肉欲企画。

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2000年07月12日

ヌレえもん 後

 
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2000年07月11日

ベンゾウ in the night

理解できない構文。
覚えることのできない年号。
上がらない偏差値。

「もう……限界ダス!!」

叫んで、ベンゾウは夜の街に駆け出した。

「どいつも〜 こいつも〜 クズばかり〜…っとくらあダス!」

ベンゾウはワンカップ片手に街を歩く。学生服で酒を飲むその姿に誰もが一瞬顔をしかめるのだが、首から上を眺めてそれが未成年を意味するのではなく、ただハイボリックすぎるコスプレだということに気付き、目を伏せる。
刈野勉三。しかし彼はまだ18歳。

「やってらんねえダスよ!」

ガコン!路地裏のゴミ箱を蹴り上げる。長い浪人生活で溜まりに溜まったストレス。それを晴らすのは並大抵のことではないだろう。

「こんな時は女を買うに限るダス」

「社長!どうスか!いいコ揃ってますよ!」

「ちょっと写真を見せるダス」

「へい、どうぞ!いやあ、このコが今一番の人気でして……」

「シコシコ・・・ウッ」

「ちょ!お客さん!」

「もういいダス。イッたらどうでも良くなる、これは真理ダス!」

そう言ってベンゾウは店先で手早く事を終えると足早に去った。

「なんだったんだ……一体」

「ベンゾウ……」

「あっ、マサさんチーッス!え?今のヤツのこと知ってるんですか?」

「ああ、アイツの名はベンゾウ、通称オナクールのJOEだ。2年前に死んだとばかり聞いていたんだが…」

カサカサカサ。くしゃくしゃに握りつぶされたチラシが、雑踏を転がる。

「嵐が、来るな……」

呟いたマサは新しいタバコに火を点けた。

「満たされないダス…満たされないダス…」

果てたばかりのベンゾウはしかし、未だ鬱屈とした気持ちを抱えていた。

「こんなにモヤモヤするのは小野妹子を想像上でレイプした時以来ダス……」

10年前、オカズに事欠いたベンゾウは小野妹子を脳内で犯した。
ベンゾウの中で妹子は貞淑で、可憐で、けれど時に大胆で――そんな彼の理想を具現化したような女だった。

「ホラホラ、どうしたんダスか?ワスの草薙の剣が欲しいんダスか?」

妹子「くやしい……薬さえなければこんなヤツに……ビクビクッ!」

「そんなこといいながらアンタのココはレマン湖のようにねっとりダスなあ……」

妹子「イクーーーーッ!!」

これが彼のゴールデンパターン。この展開でベンゾウがヌイた数は5桁を超える。

けれども彼が高3の受験期。センター試験の前日に『風呂で覚える日本史』を読んでいた時のことだった。

「なになに【遣隋使・小野妹子(♂)】……?!」

これが、ベンゾウが浪人した理由だった。
切なくも悲しい、でもどこか美しい――エピソード。

「裏切りの連鎖ダスな、この世の中は……」

努力するのに上がらない偏差値。
話す相手は近所のジャリ坊どもだけ。
そしてこの前聞いてしまった。近所の主婦どものウワサを。

「奥さん、三丁目のベンゾウさんは危険ザマスよ!この前なんてアタシのことを濡れた捨て犬のような目つきで見てたんザマス!
怖いザマス……きっとワタクシ、彼の脳内で5回は犯されてるんザマス!」

所詮、最下層の浪人生なんてこんな扱いだ。
何をしたわけでもないのに悪いウワサが立つ。
冗談じゃない。オレが5回犯しただって?バカらしい。8回だ。

「こんなイライラする夜はどこかで一杯飲(や)りたいダスな……」

そう呟いて財布を開ける。野口が一人、寂しそうに笑っていた。

「これじゃあ吉野家でビールを開けるのがせいぜいダス……」

「あれ?もしかしてベンゾウか?」

声の方を振り返った。するとそこには

「やっぱベンゾウじゃん!オレオレ、オレだよ!高校の時の同級生、もこみちだよ!」

「もこみち……」

そうだ、コイツはオレが学生の頃懇意にしていたイケメン、もこみち。
久しぶりに会った。

「もこみち、元気にしてるダスか?」

「いやー、仕事が忙しくてね。なかなか」

「よくテレビに出てるダス。たまに見かけるダス」

「まだまだ駆け出しだよ。それにしてもどうしたんだ?こんなとこで」

彼は僕が浪人してることを知っている。こんなところをフラフラしていれば、疑問に思うのも無理のないことだろう。

「まあ、そんなことはどうでもいっか!シケたツラすんなよ!奢ってやるから飲みに行こうぜ!」

「でも、ワス、金がないダス」

「つまんないこと気にすんなよ!奢ってやるから!」

そういうともこみちはオレのヒップをグッと掴んだ。
ジュン!思わず股間が熱くなる。学生の頃からコイツはこれだ。悪意はないんだけれど、
やはりいきなり触られたら――本能が疼くんだ。

