肉欲企画。

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1969年08月31日

もう帰ろうぜ

「もう、帰ろうぜ。それにほら、雲行きだって怪しいし」

俺はそう言って、空を指差した。

嘘じゃなかった。さっきまで雲の後ろを出たり入ったり……出たり入ったり……

「ウッ……なんてフトマラ……!」

「どうしました阿部さん?」

「な、なんでもない」

危ない。どうも妄想が過ぎたようだ。
とにかく、さっきまで雲の隙間から出たり入ったりしていた太陽は、すっかりどこかに姿を隠していた。空はもう真っ暗だ。

「すごい雲ですね……今夜は吹雪くかもしれないですね」

正樹は眉をひそめた。うほっ。

「じゃあ、今日はもう戻りましょうか」

俺たちは、正樹のアニキのボブさんに借りた4WDに乗り込んだ。

正樹とは、今年の四月に公園で知り合った。
俺がベンチに座って休んでいる時に前を通りかかった正樹に声を掛けたのだ。果敢かつ執拗なアタックで、何度かデートをする関係にまでこぎつけることができたのは、この秋のこと。

しかし、押しても押しても手応えがなく、いい加減俺の一人相撲のような感じさえしていた。だから、一緒にスキーに行かないかと彼の方から誘われたときには、正直言って「OKサインなのか?」と戸惑った。

彼のアニキのボブ権田という人が、信州でペンションを経営しているのだという。しかし、少しゲレンデから離れていて不便なこともあり、シーズン中もあまり客がないらしい。それで格安の値段で泊めてもらえる、ということで、正樹に誘われたのだ。俺はもちろん喜んでOKし、昨日、つまり12月21日、ここ信州へとほいほい付いて来ちゃったのだ。

ボブ夫妻の経営する「シュプッール」は、外観はハッテン場風で、内装は菊色を基調にしたイカス感じのペンションだった。料理のメニューもカツ丼、うなぎ丼、親子丼と多彩で、その上味も満足のいくものばかり。かなり人気のペンションらしい。暇だから格安で……というのはボブさんが俺たちに気を遣わせまいとして言ったのだと、昨日到着してから気付いた。

俺と正樹の部屋は残念なことに、というか当然、というべきか、別々に取ってある。全く男同士なのだから何も考えず裸でぶつかり合えばいいというものなのに……この辺り、ボブさんは野暮だ。

俺たちは……

A一旦部屋に戻って着替えると、玄関脇の談話室で落ち合った。

B一旦部屋に戻って着替えてから、夕食までどちらかの部屋で話でもしようということになった。

Cボブさんとくそみそ。

D意味はないけれど自殺。
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おもむろにオナニー

「こんな時はまずオナニーだよな」

シュ、シュ、シュ。狭い廊下に響き渡る静かなオナニーのサウンド。

シュ、シュ、シュ。座禅にも似たブッダな時間。

シュ、シュ、シュ。平井堅、平井堅。

ああ、最高だ……!

「……でさー」

「やだー、啓子ったらー」

!まずい、女たちが帰って来たようだ。こんな姿を見られたらいい逃れができない!一体どうすれば……。


A続行!皮が擦り切れるまでオナニー

B逃げる
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正樹の部屋だ

正樹の部屋だ
音は、確かに正樹の部屋から聞こえてきた。おかしい、時系列から考えて正樹が俺より先に部屋に戻ることは不可能のはずだ。と、すれば……?

(物盗りでも侵入しているのかもしれないな)

俺は思わず息を呑んだ。こんなのどかなペンションに盗人がいるなんて……そんな風に見える奴はいなかったのに。さてどうしようか……。

A正樹に知らせる

Bおもむろにオナニー
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フトマラで和牛のように

「俊夫くん、キミのフトマラで僕を和牛のように犯してくれないか」

僕の目は彼の胸板に吸い寄せられたまま、上気した頬を隠そうともせず俊夫くんに懇願した。非常識だと思われるかもしれないが、そんな破廉恥な服装をしている方が悪いんだ。俺は俊夫くんの目をじっと見つめた。俊夫くんは腕組みをしてしばらく黙っていたが、すぐに口を開いた。

「いいですけど、ちょっと猫探しを手伝ってくれませんか?」

え、いいの?!と思わず飛び上がりかけたが、それにしても猫探しとは?

「ああ、実はこのペンションで飼っている猫のクンニーの姿がずっと見えないんですよ。餌もやらないといけないから、早く探さないと」

「そういうことだったのか。じゃあ早速手伝おうじゃないか」

「ちょ……あ、安部さ……」

「ん?ああ、正樹か。キミ、まだいたの?さっさとオナニーして寝ろよ」

道は常に前にしかない。俺は後ろは振り返らない主義だ。正樹に別れの言葉を投げかけると、俺は俊夫くんと共に食堂を出た。

「じゃあ俺は一階を探すんで、阿部さんは二階をお願いします」
「任せろい」

俺は力強くケツを叩くと、足早に二階に向かう。サクッと猫を見つけて一刻も早くアニマルファックに取り組まないとな。俺は二階の廊下をザッと見渡した。

ガリガリ ガリガリ

「ん?何か音がするな」

不審な音に、俺は耳をそばだてる。確かに猫が爪を引っかくような音が聞こえた。音のする方向を慎重に探る。その方向は……

A俺の部屋だ

B正樹の部屋だ

C物置だ

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NEXT

「すいません、シャッター押してもらえますか?」

三人組の一人、生理の時は絶対にタンポン、と決めているような容姿の女が俺にカメラを差し出してきた。挨拶もなしにあつかましい奴だ。俺は懐に忍ばせたサブマシンガンを乱射して惨殺してやりたい衝動に駆られたが、正樹の前でそんな凶悪な一面を見せるわけにはいかない。

「ああ。構わないよ」

冷静を装ってカメラを受け取った。カメラはオートフォーカスで、フラッシュも自動的に判断するタイプだ。しかし、引き受けたはいいものの、俺はあの「はい、チーズ」というやつが苦手だった。あんな馬鹿げたセリフをよく口にできるものだ。一体誰が考え出したのか、その精神構造が理解できない。俺は神に誓ってあんなセリフを言うことはない。だから俺は言ってやった。

「はい、並んでねー。よし、撮るぞ。はい、ペニス!」

バシャ!

