対する回答は決してひとつではないけれど、僕たちは経験則から一定の指針・方向性みたいなものを導くことが可能である。

 
ひとつは、相手から関心や好意を抱かせるためのアクション。筋力を誇示する行いであったり、余りある財力を見せ付ける振る舞いであったり、鋭い知性を匂わせる言動であったり。ジェントルメンを気取ったり無頼漢を装ったりすることもあるかもしれない。

アプローチは様々であるが、全ての行動は "相手から好かれたい、興味を抱かれたい" という動機において一致する。それは、恋愛病を患う多くのクランケが通過するであろう、ごく自然な行動様式なのである。皆さんにも心当たりの一つや二つ、あるに違いない。

ただ、財力を見せ付けたり筋力を誇示したりという方法は、あくまでも恋愛関係に至るためのファーストステップに過ぎない。余りある富も膨大な量の知識も、結局、恋愛における "確実な成功" を担保してくれるわけではない。

だからこそ様々なカードを切りながら、相手の様子を窺いつつ、彼我の距離を少しずつ縮めていく。価値観や相性などを付き合わせつつ、対話を重ね、結果として成功することもあれば、失敗することもある。それが、一面からみたときの "恋愛" というものの正体なのだ。

それはある意味で非常に迂遠な作業だ。もちろん、その迂遠さを指して "だからこそ恋愛は面白い" と結論付けることも可能である。だが、そこには当然 "そんな面倒なことまでしてまで恋愛したくはない" という想いを抱く人たちも生まれてくるだろうし、あるいは、恋愛における煩わしい行程を全てシカトし、盲目的に結果 (≒欲望・欲求の実現) だけを追い求める人々も登場してくる。

プロセスなきゴールだけをひたすらに目指す人。
卑近な言い方をすれば、それは 『変態さん、爆誕』 のスペクタクルへと収斂していくのではないか。

"然るべき過程" を抜かしたままでの欲望の具現化――

多くの変態さんたちに共通する、揺ぎ無い行動原理がそれである。

先般、僕は知人のオスたちに対し緊急アンケートを実施した。議題はズバリ 『小学生の頃に好きだった女の子の上履きスメルを嗅いだことがあるか否か』 。僕は調査対象を延べ4名という大規模かつ広汎な人員に定め、時間に換算しておよそ5分もの歳月を賭してその調査に当たった。

調査結果を先に申し上げると、以下のようになる。

■□■□■□■□■□■□■□

・嗅いだことがある――50%

・『嗅いだことがない』と即答することにはかなり激しい逡巡を覚えさせられる――25%

・舐めた結果として嗅いだこともあったかもしれない――25%

(ロイター)

■□■□■□■□■□■□■□

画面越しに女性陣の青ざめた表情が見えてくるようであるが、残念ながらこれが現実である。世の中には "もしも" も "まさか" も存在しない。ただヒリつくような事実がそこに横たわるばかりなのだ。耐えて正視して欲しい。

小学生の時分、僕たちのハートは著しく多感&シャイになる。好きな女の子についイジワルをしてしまった!――そんな体験談は古来より枚挙に暇がない。そのような精神状態にある男子諸君に対し "真っ当な方法で好きな女の子にアプローチしろ" と助言すること。言葉としては正しくとも、誰にも何にも役に立たないだろう。

好きな子に対しての適式なアプローチを諦めてしまう少年たち、では彼らの青いリビドーがそこで霧散してしまうのかといえば、それは否である。

あいつのことが好きだ!
でもどうしたらいいのか分からない……
伝えるのは恥ずかしい、だからといって諦めきれない!
でも、でも……

このような脳内劇場がエンドレスで繰り返される中で、彼らの内側に生じた恋慕の情は際限なく膨らみ続ける。本来ならば "想いを吐露する" という形でガス抜きを行うべきなのであるが、先にも述べたように対外的にも内面的にもそれ (=心情の吐露) が許されることがないため、ラブな気持ちは歪な形で肥大し続けてしまうのだ。

そうなると、どうなるか。
然るべき過程を踏めない、にも関わらず、欲望だけが肥え太ってしまった少年たちは、どこに向かうのか。


「下足箱、でしたね」

紫煙をくゆらせつつ静かに語ってくれたのは、下関出身のNさん(25)だ。彼は当時のことを振り返りながら、次のように述懐する。

「――放課後、だった。放課後の時間だけ、僕は "本当の僕" を取り戻すことができた。放課後の、あの下足箱だけが僕の中でのサンクチュアリだったし、確実な意味での桃源郷であり続けたんだ。形而上に揺蕩う蠱惑的な芳香はいつでも僕を陶然とさせ、束の間に現世(うつしよ)を忘れることを、僕に許してくれたんだ」