「もこみちくん、お尻は勘弁ダス!」

「挨拶だよ、挨拶」

そう言ってカラリと笑うもこみち。
変わってないな、コイツも――僕は薄く笑った。

付いていくと、そこは渋谷のクラブだった。ミラーボールが妖しく光、ラウドミュージクが大音量で流れる。

「すごいダスな、ここは」

「こういうところ初めて?」

「普段はもっぱらつぼ八ダスからなあ」

「そうか、じゃあ楽しもうぜ!!」

見ると、場内には『四則演算より先にフェラチオを覚えました』、とんな女が踊り狂ってた。僕らはカウンターに向かうと、もこみちはコロナ、ベンゾウは鬼ころしを注文する。

「クラブで鬼ころしかよ」

「これがナウなんダス」

ベンゾウは一息に鬼ころしを煽った。

「くうっ!染みるダス!!」

「そういえば、どうしたんだベンゾウ?暗い顔しちゃって」

「いやあ、実は浪人生活に行き詰まりを感じてたんダスよ」

ベンゾウは素直に話すことにした。

「実際どうなの?どこ受けたいの」

「法政大学に行きたいダス」

「結構ムズいよな、あそこ。今偏差値どのくらいなの?ベンゾウは」

「28ダス」

「に…!お前それ、人間の取れる数字じゃねーよ!!」

「なんダス!」

ベンゾウは思わず大声を上げる。

「バカ、迷惑だぞ」

「すまないダス。けど、偏差値が上がらないのが頭痛のタネなんダス」

「予備校通ってんだろ?それなのになんでそんな…」

「分からないダス。大手に通ってるんダスが……」

「どこ?」

「駿台ダス。あ、パンフレット見るダスか?」

そう言ってゴソゴソと鞄をあさるベンゾウ。

「これダス。完璧なカリキュラムのはずなんダスが」

もこみちはそのパンフレットを見て目を丸くした。

「お前これ……ヒュンダイじゃねえか!」

「似たようなもんダス」

「いや、ここ、予備校じゃないよ……?」

「なんダスと!」

ベンゾウは慌ててパンフレットを奪い返す。
株式会社ヒュンダイ。
事業の内容:車製造

「ぬかったダス……騙されたダス……」

プルプルと震えるベンゾウ。
ムリもない、大学受験への道を歩いていたつもりが、いつの間にか特アへの道に切り替わっていたのだから。

「フィッシング詐欺ダス。最近よくある手口ダス」

「怖いよな、世の中って」

「まったくダス。許せないダス!」

「まあ落ち着けよ。これでも飲んだらスッキリするって」

「なんダスか?これは」

その言葉にもこみちは、クク、と不敵に笑った。

「クスリだよクスリ。これ飲んでキメキメになろうぜ!!」

「昔を思い出すダスねえー」

ベンゾウはクスリを一つ摘み上げると奥歯でガリガリと噛んだ。

「キくダスなあーコレは」

「ベンゾウさん、やめるナリ!」

不意に叱責の声が飛んだ。
聞き覚えのあるこの声は……?

「こ、コロちゃん!」

「ベンゾウさん、何してるナリか!!」

「なんだあ?この妖しげな生き物は」

もこみちがポケットからトンファーを取り出して近寄っていく。
まずい、アレは人を殺す目だ!

「き、貴様は何ナリか!あっち行くナリ!」

「へへ、オレがそんな素直な人間に見えるのかよ。オラッ!これでもくらいなー!」

ビュッ!もの凄い速さで振り下ろされるトンファー!

「ギャー!」

コロスケの頭が吹き飛んだ。

「まったく、酒が不味くなっちまった…おいベンゾウ、お前さんあんなシャバい連中と付き合ってるのか?」

「まあ…そうダス」

「お前も変わっちまったな。昔はもっと、ナイフみたいに尖ってたってのによ」

「なにがや」

いけない、つい昔の口調に戻ってしまった。広島の狂犬、そう呼ばれている時期もあった――

「いろいろあるだろうしな。ま、今日は飲もう!トコトンな!」

「おうダス!」

「もこみちさん!」

不意にもこみちの後輩らしき男から声が掛けられた。
何やらもこみちの耳にボソボソと話し掛けている。

「おいベンゾウ、いい知らせだ。どうもあっちのVIPルームにピチピチのギャルが拉致られてるらしいんだ。
その娘も既にクスリでキメキメになってるから、犯し放題だってよ!」

「行くダス」

VIPルームにはガンジャの煙い空気が蔓延していた。思わず眉をしかめてしまう。

「チワーッス」
「チワーッス」

方々から声を掛けれらるもこみち。ここでの彼はかなりの実力者のようだ。

「で、どこにいるのよ。そのハクいスケは」

「はい、こちらに……」

「み、ミヨちゃん!!」

そこには近所の小学生、ミヨコの姿があった。

「なんだ知り合いか?」

「い、いや…知り合いというか……」

「燃えるよな!そういうのって!よし、腰が砕けるまでファックしようぜ!」

「や、やめるダス!!」

思わず声を荒げて静止した。

「なんだあ…お前、ちょっとヒヨったんじゃねえの…?」

そう言って3本のトンファーを取り出すもこみち。
ヤツは殺る気だ……どうする、どうする?!

