国は『ウンコ特別税』の導入を真剣に検討するべきではないだろうか。
先日のことである。僕はバスに揺られながら漫然と目的地へ向かっていた。流れ行く車窓の風景、轟くセミの鳴き声、照りつける太陽。ああ、夏も本番だな……僕はうっすらと眼を細めながら、全身で季節の情緒を受け止めていた。脳内Ipodからは『菊次郎の夏』が流れる。
瞬間。襲い来る壊滅的なまでの腹痛。脳内Ipodから『絶望ビリー』が激奏され出す。猛然とした勢いで蠢き始める僕の括約筋、その躍動っぷりは北京五輪にだって見劣りしちゃいない。
コウンの奴らも勿論のこと必死。どうにかして僕のアス・ホールから脱出を試みようとしている。その激しい自己主張は、全盛期のジョンとヨーコすら凌駕するほど。一進一退、僕の括約筋とコウンの攻防戦は時々刻々と激化していく。
早くここから出してくれ!ウンコも僕も、心の底ではそう願っている。だが密閉されたバスとアヌス、そこにおいて逃げ場はない。同刻、運転手の乱暴なステアリングが僕の大腸を逆愛撫する。ちょっとした道路の隆起であっても、今の僕には劇薬に等しい。こんなにも道の凹凸が激しいだなんて、道路税は一体何のために徴収されているのか?!僕が行政に対して不満を覚えることがあるとすれば、それは腹痛と戦っている時間に収斂していく。
目的地への道のりは未だ遠い。折節、バスは赤信号でストップする。腹痛の波はゆっくりと、だが確実にその激しさを増していく。P波の訪れを感じるたびに僕は思う。『ゴッド……』。腹痛の時、それは無神論者である僕が神を信じたくなる唯一の瞬間だ。
いっそこのまま”出して”しまえよ……。悪魔からの甘美な誘惑が鼓膜の裏を優しくノック。冷静に考えれば尋常な思考経路ではないが、その時の状況がおよそ尋常ではないため、僕は自分が異常な思想に陥っていることに気付くことができない。知覚されなければ事実も事実として認識されないのではないだろうか……そう、例えばこのコウンが無臭状態であれば、あるいは?そう思った僕はコウン大排出の呼び水として、まずは屁をひとこき。刹那、腐ったゆで卵の如きスメルが僕の鼻腔を貫いた。バイオハザード。その言葉が僕の脳裏で踊り狂った。
P波の押し寄せる間隔が次第に短くなっていく。額には珠のような脂汗が浮かび、僕は世界で一番『死』の一文字を意識した。しかしながら明けない夜はなく、また止まない雨もない。見上げた先、視線の向こうに。目的地は粛々と近づきつつあった。
バスが停留所に着くが早いか、憤怒の形相でトイレへと爆走する。但しアス・ホールにできるだけ刺激を与えない走法をキープしながら。走る最中、僕の菊からは劇物にも似たガスが間断なく漏れ続けた。あれはひどく臭かったであろうが、それは決して悪意があってのことではないのだ……とここで強く主張しておきたい。世の中には避けられない事故というものも確かに存在するのだ。
和式の便所に飛び込むと同時に、亜音速を超えてズボンを脱ぎ捨てる。中腰になりつつアス・ホールの肉壁を解き放ち、クラウチングスタイルに到達すると同時に禍々しきコウンたちは水面へとダイブ。ユマ・サーマン!解放の瞬間、僕のアヌスがハリウッド女優の名前を全力でシャウト。産みの苦しみと喜びを同時に味わった僕の目から珠玉の涙が流れ出す。まるでウミガメのような男だ、とその時僕は思ったね。
――と、これが今回体験した一連の出来事である。簡素に記せば『バスの中でウンコが漏れそうになってマジ焦った』ということになるだろうが、その一文では伝えきれないドラマが、艱難辛苦が、あるいは感動が事実の裏に潜んでいる。100のウンコがあったとして、どのウンコとして同じウンコはない。100のウンコには100の理由があるのだ。僕たちはそのことを強く意識しながら生きていかねばならない。
その上で。僕は言いたい。国は一体何をしているのか?後どれだけ同じ過ちを繰り返せば良いのか、後どれだけの犠牲を生まなければ次善策を打ち出せないのか?――と。
