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例えば幕の内弁当を食べるとき、多くの人はバランス良く目の前のオカズを処理しようとするだろう。白身魚のフライを一齧りしてから白米を一口、次は伊達巻を半分食べてからお茶を飲む……といった具合に。結果として弁当の見た目は乱雑なものとなるが、こうすることによって最後まで飽きずに幕の内弁当と付き合うことができる。
僕の場合、ラーメンを食べるときも同じ様にする。
まずスープを飲み、その後に麺をすする。次はメンマを口に入れて、そして麺をすする。その次はチャーシューを少しだけ齧る。その次はモヤシを……と、最後の最後までバランスを重視して食事を進める。
それが、いまのところ僕の中での "普通" なのである。
もちろんそれは僕だけの "普通" なので、別の人からすれば全く普通でないこともある。真っ先にチャーシューを平らげるのがマイルール!という方もいることだろう。人それぞれ、というやつだ。
人はそれぞれ独自のバランス感覚を有している。それは食事の場面だけじゃなく、人間関係や仕事の進め方についてもそれぞれのバランス感覚に従って行動している。
メールの送り方について考えてみよう。メールのやり取りについては、堅苦しい作法みたいなものはそれほど無い。ただ、多くの人は
『メールがきたら(必要に応じて)返信をする』
『相手の返事を待って、返信内容に従って再返信をする』
というやり方を遵守している。1コール&1レスポンス、それが一般的なバランス感覚だ。
恋の場面においては、この1コール&1レスポンスというバランス感覚がいかにも切なくて、苦しい。好きな相手とはなるべく多くやり取りをしたい!と願うも、相手からリアクションがなければこちらは何のアクションも起こせない。
メールを送ったのに返信がない……という時、僕たちは何度も何度も新着メールを確認し、『送ったメールに何かマズい点があったのだろうか……』 と悩み、送信メールの文面を百回読み返す。多くの人が経験したことがあるであろう、辛くて悲しいひとときだ。
中には耐え切れず 『あれ?もしかしてもう寝ちゃったかな^^;』 などと非常にしょっぱい……もとい、とても遣る瀬無いメールを追撃する方もいる。待たされるだけの時間は辛いから、辛さを和らげるために、何とか想い人からのレスポンスを得るために、バランス感覚を失してしまうのだ。
それでもメールが返ってこなければ、どうするか。
諦める、という選択肢もあるだろう。しかし恋の最中というのはある種の錯乱状態だ。返信がないんだから諦めろ!――頭でそのことは分かっていても、心の部分がついてこない。だから僕は、ノン、多くの人は、更に追撃のメールを発射する。
件名 寝てたらごめんね><
本文 生きてる〜?起きてたら連絡ヨロ(^〜^)
自分で書いていて猛烈に死にたくなったのであるが、過去の事実から目を背けるわけにはいかない。皆さんにも同様の経験があると信じている。ただ、これだけ執念深く追撃をカマしても、やっぱりメールは返ってこない……というのが世の常であり、僕の切ないメモリーでもある。聞かないで欲しい。
そして翌日の、午後2時。
件名 Re:寝てたらごめんね><
本文 ごめん!メール気付かなかった^^;
絶対ウソだろ……直感するのだが、もちろんそんなことは言わないし言えない。あるいは、怒るよりも先に 『やった!メールが返ってきた!これで勝てる!』 と狂喜している場合が多い。そして僕たちは音の速さでレスをする。
件名 おはよ(^〜^)
本文 メール返ってこないから死んだかと思った(笑)昨日は何してたの?今日は何か予定あるの?良かったらちょっと電話していいかな?
なぜだか強烈に自殺をしたくなったのであるが、それでも昔の自分から目を背けるわけにはいかない。メールが返ってこない……という切ない経験した僕らは、なるべく返信せざるを得ない文面を考案する。言うまでもなく 『?』 の効果的な活用である。そして上記の文面は 『?』 を意欲的に使用しまくった結果、劇薬レベルにまで昇華してしまったメールの典型例だ。聞かないで欲しい。
メールはまたもや返ってこない。僕は、ノー、多くの人は、再び送信履歴を凝視しながら 『マズかったかな……どうしよう……』 と、非常に価値のない後悔を覚え、心の弱い人たちはまたもや追撃メールを射出し、より一層トラウマを深くしていくのである。悲しい恋のエトセトラだ。
これが一般的な例であるが、もちろん例外もある。1コール&1レスポンスというバランス感覚はあくまでも最大公約数的な基準なのであり、その規律から自由な人だって存在する。
いわゆるストーカーと呼ばれる人たちはその傾向が顕著であるが、そのレベルに至らずとも 『ついついメールを乱発しちゃう人』 というのはそれなりにいるものだ。
本文 何してるの?