「もこみち、タイマンで勝負するダス!」

「いいだろう、掛かって来い!」

そう言ってもこみちはトンファーを投げ捨てた。

「ステゴロ勝負だ!」

「望むところダス!」

パーン!ベンゾウはトカレフでもこみちを撃ち抜いた。
もこみちは死んだ。

「ミヨちゃん、逃げるダス!」

「ちんぽおいひい」

「ダメだ、狂ってらっしゃる」

ベンゾウはミヨコの腕を強引に掴むとVIPルームから駆け出した。

「いいダスかミヨちゃん。裏口から逃げるダス!ワスは他のやつをひきつけておくから…その隙に!」

「ふぁい」

「逃げ切ったら、ワスの家まで来るダス。下着は付けずに来るダス」

ミヨコはこくり、と頷くと裏口に駆け出した。

「いたぞ!あそこだ!」

「ク!アリみたいにワラワラと……」

「ベンゾウさん!」

「コロちゃん!」

「助太刀するナリ!」

ガキンガキン!コロスケの太刀が快刀乱麻にヤンキーを切り殺していく。

「コロちゃん!そんなに殺したら流石にヤバイダス!」

「大丈夫ナリ!ロボットに法律は関係ないナリ!」

「盲点!」

そうして30人ほどに引導を渡すとようやく逃げる隙が出来た。

「さあ、逃げるダス!」

「はいナリ!」

表に出ると、そこには丁度タイミングよくキーが刺さったままのCB400があった。

「天の助けとはこのことダスな…」

ベンゾウはすばやくキックスタートをすると、コロスケを乗せて夜の道を走り出した。

「追え!追え!」

「追手が来るナリ!もっとスピードを上げるナリ!」

「ダメダス!これが限界ダス!」

「ベンゾウさん!前!前ーーー!!!」

目の前には大きなダンプカー。


全てはストップモーションのように動き始める。
泣き叫ぶコロスケ。
そうだ、この命だけは守らなければ――

刹那、ベンゾウはコロスケを抱きくるめるように抱え込んだ。
衝突――ベンゾウとコロスケは宙を舞う。

全身から血を噴き出すベンゾウ。

そんなベンゾウに守られ、安らかな笑みをうかべるコロスケ。

オレは死ぬ――ベンゾウの予感は確信に変わっていた。

けど、それも悪くないかな。この小さな命が守れるのならば。
薄れゆく意識の中、ベンゾウは最後にコロスケの顔を見た。


「うわあ…ベンゾウさんの中…すごく暖かいなりい……」


彼は、受験よりも大切な宝を見つけて、絶命した。


【ベンゾウ イン ザ ナイト 完】
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2000年07月10日

2000年07月07日

7月7日 午後11時〜

7月7日 11時

ついにラジオは12時間を突破。しかしゴールまであと12時間くらいある。達成できれば僕の勝ち、不達成なら僕の負け。肉欲の心の中に一人チキンゲームが巻き起こった。この時、掲示板には僕と共に12時間以上ゲットアップし続けていた人も何人かいたのだけれど、続々と朽ち果てていったのであった。寝たら死ぬ、という民間伝承を心から信じている僕は『ここでみんなを寝かせるわけにはいかない』という強い義憤を覚え、マイクに向かって声を限りに叫んだ。

「にっにっにらくる!にっくるんるん!!にくるです。肉比奈にくるです。みんな元気にしておるかな」

喋った後に僕は、たちまち自分のことが分からなくなった。魚クンみたいな声出してた。


7月7日 正午

深夜に朽ちた人たちが段々と戻ってくる時間。ようやく全盛期の半分くらいのリスナーになる。『おお……森に勇者が帰ってきたぞ……』と、僕の中の乙事主(おっことぬし)さま部分が叫んだとか。叫ばなかったとか。

この辺りで『僕がmixiで遭遇した精神アッパー系の人』というお題で、僕の元に届いた世にも恐ろしい電波メールについて話していたのですが、その呪いでしょうね、この時間だけでラジオが3回くらい切れました。キチガイの魔力はあなどれぬ。その後、数々のブログでスターダムな活躍を見せていた某コメンターについて言及したのですが、その刹那またもやラジオが切れた。やはり気狂いのMPは底知れぬ。


7月7日 13時

ID:faVtVQHI0という男が掲示板にいたのですが、どう考えてもこの人ってばラジオ開始当時からキープオンでリスニングしていたので、僕が一方的に好感を覚え過度に弄り始める。それと同時に掲示板でもID:faVtVQHI0人気が大爆発。たぶん僕よりも人気があったと思う。とんだラジオジャック・ラジオレイパーですよこれは。

証拠物件

2011 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:ahjY1LgI0
faVかっこいい!!

2013 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:SXniWLws0
favさん陰ながら応援してますw

2014 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:pQBBLuJM0
ファヴ頑張れ〜

2015 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:dlCJ7A0c0
faVさん、一緒に頑張りましょう!



7月7日 14時

突然肉欲クイズを大開催。初回に正解を収めたみつるくんから

「全裸画像をアップして下さい」

と言われ、まあそれくらいならと快諾⇒無抵抗で掲示板にアップした僕は間違いなく壊れかけのレディオ。通常だったら拒否するのに。

その後、続いた正解者の方から『アナリスク実況お願いします』『コーラにメントス入れて下さい』など、人権という概念を根底からレイプするような指示が相次ぐも、肉欲は深く考えずに快諾。それどころか

「つーか、アナリスクなんて俺が『やってますよー』とか言ってしまえば騙しても分からないですよね。そんなことが許されていいのか!!ということで、ムービー撮ってアップします」

など、要求された以上のことをノリノリでこなしていく僕はやっぱり壊れかけの、いや最早壊れたレディオ。僕の体が昔より、大人になったからなのか。


7月7日 午後4時

みつるからスカイプがかかってくる。何かやたら熱く「ハルヒは俺の嫁」「銀は俺の嫁」とかいう気持ち悪いことを喋ってた気がするけど、僕はといえばこの時『そういえばもう10日もオナニーしてないな』というテーゼで頭がいっぱいであったことを告白しておきます。