はっきり言ってこの”ゲリラ型ウンコ問題”に対し、国はこれまで何らの対応もしてこなかった。諸外国から”弱腰”と謗られても致し方のないほどの不手際である。一体何のための民主主義なのであろうか。僕が腹痛に苦しんでいたあの時、公安委員会は何をモタモタしていたのか。
悲劇の連鎖は断ち切られなければならない。そもそも、どうして僕たちのウンコ活動が抑圧されなければならないのか?大便がヒトとしての欠くべからざる生理機能に基づいているのであれば、本来的にはいつ・どこで・いかなる状況であっても、コウンを大リリースしても構わないはずである。しかしながら現実がそうではないこと、これはもう皆さんにもお分かりですよね。
モラル。その三文字が僕たちの自由のウンコ活動を阻害する原因だ。分別のある人なら、そこかしこでウンコなんてしないでしょ……という、我々の抱く見えざるモラル。そのモラルが僕たちの生理機能に修正をかけ、あるいは自由な行為を規制する。そしてそのようなモラルが存在するからこそ、いざ我々が道端でウンコを産出しようとすれば、その行為はテロルと見なされる。公道のド真ん中であなたがウンコをカマした場合、新潟県警は鋭い勢いであなたのことを検挙するだろう。モラル、そして刑法という十手を振りかざしながら。狂った世の中である。
ただ、不平不満を述べることなら誰でもできる。議論において大事なのは、いかにして有益な代替案を打ち出すことか?という部分だ。何らの打開策もないまま漫然と不平を表明していては、いつまで経っても議会は停滞したままだろう。
ウンコ税の導入は如何か。確かに僕は上の方で『ウンコそれ自体は仕方のない生理現象だ』と述べたが、それでもウンコの孕むリスクは了知している。あんなものをそこかしこで自由気ままに放出されては、法治国家は崩壊してしまう。だからこそ、税制によってそのリスクを償却してはどうだろうか……というのが僕の打ち出す代替案。
正直、今回は僕の優れた忍耐力で難を免れたが、次回も同じように急場を凌げるとは断じ難い。過去に三度ほどパブリックな場所にてコウンを漏洩した立場から言わせていただければ、四回目も絶対にある。それもここ2〜3年の内、いや下手をしたら…そう、数日の内に起こる可能性だって払拭できない。それは皆さんにおいても等しくそうだと言えよう。さあその時。あなたは、どう動く。
やはりウンコ税、ではないだろうか。ウンコ納税者には国からウンコバッチが配布され、それを身に着けている人はウンコ・リスクを背負わなくてよい……という、夢のようなシステム。満員の電車、突如襲い来る腹痛。大腸の限界を天元突破したあなたのアス・ホールは、車内で唐突に『葉隠れ!』と、旧世代の名著の名前を大絶叫。漂う腐臭、乗り合わせた乗客が絶望的な表情を浮かべる。戦犯は誰だ?そして皆の視線の先には、紛れもなくあなたの姿が――でも、その時。その胸にウンコバッチが掲げられていたとすれば、あるいは?
「納税者なら仕方ないな」
ケツ論はこれだ。あの人は勤勉な納税者なのだ…という事実が、皆の怒りを緩和するのである。国は税によって蓄えた財源から、不快感を抱いた者どもに慰謝の金を支払うことになる。
「あいつのウンコ、臭いしムカついたけど、まあ金が貰えるのならね…」
金銭で争い事を解決することに難色を示す方もいるかもしれない。お金で何でも片をつけるだなんて、そんなのよくない!と思われるその気持ち、僕にもよく分かる。だけれども、だ。じゃあ一体どのようにして始末をつければ良いのか?ガチンコで殴りあう?あるいは、論戦を戦わせてみる?どうだろう、僕にしてみればそちらの方が余程泥臭い様相を呈するような気がしてならない。ウンコを漏らしてしまった人を殴打して、ウンコの臭みが消えるのですか?本当に?そんな訳はありませんよね、当然。だからその意味で、”攻め”の意味でのウンコ税、これは如何か。僕だって伊達や酔狂でこんな話をしている訳ではないんだ!!