女たちは一瞬、何が起こったか分からない、という顔をしたがすぐに俺の言葉に気付いて顔面を青くさせた。

「ど、どうも!」

女の一人が慌てて俺の手からカメラをひったくる。失礼な奴だ。最高の掛け声だっていうのに。なあ、正樹?そう思いながら俺は正樹の方を振り向いた。

「……」

正樹はひくついた笑顔を浮かべていた。おや、意外とウブなのねえ……。

その時、エンジン音が近づいて来て、ペンションの表で止まった。どうやら誰か新しい客が到着したようだ。しばらくすると、玄関ドアに取り付けられたベルの音とともに大きな声の大阪弁が聞こえてきた。

「いやあ助かった。死ぬかと思たわ」

コートの肩や頭の上に白い雪を積もらせて、男女の二人連れが入って来た。俺はすかさず男の方をみる。ハゲた頭に、でっぷりと肥えた腹。典型的なオヤジルックだが、精力は強そうだ。サウナなどでは、意外とあの手のタイプがモテたりする。

「アリだな……」

「え?なんですか?」

「い、いやなんでもない」

まただ。また思ったことが声に出た。どうも今日はいけない。旅先の開放的な空気のせいで、理性のタガが外れ始めているのかもしれないな……俺は心の中で兜の緒をギュッと締めなおした。

「ああ、マラ山さんいらっしゃい。遅かったですね。心配しましたよ」

ボブさんが奥から出て来て、二人を迎える。

「えらい吹雪き始めてな、迷うか思うたわ」

窓の外を見ると、さきほどとは比べるべくもないくらい吹雪き始めていた。本来ならばこれは帰路の心配をするところなのだろうが、俺は逆に喜ばしい気分だった。これなら、多少手荒な真似をしてもどこにも逃げ場はないな……そんな風に思った阿部さんは、思わずペロリと舌なめずり。

「食事の用意ができましたので食堂へどうぞ」

食堂からアルバイトのオマ谷みどりさんが出てきた。こいつもどうせ淫売だ。アバズレだ。俺はカッと目を見開いて睨みつけてやった。みどりはそそくさと奥に引っ込んだ。

「マラ山さん達もどうぞ食堂へ。荷物は上に運んでおきますよ」

フロントではボブさんが記帳を済ませた夫婦に食事をすすめている。
何となくそれを見ていた俺は、妻の方と視線が合ってしまった。男好きそうな顔をしている。魔性、思わず俺の脳裏にそんな言葉が浮かぶ。正樹くん、キミは俺が守るからな。どうか、女に狂いたもうことなかれ。

そんなことを思っていると、中古女はにこりと微笑み軽く頭を下げた。

「( ゚ 3゚)∵ ペッ!」

俺は迷わずツバを吐きかけた。女は「信じられない」といった顔で俺のことを睨み付けた。

「あ、阿部さん、一体何を」

「ん?まじないだよ、まじない。信州の方だとな、相手にツバを吐きかけると魔除けになるんだよ」

「へえ、そうなんですか!知りませんでした」

「そうそう、それで男同士の場合だと顔にザーメ……」

い、いかん!まただ。また暴走しようとしている。ちらりと正樹の方を見る。突然区切られた言葉の続きを待つようにキョトンとした顔をしていた。まずいぞ、もう誤魔化しきれない。俺は慌ててソファーから腰を上げた。

「さ、正樹くん!食事の準備もできたそうだし、俺たちも食堂に行こうか!な!」

「え、ええ」

そう言って強引に会話を終わらせると、俺はスタスタと食堂に歩いていった。正樹は釈然としないまま、後ろからちょこちょこと付いてきていた。全く、危ないところだったぜ……。

食堂のテーブルにはすでに、ナイフやフォークがセットされていた。先ほどのアバズレ三人組やマラ山夫婦も、先に椅子に座っていた。俺たちもそれに倣って適当なテーブルに腰をすべり込ませる。

「旨いな!」

「美味しいですね!」

俺たちは運ばれてきた和牛スッポン丼を口にし、その味に思わず感嘆の声を漏らした。ギトギトと脂っぽい舌触りはとてもサッパリとしており、口の中で踊るように弾けるスッポンの白身はまさに国産牛のそれだった。使っている米もいい。今年収穫されたばかりだというあきたこまちはタイ産だと言う。シェフの腕前に俺はおもわずううむ、と唸った。

「これは誰が作ってるんだろうね」

「多分、アニキですよ。あの人料理が好きだから」

「ほう……ガチムチ板前系か……」

「え?なんです?」

「いやー旨いなー!」

もう誤魔化すことにも慣れた。

「味はどうでした?」

そこにやって来たのはもう一人のアルバイト、ジョン=ムルアカ=俊夫くん。日本体育大学に8浪している剛の者だ。何でもスキー好きが高じてこのペンションで住み込みで働いているらしい。勉強は?おにいちゃん勉強は?という疑問が首をもたげないでもなかったが、そこは聞かぬが花、というものだろう。

「いや、とっても美味しかったよ。これは繁盛するわけだ」

「そうでしょう。何せ素材がいいですからね。ミャンマーで取れた国産和牛ですから」

そういうと俊夫くんは胸を張った。プルン、と豊満な胸板が誇張される。このマッシブに組み敷かれたらさぞヘヴンだろうな……思わず俺はそんなことを考え、慌てて涎を拭った。すると正樹がおもむろに口を開く。