「殴った手の方が痛いんだよ!?」

とかそんなことをみつるが言ってた気もしますが、折節僕は『妃乃ひかりのマン毛はどうしてあんなに濃いんだろう』と逼迫した問題を考えていたのであんまり覚えてないです。覚えているのはその後の安価指定で『ネコの鳴きまね』が指示され、めちゃくちゃ上手なネコの泣き真似を披露したことだけですか。


7月7日 18時

最後の眠波が僕を襲う。疲れた人間に顕著な現象なのですが、この辺りになると『どうしてラジオをしているんだろう』という部分を飛び越え、一気に『どうして僕は生きているんだろう』という果てしない疑問に煩悶し始める。いかん、いかんと思いつつトイレに行きがてら体重計に乗ると、見事54キロになってた。眩暈がした。

この辺りで『にき』さんという方からスカイプ。眠気にはスカイプ!という大正生まれには確実に理解されないであろうプロパガンダを胸に抱いていた僕は大層喜んだそうな。

「今何してたの?」

にき「犬の散歩してましたー^^」

「へえ。オナニーはしてるの?」

にき「えっ?!」

「オナニーはしてるの?」

にき「いや、それはえっと」

「してんだろ!?してるに決まってるよ!分かるんだ!俺には分かるんだ!!アバババ」

自分で書いてて思ったのですが、何やら既視感があるぞこのやり取り……不思議だな。まあ極端に普遍的な会話ですからね、この類のやり取りは。


7月7日 19時

mixiなどで交流のあるsachiちゃんからスカイプがかかる。おやおや、今日も今日とてラジオ中でオナニーでもカマしてくれますのかな……などと淡い期待を抱いていたところ、まさかのガチ相談が展開された。内容が内容だけに詳細は割愛。ただ、栃木の方で『自称・童貞』が童貞キャラを語って女性をハメた、ハメてハメた、とかそういうセンチなお話でした。

そして掲示板で飛び出した珠玉の明言。


2812 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:LVp7118o0
童貞にもいい童貞と悪い童貞がいるんじゃないだろうか


いや、ニュアンスは分かるけどさ。


7月7日 20時

眠気が僕の脳内で踊り狂う中、再び『にき』さんがスカイプをかけてくれたもうた。

にき「どうもー^^」

「ああ・・どうも・・・」

この声の様子から分かると思うのですが、スカイプでノリノリに話す気概とか絶無でしたからね。正直、スカイプの出だしの方で何を喋ったかとか全然覚えてない。失礼にもほどがある。ニュアンスで思い出すと、おおむね穏やかな調子で話していたように思い出します。これこれ、これだよ。いつも怒気を孕んでばかりの肉欲ラジオだけれど、やはりこの優しい会話ですよ。これからは優しいインターネットの時代なんですよ。


2892 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:hqn0mlFc0
肉欲の癖になんでセクハラしないの?

2893 :はっさん:2007/07/07(土) ID:KdNIUELUO
今の肉さんに足りないのは『性欲』だ

2894 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:ehEMSIu20
>>2893
その通りだ

2895 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:mO7NTEFw0
抉るように探るんだ!!



これですわ。
この手口ですわ。

いっつもそう。いっつもそうだよ!ちょっと僕が頑張ろう、優しくなろうとする度に悪魔が囁いてくるんだ。魔王が追ってくるんだ。ほら、そこに魔王がお父さんお父さん(たけし、それはさぎりじゃ)。


「やってやんよー」

にき「え?」

「いやこっちの話。やっぱもう穏やかな話とかやめようぜ。刺激的ではないし、大体つまらないような気がしないでもねい。エロな話しようよ、エロ。エロティカル。好きでしょ?そういうの」

にき「はあ……」


よーし、巧みなハンドリングで無事に方向転換完了。これだよ、こういうのを待ってたんだよリスナーさんたちは。いい仕事したな、俺!


2980 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:LVp7118o0
肉さんきついな

2981 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:jcnqG0/c0
肉さんはっきりいうなぁ。



萎えたわ。
この手口ですよ。


7月7日 21時

グランドフィナーレに向けてキープオン・スカイプ。
『癒される!』『萌える!』
などの声を欲しいままにしていた『にき』さんであったが、この頃から何やら雲行きが怪しくなる。

にき「エロな話ですか。そうですねー、あっそういえば私乱交の経験ありますよ^^」

「乱交?!それはどんな様子だったの」

にき「5Pですね。女二人に男が三人です」


(その頃の掲示板の様子)

ざわ・・・
      ざわ・・・・

   乱交?!     なんぞ!なんぞ!
  日本オワタ   乱交ktkr  
               うわあああああ
乱ww乱www
なんてこった

     もう何も信じられない


ざわめく掲示板。
先ほどまで『癒し系』『萌える』などのレスから手のひらを返したような状況になる。いきなりビッチ扱いをする、あんたたちのこと俺は好きだぜ。

「結構乱交とかするの?」

にき「乱交ってどこからが乱交なんですか?乱交って4Pからですよね

「いやあの……3Pも乱交に入るかと思うのですが……」

にき「3Pは乱交じゃないですよ


(その頃の掲示板の様子)

ワッショイワッショイ    3P\(^o^)/3P
      
ざわ・・・・

  日本終了のお知らせ     なんぞ!なんぞ!
     