彼は難解な言葉で語り続けたが、掻い摘んで表現すれば 『放課後、コソコソと好きな女の子の上履きを嗅いだ』 『そのスメルは非常にグッド・イナフだった』 と言いたかっただけのことであるけれども、その指摘はあまり無粋過ぎるので避けるべきである。濡れた野良犬に傘を差し伸べるばかりが優しさではないのだ。

状況は上履き・シーンだけには止まらない。これもまた古来から指摘されている通り、ある一定の男子生徒たちは意中の女子のリコーダーを舐める、いや、ねぶる。これもまた、醜く肥大してしまった己の恋愛感情と切なく苦しい現実とをアウフヘーベンしようとした結果に相違ない。

もちろん、だからといってそれらの行いが許されるわけではない。先に述べた通り、適正な手続きを経ずに欲求だけを解消しようとする行い、それはダイレクトに "変態!" と呼ばれて然るべき案件だ。もしも当時、彼らの行いが白日の下に晒されていれば、勝率0%の魔女裁判が連日猛開催されていたであろうことは想像に難くない。戦犯たる少年の存在価値はカマドウマよりも低くなり、終生に亘り同窓会に呼ばれることもなく、彼の墓標には、野太い文字で "たてぶえ舐め太郎" と記されることであろう。"上履き嗅ぎ男" でも結構だ。そんな彼の所業は末代までの恥ではあるが、きっと彼で末代となるので、あまり問題はない。

あの日、あの夕方。どうして少年たちは上履きのスメルを愚求したのだろうか。先に僕は欲求解消のため、と述べた。しかしその指摘はあまり適切ではないことを、僕は白状しなければならない。

なぜならばあの日、あの宵。
僕たちが求めていたのは "彼女の残したスメル" それ自体ではなく

"彼女に関係するものに触れる、という行為を通して、彼女との一体感を得ること"

だったからである。その対象となったのが、たまたま身近にあった上履きに向けられた――それだけのことなのだ。気障な表現を許していただければ、僕たちは上履きを嗅ぎながら、彼女との間で愛のメモリーを構築していたのである。言わば「クンカクンカ!スーハースーハー!!うわぁぁぁんモフモフ!!上履きモフモフ!!あああ届けこの想い!!」といった程度の動機だ。射精欲であるとか屈服欲であるとか、そういう下賎で浅薄な劣情を満たしたかったわけではない、そのことだけはできれば理解して頂きたい。よろしいかな。

つまり、僕が言いたいのはこういうことだ。

「外から見たら非常に変態じみた行動であっても、その内情を紐解けば、純粋な愛情に満ち満ちた、非常に美しいものである場合がないとも限らないと断言することもやぶさかではない」

もちろん、犯罪の構成要件に該当するような行動が許されないことは言うまでもない。だがそうではなく、もっと珍妙な行動 (例えば、ある男が、毎朝決まった時間、必ずあなたの自宅に赤味噌を宅配する、といった行動。この事例は愛知県に多い) などはどうか。犯罪ではないが、かなり不気味ではある。

しかし、送り手はその不気味さには気づかない。彼にとってその行動は彼女に対する愛の一手、赤味噌を彼女にプレゼントする――という行為で以て "彼女と自分との連続性" を保とうとしているに過ぎない。赤味噌を送った彼は、こう考える。


彼女はきっと、毎朝届く赤味噌の使用方法を様々考えることだろう。味噌汁を作るかもしれない。田楽にして食べるかもしれない。チーズの味噌漬けを作ってもいいだろう。いずれにしても、彼女は味噌を通して食生活を送ることになる。そうなると、どうなるか。そう、彼女の日常生活の何割かは、紛れもなく僕の影響下にあるのだ。日々を味噌に支配される彼女、日々を味噌で支配する俺。ああ、かくして僕たちは繋がっているんだね――


ただ味噌がそこにあるだけで。
情熱的な人々はこの程度の妄想が可能です。

その行動の帰結として何が待ち受けているのか、それについて詳細な言及を行うのは避けてきたい。多くの場合は接近禁止命令が出されることが関の山であるが、奇跡的に味噌を介した愛が芽生える……という可能性もゼロではない。愛の形は様々だ。定型を持たない概念であればこそ、ある面からすれば "純愛" と呼ばれる行動が "変態" と揶揄され得るのである。