「さて、阿部さん、ひとつナイターにでも洒落込みましょうか!」

A「いいね!行こうか!」

B「この吹雪の中で?無理に決まってる!」

C「俊夫くん、キミのフトマラで僕を和牛のように犯してくれないか」

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何言ってんだい

「何言ってんだい、そんなつもりで見てたわけじゃないさ」

俺はドギマギした。隣に正樹がいるというのに、他の人間に目移りなんてするはずがない。ましてや奴らは女だ。憎い。マンコが憎い。俺が欲しいのはただキミのチンコ。ジーク・チンコ。ハイル・チンコ。でも恥ずかしくてそんな言い訳できやしない。

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正樹くんのことが

「正樹くん、実は俺はキミのことが……」

途中まで言いかけて、慌てて口を閉じた。いかんいかん、俺は何を口走ろうとしていたのだ。こんな談話室、思いを告げるのに相応しいはずがない。急にゲホゲホと咳き込むと、バツが悪そうに顔を伏せた。

「だ、大丈夫ですか阿部さん?」

「ああ、うん、うん。もう大丈夫、平気だよ」

「それでさっきの話なんですけど……聞き違いじゃなければ阿部さん、キミがどうのとか……」

げえっ、こいつしっかりと聞いてやがった。俺の隠蔽工作は失敗に終わったのか。まずい、このままではここで全てが露見してしまう。何とかしなければ。俺は脳内のCPUをフル回転させた。

「き、きみ、キミコ、貴美子。そうそう、俺ってさ、余貴美子みたいな女がタイプでさ、うん、そう、あの中に余貴美子みたいな女がいないかなーって言おうとしたんだよ。あははは」

「へえ、阿部さんの趣味、渋いですね。でもあの子たち若いから、さすがに余貴美子に似た人はいないと思いますよ」

「そうだよな、はは、そりゃそうだ。あはははは」

ふう、なんとか誤魔化せたようだ。俺はドッと冷や汗をかいた。

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阿部寛

「阿部寛だろう、やはり」

ゲイ界をリードできるのは、やはり阿部さんを置いて他はない。名前も俺と一致しているのがまた、いい。俺は阿部さんの熱狂的なファンだった。阿部さんの写真集だって持っている。写真集、全1ページ。俺の精液で全部のページがくっついたからだ。ああ、阿部さん……またも脳内で陶酔していると、正樹が不思議そうな顔で俺を見つめていた。い、いかん。

「えーと、女の子の……」

「あ、ああ、そうだったな。悪い悪い、好きな俳優は誰ですかって聞こえたもんでね。どうも最近耳が遠いもんで。でもな正樹くん、女性のことを容姿だけであれこれ判断するのはいただけないぞ」

「あ、はい。そうですね、すみません……」

いけない、トーンがきつくなったか。正樹は急にシュンとしてしまった。その落ち込んだ顔が、またそそる。本当にゲイ泣かせのやつだぜ。

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着替えて談話室へ

一旦部屋に戻って着替えると、玄関脇の談話室で落ち合った。

大きな茶色のテーブルを囲んでソファが置かれている。
俺たちは夕食が始まるまでの間そこに座って待つことにした。
丁度俺たちが腰をかけた時、二階からキャピキャピとした女の声がした。OL風の三人組みだ。

「ふん……」

俺は女たちに侮蔑的な視線を与えると、軽蔑するように鼻で笑った。どうせ腰を振ることくらいしか能のない淫売たちだろう。吐き気がする。世の中からマンコなんてなくなればいいんだ。そうすれば俺たちのパラダイスが出来上がるのに。聖書の登場人物もアダムとアダムで十分だ。そして俺は禁断の果実をタイトなジーンズに捻じ込んで……。

「阿部さん、どの子が好みなんですか?」

正樹がねっとりとした声でとんでもないことを囁いてきた。こいつ、俺の気持ちが分かって言ってるのか?それでも無視するのも気まずいので俺は

A「何言ってんだい、そんなつもりで見てたわけじゃないさ」

B「正樹くん、実は俺はキミのことが……」

C「阿部寛だろう、やはり」
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そんなところでいい

「あ、ああ!もうそんなところでいいぜ!」
俺は慌てて飛び起きた。

「もういいんですか?遠慮しなくてもいいのに」

「いや、本当にもういいんだ。ありがとう。楽になったよ」

これ以上揉まれると理性が限界破裂してしまう。まだまだ夜は長いんだ、じっくり楽しまないとな。

「さ、そろそろ下に降りようか」

「そうですね」

心なしか正樹の目が潤んでいるような……。まあいい、後でじっくりと確かめてやろう。俺は少しだけ高揚した気分で談話室へと降りた。

談話室には大きな茶色のテーブルを囲んでソファが置かれている。
俺たちは夕食が始まるまでの間そこに座って待つことにした。
丁度俺たちが腰をかけた時、二階からキャピキャピとした女の声がした。OL風の三人組みだ。

「ふん……」

俺は女たちに侮蔑的な視線を与えると、軽蔑するように鼻で笑った。どうせ腰を振ることくらいしか能のない淫売たちだろう。吐き気がする。世の中からマンコなんてなくなればいいんだ。そうすれば俺たちのパラダイスが出来上がるのに。聖書の登場人物もアダムとアダムで十分だ。そして俺は禁断の果実をタイトなジーンズに捻じ込んで……。