本文 生きてる?
本文 おーい^^;
本文 どうして無視するの?
本文 気付いたら連絡ください。
本文 ねえ、何してるの?
本文 今日すごくいい天気だよ^^
本文 苦しい 切ない 辛い
本文 もう知らない、顔も見たくない。
本文 ごめん、さっきのメールは忘れて下さい。。。
本文 何してるの?
読みながら 『いるいる……』 と頷かれた方、ご愁傷様です。あなたとは美味い酒が飲めそうです。経験されたことのない方は 『いやいやこんなメール送る人いないでしょwそれなんてエロゲームww』 と笑われるかもしれないが、残念なことにこれは真実のお話なのである。世の中には "一般的なバランス感覚から外れた人" というのも一定数存在しており、そのことを覚えておいて損はない。なお、上記のメールは大体五分間隔でデリバリーされた事実も付記しておく。夜中の4時である。寝とるわ。
メールの話が長くなってしまったが、話を戻してバランス感覚のお話。人はそれぞれ独自のバランス感覚を有しており、そのそれぞれは最大限尊重されるべきものであるが、例えばあなたが 『誰かに好かれたい!』 と思っているのであれば、できるだけ相手のバランス感覚を大事にしてあげた方がベターだ。自分としては沢山メールがしたいとしても、相手がメール嫌いなのであれば、メールの頻度は少なくした方が無難である。また、相手に嫌われたければ、その逆を行えばいい。シンプルな話だ。
プレイも然りだ。さあセックスの話だよ、ヤー!!結局僕はこの話をしたいがために今までの文章を書いてきたわけで、その意味からすればこれまでの話は全て忘れて下さって構わない。メールの文面をどうすればいいか?いい歳して何を青臭いことを……そういうのはananとかCanCamでも読んでれば分かるんじゃねーの?!生憎うちのブログはそういうのやってねーんでね!?
セックス、というか前戯についても、やはり人それぞれのバランス感覚みたいなものがある。生来的なバランス感覚、経験則的なバランス感覚、AVによって養われたバランス感覚、様々あるが、とにかくも僕たちはプレイに関するバランス感覚を各々有している。
キス5分、胸5分、手マン5分――これが築地市場における相場であり、日本人男子の平均値だ。無論ソースはない。僕の独断と偏見であるが、俺は、そうしてきた。
――ということをかつて飲み会の席で得意げに論じたのであるが、その際、近くにいた女性から雷鳴の如き勢いで 『ふざけてるの?』 と言われ、大いに狼狽した。なぜ?僕は当然の疑問を抱く。
「あのねえ、5分・5分・5分とか、そんなので満足できると思ってるんだったらもうちゃんちゃら、ちゃんちゃらおかしいわよ?!ハッキリ言っとくけど私は、否、女というのは、どれだけ値引きしても30分、そうね、30分はねっとりと前戯をカマして欲しいもんだわ!!」
言葉のニュアンスは多少異なるが、全体としてはそんな様なことを仰っていた。30分、それは明らかに僕とは異なるバランス感覚である。僕は自分の感覚が、価値観が、あまりにも狭いものであったことを感じた。
「じゃ、じゃあ、5分×3、という基準は……」
「論外よ。そんな男とは二度とセックスしない」
矢のように降り注ぐダメ出し、世界が激動する。じゃあ、これまでも自分のプレイって、一体?僕は眩暈を覚えた。ひとつには、自分のバランス感覚が世間とズレていたのかもしれないという衝撃に、もうひとつには、目の前にいる女性がどう見ても殴りすぎたピグモンみたいな顔面をしているのに、少なくないであろう男性経験を有しているという事実に。だから僕は無言で酒を煽った。砂のような味がした。
もちろん、彼女言うバランス感覚だけが全てじゃない。別の方は 「前戯?うーん、あんまりしつこくされるのはちょっとね」 とも仰っておられた。結局のところ基準はそれぞれなのである。大事なのは相手の(プレイにおける)バランス感覚はどこにあるのか?それを冷静に見極めることなのだ。