変態と純愛の境界線。
それがどこにあるのか、あるいは両者を峻厳と区別することが可能なのか……僕は未だにそれに対する答を見つけられずに、いる。


■□■□■□■□■□■□■□■□

お便り紹介コーナー
熊本県在住 Rさん(18)からのお便り

■□■□■□■□■□■□■□■□

(冒頭略)

しょうもない変なおじさん話なのですが…昨年冬、私は博多発の新幹線で、3人掛け座席の窓側に座っていました。真ん中には誰もおらず、通路側に普通のサラリーマンのおじさんがいました。彼は突然書類を手で切り分け、何かを書くと、少しそわそわしながらトイレへ行きました。
私は荷物を上に仕舞う作業で精一杯で、彼が座席に戻って微笑まれても、全く気付かなかったのですが、真ん中の座席に置かれたらしい手紙は私宛だったみたいなんです。

彼が小倉で降りてから、手紙の存在に気付きました。

┏━━━━━━━━━━
┃want to become
┃ your slave.

┃美脚服従
┃    till kokura
┗━━━━━━━━━━


(手紙の写メはあります。連絡先なんかも書いてありませんでした)

(中略)

お忙しいとは思いますが、おじさんの意図や性的趣向を是非とも肉欲さんなりの解釈でご教示願いたいです。


・・・

ただの変態じゃないんスかね。というか、この手の輩を野に放つなよ。行政は一体何をやっているんだ!

彼は一体何を考え、何を狙ってこのような文を綴ったのか?この場合、彼の思考を完全に理解できてしまう方が問題になるのですが、様々な状況や手がかりから、その動機を推察を試みたところ、以下のような仮説を組み立てました。

おそらく件の変態さんは、直接的なリアクションを欲するタイプではなく、あたかもマーキングの如き手法で以て対象(この文脈でいえばRさん)に爪痕を与え、しかるべく後に

「彼女は一体どんな反応をしているのだろう」

と想像することにより、一定の感慨を得ることのできるタイプなのではないか……と考えております。低コストな変態、といったところでしょうか。

けれども、こんなのは素人のあて推量に過ぎませんし、僕自身もこの考察が当たっているとは解し難いものがあります。故に、ここで僕は提案したい。虎には虎を、龍には龍を、変態には変態を。

今回僕は、変態の専門家、変態の大家、変態を観察し続けて幾十年、変態考察熱の高まりを抑えきれなくなった結果 『変態さん、いらっしゃい』 なるブログを開設するまでに至ってしまった稀代の豪傑、マスク・ド・変態さんからご見解を賜ることに成功いたしました。


major.JPG

(冒頭略)

さて本題ですが、くだんの彼女が困惑している理由が微塵もわかりません。どこをどう読んでも立派なラブレターです。しかもファーストコンタクトで性癖フルオープン。男の隠し事を嫌いがちな女性に歓迎される文面とはなにか、具体例をもって答えを示した格好です。

また、彼はかなりの高学歴であると見受けられます。疑問をもつなら、あなたは美脚服従なんて四字熟語を創造できますか? 凡人が千回墨を擦ってもヒネり出せない単語を生み出しサラリと使いこなす知性の持ち主です。

そんな彼の失敗を挙げるなら、手紙の渡し方でしょうか。ただ、口で言えば10秒で済む用件を手紙にしたためて伝える奥ゆかしい彼のこと、「読んでください」と言って手渡すなんて真似はできません。それができるなら口で伝えてます。真ん中の座席に手紙を置いた時点で、彼は渡したつもりなのです。

もし彼女が真意を察してすぐに手紙を読んでいたならば、いやまあ普通に車掌沙汰ヘタすりゃ警察沙汰ですが、彼の絵が完成をみていたかもしれないと思うと残念でなりません。絶対おもしろい絵を描くぜこいつ。

すべては彼のつたなさが起こした悲劇。でも、できることなら責めないであげて欲しいと思います。未経験ゆえの滑稽を笑うことは簡単です。恋愛経験なんて最初は誰もが無いはずなのに。いままさに、モテる人たちからすればほんの1ポイントにも満たないかもしれませんが、経験を積んでいる彼なのに。

ほかで経験を積もうにも、それは無理というもの。ラブレターで告白するエロゲーは無いからです。花火大会の帰りに木に手を付かせて浴衣まくって立ちバックする公園青姦はいくらでもあるのにな。