         乱交=4Pから  
                ソイヤソイヤ   
        ソノハッソウハナカッタワ
ランランラーンwwランランラーンwww
   誰か俺を殺してくれ
   僕は童貞です
          もう何も信じられない



7月7日 21時30分

第一次にきショックの興奮も冷め遣らぬまま、掲示板に我が実兄(次男)が登場。

3090 :次男:2007/07/07(土) ID:s0ljNSBs0
おまっ


兄の登場というのはこの薄汚いラジオのグランドフィナーレに相応しかったので、そのまま携帯で兄の電話に思いっきり生電話をかけ、近況報告などをラジオで垂れ流す。兄も兄なりに順風な生活を送っているらしかった。ごめんね、こんな弟でごめんねお兄ちゃん。

兄との電話を終えると、そのまま24時間ラジオの総括に入る。リスナーさんに確認したところ、今回のラジオでは奇跡的に一度もキレることがなかったらしく、僕はホっと胸を撫で下ろした。いつもどれだけキレているんでしょうね、僕ってヤツは。

最後にマイクに向かって擬似フェラ音を垂れ流し、長きに亘って続いた肉ラジもようやく終了、22:00になった瞬間に『カンパイ』と叫んで、マイクの電源をオフにした。そのまま流れるように自転車に乗り、回る方の寿司を腹に収めまり就寝しました。さすがに54キロはないわ。

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2000年07月06日

7月6日 午後2時〜

7月6日 午後2時

「あ、すみません。花屋さんですか?ちょっとお伺いしたいのですが、そちらに笹って売ってます?え?売ってる?よかった、じゃあこれから買いに行きます」

僕は近所にあるダイエーに電話をかけると、笹の有無を確認。愛車であるアルファロメオにまたがり、僕は笹を買いに急いだ。ちなみにアルファロメオは二輪車です。あのー、足で漕ぐタイプのアレ。

どうして笹を買ったのか?とは聞くことなかれ。一部の地域では七夕は8月に催されるらしいのだけれど、僕の住んでいるところではバッチリ7月だ。星に願いを……との思いの下、僕は笹を買いに行った。もちろん、みなさんの分の願いも星に贈るという強い気概を後ろに背負って。

「肉たん、やり方が汚いで!そんなやり方で読者に媚を売りやがって」

これは汚い大人の代表格であるヨッピーの言葉。悲しいよね、人の行為を常に穿ってしか見れないなんて。彼からすれば、この少々ピュア過ぎる僕の行為だって全部「アクセスアップのための汚い行動」に見えるらしいんだ。どうして?僕はただ皆の願いを叶えたかっただけなのに……。

「ヨッピーさん、正論は勘弁して下さい。バレるじゃないですか」

怖い大人には逆らわないのが心情でして。ホントは全然そんなことないんだけど、議論好きの人にはとりあえず従っておくのがベターでベストです。はいそうです!仰るとおり!こういう風に流しておけば、9割のクレーマーはただの壊れたスピーカーと化します。反論はあきまへん、素直に頷きましょう。これ豆知識な。

ということでこの日記とmixiの日記で皆さんの願望、欲望を絶賛大募集、総計300もの切なる願いが大集合しました。シャレにならない類の願いから『ドラゴンボールが集まりますように』『早く連載が始まりますように 冨樫』など、明らかに中国産野菜を食べ過ぎたんだろうなー、みたいなことを容易に推察させるような願いまで悲喜こもごも。十人十色、みんな違ってみんないい、という言葉のありがたみを実感させられる結果となりましたよね。

ということでズイズイとお手製短冊(折り紙を裁断したもの)に皆さんの願いを書き付けていたところ、折角だから皆さんと共に七夕を過ごそう!というピュアすぎる願いが胸に去来。本能に素直な僕は迅速にラジオの準備をすると、ブログ上で告知を行い『彦星ブチ殺しラジオ』を大敢行。星に願いを届ける気を微塵も感じさせないタイトリングが秀逸です。

7月6日 22時

放送開始、と同時に初手から方向性を誤る。一体いかなる禍事なのか、ねとラジのサーバーの調子が大スパーク、接続がブツブツと途切れる。くらいならまだしも、僕の声が霞がかり、あたかも扇風機の前で喋っているかのような声になってた。原因は明快です。直前に加藤とスカイプしたからこうなりました。初手から方向性を誤った、とはその意味だよ。キングボンビーは、名古屋にいた。

ということで出だしはまずヨッピーさんと加藤と、ヨッピーさんのお友達(♀)との4人で楽しい肉ラジ。加藤がどうしてヨッピーといたの?とお思いの方は当然いらっしゃるでしょう。彼ってばどういうわけか

『オモコロのシモダさんに「ちょっと話しようよ」って呼ばれたから東京にきました^^』

という脳味噌を1ミクロンも動かしてない理由で東京にいたため、そのような運びになった次第です。僕くらいハイレベルなIQを有する人間にはすぐに分かっちゃうんだけど、あいつ頭おかしいよ。

このスカイプラジオでは、僕とヨッピーさんが大激論。『どちらが本当の意味で人間性がクズか?』という人類全般に渡る普遍的なトークにがっぷり四つでガチトーク。延べ100人くらいのリスナーの前で、互いの責任をなすりつけ合うという涙を禁じえないトークが回線を通じて全国に提供されました。繰り返すけど、いつまでたっても星に願いを届ける姿勢が全く推知できない。

「もうやめようぜ肉たん。聡明なオレが考えたところによると、こんな話をしても誰も得せんで」

ヨッピーさんが白旗を上げて、僕とヨッピーさんの激励大会は終了。僕はその場にいた女の子をスカイプに登場させてもらう。誰が男同士の会話を聞いて面白がるものかよ。

♀「こんにちわー」

肉「こんにちわ^^早速だけど、オナニーはしてるの?」

♀「えっ……?!」

肉「オナニーはしてるの?」

♀「いや……してないですよ……」

肉「は?全くしたことないの?」

♀「ない……ですよ……」

肉「どうしてウソをつくの?ねえ、どうしてウソをつくの?