「阿部さん、どの子が好みなんですか?」

正樹がねっとりとした声でとんでもないことを囁いてきた。こいつ、俺の気持ちが分かって言ってるのか?それでも無視するのも気まずいので俺は

A「何言ってんだい、そんなつもりで見てたわけじゃないさ」

B「正樹くん、実は俺はキミのことが……」

C「阿部寛だろう、やはり」
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一旦着替えて

一旦部屋に戻って着替えてから、夕食までどちらかの部屋で話でもしようということになった。

俺は素早く服を着替え終わった後、落ち着きなく部屋をうろつきまわった。正樹が俺の部屋に来る。誘った俺が言うのも何だが、警戒心というものがないのだろうか?安全な男だと思われているのかもしれない。色々と考えていると、コンコン、とノックの音がした。

「開いてるぜ」

ガチャリとドアが開いて、正樹が入ってきた。

「へえ、僕の部屋と同じなんですね」

正樹は変に感心しながら、ドサッと重い音を立ててベッドに腰を下ろした。

「どうしたんですか、阿部さん?座りましょうよ」

正樹と二人きりの部屋……俺は下半身の動揺を押し隠しながら、もう一つのベッドに腰をかけた。

「アイタタタ。さすがに疲れた。相当疲労が溜まってたんだな。俺のふくらはぎン中がパンパンだぜ」

そう言っておもむろに足を揉む。まったく、運動不足だなこれは……。

「慣れないうちは仕方ないですよ。僕なんか全然平気ですよ」

そう言って足をプラプラと振る正樹。無邪気なその姿がたまらなく可愛い。ムクムク。下半身に邪悪な吹雪が吹き始める。ダメだジョン、まだ早い…!

「マッサージしてあげましょうか?」

「優しくしごいてくれ」

「え?」

「え?マッサージ?」

「ええ、僕、得意なんです」

正樹は返事も聞かずに俺のベッドに乗ってくる。

「さ、うつぶせになって下さい」

言われるままにうつぶせになると、カンカンに激怒した息子がベッドと激しい諍いを繰り広げてしまった。痛い。

「阿部さん?」

「あ、ああ、悪い悪い。うつぶせね」

俺はやっとの思いでチンポジ(チンコポジション)を調節すると、そろりそろりとうつぶせになった。

(お父さん、苦しいよ)

息子の声なき声が聞こえる。すまない息子よ、苦労をかける。
正樹は俺のふくらはぎのあたりを両手で揉みほぐし始めた。

「どうですか?」

「すごく……てもみんだ……」

思わず溜息が漏れた。正樹の滑らかな手が、ふくらはぎから太股へと滑る。


A「あ、ああ!もうそんなところでいいよ!」
俺は慌てて飛び起きた。


Bもうちょっと…もうちょっと上へ…。
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くそみそ

「どうせ俺は滑るよりもくそみそになる方が似合ってるよ」

「え?くそみそ?」

「い、いや、何でもない」

危ない危ない、危うく俺が男好きだってバレるところだった。正樹にはまだカミングアウトしてないからな。慎重に行かなければ……。

「でも高和さん、上達早いと思いますよ」

正樹もゴーグルを外し、笑顔を見せる。

数時間ぶりに見るその笑顔は、雲の向こうから尻をのぞかせている太陽のようだ。俺は改めて正樹を見つめた。白いスキーウェアに清潔な黒髪がよく映えている。どんな難所でも軽々と滑り降りる彼は、ハッテン連中にも注目の的だった。誰しもがそのゴーグルの下に、ガチムチ顔を期待したはずだと思う。スキー場とはそういうものだ。いや、違うか。まあどうでもいい。

正樹なら、と俺は思った。

正樹なら誰の期待も裏切らないに違いない。

さっきから雪国育ちの正樹にさんざん腕の差を見せ付けられてうんざりしていた俺だったが、今だけは誇らしい気持ちになった。俺は彼の素顔だけでなく、分厚いスキーウェアのしたに隠されたスタイルがどんなに魅力的かということも知っている。

「もう一回だけ滑りましょうよ?」

「何っ?まだ滑るのかい」

俺はげんなりして聞き返した。このままでは夜の体力がなくなってしまう。
朝からの猛特訓で、俺は立っているのもやっとという状態だったのだ。勃つが。

「いいじゃないですか。ね?あと一回だけ」

正樹は拝むように両手を合わせる。

A「もう、帰ろうぜ。それにほら、雲行きだって怪しいし」
 俺はそう言って、空を指差した。


B「や ら な い か」
俺はそう言って、ケツを突き出した。


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もっと上へ

もうちょっと……もうちょっと上へ……。俺は快楽に身を委ねながら、そんなよからぬことを考えていた。

「うわっ!」

しまった、気付かれたか?!と思ったが、そうではなさそうだった。なぜか正樹の目は恐怖に震えている。どうしたというのか。

「どうしたんだ?」

正樹は手で口を押さえ、窓のあたりを見つめて目を見張っている。

「ま、窓……窓の外……」

「窓の外がどうしたってんだい」

俺は顔を向けたが、暗い窓からは何も見えなかった。

「窓がどうしたんだい」

「だ、誰かが見てたんです!」

「おいおい、ここは二階だぜ?」

俺はまさかと思いながらも立ち上がって窓に近寄る。正樹は青ざめた表情のままベッドから動こうともしなかった。可愛いやつめ。

俺はガラスに鼻をつけるようにして外の闇をのぞいた。ゴツン!鈍い音がなる。何だ?と思ってよく見ると、俺のいきり立ったマラが壁に当たった音だった。騒々しい。

改めて外を見る。中の明かりに照らされて、雪が待っているのが分かるだけだ。俺は思い切って窓を開けてみた。狂ったように舞う吹雪の中に頭を突き出し、ぐるりと見回す。

「何も見えな……」

そう言いかけた時だった。感じる……気配を、人の、気配を!

