後悔先に立たず。
そう、僕たちはいつでも初動が遅すぎる。
「もう夏じゃねえか!カップルばかりでイラつくぜ!クソッ!」
毎年、本当に毎年。夏になればそこかしこでこんなような言葉が飛び交う。それはもう、6年以上前から決まってそうなのだ。揺ぎ無い年中行事のように。惰性で続ける悪しき慣行のように。
夏だけじゃない。秋も冬もそして春も、僕たちはいつでも後手後手に回っている。クリスマスがくればカップル死ね!バレンタインがくればカップル死ね!桜が咲けばカップル死ね!中秋の名月を眺めながらカップル死ね!胸に宿る怨嗟の焔はいつまでも消えず、それどころか一層燃え盛るばかり。ドス黒い殺意は年々その深さを増し、その中できっと僕らはいつか戻れない地点に至ってしまうのだろう。
そんなことではいけない!誰にだって幸せになる権利はあるわけで、それは僕たちだって等しくそうだ。もちろん、誰しもが確実に幸せになれるわけじゃない。
"皆が仲良く幸せで、そして平和に――"
実に聞こえのいい言葉だ。が、それが実現するか否かはまた別問題であろう。渡世はそんなに甘くできちゃいない。
それでも、可能性を追求しなければいつまで経ってもゼロはゼロのままだ。踏み出す先がどこに向かうかは分からない。だとしても、ゼロから少しでも動き出せば。僕たちに新たしい何かが訪れるかもしれない――僕はそう信じているのである。
そんなことを思った僕は、気付けば駅ビルに辿り着いていた。中に入り、エスカレーターを上へと上る。そう、お目当ての場所 ――クッキングスタジオと称されたそれ―― に向かうために。
「やりおるわ」
窓越しにクッキングストゥーディオの様子が見える。その模様を眺めながら、僕は思わずペロリと舌なめずり。ストゥーディオの中では歳若い女性ども ――それはおそらく主婦、あるいは花嫁修業中のメスたち―― が所狭しと料理に勤しんでいたというのだから、僕のリアクションは実に自然なものだったと言わなければならない。そして勝機は、確かにそこに。
つまり僕はこう言いたい。これまで我々は、非常にシビアな戦場にばかり身を投じていたのではないだろうか?と。考えてもみて欲しいのだが、我々が女性との出会いを求めて何がしかの状況に飛び込んだ時、周りには誰がいただろうか。――それは、獣のような双眸を携えたオスたちの姿に相違ない。
眼前に広がるはまさに生存戦争。腕力と知略だけが全てを支配する、圧倒的なパワーゲームだ。弱者は即座に退場を強いられ、生き残った者だけが強者の称号を勝ち取る。それは実にシンプルで、非常に明快な競争原理。
それが普通だと思っていた。誰かと戦い、そして勝ち抜いた先にこそ僕らのヘヴンがあるのだと信じていた。でも、それは本当に真実だったのだろうか?あるいは、僕たちが戦う必要がどこにあった?考えてもみて欲しい。我々メンズは恋という言わばエゴとエゴのシーソーゲームの中、時に友人と、時にクラスメイトと、時に見知らぬ黒いチンポの野郎どもと、目当てのあの子のことを奪い合った。それが青春そのものだと思っていたし、また失恋することもあったけれど、それも含めて甘酢い思い出になったのも確かだ。
それでも僕は『もしも』と思う。あの日、あの時、あの失恋の場所に。ライバルが誰もいなくて、彼女の前には僕だけ座ってたとすれば。それでも僕は失恋したのだろうか?そんな下らないことを、いま強烈に思ってしまうのである。
何が言いたいのか。僕たちは敢えてまで戦いの現場に身を投じる必要なんてなかったのではないか?ということだ。
ライバルがいなければそれだけ勝率も上がる、これはよく考えれば当たり前のことだろう。でも、僕たちは時として当たり前の事実に気付くことができなくなる。自分が今居る状況を絶対視してしまい、結果としてそこから動けなくなっていたりする。非常に罪深いが、それも含めて人間らしさというものかもしれない。
だが、今日の僕は昨日の僕とはもう違う。熾烈な戦いを強いられる狩場など懲り懲り、これからは安穏なハントができる場所で勝ち馬を目指すのだ。それがそれこそが、悲哀と怨恨と憎悪の連鎖を断ち切る鍵となり、また恒久なる愉悦を手に入れる第一歩となるのだから。
春夏秋冬を『死ね!』と叫んだのは既に過去のこと。今日からは土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。そして目を上げた先にあるクッキングストューディオ――女しかいない。負ける気がしない!!
