どうもその女性は英語の勉強をしているらしくプリントには英単語がビッチリ。語彙的に受験英語っぽい空気が漂います。
偉いねー、僕にもそんな時期があったねー、と見るともなしにプリントを眺めていたんですが、おや?なにかおかしいよ。
この娘の場合、プリントの左側に英単語をズラリと書き連ね、その右側に和訳を記していたんですが、どうもその和訳がもの凄い勢いで対応してないんですよ。ざっと紹介しますと
hardly 反対に
eventually 時々
まあ調べてもらえば分かると思いますが、本来の意味にカスリもしてないのな。
「かーちゃん!今日の晩ご飯なに?」
「SONYよ」
そんな勢いで絶望的なまでにチグハグ。これは面妖な…。
と、ここまで考えたところで謎は全て解けた。この娘、仮にスペ子としますが、スペ子は明日予備校で英語のテストがある。しかし、日本史の勉強や引っ越しの手伝いや彼氏とのおセックスやお産の準備やらでテスト勉強は全くの手付かず…焦るスペ子。もう時間はありません。チクショウ!大事な時期なのに!
落胆するスペ子。しかしそこに救いの手を差し延べたのは、そう、親友のヤリ美でした。ヤリ美は自ら準備した秘蔵のプリントをスペ子に渡し、ニッコリとほほ笑むのです。
「スペ子、人っていう字はさ、差さえあって成り立つんだよ?」
「ヤリ美……!!」
感動にむせび泣くスペ子。BGMは『贈る言葉』。これぞ友情、これぞ青春。ヤリ美、今まで陰でヤリマン呼ばわりしてごめん、コンドームに穴開けたりしてごめん、アタイ、このプリントで頑張るさかい!!スペ子は、親友の心遣いに感動したのです。
賢明な皆さんならお分かりの通り、これは全てヤリ美の邪悪な陰謀、血塗られたストラテジー。以前よりスペ子を疎ましく思っていたヤリ美は、この機を利用してスペ子を叩き落とそうと画策し、計画を実行。げに恐ろしきはヤリ美。その瞳は、まさしく修羅の眼。更にはスペ子の彼氏、ポコ吉まで奪おうとしているのだから驚きだ。
(アバズレ大学の推薦枠とポコ吉はアタイのもんやで…!!)
呟いて立ち去るヤリ美の顔には、悪魔の笑顔が浮かんでいたとか、いないとか――
と、僕は東京メトロ丸ノ内線・荻窪行きの車内でこの恐ろしい策謀に気付いたのです。この世はこんな風に悪意に満ち溢れている。世知辛い世の中。皆様も常に誰かから恨まれているんだ、ということを努々お忘れなきよう……。

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>クマさん
その他の単語も壮絶な勢いで符合してませんでしたよ…。