「誰か、いるぞ!」

背後で正樹が息を飲むのが分かった。こんな吹雪の中、人がいる?しかも二階の窓の外に…?俺は身震いしたが、正樹の手前情けない姿は見せられない。俺は意を決して窓から首を出し、ぐるりと外を見渡した。と、その時……

国分「俺に覗かれた時どう思った?」

「こ、国分さん!」

驚いたことに、窓の外にはTOKIOの国分がいた。着ているTシャツには大きなフォントで『ガチムチファイトクラブ』と書かれている。なるほど、そういうことか……俺の頭の中で点と点が線につながった。くるりと部屋の方を振り返る。正樹がにやり、と笑っていた。俺はやれやれ、と笑いながら国分を部屋に招き入れると、ベッドの方に歩いた。その時。

竹原「お前ら。シャドーフェラチオ3R開始じゃ」

ガチムチファイトクラブの鬼コーチ、竹原が部屋の真ん中に仁王立ちしていた。全裸で。チンコも仁王立ちしていた。包茎だった。ミニマム級だった。

畑山「へえ、自動車修理工なんだ。すごいね。フェラしていいよ」

右から声がした。特別コーチの畑山だ。小柄なコイツの体には、正直興味はない。けれど畑山のペニスはすでにギンギンになっていた。デンプシーロールしていた。仕方がない、スケープゴートを立てなければ。

「おい!浪速のバター犬はいないか!」

亀田「ここに」

「畑山さんとスパーしろ」

亀田「寝てても勝てるわ」

そういうと亀田は畑山の亀田に食いついた。さすが浪速のバター犬。俺は正樹の相手をするべく亀田と畑山に背を向けた。

亀田「どんなもんじゃアッーーーー!!」

断末魔の悲鳴が聞こえた……気がした。

「さあ正樹、始めようか」

竹原「誰が勝手にスパーせい言うたんじゃ。お前はシャドーセックス10Rじゃ」

「ンだコラ!やんのかコラ!」

俺は激昂して竹原の襟首を掴んだ。と思ったらそれはチンコだった。竹原のチンコ、さっきまでミニマム級だったはずなのに今見るとスーパーヘビー級にウェイトが上がっている。まさにダイナマイトグローブだ。ゴクリ。俺は生唾を飲み込んだ。

竹原「弱い犬ほどよう吼える、言うけんのう」

そう言うと竹原は己のタイソンに8オンスのグローブをはめた。

城島「竹原さん、それどないするんっすか」

竹原「コンドーム代わりじゃ」

そう言うが早いか、竹原は既に俺の後ろに立っていた。速い。これが世界を獲った男のスピードなのか。俺はなすがままに押し倒された。

竹原「ボクシングなめんなよ」

竹原は俺の耳元でそうウィスパーして、アヌスをぐいと乱暴に押し広げた。待て、待て。いくらなんでもそれはない。さすがの俺でもそのサイズは有り得ない。破裂する、ケツが裂けちゃう溢れちゃう。

「や、やめ」

竹原「なにがじゃ」

ずん、と重い衝撃が下腹部に走る。これが、世界の、実力なのか……。
あまりの衝撃に意識が遠のく。俺はもうおしまいだ。薄れ行く意識の中、俺が最後に見たのは亀田父がやくみつるのアヌスに数珠を押し込んでいる姿だった。

「なんでもアリかよ……」


終 
END No.4
「ガチムチファイトクラブ」
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くそみそボブ

「じゃあ、俺はちょっとボブさんにお礼を言って来るよ。いい男たるもの、礼儀が大切だからな」

「はい、分かりました。じゃ、先に部屋戻っておきますね」

そう言ってパタパタと階段を上っていく正樹。すまない正樹、俺は今から、お前を、裏切る。

「でも、お前が悪いんだぜ……?」

俺は口の中だけで呟いた。つれない正樹。いつまで経っても俺の出すサインに気付かない正樹。寝込みにそっとチンコを揉んだこともあった。それなのに、それなのにアイツは……!

「阿部君、どうしたんだい?」

「ボ、ボブさん……」

気付くと俺はボブさんの目の前に立っていた。ボブ権田。北海道出身のフランス人だ。正樹とは父違いの母違いらしい。どちらかといえば優男風の正樹と違って、ボブさんは体つきもガッシリとしたガチムチ六尺兄貴系だ。この人のフトマラに貫かれたらと思うと……。

「あ、阿部くん!どうしたんだい、涎が……」

「い、いえ!ハハ、どうもお腹が空いてしまって……」

いかんいかん。どうも理性が決壊しかけているようだ。無理もない、こんな逞しい男を目の前にしていたら誰だってそうなる。俺は目を落とした。するとそこにはとんでもない光景が待っていた。

「ボ、ボブさん!何て格好してるんですか!」

ボブさんは上は素肌に革ジャン、これはまだいいとして、下半身にはブーメランタイプのTバックを履いていた。寒くないのだろうか?いや、これはそういう問題ではない。

「ああ、これかい?そんなに珍しいことじゃないよ。ほら、暖房の効いたペンションの中は暑いから……信州ではよくあることさ」

信州、初めてきたが素晴らしい、いや恐ろしい土地だ。もしかしたら蕎麦を打ちながら蕎麦棒などを拡張肛門に突っ込んだりしているのかもしれない。とんでもない土地だ、信州は。信州民はみな変態だ。

「ところで阿部くん、これを見てくれ。こいつをどう思う?」

そ、それは俺の台詞……!と思ってビックリしたが、ボブさんの手には野生のものだろうか、大きな自然薯が握られていた。ゴクリ、これは大層ネバつきそうだ……。

「すごく……大きいです……」

ボブさんの不思議な色をした瞳の前に、俺は10代の少女のように従順になってしまった。普段はアグレッシブでワイルドな俺なのに……俺は一体どうしちまったんだ?そんな俺の戸惑いをよそに、ボブさんは自然薯を持ってにじり寄って来る。

「でかいのはいいからさ。このままじゃ収まりがつかないんだよな」

そう言うとボブさんは自然薯を持った手でヒョイと俺の太ももを持ち上げ、左手にあったすりおろし器で自然薯をゴシゴシとすりおろし始めたのだ。

「ああっ!」

たまらず俺は黄色い声を上げる。こんな……股下で自然薯をすりおろされるなんて……なんて卑猥……!信州人は変態……!!