これは表向きには伏されていることであるが、一般的に言って女性、それも婚姻を経験した女性というのは淫獣、性戦士の名を欲しいままにしている……というような統計が、あるような気がする。ロイターあるいはBUBUKAあたりにあるんじゃないだろうか。ないかもしれない。どちらでもいい。とにかく、その状況をCanam風に翻訳すれば
『今夜は帰りたくないって感じ
というアレのことである。また、それをanan風に翻訳すれば
『横モレガードで夜もズッポシ
というアレになる。詳しい意味は伝わりにくいかもしれないが、取り急ぎニュアンスをご理解いただければそれでいい。要約すれば、マダムたちからの需要は非常に大きい!ということだ。
かつ、また。ストューディオの中にはお世辞にも男がいるようには見受けられない。いや、ハッキリと『皆無である』と断言してもいいだろう。右を見ても女性、左を見ても女性、咳をしても女性。♪マン・マン・マン!たいようの ひかり・・。思わずそんな歌すら口ずさんでしまう。
(さわやか三組)
ここまでくれば僕が敢えて多言を要するまでもないのだけれど、このストューディオに入ってしまえばどう考えても『勝ち』以外の選択肢が見えてこない。あらゆる要素が僕に対してスターダムな未来を約束してくれている。エロスにまみれた淑女たち、熟れた体、けしからんバディ、けれども家に帰ればそこに待つのは旦那のしけたツラ――アタシはこのまま朽ちていくのかしら――ピロシキを作りながら、ヒロコの心に暗澹たるものが立ち込めてくる。こうなればシベ超(シベリア超特急)にでも乗ってロシアあたりまで行ってしまおうかしら?
変わり映えのない日常の中で、ヒロコの内心はすっかり疲弊していた。
「あっ、危ない!」
「えっ?!」
ガシャーン!ヒロコの頭上から食器の雨が降り注ぐ。寸での所で避けることができたが、直撃していただきっとタダでは済まなかったろう。危ないところだった……緊張と安堵が代わる代わる胸に押し寄せる。しばし呆然としたヒロコは、そこでようやく己を助けてくれた人物へと目を遣った。
「危ないところをありがとうございました」
「いえいえ、礼には及びませんよ」
目を上げたそこには、このストューディオに似つかわしくない男性 ――肉とか欲とか言う単語がよく似合いそうな青年―― の姿があった。この人は一体誰なのだろう?いえ、そんなことはどうでもいいわ。それよりも何だか胸が……苦しい……!
――と、こうまでなってしまえば後の展開はナメクジに塩をかけるよりも自明であり、27分後にはフェラチオあたりにまでこぎつけてんじゃねーの!?それがけしからんバディという言葉の意味であり、また団地妻と称される人々が背負うべき宿命でもある。差別的な物言いに聞こえるかもしれないが、あいにく僕の肉体広辞苑にはそうとしか書いていないのだから仕方がない。文句は版元に言って欲しい。
ということで、僕は勢いよくクッキングストューディオの扉を叩いた。一応言っておくと、虚飾のない真実である。面の皮が厚くてよかった!こういう時、僕は本当にそう思うものだ。失うものの少ない人間というのは、全体的に強い。
「はい、どうされました?」
出てきたのは歳の頃24歳程度の若いお姉さん。ポニーテールにエプロンのよく似合う清楚な方だった。僕は思わずペロリと舌なめずりアゲイン。よく見ると右手の指先が小麦粉と思しき妖艶なる白い粉で彩られていた。なるほど、そういう守備範囲ですか。理解しますよ、僕は。
「あのー、こちらで料理を学びたいのですが」
簡にして要。意思を伝える場合は、なべてそうありたいものである。僕は確信と共に強い笑顔を浮かべると、ポニーテールの人からのレスポンスをただ待った。
「すいません、男性はちょっと……」
「えっ?男性はちょっと?」
「ええ、……」
「ちょっと……だけ?」
「いえ!違います」
「ちょっと……くらい?」
「いや、無理、ですね!」
キッパリと語ったストューディオのお姉さん。
そして立ち尽くす僕。
男女差別。
その言葉の意味を問いたければ、僕に聞いてみるといい。
きっと誰よりも肉感的にそして情感的に、現代を取り巻く差別の実態をあなたにお伝えできるだろう。
おかしな話ではないだろうか?!だってそうだろ。男が料理の勉強をしてはいけない、だなんて法があるのか?いや、そんなものはない、あってはならないのである。それにアンタらはいつだってこう言う。
『料理のできる男ってステキ!』
で、あるとするならば、それが真だとするならば!料理を学ぶことのできるシーンから男を排斥してどうしようと言うのだろうか?僕の地球をどうするおつもりなのだろうか?分かんねーよサッパリ意味が分かんねーよ。料理のできる男が好き!でも料理を学ぶような男はいやーよ(^q^)ってお前ら……最強の矛で貫くぞこの野郎……。