♀「いや、ホントにないですって!」

ヨッピー「肉たん、この子めっちゃオナニーしてんで

と、このようなテイストで再び誰も何も幸せにしない放送事故が全国にお届けされる。その後は『どうして女はオナニー経験を対外的に秘匿するのか?』という固いテーゼに取り組む僕ら。ホント、どうして女ってのはオナニートークを隠したがるんだろうか。その指でおにぎりも握っているはずなのに。こんな世の中、狂ってる。とか考えていると突然patoさんから携帯電話にメールがきた。

from patoさん
件名 なし
本文 肉欲 俺の代理人になってくれよ

またこの人はキナ臭いことを……突然これはワット?代理人って一体何の代理なんだろう?委任状とか交付されて、悪徳業者と対決させられるのだろうか。アナルもペロリなのだろうか。面白くなかったら土下座しなければいけないのだろうか。安穏に行っていたはずのラジオなのに、急転直下のこの展開。心なしかアヌスがヒリつく。


肉欲の返信
件名 Re:
本文 いいですよ!あと、今ラジオしてます。


詳細は後ほどメールしていただく、ということで妥結し、とりあえずそれとなくpatoさんをラジオに誘う。百戦錬磨のpatoさんがスカイプしてくれれば、これほど心強いことはない。織姫も喜ぶに相違ない。織姫と彦星も本当は高志と芳江に相違ない。そんなことを考えていると電撃のような返信が。


from patoさん
件名 ReRe:
本文 セックスはできるの?


僕はメールの到来を確認すると、そのまま携帯をしまった。patoさん、うちのラジオで、セックスは、できま、せん。


その後、ヨッピーさんがラジオの中で「そろそろ彼女が欲しいなあ」と仰っていたので、ラジオBBSでヨッピーさんの彼女を急募したり、その模様を見ていたpatoさんが僕の携帯に

「俺も彼女募集してくれよ。ビラビラの長い子だったら何でもいいよ」

と、高いんだか低いんだかよく分からない要求をしてきたり、あるいは僕が戯れにラジオの中で「patoさん、もしかしてこのラジオ聞いてるんですか?」と問いかけると、光の速さで僕の携帯に「ラジオなんて聞いてないよ」と明らかなるウソ、猛テロのようなメールが入ってきたりと、一体全体あの人は齢31にもなって何をやっているんだろう。


7月7日 午前1:30

普段はどういうセックスなどをしているか、という話をヨッピーさんとひとしきり喋った後、今度は埼玉からの紅蓮野郎・キンパからスカイプがかかってきた。何かエネマグラの話を熱く語ったような気もするのですが、正味の話僕って別段アナル方面にビタイチ興味がないんですよね……心が折れそうでしたよ……七夕の日にエネマグラ・アナルトークを強いられるだなんて、イジメですよこれは完全に……。

その後、僕とキンパで『くそみそテクニック』の大朗読大会。肉欲が道下役、キンパが阿部役。何かキンパがアメリカの通販の翻訳声優みたいな声で妙にドキドキした。深夜2時に「アッ!」「すごく大きいです……」「アアッーー!」みたいなことを誰もいない部屋でボソボソ喋っている姿。今思い返してみてもめちゃんこ興奮しますよね。


7月7日 3時

至極当然なのですが、この辺りから急速にリスナーが減り始める。というより、リスナーが存在することが脅威と言うべきか。相変わらずサーバーの調子が悪く、プツプツ切れるため脱落する人が続出した。あの時はホントすいませんでした。でも僕は悪くないのに……。

この辺りで僕のメイド姿を2次元化して下さった方とのスカイプ開始、するや否や終了。20分くらいしか話さなかったように記憶しています。ちなみに2次元画像はコチラから。この流れの中で


944 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) 03:28:25 ID:LVp7118o0
メイドコスのときの下着ってガチの女性用だったんすか??

945 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) 03:29:15 ID:juWxvT0I0
肉さん今どんな格好してるんですか〜?
どんなパンツはいてるんですか〜^^?