「いいぞ…よく締まって吸い付いてきやがる……!」

そう言ってゴシゴシと自然薯をすりおろすボブさん。吐息も荒い。僕はたまらなくなって聞いた。

「お、おにいちゃん、野菜はいっぱい採れたの?」

「ああ、大収穫さ」

「あああああすごいいいいいい!な、なにが、ハァハァ何が採れたの?」

自然薯を指で巧みにゴシゴシと弄びながらボブさんは答えた。

「ワラビとか、椎茸がいっぱい採れたよ」

言葉を聞き、俺はびくんびくんと身体をひきつらせた。

「はっ!はぁぁぁぁぁあんっ!レンコンは?レンコンは、と、採れたの?」

自然薯をこする。

「ああ、でかいレンコンが採れたよ。今年一番の収穫だ」

「収穫!秋の収穫祭!レンコンンンンンン!おにいちゃんかっこいいいいぃぃいい!!」

叫ぶ。俺の股下にはネロネロにすりおろされた自然薯。


狂気のサバトは、こうして始まった……。


終 
END No.3
「秋の大収穫祭」
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自殺

俺は、意味はないけれど自殺することに決めた。

今の日本では、俺みたいな人間はは生き辛い。
満足に恋人を見つけることすらできやしない。

言いたいことも言えないこんな世の中じゃ……俺の心は、既にズタボロだった。

「アバヨ……」

柳沢信吾風の声でそう呟くと、俺は医者に処方された30日分のフリスクをアナルにねじ込んだ。

「アッーーーー!!!」

意識が、途切れ途切れになっていく。さよなら、正樹……

ギギー
その時、何かの音が聞こえた。

「………」

ドアが、開いている……?

「阿部くん……シュ、シュ、シュ」

薄れ行く意識の中、俺が最後に見たものはボブさんが俺の痴態を見て自分のフトマラを上下にさすっている姿だった……。



終 
END No.2
「ボブさん、アンタもか」

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行こうか!

「いいね!行こうか!」

俺は勢いづいて席を立ち上がると、そのままスタスタと食堂を後にした。まずは二人っきりになること、それが先決だ。

「お、おい、外は吹雪……」

俊夫くんが何か言ってたけれど、そんなのは聞いちゃいられない。今は正樹とのことしか考えられないのだから。俺は4WDの運転席に乗り込むと、キーを差し込みアクセルを吹かした。と、助手席に正樹も乗り込んできた。

「さあ、行こうか!」

俺はサイドブレーキの代わりに自分のチンコを引いてアクセルを踏んだ。し、しまった!これはチンコ!サイドブレーキじゃない!

ドカーン!車は爆発、炎上した。
俺たちは死んだ。


終 
END No.8
「ケアレスミスの果てに」
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この吹雪じゃあ……

「この吹雪の中で?無理に決まってる!」

俺は反射的に正樹をたしなめた。窓の外を見る。吹雪が猛烈な勢いで荒れ狂っていた。

「いやいや阿部さん、男は度胸!何でも試してみるものですよ。きっと気持ちいいですよ?」

ううん、確かにそう言われればそんな気もしてくるから恋というものは全く盲目だ。俺は目を瞑って思案した。吹雪く山。遭難する二人。手を取り合う俺と正樹。そして、そして。「あ、阿部さん。寒いです……」
「寝るな正樹!寝たら死ぬぞ!」「ダメです。もう眠いんです。寝かせて下さい……」「ダメだ!眠いのなら何か他のことを……そうだ、いいこと思いついた。お前、俺のケツの中でションベンしろ」「えー!おしりの中へですかァー?!」「ほら、遠慮しないで入れてみろよ」俺はそう言うと素肌にまとったツナギを脱ぎ捨て逞しい尻を正樹の前に突き出した。自分の肛門の中に小便をさせるなんて、なんて人なんだろう。しかし彼の固く引き締まったヒップを見ているうちにそんな変態じみたことを試してみたい欲望が「…べさん!」

「阿部さん!聞いてるんですか?」

「ええ?何だって?」

「だから、ナイターですよ!」

「え、ナイター?」

気付くと俺はまだシュプッールの食堂にいた。どうやら俺はまた激しく妄想を繰り広げてしまっていたらしい。正樹は何も答えない俺にイラついたようで、指で机の上をトントンと叩いている。マズイな……。

「おい、流石にこの吹雪だ。ナイターどころじゃないぜ?」

そう言って助け舟を出してくれたのは、俊夫くんだった。このさりげない気配り、優しさ。瞬時に俺は

(抱かれてもいいな)

と思ってしまった。な、何を考えているんだ、俺は!俺には正樹がいるってのに……憎い!この淫らな体が憎い!

「そうですかー。じゃあ諦めようかな。まだ明日もあるし」

「そうそう、無理はしないことだぜ。オーナーに心配かけるなって」

いっそのこと3Pもありかな、と思った。容姿でいえば正樹、肉体でいえば、俊夫くん。二人合わせればまさにパーフェクト超人。二人はプリキュア。これだな、このプランで行こう。俺はこの計画を是が非でも成し遂げることを決意した。