最後になりましたが、返信が遅くなったことをお詫びいたします。

マスクド


・・・

さすが御大は格が違った。僕なんぞの放つ変態考察論など下も下、児戯に等しき稚拙な文章よ。いずれにせよスク水脱糞野郎という巨漢を相手にしたこともあるマスクドさんにとって、この程度の案件は場末の痰壷よりも些事なものだったに相違ないぜ。


季節は晩夏に向かい、じきに秋へと突入します。
季節変わりのこの時期、街には変態が跋扈し始めるというのが世の常。皆様におかれましては、平和過ぎる社会に油断することなく、常に自衛を心がけ、この世知辛い現代を生き抜いていって下さい。例えば上履きは持って帰るとかさ、そういう小さいとこからコツコツやっていくべきだと思うね。僕は。

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posted by 肉欲さん at 17:42 | Comment(15) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
気持ちはわからんでもないが客観性、みたいなのも必要ですよね。
それがわからなくなるのが恋なのかもしれないけどさぁ!

日常的でないからこそ、日陰であるからこそ輝くってう面もあるんじゃないかな、変態行為って。

それでいくとよしんば変態行為が受け入れられて彼氏、あるいは彼女ができたとしてその方を相手変態はそのパッションを保てるんですかね・・・。


Posted by MJ at 2009年08月25日 17:59
マスク・ド・変態さん、オッサンの心読み過ぎwww
Posted by カフカ at 2009年08月25日 19:52
つまり変態≒純愛ということで。

気持ち悪くて素敵です。
Posted by chiri at 2009年08月25日 20:03
この前、友達の女の子がうちにきて、酒飲みながらDVDを二人で見て、その間薄暗い部屋で彼女は、キャミソールになったり、ベッドにもぐりこんだりして、『いやはや、これはもしや』と直感し、一思いにヒョイと押し倒したら、『そういうことするんだ、最低』といい残して帰って行きました。どういうことでしょう。僕には女心(にょしん)がわかりません。肉さんに御教唆願いたい。

【肉欲より】

『そういうことするんだ、最低』
→『そういう(風に相手の反応を伺うとか、回りくどい)ことするんだ、(奥手なのもいいけど)最低(限の礼儀を果たしてくれたら、うち、何も言わへんよ……?しのごの言わずにぶちこんで!!)』
Posted by はたち at 2009年08月25日 21:38
上履きとかはかなきゃいいんじゃないのかね。
本来日本は室内では靴ならざるものは履かんでしょうが。

好きだった女の机に生尻つけたことは時効だから供述するよ。

ひんやりしてたなぁ。
Posted by なな at 2009年08月25日 22:11
これはいいwwwww
Posted by at 2009年08月26日 03:30
恋愛のステップを踏む前にある程度のリサーチするのは必要なのでは?

例えば付き合う=フィストファックという嗜好のオスからすれば、宮崎あおい的メスから告白されたとしても宮崎あおいがキツマンである限り、彼氏彼女の関係を結ぶ対象にはなれないデスよね?

つまり「キミってガバガバ?」って聞くプロセスがどうしても必要なセオリー。

でも、そんな質問したら社会からドロップアウトせざるをえないというジレンマ。

助けて、肉欲さん! 八方塞りだよ…。
Posted by 硫黄 at 2009年08月26日 04:20
まさかのマスクドさんご降臨!
変態さんの業の深さは女には計り知れないね。
Posted by 犬珍汁 at 2009年08月26日 09:38
いつにもまして語彙が素晴らしい

上履き?チキンな私にそのようなことは…
Posted by at 2009年08月26日 10:30
赤味噌を配達したのは、taksですか?
Posted by   at 2009年08月26日 11:15
赤白帽の頭と汗の混じってたなんともいえない臭いを嗅ぐのが好きだった。上履きはゴムの臭いが強過ぎてイマイチだったなぁ。
Posted by デカルト at 2009年08月27日 13:42
運動靴は強烈でしたね
Posted by ピョンヤン at 2009年08月29日 08:03

肉欲さん!1週間ほど前に池袋にいましたか?
Posted by 壱 at 2009年08月31日 16:53
若さ故の過ちfeat.ズボンが擦れるだけで勃つ性欲ってのは
ある意味中高生のみの特権だと今なら説くことが出来るよ
Posted by at 2009年09月01日 17:03
明日、下関を通ります。オススメを教えてください。是非。※非エロに限る
Posted by ぞ at 2009年09月04日 00:01
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