僕は走った。振り返りもせずに。羞恥、諦念、後悔、哀惜、様々な想いを胸の中で持て余しながら、ただ走ったのである。こんなのって、こんなのってただのピエロじゃないか――!そして僕の瞳からは、いつの間にか涙が溢れた。止まらなかった。許すまじABCクッキングスタジオ……いつか必ず……と、そんなことを祈りながら、願いながら僕は、僕はただ。
これが大体今年の2月あたりの出来事である。嫌な事件だったね、僕はそれだけ言うのが精一杯だ。それでも、と僕は思う。今回はこんな結果になってしまったが、考える方向性としてはそれほどズレてはなかったのではなかろうか、と。
それは、理系の研究室において紅一点である女性が、一般的な市場価格を無視したレートで激モテする状況を考えればよく分かることだ。だから大切なのは、己の付加価値、市場価値をいかにして高めるか?その点に尽きるのではないか。
言葉にすれば本当に浅ましい考え方だ。そこに愛はあるのか?!お前の人生、それでいいのか?皆さんからのお叱りの言葉も甘んじて受けたい。でも、たまにはヒリつくような、焼け焦げるような刺激的な状況に狂ってみたいのも確かなのだ。僕には死ぬまでに言われたい言葉というのが数多あるが、そのトップランクに掲げられているものをいくつかご紹介しよう。
@ 大きいね
A 硬いね
B 太いね
何が?とは聞かないでいただきたい。そしてそれと同じくして、こんな言葉も聞いてみたいところである。
『今日は帰りたくない・・』
『主人が出張で・・』
人が誰かを説得しようとする場合、そこには多くの単語が必要となることが専らだ。そうであるにも関わらず、これらの言葉は非常に少ない単語数にして、その説得力は果てしない。短い中に、人生における"コク"みたいなものが丸ごと詰まっていやがる。あんたらだって本当は分かっているんだろう?どれだけ無視したつもりになっても、知らないふりをしても、心の底の遥か底、深淵を覗き込んだ時に何が待っているかということを。大丈夫、それは人としてはアレかもしれませんが、男としては痺れるほど正しいと思うし、少なくとも僕はそんなあなたと美味い酒を飲むと約束できる。
待ち、ではダメだった。踏み込まなければ何もない!僕の拙い人生経験は確実にそう囁いている。季節は時期にヒリヒリすような夏になる。その夏を、いつもと同じように漫然と過ごすのか、あるいは大きい!硬い!あるいは、太い!チックな感じで過ごすのか。それは皆さんの自由な選択に委ねるとしよう。ただ望むらくは、皆さんの文月あるいは葉月が、輝かしい笑顔と共にあれば、それで。
一説によると、海の家のバイトとか凄まじくオイシイ感じらしいですね。大学の後輩(サーファー)がそんなことを言っておった。バイト代自体は低所得の極み、みたいな感じだったらしいですが、それ以外の肉体所得がとても大きかった……とか何とかボンクラなことを申しておりました。今年もバイトする!とか申しておりました。ゴッド、どうか彼のチンコがもげますように……。あるいは、浮気関係でドロドロに揉めますように……。
今年も夏がやってきます。
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ていうかお料理教室男性禁止って。それ、かなり衝撃的ですね。
コレは大きく出ましたね。チンコだけに。
そんな女子も沢山いるとおも…う
もててはなかった!!
そんな所はすでに猛者達の支配下かもしれんけども…。
…幼馴染みが服屋は接客・試着室のダブルヘッダーでチャンスがアリアリとか言ってたような…
入れて動かせば女が満足すると思っているなら、大間違いだと。
若い男とのセックスもねーなんか楽しくなさそう。勢いだけって気が・・・。
主婦でした。
ただ、ソコには男性しか居りませんケド。。。
人妻=宮崎あおい
∴淫縦=宮崎あおい
これが成立しているだけで今日も夢を持って生きていけるんだ!
そっか理系に進めば入れ食ぃだったのか!!
料理教室に来る男…おいしいなあ…とか思ってたのに。
人妻でした。
これはけしからん たいへんけしからん
『気分はスーパータフ』という漫画を読むといいよ。
男子は自分含め2名でした。この間会ったらもう一人の方は性別が♀になってしまいましたが。生きてきて一番ビックリしたwww
でも、ニコニコで見た感じだと
肉欲さん料理上手だから、
行けたとしても目的が露見しませんか?
マスコミに取り上げられる日は近い…、
訳ないですな…。内容が内容だけに(笑)
著しく健全性に欠けてますから(笑)
ともあれ、おめでとうございます。
いつも楽しく拝読させてもらってます。
これから夏にかけて
肉さんの文才がますます冴えてヒートアップする様に願っております。
毎度毎度恐れ入ります!
どうやったらこんな文章書けるのでしょうか?
それにしてもラジオがいつも自分がいない時ばかりやってて吹いたwwwww
ちくしょう!
笑っとけ笑っとけ!!
ブログいつも楽しみにしてますよ!
でわノシ
今私は東京在住なので肉さんがチラチラ鹿児島の話題を出すたんびに興奮してしまいます^ω^
シベ超!