「仕方ない、じゃあ談話室に戻ってUNOでもしましょうか。僕、UNO好きなんですよね」

そう言って正樹はポケットからUNOを取り出す。この男、中々用意がいい。俺たちは席を立つと談話室に向かった。

談話室に出ると、何やらボブさんとアバズレ三人組が揉めていた。

「だから!落ち着いて話して下さいよ」

イラついた様子で三人組を宥めているボブさん。一体何があったというのだろう。俺は耳をそばだてた。

「部屋の前に、こんな紙が落ちてたんです!あたしたち、気持ち悪くなっちゃって」

「紙?」

俺は思わず声に出して呟いてしまった。しまった。また悪い癖だ。一同の視線が俺に集まる。これ以上は傍観者としてもいられないので、仕方なく俺は一団の輪の中に入った。

「一体何があったってんだい。俺が聞こうじゃないか」

アバズレは不審げにひそひそと話している。無理もない、先ほどの写真撮影の一件は確かに俺にも非があった。それでも、一人でも多くの人間に悩みを聞いて欲しかったのだろう、アバズレは「実は……」と重い口を開き、俺に紙を手渡してきた。この紙が、彼女達の部屋の前にあったらしい。

「読んでもいいのかい?」

その言葉にこくりと頷くアバズレ。俺は遠慮なしに紙を開いた。ボブさんも俺の後ろから覗き込む。するとそこには赤い文字で……


こんや

12じ

だれかが




アッーーーーーー!!!




「今夜、12時、誰かが………これなんて発音すんだ?」

「アッーー!!!ですよ」

「アーーッ!!!かい?」

「違います、アッーーー!!!です」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「そうそう。いい感じです。しかしこれは一体……」

「何か、気持ち悪い……!」

「オーナー、アタシたちあんな部屋じゃ眠れないです!」

「ううん、でもまあ、誰かのイタズラメモがたまたまお客さんの部屋の前で落ちただけかもしれませんし……」

「あ、そっかー。そういうこともあるわよね」

「なんだ、解決じゃーん」

「そうと分かったらもういいわ。行きましょ。オナニーして寝ましょ」

女たちはスタスタと足早に去った。

「最近の若い娘は切り替えが早いな……」

「全くです……」

「最近の若い子ってひどいですねー」

それまでずっと押し黙っていた正樹がおもむろに口を開いた。あまりの展開に入ってこれなかった、というような風情だ。俺もやれやれ、というような笑顔で応じる。

「とりあえずソファーに座るか」

「そうですね、そうしましょ……」


アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


その時。
ペンション全体に響き渡るような叫び声が聞こえた。
俺は手の中に未だ握っていたメモに目をやる。まさか……

こんや
12じ
だれかが
アッーーーー!!!

(まさか……そんな……!)

「な、なんですか今の叫び声は!」

声を聞きつけてボブさんが談話室に現れた。

「に、兄さん、今、上の方から叫び声が聞こえてきたんだ!み、見に行かないと!」

「そ、そうだな。すまないが二人ともついて来てくれ!」

俺たちは揃って頷くと、バタバタと2階に駆け上がった。一体……一体何が起こっているんだ……?!

俺は胸の奥から湧き上がる不安を抑えきれずにいた……。


(真相編へ続く)
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物置だ

物置だ
確かに音は物置の方から聞こえた。俺は猫に気付かれて逃げられないように、慎重に足音を忍ばせて廊下を進む。

ギシ……ギシ……

どれだけ注意を払っても、やはり木は軋んでしまう。こればかりは仕方がない。抜き足差し足しながら、ようやく物置の前にたどり着いた。

カリカリ カリカリ

やはり音の発生源はここからのようだ。
俺は深呼吸をすると、勢いよく物置の扉を開けた。

ガタン!

するとそこには生き物の影が!







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「なんだ、ヒヨコか」

そこにはエロカワイイ一匹のヒヨコがいた。目的の猫ではなかったので俺はガッカリした。
するとパタパタと誰かが階段を上ってくる音が聞こえてくる。

「阿部さん、いましたか……アッーーー!!!クンニー!クンニーそこにいたのか!」

「え!」

これが、クンニー?てっきり俺はヒヨコかと……などと感心している暇はない。さっさとクンニーを捕まえなければ!和牛ファックは俺のものだ!

「オラッ!大人しくお縄を頂戴しやがれ!」

「ニャーン!」

捕まえられる気配を察知したのか、クンニーは素早く俺の手から逃げた。待て!和牛ファックは俺のものだ!

ドタドタと廊下を走り、反対側の角まで追い詰めた。いくら猫とはいえ、所詮は野生を捨てた飼い猫。生きるか死ぬかの世界で生きている俺の前では赤子も同然だ。

「さ、観念するんだなクンニーよ……」

俺は肩で息をつきながら、ニヤリと笑ってクンニーに手を伸ばす。フフ、これで和牛ファックは俺のものだ。しかしこの油断がいけなかった。ギラリ、と妖しく目を光らせるクンニー。その次の瞬間だった!

「ニャーース!!」

ガバッ!クンニーが俺に向かって飛び掛って来た!そして素早く俺のチャックを引き下ろす手つきはまさに熟練の娼婦のそれ!あまりにも手馴れた手つきに、俺はなすがままになった。クンニー、こいつは一体……。

そしてクンニーは俺を組み敷くと、ニタリと笑ってパンツを引き下ろす。か、堪忍……!そこには観音様がおりますのんや……!

「ペロペロ。ペロポネソス半島」

「ああ、キャッツ!バターキャッツ!」

そういうことだったのか、俊夫くんよ。キミたちはクンニーをこういう風に使って……そして……!

「はにゃん!そこはらめぇ!」

俺は思わず悲鳴を上げる。クンニーの調教ぶりたるや凄まじく、俺の股間はたちどころに涅槃に包まれた。なんかもう、なんでもいいや……俺は快楽に身を委ねた。その時だった。

バタン!