ウンコ増税も、当然視野に入れている。それはつまり――ウンコ・アクシデントに遭遇した人々は翌年からの課税額が大幅にアップする、というシステムだ。税さえ払えばいくらでもウンコを漏らしていいのだ!というマインド、これを許すわけにはいかない。ワンショット・ワンキル(一撃必殺)という言葉もある。きっと二発目も許容されるのだろう…という考え方、それが根付いた時に我が国は未曾有の事態を迎える。ミスは一度きり、という厳たる姿勢で対処しなくてはならない。
「ウンコを漏らさないためにも、食べる量を減らさなくては」
とどのつまり、ウンコ税はエコライフにも直結する。
ウンコ増税は辛い⇒ウンコを漏らしたくない⇒ウンコ量を減らしたい⇒ではどうすれば?⇒摂食量を減らせばいいのでは?
このサイクル。豊食の時代に突入し、食べ物が無駄にされている…と嘆かれて久しいが、ウンコ税導入に踏み切ればそれもすぐに解決することだろう。対症療法的にエコバッグなどを取り入れて何かが変わりましたか?その答、皆さんが己の胸に問いかければすぐに分かることですよね。エゴなエコ、なんてもうまっぴらです。その意味で、”敢えて”のウンコ税。もう、分かるよな。
人に何かを伝える、というのは本当に難しい。たとえば今日の日記の論旨なんてものは、冒頭の一文、つまり『ウンコ特別税の導入に踏み切るべきではないか?』というところで終わっていたのだけれど、そこで終わってしまえば僕の熱いパッション(=情熱)は皆さんに伝わらなかったことだろう。全体的に生き辛い世の中だと思う。
ウンコ・ルネッサンス。始めよう、新しいウンコとの取り組みを。漏らして、いいとも!一人一人がそのマインドを抱くことから、僕のウンコ・ムーブメントに意味が生じ出す。そのウンコ、本当に我慢していていいんですか?あなたは、他人のウンコを笑う資格があるのか?僕は決然たる意思と共に”ノー”を唱えたい。
世知辛い世の中です。ちょっとしたミスに対しても寛容になれない方が増えておりますが、もう一度考えてみて欲しい。ウンコを漏らすこと、それは本当に罪悪なのか?ということをね。
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ちなみに私はいつも替えの下着を持ち歩いてます。
それにしても肉欲さんのウンコ好きには感心せざるを得ない…
志、龍が如く
この腐敗帝國を変えるのは貴方しかいない!!
【肉欲より】
日本語で言えばエンジェル、ですかね
突然の便意にも対応できるミラクルなフォーム。
国は街路樹とかをパブリックな立ちウンコスペースにすべきですよ。
立ちウンコ→肥料になる→緑が増える→ほら、世界はこんなに美しい……
完全に罪悪だよwww
これが使いたかったのか?
なかなか名言だ
しかし、まだまだ議論の余地が大いに残されてますね
今後も是非実りある討論を。
いくら匿名のインターネットだからといって、これはあまりにも酷い内容ではないでしょうか
せめて伏せ字くらいにはしていただきたいです
心底不愉快になりました
ついでに【満員電車で吹いた税】も検討してください。
電車の中で携帯を使うヤツも減るんじゃね?
さいこ-!
目から鱗とはこのことです。
周囲が『あの人は税金納めてるから…』と許容してくれるギリギリの線を考えると、納税額は年間240万くらいでしょうかね。
明日から早速始まればよいのに。
奇族のおまんざーい。ルネッサンス!
また遊びにきまっす