「――という風に、やはり相手との距離感って、存外大事だと思うんですよ」
「分かりますねー。私も中々自分の性癖?っていえばいいのかな、それを相手に伝えることができないですし」
「まあそれは中々ね……で、差し支えなければ、一体どういう趣味をお持ちなのか教えて頂けませんか?僕の見立てによると、SMとかそういうの……好きそうな感じですけど」
「あー、ちょっと近いですね。正解は……」
「はい」
「卓球のラケットでケツをバシバシ叩かれることです」
いや、分かんねーよ?!計り知れねーよその感覚は!!まるでウソのようなやり取りであるが、紛れもなく真実の会話である。僕もこれまで様々な趣味嗜好の方々とお会いしてきたが、彼女の語ったそれは全くの新機軸であった。卓球界に激震が走った。
「それはまた……高尚なご趣味を……100円均一か何かで買ったラケットをご使用なんですか?」
「いえ、そこは旦那も懲り性なので。スポーツ用品店で何やら高級なラケットを買ってきてくれました」
嫌な前陣速攻である。握りはペンであろうか。いや、論旨はそこじゃない!とにかくもパートナーからの理解は頂けたようなので結構であるが、僕のように未だ修行中の身の人間にとっては、恋人から 『ねえ、今日はこれを使って欲しいの……』 と卓球のラケットを取り出された場合、脳を疑う。これはそれくらい危険なバランス感覚である。皆さんも是非気を付けて欲しい。
最後は性的嗜好の話になってしまったが、これも広い意味でのバランス感覚であろう。結局、相手の容姿がどれだけ優れていても、このバランス感覚の部分が大幅にズレている場合、二人の結末は悲惨なものとなることが多い。見た目じゃなくて中身が大事!という手垢まみれの名句は、つまりそういうことなのだ。中身が優れていることが大事なのではなく、自分の感性に近いことが大事なのである、と。
バランス感覚、それは目に見えない。
相手のそれに合わせるか、自分の尺度に引き寄せるのか。
方法はひとつではないけれど、いずれにしても他者のバランス感覚を吟味し、理解を示してあげること。それが人間関係を円滑にする秘訣なのかもしれない。
でも、卓球のラケットは、ごめんなさい、ちょっと何言ってるかよく分かんないです。
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それも生き抜く術なのかもしれませんが、そういうのを曝け出せる。そんな世の中になって欲しいものです。
そんなプレイが好きな人がいるなんて、ワォ!ジーザス!
返信ないから心配だな;
コメント欄でノリでかける類ではない性癖を。
でも人ってそんなもんですよね?多分。
メール堪(こら)えるのに必死です^^
相手がよがってるのが楽しいです
ゆえに 前戯 四〜六時間
本番 10分
ちなみに女です。
話はそこからですよ。
けれども、ラケットの話し、わからなくもないです。
ツブダカって単語が好きでした
そうかその為にわが母校の弱小卓球部はあったのか・・・・。
3年前の僕です。
ごめんなさい
ちょっと練炭買いに行ってこよう・・・
性的云々よりもメールで傷を抉られたよ肉さん…
メールの件で過去を思い出し
「ぎゃーーー!!!」
となりましたが、メールを送る相手もいない今とどっちがマシなのか・・・と5分ほど考えてしまいました。
男から女へのの行為
キス 5分
胸・腹部 10分
下半身 15分
女から男への行為
フェラ、69など 20分
本番
30〜60分
1回のプレイに大体2時間は欲しい
昔、世にも奇妙な物語で、
大杉漣さんがやっていました
「夜汽車の男」で弁当を食べるに当たってのこまかい話が面白かったす。
たまねぎ…
ただそれだけでも、中々言い出せないものなんですね
それにしてもメールが返ってこないなぁ…
イカリングじゃないんだ。