「K察です。動くな!動物愛護法に違反しているのはどいつですか?」

「あいつです」

「このキャッツアイめ……逮捕だ!」

ガチャン。冷たい手錠が俺の手に回される。
どうしてこんなことに……俺はただ……スキーをしにきただけなのに……。
連行されるパトカーの中。赤く回る赤色灯の光が、白い白い雪を血のように真っ赤に染めていた。


終 
END No.7
「赤く燃えるゲレンデ」
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正樹に知らせる

正樹に知らせる

奴には既に何の未練もなかったが、一応同行者のよしみだ。俺は温情を以て正樹に知らせることにした。廊下を来た方に戻り、俺は階段を下りた。

談話室に出ると、何やらボブさんとアバズレ三人組が揉めていた。

「だから!落ち着いて話して下さいよ」

イラついた様子で三人組を宥めているボブさん。一体何があったというのだろう。俺は耳をそばだてた。

「部屋の前に、こんな紙が落ちてたんです!あたしたち、気持ち悪くなっちゃって」

「紙?」

俺は思わず声に出して呟いてしまった。しまった。また悪い癖だ。一同の視線が俺に集まる。これ以上は傍観者としてもいられないので、仕方なく俺は一団の輪の中に入った。

「一体何があったってんだい。俺が聞こうじゃないか」

アバズレは不審げにひそひそと話している。無理もない、先ほどの写真撮影の一件は確かに俺にも非があった。それでも、一人でも多くの人間に悩みを聞いて欲しかったのだろう、アバズレは「実は……」と重い口を開き、俺に紙を手渡してきた。この紙が、彼女達の部屋の前にあったらしい。

「読んでもいいのかい?」

その言葉にこくりと頷くアバズレ。俺は遠慮なしに紙を開いた。ボブさんも俺の後ろから覗き込む。するとそこには赤い文字で……


こんや

12じ

だれかが


アッーーーーーー!!!


「今夜、12時、誰かが………これなんて発音すんだ?」

「アッーー!!!ですよ」

「アーーッ!!!かい?」

「違います、アッーーー!!!です」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「アッーーー!!!」

「そうそう。いい感じです。しかしこれは一体……」

「何か、気持ち悪い……!」

「オーナー、アタシたちあんな部屋じゃ眠れないです!」

「ううん、でもまあ、誰かのイタズラメモがたまたまお客さんの部屋の前で落ちただけかもしれませんし……」

「あ、そっかー。そういうこともあるわよね」

「なんだ、解決じゃーん」

「そうと分かったらもういいわ。行きましょ。オナニーして寝ましょ」

女たちはスタスタと足早に去った。

「最近の若い娘は切り替えが早いな……」

「全くです……」

俺は呆然と女たちを見送ると、そのままの足で食堂に向かった。正樹の姿は……いた。食堂の片隅で一人黙々とビールを飲んでいる。全く一人酒とはな。暗い奴だ。俺は溜息をつきながら近づいた。

「おい正樹、お前の部屋に誰かい……」

「うっ、うっ、うっ……」

泣いている……?近づくとよく分かる、正樹は声を上げて泣いていた。しかし、一体どうして……?

「お、おい。どうしたんだよ正樹、何泣いてるんだ?」

するとうなだれていた正樹はゆっくりと顔を上げた。目が赤く腫れている。こんなに泣いて……折角の男前が台無しなんだぜ……?

「あ、あべさぁぁぁん。僕、僕……うっ、うっ……僕のこと、嫌いになっちゃったんですかぁぁぁぁ……」

「え……」

つまり、正樹はさっきの俺の言葉を受けて今までメソメソ泣いてたってのか?普段はあんなにつれなかったくせに……今になって……こいつって奴ぁ……。

(かわいいとこあるじゃないの)

俺は着ていたタンクトップを脱ぐと、そっと正樹の肩にかけてやった。俺の優しさに、正樹は泣き笑いのような表情になる。

「あ、阿部さん……俺、俺……」

「さ、もう泣くな。談話室にでも行こう。少し二人で話さないか?」

こくり、と正樹が頷いた。俺は正樹の手を取り、共に談話室に向かった。

「とりあえずソファーに座るか」

「そうですね、そうしましょ……」

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

その時。
ペンション全体に響き渡るような叫び声が聞こえた。
俺は手の中に未だ握っていたメモに目をやる。まさか……

こんや
12じ
だれかが

アッーーーー!!!


(まさか……そんな……!)

「な、なんですか今の叫び声は!」

声を聞きつけてボブさんが談話室に現れた。

「に、兄さん、今、上の方から叫び声が聞こえてきたんだ!み、見に行かないと!」

「そ、そうだな。すまないが二人ともついて来てくれ!」

俺たちは揃って頷くと、バタバタと2階に駆け上がった。一体……一体何が起こっているんだ……?!

俺は胸の奥から湧き上がる不安を抑えきれずにいた……。


(真相編に続く)
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皮が擦り切れる

続行!皮が擦り切れるまでオナニー

「室伏、室伏」

俺は更にイマジネーションを高めながら、オナニーを続けた。平井堅から室伏への彼なるシフト。俺の必勝パターンだった。

「でもホント、美味しい料理だった……キャーーーーー!!」

見つかってしまった。もう言い逃れはできまい。俺は諦めてチンコを握ると「デューク更家、デューク更家」と呟きながら再びシュ、シュ、シュと擦り始めた。

「な、何してるんですか!!」

啓子と呼ばれたアバズレの一人が絶叫した。ふん、オナニーを知らない年でもあるまいし。何を生娘ぶっているのやら。

「オナニー。ギリシャ神話によるとオナンが起源というオナニーさ」

「いやあ!不潔!」

そう叫ぶと啓子と呼ばれたオサセは懐から青龍刀を取り出すと、俺に向かって振り上げたした。光る刀身、飛ぶ俺の首。空中に舞った俺の頭は、空から首のなくなった俺の体を見つめる。首のなくなった体は、それでもシュ、シュ、シュ、とチンコを擦ることを止めていなかった。さすが俺。薄れ行く意識の中、俺は最後の力を振り絞って、果てた。


終 
END No.6

「サヨナラは青龍刀と共に」
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