といった、まあいわばセクハラですよね……そんな人格攻撃めいた書き込みが相次いだ!矢のように降り注ぐ性的いやがらせな書き込み!阿鼻叫喚、僕の心は何度でも折れそうになる。ちなみにあの時の下着はガチで女性用であり、かつ、当時の僕はトランクスにタンクトップでラジオしてました。トランクスは赤で、ゴムは伸びきってます。もう4年くらい履いてるよ。戦友、って言えばあるいは卑近かな。もちろん欲しい人には喜んであげます。


7月7日 4時

リスナーが恐ろしい勢いで減っていく。かつ、肉欲の喉がガンガンに痛くなり、それを忘れるために焼酎をザブザブと飲む。書き込み数も減ってきたので、とりあえず皆で仲良くyoutubeでクレヨンしんちゃんを視聴。あまりの後味の悪さに掲示板内で発狂する人が頻発する。この頃から、何やら『怖い画像を集めるラジオ』のような様相を呈し始めました。ちなみに僕がパワープッシュした怖い画像はこちらの少女。画像の誇るあまりの衝撃に、またもや発狂してしまう人が頻発。僕も若干辛かった。

「とりあえず、コラなどを駆使してこの少女を怖くなくしてあげよう」

ということでスレ内の意見が一致、大勢の職人(約2人)がフォトショップやらジャポニカ学習帳などでハードなコラージュを施した結果、ついに例の少女の恐怖度を除去することに成功したのであった。画像はコチラ。憑きものが完全に落ちてしまっているよ。やっぱり職人はすげーな。


7月7日 6時

体力がバルバルと減っていくのを感じたため、肉欲によるエネルギー摂取を提案。スレ内の書き込みから朝食を決めることにして、僕は初めてトイレに立つ以外でラジオの前を離れた。飲み物を買いに外に出ると、突然鼻をつく異臭。すわ、テロか?!と思いきや、臭いの発生源は確実に僕だった。本当にダンケシェーン。

サクッと朝食を摂り終え、相変わらずウマウマとビールを飲む肉欲。副食として誂えた納豆のヤツが妙に艶かしかったもので、僕は目の前にあった元大豆を徹底的に言葉責めすることに決めた。

「ホラ、こんなに糸引いてるよ……」

「すっごい臭う、すっごい臭うよ」

「ネチャネチャだよ。ネバネチャしてるよ!」

「うわすっごい、うわすっごい。すっごい腐ってる。賞味期限過ぎてる」

「やっぱり納豆にネギは欠かせない。ジュバババ」

みたいなやり取りを限られたリスナー(たぶん30人くらい)に垂れ流していると、意外に好評を博してビックリした。なんつーか、夜更かしした後の妙なテンションって強引だよな。この辺りから固定のメンツが頑張って掲示板を盛り上げ始めてた。特にこの時間帯は選ばれた二人が狂ってた。


1315 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:faVtVQHI0
組み換えかい?遺伝子組み換え納豆なのかい?

1326 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:faVtVQHI0
女性の豆を弄ると納豆みたいに糸を引く、これがほんとの豆知識

1333 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:PisKMZh.0
「今日パンだよー☆」
「あ、うん。(まさかパン屋のアイツと浮気してるのか!ゾクゾク)」

1464 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:PisKMZh.0
「あー、フトンふかふかで気持ちいー☆」
「はは、そうだね。(まさかクリーニング屋のアイツと浮気してるんじゃ!)」

1446 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:PisKMZh.0
さっきの女の子の画像可愛くしたから元気だしてください><
http://i-get.jp/upload500/src/up7192.jpg

1517 :愛の肉戦士:2007/07/07(土) ID:PisKMZh.0
「肉欲さんに電話しようかしらー☆」
「いいと思うよ。(まさか電話会社のアイツと浮気してるんじゃ!)」


7月7日 9時

「正直眠いです」

眠さが極みを迎える。どうやら満腹感に加えてビールを摂取したのがまずかったらしい。完全に誤算ですよこれは……このまま寝たい、狂ったように寝てしまいたい!そんな変態じみた発想が僕の脳味噌をレイプする。けれどこの時

『ここで眠ってしまえばブログが荒らされるに違いない』

という意味のない強迫観念に襲われたのでとりあえずラジオを続投。しかし気合のみでは眠気を除去するのは難しいので、ここでまさかの個人情報暴露大会。ラジオに向かって僕のナマ電話番号を猛アピールし、リスナーさんから電話を掛けてもらうことで眠気を飛ばそうという奇天烈な策に打って出た。振り返って思うんですが、眠眠打破買えよコイツ。

結局、計3名の方々からのナマ電話、あと沖縄出身の方からの電話、通称南風(ばいかじ)により何とか肉欲は眠気を誤魔化すことに成功。やたら枚方の人が多かった気がする。

つづく
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2000年07月01日

出来杉君が壊れた日

ある朝両親の部屋で使い込まれたバイブレーターを発見してしまった出来杉少年は、結果として発狂した。彼は普段から優等生として振舞うことを期待され、あるいは強要され、そのストレスは相当なものだったと予想される。そのストレスの糸が両親の愛用するバイブレーターを発見(黒・極太)することにより一気に切れてしまったのだ。

「もう終わりだよ・・何もかも・・・」

そう呟いた出来杉少年はやおらランドセルを背負うと学校に向かった。いくら両親の部屋からバイブレーターが発見されようとも学校は悠久に続いていく。本来ならば『両親のバイブレーター(アナル対応)を発見してしまいました』という一寸の曇りもない論理を盾にして学校を休むことも可能だったのだが、出来杉はそうしなかった。なぜか。そう、復讐するためである。復讐。学校に、そして社会に向かって。

通学路を歩くと、そこには花壇があり土の上には蟻が這っていた。花とか虫とか有無を言わさず殺したい。出来杉はそんな思いを胸に秘めつつ花壇の上に乗り激しく踊りだした。ホイヤサ!オイソッソ!出来杉は叫びながら踊る踊る。それは情熱のサンバ、魂のルフラン。グチャグチャと音を立てて潰れていくパンジー。昨日までの出来杉は花を愛で小さな命を愛する心優しい少年だった。しかし彼は既に壊れてしまっているのである。

ひとしきり汗を流すと出来杉は学校に向かった。ヤツらを恐怖のズンドコに陥れる、それがオレのジャスティス。出来杉の目はやる気に満ち溢れていた。

1時間目。算数。先生が分数についてレクチャーしている。今だ、ここしかない。復讐のテロル、この時まさに惨劇の幕が上がった。



「先生!算数よりも保健体育を教えてください!」

一瞬の静寂が訪れた後、クラスにどよめきが走った。あの出来杉が保健体育だって・・・?ウソだろ・・・!エリートのくせにマンコとかに興味あるの・・・?あいつこの前『コウノトリの偉大さ』を力説してたのに・・・!ざわめきが収まらない教室。しばし唖然としていた先生は、どよめきにようやく我に返った。

「どうしたんだね出来杉くん、今は算数の時間だぞ?」

「先生!クリトリスのことを肉芽って呼んでもいいですか?」

先生は慌てた。あの優等生の出来杉くんがおかしくなってしまった。以前水泳の時間にさりげなくイタズラをしたのを根に持っているのだろうか?それとも彼のたて笛を舐めていたのがバレた?先生は狼狽した。なにせ心当たりがありすぎる。最低の聖職者ではある。余談にはなるが彼は素人童貞だ。

「ちょっと出来杉さん!一体どうしたのよ?」

事態を収束させるべく立ち上がった一人の少女、そう静である。彼女は出来杉にほのかな恋心を寄せていた。彼の実家の資力、財力は静にとって十分に魅力的だったからである。将来性も抜群だ。静は常々駅前のマックで
「やっぱ男は将来性よね。アンタらも先物買いしなきゃダメよ」
と同級生に教えを説いていた。そう、静は「エリートの出来杉」が好きだったのである。だから、彼にはエリートのままでいてもらわなくては困るのだ。

「おい源。脱げよ」

しかし言葉は、想いは届かない。彼は冷徹な目で静に命令を下した。静はショックのあまり尿を漏らしながら気絶した。この後、静のアダ名は終生「尿もれ」となったと伝えれられているが、それはまた別のお話。

「おいいい加減にしろよ出来杉!お前どうにかしてるぞ!」

声を上げたのはガキ大将の剛田。ほのかに恋心を寄せていた静が卒倒したのを見てついにブチ切れたようだ。しかし彼が内心(ガチで脱いでくれたら超ラッキー。帰って速攻シコろう)と思っていたのもまた事実。心底ゲスな奴ではある。

「剛田くんキミの菊門ちょっとゆるいんじゃない?」

そう、剛田はアナニー、すなわちアナルオナニーを生業としていたのである。缶コーヒー程度なら余裕で咥え込む、それが剛田クオリティー。彼の生家は雑貨店を営んでいるが、彼は成人するまでにありとあらゆる雑貨をその尻で味わうこととなる。後に彼はインタビューに対してこう答える。

「やはりアナニーにはサンポールが一番です」

(剛田剛インタビュー『栄光のクロスロード〜破瓜〜』より)

しかしそれはまだ先の話、とにかく剛田は自分の性癖がバレていたことに大きく動揺、ボボオボボボアボボボボウボボボボ!!とワケの分からない奇声を発しながら窓ガラスに飛び込んだ。パリーン。血だるまになりながら校庭に飛び出したその姿はなぜか神々しく、彼らの小学校では赤く染まるその姿を「不死鳥」として終生讃えたという。

クラスの連中は一様に恐怖した。あの天才のことだ、他にもどんな秘密を知っているか分からない。そう、小学生とは言えども大なり小なりスネに傷を持っているものである。普段は絶対にバレようのない秘密であれ、それでも出来杉なら、あの出来杉ならあるいは――クラスの面々は皆疑心暗鬼に陥っていた。例えば出席番号23番の中本くん。彼などは自分のオチンポを股に挟んで「わあ!まるで女の子!」というアホそのものの行為が大好きで、あまつさえその姿をポラロイドに撮ったコレクションがすでにvol.100を超えようとしていた。そんな趣味が露見した日にはどう好意的に受け取っても切腹以外の選択肢はない。その他の面子も内情は異なれど戦々恐々としていた。恐怖がリミットに達していた。

そこから先のことは誰も語りたがらない。クラス全員で出来杉を取り押さえたという説もあれば、笑い声を上げながら教室を出て行き自ら病院に向かったという説もある。真相は闇の中だ。しかし確かに言えるのは誰もがあの日のことを『出来杉が壊れた日』として認識していることだけである。なぜこんな凄惨な出来事が起きてしまったのか。原因を最初の部分まで突き詰めれば、それは両親がちょっと性的なプレイに興味を持ちバイブを所有してしまったがためである。あの日、あの時、あの場所でバイブが発見されなければ出来杉くんもあるいは・・・?僕は今もそう悔やまれてならない。

「あらのび太さん、何を書いているの?」

「いや、ちょっとした手記だよ。さあ出かけようか静」

妻の声に僕はノートを閉じてそっと机の奥にしまった。
机の奥には、かつてドラえもんの道具『雲ねんど』で作ったバイブが転がっていた。あの日、出来杉くんが発見してしまったものと寸分違わぬバイブが転がっていた。


そこに転がっていたのだ。

posted by 肉欲さん at 02:00 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 このエントリーを含むはてなブックマーク

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